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井上尚弥らボクシング最優秀選手賞候補 2・7発表

アリトロフィーを掲げる井上尚弥(2019年11月7日撮影

日本ボクシングコミッションと東京運動記者クラブのボクシング分科会が12日、都内で19年の年間表彰ノミネート選考会を開いた。

最優秀選手賞候補はワールド・ボクシング・スーパーシリーズを制した井上尚弥(大橋)、日本人初の4階級制覇の井岡一翔(Reason大貴)、ミドル級王座奪回の村田諒太(帝拳)、唯一世界戦3勝の田中恒成(畑中)の4人。受賞者は2月7日に都内のホテルで発表、表彰される。他の各賞候補は次の通り。

◆技能賞 井岡、寺地拳四朗(BMB)、田中

◆殊勲賞 岩佐亮佑(セレス)、村田、井岡

◆KO賞 村田、寺地、栗原慶太(一力)、吉野修一郎(三迫)、勅使河原弘晶(輪島功一)

◆新鋭賞 重岡銀次朗(ワタナベ)、井上浩樹(大橋)、中谷潤人(M.T)

◆努力敢闘賞 野中悠樹(井岡弘樹)、渡部あきのり(角海老宝石)、永野祐樹(帝拳)、田中教仁(三迫)

◆年間最高試合 WBA&IBFバンタム級井上-ノニト・ドネア(フィリピン)、同井上-エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)、WBOスーパーフライ級井岡-アストン・パリクテ(フィリピン)、WBAミドル級村田-ロブ・ブラント(米国)

◆世界戦以外の最高試合 日本ミドル級竹迫司登(ワールド)-加藤収二(中野サイトウ)、WBOアジア太平洋ウエルター級別府優樹(久留米櫛間&別府優樹)-矢田良太(グリーンツダ)、日本ユース・バンタム級石井渡士也(REBOOT.IBA)-石川春樹(RK蒲田)

◆女子最優秀選手賞 天海ツナミ(山木)、佐伯霞(真正)、吉田実代(EBISU K’s BOX)

◆女子最高試合 WBCフライ級藤岡菜穗子(竹原&畑山)-天海、WBOミニマム級佐伯-エリザベス・ロペス(メキシコ)、WBAアトム級モンセラッット・アラルコン(メキシコ)-宮尾綾香(ワタナベ)

バトラーに5回TKO勝利して初防衛を果たし、1本指を立てる村田諒太(2019年12月23日撮影)

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村田諒太TKO初防衛「トップ・オブ・トップ」狙う

5回、バトラー(右)にTKO勝ちする村田(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇23日◇横浜アリーナ

WBA世界ミドル王者村田諒太(33=帝拳)が初防衛に成功した。KO率8割を誇るホープの同級8位スティーブン・バトラー(23=カナダ)の挑戦を受け、5回TKO勝ちを収めた。

昨年10月、米ラスベガスで臨んだロブ・ブラント(米国)との2度目の防衛戦前とシチュエーションが似ていた。当時WBA1位だったブラントに勝てば、次は世界的知名度の持つ王者との統一戦プランが実現しそうだった。今回のバトラーは村田戦決定までWBO1位にランクし、同団体の指名挑戦権を保持していた。勝てば、来年にビッグマッチが組まれる可能性が大きい。ほぼ同じ状況に置かれた村田は、1年前を振り返った。未来ばかりを見すぎ、眼前の準備を整えていたかどうかを自問自答した。

「ブラント1戦目もモチベーションは持っていた。でもブラント対策はなく、練習の中身がなかった。しっかり中身を詰める作業が大事だった」

地道な1歩の積み重ねが未来につながる。頭を整理することで、バトラー戦だけに集中できた。「世界へアピールという気持ちはない。この1戦に懸けないといけない。世界へアピールなんて思って試合したら、ブラント1戦目も負けてますし。同じ轍を踏まないように、1戦集中したい」。

長男晴道くん(8)がインフルエンザと副鼻腔炎、そして長女佳織ちゃん(5)もインフルエンザとなり、5週間近くも都内の自宅に戻ることができなかった。「家族に会えないことを力に変える」とホテル生活を続けた。食事はホテル内で済ませたものの、トレーニングウエアやジャージーなどの洗濯は自ら手洗いしたという。

12年ロンドンオリンピック(五輪)で金メダルを獲得する前の遠征先では洗濯機がない場合、同じように手洗いしていた思い出がある。洗濯物を絞った際、手の皮がむけた経験もある。「あの時、オレは何もなかったなって」。現在の環境に感謝しながら、ガムシャラだった若き自分を思い出し“原点回帰”。今の立場を感謝しながら、年末舞台に向けて自然と気合が入った。

これで初防衛戦をクリアし、来年にはWBAスーパー、WBCフランチャイズ王者サウル・アルバレス(メキシコ)、IBF王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)らとの対戦が現実味を帯びる。「日本人ボクサーとしてある程度の名声をいただきましたが、ボクサーのトップ・オブ・トップかといえば、まったくそうではない。それを目指したいという気持ちがモチベーションにあります」。五輪イヤーとなる20年に、その夢を実現する。

