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中谷正義が元3団体統一王者ロマチェンコと対戦決定 6月米ラスベガスで

中谷正義(2018年7月29日撮影)

ボクシング元東洋太平洋ライト級王者でWBO世界同級5位の中谷正義(32=帝拳)が6月26日(日本時間27日)、米ネバダ州ラスベガスで、人気スター選手の元3団体統一同級王者のワシル・ロマチェンコ(33=ウクライナ)との同級12回戦に臨むと5日(同6日)、米プロモート大手トップランク社が正式発表した。試合会場はヴァージン・ホテルズ・ラスベガスとなる。

中谷は昨年12月、米ラスベガスのMGMグランドで世界ランカーのフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)に2度ダウンを許しながらも、逆転で9回に2度ダウンを奪い返してTKO勝ち。ライト級世界トップ戦線に名乗りをあげた。19年7月にロペスに敗れたのが唯一の黒星となる。

ロマチェンコは昨年10月、テオフィモ・ロペス(米国)との統一戦に敗れて王座陥落。右肩の手術を受け、中谷戦が再起戦となる。米老舗専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(階級を超越した強さ)ランキングで1位に君臨したロマチェンコは「ハイテク」と呼ばれ、世界最速で3階級制覇を成し遂げている。

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ボクシング中谷正義が元3団体統一王者ロマチェンコと対戦へ 6・26

中谷正義(2014年5月7日)

ボクシングの元東洋太平洋ライト級王者中谷正義(32=帝拳)が6月26日、米ネバダ州ラスベガスで、元3団体統一同級王者のワシル・ロマチェンコ(33=ウクライナ)と対戦すると24日(日本時間25日)、米メディアが報じた。同日の中継局となるESPNの中継の中でラスベガスのヴァージン・ホテルズで開催されると伝えた。

中谷は昨年12月、米ラスベガスのMGMグランドで世界ランカーのフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)に2度ダウンを許しながらも、逆転で9回に2度ダウンを奪い返してTKO勝ち。ライト級世界トップ戦線に名乗りをあげた。19年7月にロペスに敗れたのが唯一の黒星となる。

ロマチェンコは昨年10月、テオフィモ・ロペス(米国)との統一戦に敗れて王座陥落。右肩の手術を受け、中谷戦が再起戦となる。米老舗ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(階級を超越した強さ)ランキングで1位に君臨し「ハイテク」と呼ばれていた世界最速の3階級制覇王者となる。

ロマチェンコ(2019年12月5日)

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ロマチェンコ、中谷正義戦をファンに「どう思う?」

中谷との写真を並べ、カード実現に前向きなことをうかがわせた元3団体統一王者ロマチェンコ(公式インスタグラムより、画像は一部加工)

王座陥落からの再起を目指すボクシング元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)が、自身のSNSを通じて元東洋太平洋ライト級王者中谷正義(31=帝拳)との対戦カードの期待度をファンに尋ねた。公式インスタグラムに中谷と自身の写真を並べ「WHAT DO YOU THINK?」(どう思う?)と投稿。中谷との対戦を楽しみにしているような様子をうかがわせた。

ロマチェンコは昨年10月、テオフィモ・ロペス(米国)との統一戦に敗れて王座陥落。右肩の手術を受け、今夏に再起戦を設定している。米老舗ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(階級を超越した強さ)ランキングで1位に君臨し「ハイテク」と呼ばれていた世界最速の3階級制覇王者だ。11日(日本時間12日)には、米専門メディア「ボクシングシーン」が米プロモート大手トップランク社のボブ・アラムCEOの発言を引用し、ロマチェンコ-中谷戦の可能性があることを報じていた。

中谷は昨年12月、米ラスベガスのMGMグランドで世界ランカーのフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)に2度ダウンを許しながらも、逆転で9回に2度ダウンを奪い返してTKO勝ち。ライト級世界トップ戦線に名乗りをあげた。19年7月にロペスに敗れたのが唯一の黒星となる。

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中谷正義に今夏ロマチェンコとの対戦プランが浮上

中谷正義(18年7月撮影)

