左足ひきずり引き揚げた貴景勝は「攻めていたから大丈夫だと思います」元白鵬の宮城野親方が推察

<大相撲春場所>◇3日目◇14日◇エディオンアリーナ大阪
綱とりを目指す大関貴景勝(26=常盤山)に、優勝45回の大横綱がエールを送るとともに、自らの綱とりを振り返った。
この日のNHKテレビの大相撲中継で正面の解説を務めたのが、元横綱白鵬の宮城野親方。断髪後、初の解説登場だった。前日の2日目、玉鷲を破り初日を出した貴景勝について「(初日に負けて)よく切り替えてやってくれたと思います。前半で切り替えられたということは中盤、終盤に生きると思います」と今後に期待。さらに「(優勝争いは)追いかける方が楽ですから」と精神的にもポジティブにとらえられることを強調した。
自らは三度目の正直で綱とりに成功したが、2度は失敗した経験がある。その失敗の後、ケガで本場所中に入院したことを振り返り「自分に横綱(昇進)は無理かな…と思っていたけど、病室でNHKの相撲中継を見ていて、仲間たちが一生懸命に相撲を取っているのを見て『もう1回、頑張ろう』と思いました。それで(その後の綱とりに)成功しました」と感慨深そうに思い返していた。
結びの一番では正代を押し出して白星先行となったが、テレビ画面には左足を、やや引きずるようにして引き揚げる姿が映し出された。どの場面で痛めたのかについて宮城野親方は「正代に残された時に膝が伸びたのかな」と推察。実況アナウンサーの心配の声を制するかのように、宮城野親方は柔和な口調で「攻めていたから大丈夫だと思います。勝ったんで大丈夫です」と大事には至らないことを推察していた。
- 押し出しで正代(右)を破った貴景勝(撮影・岩下翔太)
- 正代(右)を押し出しで破った貴景勝(撮影・鈴木正人)
- 正代(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)
- 正代(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)
- 正代(左)に鋭い立ち合いで攻める貴景勝(撮影・鈴木正人)
- 正代(右)を攻める貴景勝(撮影・岩下翔太)