▽村田の話「控え室で調子が良くて、倒せると空回りした。負けたら(アナウンサーの)木村さん泣くでしょ。だから一生懸命やったんですよ。(次戦に向けて)会長、リアルな試合をお願いします。トップ・オブ・トップに行きつきたい。(来年に向けて)東京五輪で花を添えるためにも頑張ります」

◆村田諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日、奈良市生まれ。伏見中1年で競技開始。南京都高(現京都広学館高)で高校5冠。東洋大で04年全日本選手権ミドル級で優勝など。11年世界選手権銀メダル、12年ロンドン五輪で日本人48年ぶりの金メダルを獲得。13年8月にプロデビューし、17年10月、WBA世界ミドル級王座を獲得し、日本人で初めて五輪金メダリストがプロ世界王者となった。家族は佳子夫人と1男1女。183センチの右ボクサーファイター。

2回、バトラー(左)に強烈な右フックを食らわす村田(撮影・狩俣裕三)
大歓声を浴びながら入場する村田(撮影・鈴木みどり)

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村田諒太「虚勢を張ることなく」自然体で決戦へ

挑戦者バトラー(右)とフェイスオフするWBA世界ミドル級王者村田。中央はWBAスーパーバイザーのレンッオ・バグナリオル氏(撮影・中島郁夫)

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が自然体で決戦への準備を整えた。23日の横浜アリーナでの同級8位スティーブン・バトラー(24=カナダ)との初防衛戦に備え、22日に都内のホテルで前日計量に臨んだ。

リミット72・5キロでパスした挑戦者に対し、村田は200グラム少ない72・3キロでクリア。その後の写真撮影では約20秒間のフェースオフ(にらみ合い)をみせると「ただ、あの場を過ごしただけですね。感情はなかった」と淡々とした表情を浮かべた。

再びWBAの黒ベルトを守る立場となったものの「いろいろ意識していないですね」とリラックスした表情。スポーツドリンクとコンソメスープを飲み、心を落ち着かせた。7月のロブ・ブラント(米国)との再戦でも、リラックスした雰囲気で計量を終え、リベンジに成功した経験がある。村田は「前回の試合同様に、無理せず、着飾らず、格好つけず、虚勢を張ることなく、勝負をしたい」と両肩の力を抜いていた。

ラウンドガールたちに囲まれ記念撮影する左からWBA世界ミドル級王者村田、トップランクCEOのボブ・アラム氏、WBAスーパーバイザーのレンッオ・バグナリオル氏、挑戦者バトラー(撮影・中島郁夫)
1回で計量をパスし余裕のポーズを見せるWBA世界ミドル級王者村田(撮影・中島郁夫)

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村田諒太にボブ・アラムCEOエール「私がお守り」

トップランクCEOのアラム氏(右)にあいさつするWBA世界ミドル級王者村田(撮影・中島郁夫)

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が心強い「タリズマン」の激励を力に変える。23日、横浜アリーナで同級8位スティーブン・バトラー(24=カナダ)との初防衛戦に備え、21日に都内で公式会見に臨んだ。

村田のために来日した米プロモート大手トップランク社のボブ・アラムCEOから「私がお守り」と期待され、KO勝ちのエールも送られた。WBC世界ライトフライ級王者寺地拳四朗(BMB)、元3階級制覇王者八重樫東(大橋)も会見に出席した。

   ◇   ◇   ◇

必勝の「タリズマン」が真横にいた。村田は、前日20日に来日したトップランク社のアラムCEOと顔を合わせ、笑顔で着席した。88歳になるアラムCEOから「私が来日することが勝利のお守り」と太鼓判を押されると、村田は「ラッキーパーソンが来てくれたので、心強く思っています。非常にいい練習を積んできた。それをリング上でしっかり見せられるかだと思います」と決意を新たにした。

アラムCEO来日時の世界戦には強い。17年12月のアッサン・エンダム(フランス)戦、今年7月のロブ・ブラント(米国)戦はいずれもKO勝ちを収めた。逆に来日しなかった17年5月のエンダム(フランス)戦はダウンを奪いながらも不可解な判定負けを喫した。アラムCEOは「日本でしっかり彼の試合を見届けようと思った。彼の勝利はもちろん、KO勝利の完全決着してもらうことを期待している」と激励を込めた。

アラムCEOの熱いエールには理由がある。強敵バトラー撃破が前提だが、トップランク社のサポートを受け、来年には4階級制覇王者の現WBAスーパー、WBCフランチャイズ世界同級王者アルバレス(メキシコ)、元3団体統一同級王者の現IBF世界同級王者ゴロフキン(カザフスタン)とのビッグマッチの可能性が高まるためだ。

この日午後、ジムワークを打ち上げた村田は「非常に良い練習を積んできたので、それをリング上で出せるかどうかだけです。結果は神のみぞ知ることなので深く考えず、やってきたことを出そうと思います」と冷静な表情で心を落ち着かせていた。必勝の「タリズマン」の眼前で、KO率8割を誇る24歳のバトラーをクリアし、世界に存在感を示す。【藤中栄二】