ボクシング元東洋太平洋ライト級王者中谷正義(31=帝拳)に今夏、再起を目指す元3団体統一同級王者ワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)との対戦プランが浮上した。

11日(日本時間12日)に米専門メディア「ボクシングシーン」が報じたもので、米プロモート大手トップランク社のボブ・アラムCEOが「我々はロマチェンコと話をした。

初夏に(再起戦の)照準を合わせている。米国では、おそらく中谷正義とのビッグファイトができると思う。中谷は(ロマチェンコを下したテオフィモ・)ロペスに善戦し、本当に良いハードなパンチャーだ」と明かした。

中谷は昨年12月、米ラスベガスのMGMグランドで世界ランカーのフェリックス・ベルデホ(プエルトリコ)に2度ダウンを許しながらも、逆転で9回に2度ダウンを奪い返してTKO勝ち。ライト級世界トップ戦線に名乗りを上げ、現在はWBO5位、WBC7位、IBF10位と世界ランク入りしている。

一方、世界最速の3階級制覇王者でもあるロマチェンコは昨年10月、ロペスに判定負けを喫し、王座陥落していた。「ハイテク」と呼ばれるロマチェンコ-中谷戦が実現すれば、世界的にも注目される1戦になりそうだ。

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田中恒成「楽しみ」井岡一翔に「世代交代」KO宣言

リモートでの会見に臨んだ4階級制覇を狙う田中(提供写真)

世界最速16戦目での4階級制覇を狙うWBO世界スーパーフライ級1位の田中恒成(25=畑中)が「世代交代」のKOを宣言した。

同級王者で日本選手初の4階級制覇を成し遂げた井岡一翔(31)に12月31日、東京・大田区総合体育館で挑む田中が10日、リモートで会見。前日の会見で「レベルの違いを見せる」と言った王者に対し「直接戦ったら俺の方が強いと思います。世代交代というか、文句のつけようがないKOで決着をつけたい」と力強く宣戦布告した。

井岡を「ここ10年、日本のボクシング界を引っ張ってきた印象」とリスペクトする。その時代に終わりを告げる男としての名乗り。「この試合に勝って、自分が日本のボクシング界を引っ張っていく気持ちがあるんで」と言い放った。

井岡とは7年前、高校3年時にスパーリングを行った。「覚えてない」と言った王者に「スパーした時とは何もかも違う。スピード、パワー、スタミナ。負けているものは何もない」。昨年の大みそか、WBOフライ級王座3度目の防衛を飾った試合もメインを張った井岡の前座だった。実績に比べ、全国的な知名度では確かに劣る。複数階級を制した日本選手の直接対決という世紀の一戦は主役を奪う戦いでもある。

1月末にフライ級のベルトを返上。4階級制覇へ前哨戦をはさむ予定がコロナ禍で狂った。階級を上げた初戦が大舞台となるが、田中は「自分にとって適性階級。楽しみの方が大きい」とキッパリ。前哨戦は互いに1歩も引かない舌戦を展開。大みそかの大イベントが、早くも盛り上がってきた。【実藤健一】

◆田中のスピード戴冠記録 14年10月30日、プロ4戦目の日本選手最速でミニマム級の東洋太平洋王座を獲得。15年5月30日、WBO世界ミニマム級王座決定戦に判定勝ち。5戦目の日本選手最速で世界王者。16年12月31日、WBO世界ライトフライ級王座決定戦に勝利。現WBA、IBF世界バンタム級王者井上尚弥に並ぶ8戦目で2階級制覇に成功。18年9月24日にWBO世界フライ級王者木村翔を下し、ロマチェンコに並ぶ世界最速とされる12戦目で3階級制覇。今回、16戦目で4階級制覇となれば元6階級制覇王者デラホーヤを超える世界最速での達成とされる。

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メイウェザーが大儲け「軽い勝利」ロペスに賭け的中

メイウェザー(19年6月13日)

