井上尚弥挑むSバンタム級は「タレント揃い」、山中慎介と2度対戦ネリなど日本と縁ある選手多数

プロボクシング4団体統一バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が13日、4団体の王座返上とスーパーバンタム級転向を正式表明した。
横浜市内のホテルで記者会見し、WBAスーパー、WBC、IBF、WBOの世界主要団体4本のベルトを返上すると発表。今後は1階級上となるスーパーバンタム級を主戦場とし、日本2人目の世界4階級制覇と世界初となる2階級での4団体統一を狙う意気込みを示した。
井上は「Sバンタム級はかなりタレントぞろいなので誰とやっても。思い付くのは4人の選手がいるが、この4選手については自分からは言うのは避けておきたい」と気持ちの高揚感を口にした。
スーパーバンタム級の世界主要4団体のベルトは2王者が分け合う。
WBAスーパー、IBF王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、WBC、WBO王者スティーブン・フルトン(米国)が実力、実績ともに群を抜く。両王者ともに無敗の王者だ。アフマダリエフは6月、ロニー・リオス(米国)との防衛戦に勝利した際、左拳を骨折中。復帰後はIBF同級1位マーロン・タパレス(フィリピン)との指名試合を義務付けられている。
フルトンは1階級上となるフェザー級転向の話が浮上している。既にWBC世界フェザー級1位ブランドン・フィゲロア(米国)とのWBC世界同級暫定王座決定戦が承認され、両者の21年11月以来の再戦が確実だ。一部の米メディアでは2月25日、米ミネアポリスで開催されるとも報じられている。もしフルトンがWBC世界フェザー級暫定王座を獲得すれば、スーパーバンタム級王座返上の可能性もある。
同級世界ランクには日本選手と縁のある選手が多い。過去にIBF1位タパレス(フィリピン)は岩佐亮佑、勅使河原弘晶、大森将平と対戦。WBC1位には山中慎介と2度闘ったルイス・ネリ(メキシコ)がいる。まだランクインしていないが将来的には元WBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)もやってくる。井上にとって意欲がわき起こる対戦相手が多い。
- 会見を終え4本の世界チャンピオンベルトと写真に納まる井上尚(撮影・垰建太)
- ベルトの返上を発表し会見で質問に応じる井上尚(撮影・垰建太)
- ベルトの返上を発表した井上尚は会見中、IBFのベルトを見つめる(撮影・垰建太)
- 会見を終え4本のベルトを抱え壇上に上がる井上尚(撮影・垰建太)