質問に答えるWBA世界ミドル級王者村田(撮影・中島郁夫)
トップランクCEOのボブ・アラム氏(撮影・中島郁夫)

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村田諒太「守り神」アラム氏の来日を歓迎「心強い」

トップランクCEOのアラム氏(右)にあいさつするWBA世界ミドル級王者村田(撮影・中島郁夫)

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が、来日した心強い「援軍」を大歓迎した。

23日、横浜アリーナで同級8位スティーブン・バトラー(24=カナダ)との初防衛戦に備え、21日に都内のホテルで記者会見に臨んだ。檀上には、契約を結ぶ米プロモート大手トップランク社のボブ・アラムCEO(88)が同席。同CEOから

「私が来日することが勝利のお守り」と太鼓判を押された村田は「ラッキーパーソンが来てくれたので、心強く思っています」と笑顔で声をはずませた。

17年5月、アッサン・エンダム(フランス)とのWBA世界ミドル級王座決定戦でアラムCEO自らが来日しなかった際、ダウンを奪いながら不可解な判定負けを喫した経緯を挙げ「2回目(17年10月)のエンダム戦、7月のロブ・ブラント戦も来日したら、しっかりと勝ってくれた。日本に来ると良い結果を出してくれている」と強調。最後に「(村田が)KO勝利で完全決着することを期待しています」と激励された。

その熱いエールを送られた村田は「非常に良い練習を積んできたので、それをリング上で出せるかどうかだけです。結果は神のみぞ知ることなので深く考えず、やってきたことを出そうと思います」と気合十分。来年には、アラムCEOの強力サポートを受けながら、4階級制覇王者で現WBAスーパー、WBCフランチャイズ世界同級王者のサウル・アルバレス(29=メキシコ)、元3団体統一同級王者で現IBF世界同級王者のゲンナジー・ゴロフキン(37=カザフスタン)とのビッグマッチ実現も期待できる状況。まずは「守り神」の見守る中、KO率8割を誇る24歳のバトラー撃破で存在感を示すつもりだ。

記念撮影で視線を合わせないWBA世界ミドル級王者村田(左)と挑戦者バトラー(撮影・中島郁夫)
トップランクCEOのボブ・アラム氏(撮影・中島郁夫)

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村田諒太、改良「攻撃型トランクス」で殴り合い制す

村田のもとに到着したバトラー戦用のトランクス

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が「攻撃型トランクス」で年末を勝利で締めくくる。

23日に横浜アリーナで同級8位スティーブン・バトラー(24=カナダ)との初防衛戦を控え、20日に都内で予備検診を受けた。過去1度もトランクスにこだわりがなかった村田が周囲の勧めも受け入れ、殴り合いに適した特注品を準備した。またWBC世界ライトフライ級王者寺地拳四朗(27=BMB)、元3階級制覇王者八重樫東(36=大橋)も予備検診を受けた。

   ◇   ◇   ◇

村田の顔からリラックスした笑みがこぼれた。予備検診の控室。4歳年上の八重樫と大学リーグ時代の話で盛り上がると「八重ちゃん効果です」。自然と両肩の力が抜けていた。「すごくいい状態で練習できましたので、あとはしっかりと結果を出すだけ。期待してください」と自信に満ちた表情を浮かべた。

自信を裏付ける「勝負服」がこの日、届いた。王座奪回に成功した7月のロブ・ブラント(米国)戦で、打ち合いの際にトランクスの両太もも付近が持ち上がり、動きにくかった記憶が頭に残った。過去5度の世界戦で1度も注文を出したことがなかったトランクスの改良に着手。周囲の勧めもあって見直し、所属ジムで数品の試作品でチェック。担当者が「きつい部分などを調整しました。打ち合いにいきやすい」という特注の攻撃型トランクスが完成した。

10月16日の初防衛戦発表会見以来、65日ぶりにバトラーと再会した。予備検診の測定で、身長はバトラーよりも1・7センチ高く、胸囲も6センチ上回った。村田は「計り方で全然違うので」と前置きしながらも「(バトラーは)体が少し細くなったかなと感じました」と体格的で上回っている印象も口にした。世界初挑戦となる24歳の挑戦者が写真撮影時に左腕を挙げ、テンションを上げた姿にも「海外での試合ですし、若いから、いろいろやりたいことがあるのでは」と大人の対応で王者の貫禄をみせた。

既にスパーリングも打ち上げており、計量前日となる21日までジムワークを続ける意向だ。減量も「体重も少し。明日計量でも落とせるところまできている。疲れを残さないように、動いて調整するという感じです」と強調した。攻撃型トランクスも届き、調整も順調。KO率8割を誇る挑戦者に殴り勝つ準備は整った。【藤中栄二】

予備検診を受ける村田。後方は挑戦者のバトラー(撮影・たえ見朱実)

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村田諒太、バトラー撃破し「幸」で19年締めくくる

公開練習を笑顔で終える村田(撮影・山崎安昭)