<プロボクシング:世界ライト級4団体王座統一戦>◇17日(日本時間18日)◇米ラスベガス

50戦無敗のまま引退状態にあるボクシング元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(43)が17日の世界ライト級4団体王座統一戦の懸けで大金を稼いだと報告した。米ラスベガスで開催された世界3階級制覇王者でWBAスーパー、WBO、WBC世界ライト級王者のロマチェンコ(ウクライナ)-IBF世界同級王者ロペス(米国)戦で、負け予想が大勢を占めたロペスに対して6500ドル(約71万5000円)を懸けた投票券の写真を更新した。

見事にロペスが4団体統一王者になる勝利を的中させ、一夜にして2万ドル(約220万円)以上を稼いだメイウェザーは、ライト級の世界統一戦だった意味も込めたのか、投票券の写真とともに「Light Win」(軽い勝利)とのコメントも更新した。

メイウェザーがロペス勝利に懸けた投票券を自らのインスタグラムに投稿(メイウェザーのインスタグラムより)

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最強ロマチェンコ4団体統一失敗、まさかの大差判定

ロマチェンコ(2019年12月5日撮影)

<プロボクシング:世界ライト級4団体王座統一戦>◇17日(日本時間18日)◇米ラスベガス

世界3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)が4団体統一に失敗した。

WBAスーパー、WBO、WBC世界ライト級王者として、IBF世界同級王者テオフィモ・ロペス(23=米国)との統一戦。ともに決定打なく12回を終えると、0-3での判定負けとなった。採点は4、6、10ポイントの差がついた。

ロペスが初回からプレスをかけて始まった。ロマチェンコの初回は軽く4発だけと、前半は慎重な戦いぶり。積極的に出てきたロペスを足でさばいていた。ロペスは手数が多く、ロープを背にさせる場面もあったが、ガードの上からヒットが多かった。

中盤からロマチェンコは確実にヒットも手数は少なかった。終盤はロマチェンコが積極的に出てパンチを繰り出したが、決定打までにはいかなかった。テレビ中継でのデータでは、手数、的中数ではロペスが上回ったが、的中率に有効打ではロマチェンコの方が多かった。

ロペスはこれで16戦全勝(12KO)とし、史上5人目の4団体統一王者となった。「プレスをかけて、その流れは変わらなかった。ロマチェンコはスローだった」と言い切った。試合前には「老いたライオンと若いライオンの戦い」など再三挑発していた。インタビューでも「新世代の誕生だ」と叫んだ。

これまで4団体を統一したのは、スーパーライト級のテレンス・クロフォード、ミドル級のバーナード・ホプキンス、ジャーメイン・テイラー(いずれも米国)、クルーザー級のオレクサンドル・ウシク(ウクライナ)。

全階級を通じてのパウンド・フォー・パウンドで、ロマチェンコは最強とも言われたきた。天才的技巧派のハイテクぶりの片りんは見せたが、まさかとも言える大差判定で、14勝(10KO)2敗となった。ホプキンス以来となる2人目の1団体ずつでの4団体統一はならなかった。

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ロマチェンコ、ロペスが計量パス 4団体王座統一戦

ボクシング世界ライト級4団体王座統一戦の前日計量が16日、米ラスベガスで行われた。

WBAスーパー、WBO、WBCフランチャイズ世界同級王者ワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)とIBF世界同級王者テオフィモ・ロペス(23=米国)がともに、リミットの61・2キロでクリアした。

計量後はマスクはせずに約30秒のフェースオフ。ロペスがにらみつけるも、ロマチェンコは笑みを見せた。

無観客開催となるが、両陣営が割って入るなどヒートアップ。史上5人目の4団体統一王者をかけ、17日に激突する。

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ロマチェンコ恐ろしく芸術的な軽打/岩佐亮佑の一撃

ロマチェンコ(2019年12月5日撮影)

<ボクシング、忘れられない一撃~19>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。IBF世界スーパーバンタム級暫定王者岩佐亮佑(30=セレス)があげたのは、現ライト級3団体統一王者ワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)の「心を折る軽打」。世界が注目した「五輪2大会連続金メダリスト対決」で、ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)を翻弄(ほんろう)した戦いを語りました。(取材・構成=奥山将志)

