井上尚弥、世界9人目4団体統一王者へ「この試合はバンタム級の最終章という位置付け」一問一答

プロボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が来週の大一番に向けて練習を公開した。
東京・有明アリーナでWBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)との4団体王座統一戦を13日に控え、7日に横浜市の所属ジムで練習を公開。日本人初、アジア初、バンタム級初、世界で9人目となる4団体統一王者を目指す。井上の主な一問一答は次の通り。
◇ ◇ ◇ ◇
-6日にバトラーが来日した。現在の心境は
「来日していよいよだなと気が引き締まりましたし、写真を見る限り、体調とコンディションがよさそうなので、あと1週間、しっかりとお互いに仕上げて試合当日を迎えたいと思います」
-バトラー戦のイメージは完成しましたが
「どう闘うのかは何となく想定できています。試合当日のリングで向かい合って、あとは駆け引き、自分の直感で闘っていこうと思っています」
-11月28日のスパーリング打ち上げ以降、マスボクシングなど実戦に近い練習はしましたか?
「マスボクシング、昨日は(元WBC世界バンタム級暫定王者の弟)拓真とスパーリングに近い、ほぼスパーリングを8ラウンドやりましたね。(パンチを)当ててます。今回はかなり最後まで動いて仕上げています」
-減量面は
「順調に進んでいます。あと1週間切っているので、微調整の段階にきています」
-9月の米ロサンゼルス合宿で大橋会長が「さらに強くなった」という話をしている。本人としては思い当たる部分はあるか
「やっぱり環境を変えてトレーニングしたのが1番大きいです。その中での自分の感覚だったり、ボクシングに対する、本当に『感覚』です。そのあたりがすごく伸びたなと思います」
-長いラウンドのスパーを続け、何か新たなボクシングはみせられそうか
「前回のドネア戦というのは、KO決着という強さだけが際立った試合になりましたけれど、今回のバトラー戦は高い技術を持った選手なので、技術戦など最近みせられていないテクニックの高い試合を見せられるのではないかなと思います」
-4団体統一を成し遂げたらご褒美は
「ないですね。ここはあくまでも通過点として考えているので、勝ったらどうとか考えていないです。すぐに、その先の試合に向けて出発していきたいと思います」
-八重樫トレーナーのもとメニューの変化、井上選手自らメニューについて要望することは
「昨年11月からスタートした(八重樫氏との)フィジカルというのは、このバンタム級で闘うためのフィジカルトレーニングなので変えることないです」
-4団体統一は日本初、アジア初、バンタム級初、4本のベルト全KO奪取など数多くの記録がかかっている。意気込みは
「この試合というのはそういう意味を持つ、いろいろな記録もかかる試合になると思いますが、それはあくまでも記録であって、ここが自分のゴールではないです。この試合はバンタム級の最終章という位置付けであり、スーパーバンタム級で闘う上でのスタートになると思います。危なげなくしっかりと圧倒するパフォーマンスで勝ちたいと思います」
-4団体統一へ、今までと違う高揚感はあるか
「バンタム級で4年間闘い、バンタム級で闘うのが最後なのかなと思うと今まで以上に気持ちも乗ります。またスーパーバンタム級に転向していくというアピールをしていかなくてはいけない試合だと思います。より一層、気合は入ります」
-サッカーW杯で日本代表が躍進した。試合を見て刺激はあるのか
「そうですね、全試合をフルでみられたわけではないですが、報道であったり、ハイライトだったりを目にして、スポーツというものがファンに与える力はすごいなと思いました。自分自身、刺激を受けた試合になりました。これに続いて、自分も、この日本中を盛り上げられたらと思います」
-今回のサッカーW杯日本代表の記憶に残る「このシーン」というのはあるのか
「最後の試合ではPK戦で負けましたけれど、そこの勝負の、本当に1ミリ単位の世界で闘っているのだなというところに刺激を受けました」
- 公開練習で報道陣に対応した井上尚(中央)。右は大橋会長、左端は父真吾トレーナー(大橋ジム提供)
- サンドバッグ打ちで気合の入った表情を浮かべた井上尚(大橋ジム提供)
- 公開練習でサンドバック打ちを消化した井上尚(大橋ジム提供)
- シャドーボクシングで汗を流すWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚(大橋ジム提供)
- ロープを跳び、汗を流すWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚(大橋ジム提供)
- フォームを確認しながらシャドーボクシングするWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚(大橋ジム提供)