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が「幸」で19年を締めくくる。23日に横浜アリーナで同級8位スティーブン・バトラー(24=カナダ)との初防衛戦を控え、12日には都内の所属ジムで練習を公開し、今年の漢字1文字に「幸」を選んだ。昨年10月にロブ・ブラント(米国)に敗れた際と似た状況に「同じ轍(てつ)は踏まない」と、1戦集中で幸せに年越しする構えだ。

  ◇  ◇  ◇

今年の世相を表す「今年の漢字」に「令」が選ばれたこの日、村田は「幸」で自らの19年を表現した。その意図は「ボクシングができる幸せ」。練習パートナーとして呼んだスーパーミドル級で無敗のホープ、アイザイア・スティーン(23=米国)との2回のスパーリングを公開。体格で上回る相手をロープ際に追い込み、右ストレート、左ボディー、6連打とパワフルに攻めて好調ぶりを披露。充実した笑みを浮かべた。

1年前は、ゼロから出発したタイミングだった。昨年10月、当時WBA1位だったブラントに敗れて進退に揺れ、最終的に現役続行を表明した時期。今回、拳を交えるバトラーは村田戦決定までWBO1位とランクではブラント級。初防衛成功ならば、来年には4階級制覇王者のWBAスーパー、WBCフランチャイズ王者アルバレス(メキシコ)、元3団体統一王者のIBF王者ゴロフキン(カザフスタン)とのビッグマッチ実現の期待が膨らむ状況も似ている。

村田 世界へアピールという気持ちはない。この1戦に懸けないといけない。世界へアピールなんて思って試合したら、ブラント1戦目も負けてますし。同じ轍(てつ)を踏まないように。1戦に集中したい。

「幸」は私生活への意味もある。「(ボクシング)キャリアにおいてだけが人生ではない。人生においての目標、夢は家族で幸せに過ごすこと。『幸』を感じられることが大切」。長女佳織ちゃん(5)から「がんばってね」とつづられた手紙が届いたことも明かし「(ホテル生活で)家族に会えないことも力に変えたい」と気を引き締めた。19年すべてを「幸」にするため、村田が両拳でバトラー撃破だけに集中している。【藤中栄二】

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村田諒太「自信ある」初防衛戦にスパー仕上がり順調

記念撮影でポーズを決める村田(撮影・山崎安昭)

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が、初防衛戦に向けて好調をアピールした。

23日に横浜アリーナで、同級8位スティーブン・バトラー(24=カナダ)を迎え撃つ。12日に都内のジムで練習を公開し、米国人パートナーを相手に2回のスパーリング。プレスをかけての攻勢で追い込み、仕上がりのよさをみせた。

これまで週1回練習を公開していたが、内容はジムワークだった。試合前最後で初めてスパーを披露した。相手はスーパーミドル級で14戦13勝(11KO)1無効試合と、無敗のアイザイヤ・スティーン(23)が務めた。持ち味のプレスをジリジリとかけていく。ロープを背にさせ、コーナーに追い詰め、右ストレートに連打を打ち込んだ。階級が上の相手に終始攻勢で、順調な仕上がりと練習の成果を見せた。

村田も「すごいいい練習を積んでこられた。あとは疲れを抜きながら、風邪をひかないように」と手応えを得ている。田中繊大トレーナーも「非常に順調」と言えば、浜田剛史代表は「落ち着きが出てきた。前回は追い詰められていたが、幅広く見られるようになった」と評価した。

バトラーに対して「KO率も高く、WBOでは1位と実力がある」と認める。「KOパンチは長い距離での右ストレート」と分析。「序盤に変に打ち合い、狙いにいってもらわないこと。離れた時の右は警戒したい」とスキはない。

7月にV2戦で敗れたロブ・ブラント(29=米国)との再戦で、2回TKO勝ちして王座に返り咲いた。雪辱というモチベーションは高かった。これまでゲンナジー・ゴロフキン(37=カザフスタン)、サウル・アルバレス(29=メキシコ)らの名を挙げたり、東京ドーム開催を熱望し、モチベーションにしてきた。

「今回は野望やモチベーションでなく、この試合に集中している。大きな目標を見ると、足元をすくわれる。同じ轍(てつ)は踏まないようにしたい」。ブラントとの初戦を反省して、一戦必勝を期す。

現在は家族と離れて単身ホテル住まい。長女佳織ちゃん(5)からは「がんばってね」と絵も描いた手紙をもらった。インフルエンザの流行もあって「会わないことにしている。会えないことを力に変えたい。これがモチベーションかも」と笑みを見せた。

横浜アリーナは8回TKO勝ちした前回の初防衛戦以来2度目。年末のリングは3度目だが世界戦は初めてとなる。多くの報道陣を前に「注目されているのは分かっている。しっかりやって結果を残し、結果で喜んでもらえれば。自信はあります」と力強く勝利宣言した。