◇     ◇    ◇

▼試合VTR 17年12月9日、米ニューヨークで、08年北京五輪、12年ロンドン五輪金メダルのWBO世界スーパーフェザー級王者ロマチェンコが、00年シドニー五輪、04年アテネ五輪金メダルのリゴンドーの挑戦を受けた。高い技術戦が期待されたビッグマッチだったが、「ハイテク」の異名を取るロマチェンコが、その強さを見せつける展開となった。ジャブの差し合いで早々にペースを握ると、2回以降は手数を重視した軽いパンチと、出入りのスピードでリゴンドーを圧倒。一方的な展開で迎えた6回終了時に「キューバの英雄」が棄権を申し出た。これにより、ロマチェンコは、4試合連続で相手の棄権によるTKO勝ち。相手に何もできない絶望感を与える、その強さが際立つ一戦となった。

◇     ◇    ◇

相手の頭を触るような「パチ、パチ、パチ」という軽いパンチが、見ていて恐ろしく、芸術的とさえ感じました。あのリゴンドーに何もさせなかった。すごい試合でした。

ロマチェンコの特徴は、一発の強さはないですが、すべての種類のパンチを打てること。そして、相手の周りをぐるぐる回りながら、常に相手を触り続ける。一般受けする選手ではないかもしれませんが、対戦相手からすると、崩しにくい、本当に戦いにくい選手だと思います。

選手目線で見れば、学ぶべきところが多いですね。たとえばメイウェザーやハメドの動きはまねできませんが、ロマチェンコはできる。

ベースにあるのは運動量で、どれだけ動くんだというぐらい徹底して足を動かし、出入りのボクシングでペースをつかむ。防御も、ガードをしっかりして、上体の動き、膝の沈め方でパンチをかわす。ナチュラルな「天才」というより、基本を忠実に追い求め、努力でつくりあげた「天才」だと思います。

アマチュアのような戦いで、プロでも新たな形をつくりだしたロマチェンコ。学ぶべきところは多いですし、少しでも自分のものにしていきたいですね。

◆岩佐亮佑(いわさ・りょうすけ)1989年(平元)12月26日、千葉・柏生まれ。地元のセレスジム開設に合わせ、中2で入門。習志野高3年で3冠。アマ戦績60勝(42KO)6敗。08年プロデビュー。11年に日本バンタム級王者山中慎介に挑戦も失敗。2戦後に日本同級王座、13年に東洋太平洋同級王座獲得。15年に英国でIBF世界同級暫定王座決定戦での世界初挑戦は失敗。17年9月にIBF世界スーパーバンタム級王者小国を破り王座獲得。19年12月にIBF同級暫定王座を獲得し、王座返り咲きに成功。171・5センチの左ボクサーファイター。家族は両親と姉。

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リナレス、プロ初ダウン奪った一撃/木村悠氏の一撃

ホルヘ・リナレス

<ボクシング、忘れられない一撃~15>

<ボクシング、忘れられない一撃~15>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。元WBC世界ライトフライ級王者木村悠氏(37)の一撃は、3階級制覇したホルヘ・リナレスの「ロマチェンコ戦の右ストレート」です。現役最強と言われる相手に敗れはしたが、プロ初ダウンを奪った一撃。生で見た感動を話してくれました。(取材・構成=河合香)

▼試合VTR リナレスはWBA世界ライト級王者として、18年5月にWBO世界スーパーフェザー級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)を迎え撃った。会場は聖地と言われる米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデン。ロマチェンコのスピードあるパンチにリナレスは徐々に押され気味になったが、6回残り30秒で放った右カウンターをアゴに命中させる。プロ12戦目で初めてとなるダウンを奪った。ほぼ互角の展開となり、9回までの採点は三者三様のドロー。10回に回復したロマチェンコの細かいパンチを浴び、最後は左ボディーでついにダウン。10回2分8秒TKO負けで4度目の防衛に失敗したが、本田会長は「商品価値は高めた」と評した。ロマチェンコは世界最速での3階級制覇となった。

    ◇    ◇    ◇

あの試合は現地へ見に行った。米国での試合を見るのは初めて。一緒にずっと練習してきた仲間が、世界最強とも言われる相手に、どこまで通じるか、楽しみだった。

ともにスピードがあり、手数も多く、ロマチェンコが攻めてきても、リナレスも劣っていなかった。互角に近い劣勢ぐらいの感じ。そんな中で6回に、リナレスが右ストレートでダウンを奪った。彼らしい、すばらしいパンチだった。

その瞬間、会場が静まり返った。完全にアウェーだったのに、あの一発で雰囲気が一変した。完全に流れが変わり、9回で採点もドローとなって、ここから逆転できると思った。あの大きな舞台であと一歩、寸前まで追い込んだ。最後は負けたが、しびれた。

10回にダウンを喫したパンチは、ボクが座った席からは見えなかった。あとで見たら、左ボディーがいい角度で入っていた。リナレスは前の試合で脇腹を折っていた。治っていたが、ロマチェンコは試合後に「狙っていた」と言っていたそう。リナレスはまた折ったようで、ロマチェンコもすごかった。

リナレスの応援も兼ねての観戦だったが、行ったかいは十二分にあった。あらためてボクシングの面白さや深さを知ることができた。すでに会社を辞めて、新たな道に進み始めていた。あの試合を見たことで、ボクシングをもっともっと広めていきたいと思うようになった。

◆木村悠(きむら・ゆう)1983年(昭58)11月23日、千葉市生まれ。中2でボクシングを始め、習志野高をへて法大に進み、1年で全日本優勝。卒業後は帝拳ジムに入門し、06年10月にプロデビュー。6戦目で初黒星を機に、専門商社に入社してサラリーマンボクサーとなる。14年に日本ライトフライ級王座決定戦に判定勝ちで王座を獲得。3度防衛。15年11月に仙台市でWBC世界同級王者ペドロ・ゲバラ(メキシコ)に挑戦し、判定勝ちで王座獲得に成功した。翌年初防衛に失敗して引退。通算18勝(3KO)3敗1分。引退後は退職し、解説、執筆、講演やオンラインジム(オンラインサロン)を運営している。

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井上尚弥の第2章、真の頂へ「勝ち続けるしかない」

2019年11月7日、ボクシングWBSS世界バンタム級トーナメント 決勝 井上尚弥対ノニト・ドネア ノニト・ドネアに勝利しアリ・トロフィーを掲げる井上尚弥

ボクシングのWBA、IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(26=大橋)が5日、日刊スポーツの電話インタビューに応じた。

新型コロナウイルスの感染拡大により、25日(日本時間26日)に米ラスベガスで予定されていたWBO同級王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)との3団体統一戦が延期となり、本格的な米国進出は仕切り直しとなった。6日で、14年の世界奪取から丸6年。世界が注目する「モンスター」が、これまでの歩み、「第2章」と位置づける今後についての思いを語った。【取材・構成=奥山将志】

   ◇   ◇   ◇

新型コロナウイルスの影響で、3月17日に日本人初の3団体統一戦の延期が正式発表された。

井上 世界的な状況をみて、何となく無理なのかなと思っていたので、延期が決まった時も「これは仕方ないな」って感じでした。減量に入るギリギリのタイミングでもあったので、キャリアが浅い時期だったら、精神的に動揺したかもしれませんが、そこは20歳から世界戦を14回戦ってきた経験なのかなと思います。

現在は横浜の所属ジムにも行かず、サンドバッグなどをつるした自宅前の練習スペースを中心に調整を続けているという。

井上 試合がいつになるか分からない状況ですが、切り替えはスムーズにできています。それよりも、自分にも子どもが2人いますし、近所には90歳を超えたひいおばあちゃんも住んでいる。今はボクシングのことを過剰に考えるよりも、不要な外出を控えたり、当たり前のことをやることが大切だと思っています。