当日はWBC世界ライトフライ級王者寺地拳四朗(27=BMB)のV7戦、元3階級制覇王者八重樫東(36=大橋)のIBF世界フライ級王座挑戦とトリプル世界戦となる。

ミット打ちで汗を流す村田(撮影・山崎安昭)
公開練習を前に笑顔を見せる村田(撮影・山崎安昭)
公開練習を笑顔で終える村田(撮影・山崎安昭)

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村田諒太の苦い経験、初防衛へバトラーの“足”警戒

公開練習で、発泡スチロールの棒を使って、練習をする村田(撮影・狩俣裕三)

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)がKO率8割を誇る若き挑戦者の「足」を警戒した。

12月23日、横浜アリーナでの同級9位スティーブン・バトラー(24=カナダ)との初防衛戦を控え、21日に都内の帝拳ジムで練習した。相手の強打に備えた実戦トレーニングを積んできた村田は、バトラーの動画を見直し「打ち合ったら損だと足を使ってくる気配がある」と分析。新たにプレッシャーをかけてロープ際に追い詰める作戦も追加したことを明かした。

昨年10月、米ラスベガスでのV2戦の反省を生かそうとしている。ロブ・ブラント(米国)に対して足を使った軽快な動きとパンチの手数でポイントを奪われて王座から陥落した苦い経験が胸にある。村田は「ブラント1戦目みたいな感じにならないようにしないといけない。体を起こされないようにプレッシャーかけて主導権を握っていきたい」と、殴り合いと合わせた2パターンをスタンバイするという。27日にはバトラー戦に向けたスパーリングで最長の8回を消化し「この2週間、すごく良い内容です」と充実の笑み。自らの“追い足”にも磨きをかけ、万全の体制を整える構えだ。

公開練習で力強いボディーを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)
公開練習で、リングにヒモを張り練習する村田(撮影・狩俣裕三)
公開練習中、静かにウオーミングアップをする村田(撮影・狩俣裕三)
公開練習のウオーミングアップ中、笑顔を見せる村田(撮影・狩俣裕三)

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村田諒太スパーリング相手が死去「努力家だった」

WBA世界ミドル級王者村田諒太のスパーリングパートナーを務めたパトリック・デイ

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)のスパーリング相手を務めてきたスーパーウエルター級の米国人ボクサー、パトリック・デイが死去した。27歳だった。

16日(日本時間17日)、米メディアが報じた。12日に米イリノイ州シカゴでチャールズ・コンウェル(米国)戦に臨んでKO負け後、病院に搬送。外傷性脳損傷と診断され、重体となっていた。

米ロングアイランド出身で、アマチュアを経て13年にプロデビューしたデイは17年4月、アッサン・エンダム(フランス)とのWBA世界ミドル級王座決定戦前の村田の練習パートナーとして来日した。その後も世界戦前の村田の調整に参加し、今年7月のロブ・ブラント(米国)との再戦前にもスパーリング相手を担当。

村田は自らのSNSで「パトリック 旅立ちが安らかであることを 努力家だったからこそ、ゆっくり休んでくれることを願うよ パトリック、そしてパトリックの家族の皆様 彼に出会えたことに感謝します。ありがとう」とつづった。

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村田諒太が初防衛戦12・23WBO1位バトラーと

スティーブン・バトラー(右)の挑戦を受けるWBA世界ミドル級王者村田諒太(撮影・中島郁夫)

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が12月23日、横浜アリーナでWBO同級1位スティーブン・バトラー(24=カナダ)と初防衛戦に臨むことが16日、発表された。

また同日、同会場ではWBC世界ライトフライ級王者拳四朗(27=BMB)がIBF同級王者フェリックス・アルバラード(30=ニカラグア)との王座統一戦、元3階級制覇王者八重樫東(36=大橋)がIBF世界フライ級王者モルティ・ムザラネ(37=南アフリカ)に挑戦するトリプル世界戦となる。

村田は今年7月、ロブ・ブラント(米国)との再戦を制し、WBA王座に返り咲いた後、8月1日からジムワークを本格的に再開。2度にわたる千葉・成田合宿で走り込み、初防衛戦に向けて調整を続けていた。

スティーブン・バトラー(右)の挑戦を受けるWBA世界ミドル級王者村田諒太(撮影・中島郁夫)
バトラーとの対戦が決まり会見するWBA世界ミドル級王者村田(撮影・中島郁夫)
世界戦が決まりポーズする左からWBC世界ライトフライ級王者拳四朗、WBA世界ミドル級王者村田、八重樫(撮影・中島郁夫)

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村田諒太12月に初防衛戦希望、9月中旬から始動へ

ナイキ主催イベントでサイバーボッチャを体験するWBA世界ミドル級王者村田諒太

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が12月の初防衛戦開催を希望した。

25日、東京・渋谷区で開かれたナイキのイベントに参加。7月12日にロブ・ブラント(米国)との再戦で2回TKO勝ちし、同王座に返り咲いた村田は「年内に(V1戦を)やりたいです。今は地域貢献活動などもしていますが、そろそろ本職に集中したい」と強調。

9月中旬をメドに「試合まで3カ月と考えてスイッチを入れたい」と明かした。また同イベントではLEDスポーツコートに立ち、サイバーボッチャを体験した。

陸上男子のケンブリッジ飛鳥(右)らとナイキ主催イベントに参加したボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太

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村田諒太ビッグネームとの対戦実現へ早くも臨戦態勢

練習を再開した村田はリングを交差するロープに鋭い視線を向けながらシャドーボクシングに臨む(撮影・小沢裕)

ビッグネームとの対戦実現へ、WBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が臨戦態勢の準備に入った。7月12日にロブ・ブラント(米国)との再戦を制し、同王座に返り咲いた村田は1日、都内の所属ジムで本格始動。同級トップのWBAスーパー、WBCフランチャイズ、IBF王者アルバレス(メキシコ)、元3団体統一王者ゴロフキン(カザフスタン)との対戦実現に向け「やりたいですね。絶対、面白い試合しますし。勝ちますと言える相手ではないですが、今の僕がやったら面白い。お客さんが見たいと思うだろうし、それをやるのが僕の仕事」と見据えた。

この日もミット打ちなど始動とは思えない通常メニューを消化。まだアルバレスもゴロフキンも次戦は未定のため、浜田代表も「いつでもできるように、いつ声がかかってもいいように準備させたい」と年内予定の次戦に向けてスタンバイさせる方針を示した。

練習を再開した村田は笑顔を見せながら田中トレーナー(左)からボディーの乱れ打ちを受ける(撮影・小沢裕)

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村田諒太実感1週間の家族旅行、このために頑張った

練習を再開した村田は険しい表情でシャドーボクシングに臨む(撮影・小沢裕)

ボクシングWBA世界ミドル級王者に返り咲いた村田諒太(33=帝拳)が1日、都内のジムで練習を再開した。7月12日に大阪で、同級王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦に2回TKO勝ちで王座奪回した。シャドー、ミットなど約1時間ジムワークで汗を流した。

試合から約3週間を休んでからの始動となった。「1週間は興奮状態だった。反響は大きかったが、感動したという声が多かった。裏返しで半分は負けると思っていたのかと思った」と笑いながら振り返った。

その後に1週間函館へ家族で旅行した。「かわいい子供と家族で過ごし、このために頑張ってきたんだ」と実感したそうだ。毎日に朝のロードワーク後、長男晴道君とキャッチボール。「キャッチャーだから足腰が鍛えられた」とほほ笑んだ。

再戦はアッサン・エンダム(フランス)に続く2度目だった。「前回は練習がよくなく、自信なく、開き直ってリングに上がった」という。ブラント戦は「練習も自信を持ってでき、実力をつけ、実力を出して勝てた」と自画自賛した。

2回のTKOは相手パンチをブロックして、ワンツースリーと打ち込んだ。「やっと自分の形、ベースができた。ああいうシーンをいつでもつくれる可能性を高めていきたい。練習はうそをつくが、練習しないと試合では出せない。試合で出せる可能性を高めるよう磨きをかけたい」と話した。

ブラント陣営が再々戦の意向を示しているが、村田はWBAスーパー、WBCフランチャイズ、IBF王者サウル・アルバレス(メキシコ)と元3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)との対戦の熱望は変わらない。「やりたい。今は焦りはないが、ファンが見たい、期待する試合をしたい」。浜田代表も「今回は持っているもの、出せるものを出せた。次は本番。声が掛かればと思っている」と期待した。

練習を再開した村田は険しい表情でシャドーボクシングに臨む(撮影・小沢裕)
練習を再開した村田は険しい表情でシャドーボクシングに臨む(撮影・小沢裕)
練習を再開した村田は険しい表情でシャドーボクシングに臨む(撮影・小沢裕)

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村田諒太が淡々、前王者ブラント陣営の再々戦要望

WOWOWの解説を務めたWBA世界ミドル級王者村田諒太(撮影・藤中栄二)

ボクシングWBA世界ミドル級王者村田諒太(33=帝拳)が、前王者ロブ・ブラント(28=米国)陣営からの再々戦要望に対して冷静な反応を示した。

21日、都内のWOWOWでWBA世界ウエルター級王座統一戦のゲスト解説を務めた村田は、18日(日本時間19日)にブラントのプロモーターが契約条項にある再戦権を行使する意向を示したと米メディアが報じたことに言及。「やりたいと言っているみたいですね。ボクも(報道を)聞きましたけれど。(帝拳ジム)本田会長と(米プロモート大手)トップランクにお任せしています」と淡々と話した。加えて「みなさんも自分自身も盛り上がる試合がしたいですね。もう後戻りはしたくないので」と付け加えた。

将来的な対戦相手として「もう1つ上のランクの選手とやりたいです」と素直に発言。ミドル級のWBAスーパー、WBCフランチャイズ、IBF王者サウル・アルバレス(メキシコ)や元3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)ら超トップ級との対戦実現を望んでいた。

また40歳でWBA世界ウエルター級王座を統一した6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)のファイトぶりに「(母国の)上院議員の仕事をして忙しい中での練習になっているのに、うまくコントロールしているんでしょうね。40歳でここまでできるなんて。ボクシングしかしていない人間が33歳で疲れたとか、年だとか言ってはいけないですね」と刺激を受けていた。