昨年末に米プロモート大手トップランク社と複数年契約を結び、今後は主戦場を米国に移す。延期となったが、その1戦目となるカシメロ戦では、軽量級では異例となる、本場ラスベガスのメインイベントを任された。キャリアの「第2章」のスタートと位置づけた重要な一戦に向け、これまで以上に高いモチベーションを保ってきた。

井上 今までは日本国内で、「世界王者」としてやってきた選手だったが、トップランクと契約し、求められてラスベガスでメインを張る。ここまできたという思いももちろんありますが、満足はしていない。ここが、自分が本当の意味で成功するか、失敗するかの分かれ目だと思っています。米国のファンを満足させる内容も求められますし、気持ちの面でもこれまでの試合とは大きく違います。日本人が立ったことがない舞台ですし、新たなステージの始まりだと思っています。

14年4月6日に初めて世界王者となり、6年がたった。「強い相手としか戦わない」と宣言して飛び込んだプロの世界。6戦目での国内最速(当時)の世界王座奪取に始まり、8戦目で名王者ナルバエスを破り2階級制覇を達成。ここまで完璧なキャリアを歩んできたように思えるが、井上自身が思い描いていたものとは違ったという。

井上 ライトフライ級で初めて世界王者になった時は、想像していたものと現実のギャップに悩んだこともありました。辰吉(丈一郎)さんとか、幼い頃に見ていた畑山(隆則)さんの時代の華やかさとは違い、世間の反応もそんなに大きくなかった。街を歩いても自分のことを知っている人の方が少なかった。実際に、1つの階級に4人も世界王者がいて、誰が強いのかも分かりにくい。ゴールだったはずが、ここではないとすぐに思いを新たにしました。

それでも、存在をアピールするための話題づくりなどには走らず、「リング上がすべて」と信念を貫き続けた。試合内容で、「世間」と闘い続けた6年間。まっすぐ進んできた先に、現在の確固たる立場がある。

井上 振り返ってみれば、ここまでくるのに時間がかかったなという印象はあります。スーパーフライ級で2階級制覇をしても、防衛戦では、名前のある相手との試合は決まらなかった。ただ、冷静にみれば、当時の自分も世界的には名前がなかったですし、「食ってもうまみがない選手」だったということ。時代とか、環境は関係なくて、ただ自分がそこまでの存在ではなかったということです。

18年にバンタム級に階級を上げたことで、流れは一変した。強豪がひしめく伝統の階級で、その名は瞬く間に世界にとどろいた。転級初戦でWBA王者マクドネルを1回TKOで破り、3階級制覇を達成。続くパヤノ戦、IBF王者ロドリゲス戦と、階級のトップ選手3人を計わずか441秒で撃破。衝撃的な試合を連発し、昨年11月には、バンタム級最強を決めるトーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ」決勝で、5階級制覇王者ドネアを破り、頂点に立った。会場のさいたまスーパーアリーナは2万2000枚のチケットが完売した。

井上 バンタム級に上げたことで、理想と現実がかみ合い、求めてきた戦いができるようになったと思っています。減量でパフォーマンスが落ちることもないですし、今は誰もが納得する相手と戦えることが楽しいですし、うれしいです。

ドネア戦は、全米ボクシング記者協会の年間最高試合に選ばれ、世界にその名をとどろかせた。米国で最も権威ある専門誌「ザ・リング」認定のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強ランキング)で最高3位に入るなど、世界の中心選手の仲間入りを果たした。

井上 PFPの存在は大きいですね。そのランクに入っていることで、同じ階級の選手だけでなくロマチェンコ、クロフォードといったPFPの前後の選手とも比較される。だからこそ、変な試合はできない。もっと上を目指さないといけないと思いますし、自分の意識を変えることにもつながっています。

階段を駆け上がり続けても、「強くなりたい」という思いは揺るがない。

井上 バンタム級に上げてから、これまで以上に海外の選手の映像を見るようになりました。以前から父に「見ろ」と言われていたのですが、やっとその意味が分かってきました。