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村田ブラントと3度目対戦か 敗者が再戦権行使意向

19年7月12日、ロブ・ブラント(左)に右ストレートを見舞う村田諒太

ボクシング前WBA世界ミドル級王者ロブ・ブラント(28=米国)が契約条項に含まれていた現王者村田諒太(33=帝拳)との再戦権を行使する意向を示した。

18日、米スポーツ専門局ESPNなどが報じたもの。ブラントのプロモーターとなるグレグ・コーエン氏が週明けの15日から再戦権の行使する可能性を明かしていた。開催地、時期などは不明だが、もし実現すれば昨年10月の米ラスベガス、今月12日のエディオンアリーナ大阪に続き3度目となる。

ブラントは1度目の村田戦後、自ら米プロモート大手トップランク社に足を運び、同社と試合契約を結んだ。今年2月に初防衛に成功した後、同社との交渉を経て村田との再戦を決断。敗戦後にブラントは「今回のミスを払拭(ふっしょく)する3回目があってもいい」とも口にしていた。

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村田諒太が次戦相手に超一流熱望、アルバレスら照準

一夜明けて会見し、ポーズをとる村田(右)と拳四朗

9カ月ぶりにボクシングWBA世界ミドル級王座に返り咲いた村田諒太(33=帝拳)がビッグネームとの対戦を希望した。

12日にエディオンアリーナ大阪でロブ・ブラント(28=米国)を2回TKOで撃破。リベンジ達成から一夜明けた13日、大阪府内のホテルで会見。年内にも予定される次戦に向け「高いモチベーションを保てる試合」と、ビッグマッチを望んでいることを明かした。

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ブラントへのリベンジと2度目の王座戴冠を果たした村田には、次へのイメージがあった。常に胸に秘めているビッグマッチを意識し「モチベーションを高く保てる試合が必要だと思うので、それを望みたい」と率直な言葉を並べた。

以前から村田の意向を知る米プロモート大手トップランク社のボブ・アラム氏は試合後、WBAスーパー、WBCフランチャイズ、IBF世界ミドル級王者アルバレス(メキシコ)の名を挙げ「いつか試合をさせたい」とマッチメークへの強い意欲を示した。当初、村田の再起戦相手は元3団体統一王者ゴロフキン(カザフスタン)が候補だった。相手都合による交渉断念後、6階級制覇王者パッキャオ(フィリピン)撃破で知られる元WBO世界ウエルター級王者で現WBAミドル級3位ホーン(オーストラリア)が候補になっていた。

試合後、帝拳ジムの本田会長は次戦について「ただの防衛戦はない。ミドル級に超一流が何人かいる。村田はやりたくてしようがない。この試合の評価次第。(超一流に)選んでもらえれば」と期待を寄せた。村田も、トップランク社と帝拳ジムのマッチメークに全幅の信頼を寄せ「プロ入りした時からすべて(帝拳ジムに)マッチメークはお任せしている。決めていただいた試合をやる気持ち」と朗報を待つ姿勢だ。

次戦は年内にも予定される。村田は「今までの17戦で一番良いパフォーマンス。気持ちの面でも、自分のプロキャリアで一番良い試合だった」と充実の時期を迎えていることを強調した。今やミドル級の中心にいるアルバレス、そして、そのライバルとなるゴロフキン。高額報酬を稼ぐ中量級ビッグネームとの対戦を見据えながら、まずは家族とのつかの間のオフを満喫することになる。【藤中栄二】

笑顔で会見した村田

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村田諒太、次戦は団体統一戦か大物との夢対決希望

WBA世界ミドル級王座を奪回した村田は一夜明けて笑顔で会見

約9カ月ぶりにWBA世界ミドル級王座を奪回した村田諒太(33=帝拳)が家族サービス優先を強調した。12日、エディオンアリーナ大阪で再戦したロブ・ブラント(28=米国)を2回TKOで撃破。一夜明けた13日、大阪市内のホテルで会見し「長くても7月いっぱいは休みたい。そげた体に肉がついたら気持ち悪くなって徐々に(トレーニングを)やると思います」とオフを満喫する考えを口にした。

試合後、初招待した長男晴道君(8)と再会した際、抱きつかれ「パパ、格好良かった」とほめてもらったという。さらに愛息から「明日、野球できるの? オレさあ、パパが座ってくれればコントロールがいい」と捕手役を頼まれたことを明かした。

村田は「捕手みたいに座れと。さすがに試合2日後に中腰はつらいなあと。でもやろうね、と約束しました」と親子キャッチボールでつかの間のオフを過ごすつもりだ。またブラント戦に向けた調整期間中、スパーリングでの集中力を高めるためにカフェインの摂取を控えていたことを明かし「家族の時間とコーヒーが今、渇望していること」と笑わせた。

また王座奪回した村田は次戦の相手について言及。「今回、すごくモチベーション高くできたのはやはり負けたというのはあるし。モチベーションが保てる試合というのがありますし、それを望みたいです」。他団体王者との統一戦、ビッグネームとのドリームマッチの実現を希望していた。

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もう1回…村田諒太、愛息の言葉で現役続行を決断

村田はロブ・ブラントに勝利し、ベルトを巻いて涙ぐむ(撮影・加藤哉)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇エディオンアリーナ大阪

前王者の同級4位村田諒太(33=帝拳)が覚悟の猛ラッシュで王座を奪回した。

昨年10月に米ラスベガスで判定負けを喫した王者ロブ・ブラント(28=米国)と再戦し、2回2分34秒、TKO勝ちでリベンジを成し遂げた。序盤から攻勢に出た王者に対し、右の強打と連打で対抗。2回途中のラッシュでダウンを奪うと、再びロープ際に追い込んでの連打でレフェリーストップ勝ち。年内に組まれる見込みのビッグネームとのドリームマッチを待つ。

◇  ◇  ◇

怒濤(どとう)のラッシュだった。2回。村田がキバをむいた。左ボディーで動きを止め、強烈なワンツーからの左フックでダウンを奪うと、フラフラになりながらも立ち上がってきたブラントに容赦なかった。「もう1回ダウンを奪おうと」。右、左、右とめった打ち。防戦一方の王者をレフェリーストップに追い込んだ。「今日はボクの夜だったということです」。満足そうな笑みを浮かべた。

前回対戦と違い、序盤から出てきた王者に1回はポイントを奪われた。所属ジムの本田会長から「前で(相手パンチを)殺せ」と助言をもらい、覚悟を持って前に出た。昨年10月に味わった屈辱は払拭(ふっしょく)したかった。「前に行くしかない。同じミドル級。あそこで逃げたらチキン。もうこの試合が最後になるかもしれないと思って。後悔したくなかった」。ひそかに試合に招待し、自らの勇姿を見守ってくれた長男晴道君に向けリング上から「明日からパパと一緒に野球やろう」と叫んだ。

昨年10月に米ラスベガスで王座陥落後、村田は「98%ぐらいは、ほぼやめよう」と気持ちを固めつつあった。試合動画をチェックし「あのボクシングが集大成でいいのかと考えると『それはないな』と」。揺れる気持ちを後押ししたのは、何より愛息からもらった「もう1回負けたら辞めていいよ」の言葉だった。もう1回-。心が奮い立った。現役続行を決断した瞬間だった。「続けてよかった」と強調した。

国内所属ジムの世界王者による王座陥落後の即再戦で勝利した例は過去12戦で輪島功一の2度、徳山昌守の1度のみという勝率25%の「難関」だった。本田会長は「半歩前に出る勇気があった。村田は(運を)持っている」と褒めた。9カ月ぶりに手元に戻ってきたWBAベルトを見つめ「不安はあったので。結果はうれしい」と深呼吸した。年内にもビッグネームとのドリームマッチが実現する可能性がある。村田の世界王者ロードの第2章が幕を開けた。【藤中栄二】

村田はブラントに勝利し笑顔を見せる(撮影・加藤哉)

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村田諒太、アルバレスと年内にドリームマッチ実現か

村田はブラントに勝利し笑顔を見せる(撮影・加藤哉)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇エディオンアリーナ大阪

前王者の同級4位村田諒太(33=帝拳)が覚悟の猛ラッシュで王座を奪回した。昨年10月に米ラスベガスで判定負けを喫した王者ロブ・ブラント(28=米国)と再戦し、2回2分34秒、TKO勝ちでリベンジを成し遂げた。序盤から攻勢に出た王者に対し、右の強打と連打で対抗。2回途中のラッシュでダウンを奪うと、再びロープ際に追い込んでの連打でレフェリーストップ勝ち。年内に組まれる見込みのビッグネームとのドリームマッチを待つ。

村田と契約する米大手プロモート会社トップランク社の世界的プロモーター、ボブ・アラム氏(87)はWBAスーパー・WBCフランチャイズ・IBFミドル級王者サウル・アルバレス(28=メキシコ)との夢対決に言及した。会場で「いつかアルバレスと試合させたい。その才能を示した」と語った。

大差判定負けから一変、圧勝した村田の戦いを目の当たりにした。「前回負けた時、恥ずかしい思いを味わったはず。今回は本当の王者らしい試合をした。真剣に立ち向かい、自身のパンチ力をブラントに示した」。ゴロフキンを打ちのめし、ミドル級の主役に君臨するアルバレス。実現すればまさにビッグマッチだ。

帝拳ジムの本田会長も今後に関し「まだ全く何も考えてない」とした上で「ただの防衛戦はないよ。ミドル級には本当の超一流が何人かいるから(村田は)やりたくてしょうがないだろう」とビッグマッチ実現に意欲を示した。時期は年内が有力視される。

WBA世界ミドル級タイトルマッチ 村田諒太ーロブ・ブラント 村田諒太はロブ・ブラントに勝利し、ベルトを巻いて賞金ボードを手にする(撮影・加藤哉)

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