圧倒的なパフォーマンスの裏には他選手からのヒントも影響しているという。

井上 映像を見て、無理にまねをするのではなく、イメージを整理してストックしておくことが大切なんです。たとえば、メイウェザーの防御はこういう特徴があって、ロマチェンコのサイドへのステップはこうとか。そうやってインプットしておくことで、ミットの練習をしている時とかに急に動きのイメージが頭におりてくるんです。このタイミングなら、あの選手のあの動きが使えそうだとか。ただ、パッキャオの2段階の踏み込みだけはいまだにできない(笑い)。あれが自分のものにできれば、もっと強くなれると思うんですけどね。

刺激を求める先は、リング以外にも向かうようになってきた。バスケットボール日本代表の富樫勇樹(26)、ラグビー日本代表の松島幸太朗(27)ら、他競技のアスリートとも交流を深めるようになった。

井上 以前はほかのスポーツにあまり興味がなかったんですが、最近は少し変わってきました。富樫と幸太朗は気が合う友人というのが大前提なのですが、他のスポーツを見に行けば、そこの会場の空気で感じることもある。世界王者になって、周囲からちやほやされる部分もありますし、「慣れ」が、知らない間に心の隙につながると思っています。居心地がよくない新しい感覚にさらされることで、自分が今やらなければいけないこと、進むべき道が整理できるんです。

世界のライバルが「INOUE」「MONSTER」の名を挙げ、挑発し、対戦を熱望している。だが、「強い相手としか戦わない」というデビュー当時の思いは今も変わっていない。

井上 周りからいろいろ言われてなんぼの世界ですし、そこは望むところ。1度負けたら今まで積み上げてきたものがすべて崩れるという恐怖心もありますが、負けを恐れていたらボクシングをやる意味がない。結局、勝ち続けるしかないんです。ただ、弱い相手に勝っても意味がない。どちらが勝つか分からない本物同士のドキドキ感を自分は求めていますし、ファンの方もそれを望んでくれていると思うんです。

35歳での引退を公言し、今月10日には27歳になる。見据える先はどこまでも高い。

井上 自分がどこまでいけるかは、ここからの2~3試合の内容にかかっていると思っています。パッキャオのようにアジアから世界の頂点に上り詰めたいですし、ファイトマネーという意味でもそう。何のためにボクシングをしているかと言えば、当たり前ですが、1つは稼ぐためです。残り8年と考えれば、やれても20~30試合。そう多くはないと思っています。その中で、自分がどんな試合を残せるか。「ボクシングって面白い」「井上の試合は面白い」と思ってもらえる戦いを、これからも見せていきたいですね。

◆井上尚弥(いのうえ・なおや)1993年(平5)4月10日、神奈川・座間市生まれ。元アマ選手の父真吾さんの影響で小学1年から競技を開始。相模原青陵高時に史上初のアマ7冠。12年7月にプロ転向。当時の国内最速6戦目で世界王座(WBC世界ライトフライ級)奪取。14年12月にWBO世界スーパーフライ級王座を獲得し、史上最速(当時)の8戦目で2階級制覇。18年5月にWBA世界バンタム級王座を奪取し、3階級制覇。家族は咲弥夫人と1男1女。165センチの右ボクサーファイター。

2018年10月7日、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズバンダム級トーナメント WBAバンタム級タイトルマッチ 1回戦・1回KO勝ちで、フアンカルロス・パヤノ(手前)を倒し、ガッツポーズする井上尚弥
2014年4月6日、WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ 井上尚弥対アドリアン・エルナンデス KO勝利して新王者となった井上尚弥(中央)は、家族と記念撮影。左から姉晴香さん、弟拓真、1人おいて父真吾トレーナー、母美穂さん

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井上尚弥がロマチェンコと初対面「対戦なくもない」

握手を交わす井上(左)とロマチェンコ(撮影・横山健太)

ボクシング2団体統一バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、世界最速3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)との将来的な対戦を口にした。

5日、都内のホテルで行われたWBO(世界ボクシング機構)年次総会のフィナーレとなる表彰式でロマチェンコと初対面。檀上でガッチリ握手を交わした。「リスペクトを込めてオーラがありましたね」と第一印象を口にすると身長差がほぼない4階級上の3団体統一ライト級王者との将来的な対戦に言及。「今は階級も違うし、現実的ではない」と前置きした上で「将来的な対戦はなくもない。そういうイメージで少し見ていました」と、ライバル心もチラリとのぞかせた。

現在、米老舗ボクシング専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強選手)のランキングで2位がロマチェンコ、3位に井上が入っている。表彰式前に取材に応じたロマチェンコは「あまり詳しくないが、早い時間でKOする選手。(WBSS決勝の)ドネア戦はハイライトで見ました」と口にしていた。

ポーズを決める井上(左)とロマチェンコ(撮影・横山健太)

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初来日ロマチェンコ「好き」村田諒太のパンチ力評価

日本の印象について語るロマチェンコ(撮影・横山健太)

世界最速3階級制覇王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)が5日、都内で開催されたWBO総会に出席した。

初来日という現3団体統一ライト級王者は日本人選手に言及。ロンドン五輪金メダルでプロの世界王者となったWBA世界ミドル級王者村田諒太(帝拳)について「金メダルで世界王者の同じ経歴なので注目していた。ラスベガスで試合も見た。私が好きなパンチ力のある強い選手」と口にした。2団体統一バンタム級王者井上尚弥(大橋)に関して「あまり詳しくないが、早い時間でKOする選手。(WBSS決勝の)ドネア戦はハイライトで見ました」と話した。

村田諒太(2019年8月1日撮影)

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井上尚弥の最強3傑入りを「ザ・リング」編集長示唆

5回、ドネア(手前)を激しく攻める井上尚(撮影・横山健太)

<プロボクシング:ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝>◇7日◇さいたまスーパーアリーナ

WBA世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)がWBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)を下し、日本人初となるパウンド・フォー・パウンド(PFP)トップ3入りする可能性が高まった。1922年創刊の米老舗ボクシング誌「ザ・リング」のダグラス・フィッシャー編集長(49)が7日までに日刊スポーツの取材に応じ、現在PFP4位井上尚のさらなるランクアップを示唆した。

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ザ・リングは世界最古のボクシング専門誌として編集委員会に各国記者らを加えたメンバーで毎月独自に各階級、PFPの世界10位までのランキングを決めている。ESPNなど独自のPFPランクを発表しているが、最初に始めたのはザ・リング。世界のファンからもっとも信頼されているランキングだ。

その責任者となるフィッシャー編集長は、まず井上尚が高く評価されていることを力説した。「多くのメディア関係者、ランキング委員会メンバーは、既にPFPランキング上位に井上尚の名があることに対して異論がない」。現在のPFPは1位にアルバレス、2位にロマチェンコ、3位にはクロフォードというビッグネームが並んでいる。「ドネア戦での試合の勝ち方によります」と前置きした上で「トップとの対戦がここ数年ないクロフォードよりも井上尚が上位にランクされる可能性は十分にあると思います」と解説した。

今年に入ってザ・リングは2度も井上尚を表紙に選択した。単独表紙は日本人ボクサーとして初めての名誉だった。同編集長は「ボクシングマニアからの反応は井上尚が飾ったどちらの表紙も絶大な反応を受けて好評でした。SNSなどの反応はお祭り騒ぎのようで何週間も続いた」と反響の大きさに驚いたという。

5月のWBSS準決勝にはザ・リング認定ベルトが懸けられ、井上尚が勝利してつかんだ。実力と人気を兼ね備えたモンスターに、同編集長は「少なくとも25~30年さかのぼっても、井上尚は日本から出てきたもっとも才能があり、有望な選手。一番重要であるリング内で戦う上での頭の良さも持ち合わせている」と分析。来年から米本格進出を果たす井上尚に向け「世界レベルとの対戦を続けてほしい。今後、米国の一般スポーツファンの間でも名の知られる初の日本人ボクサーになれるでしょう。階級を上げていけば(6階級制覇王者)パッキャオのような存在になれる逸材」と大きな期待を寄せていた。

◆ザ・リング 米国で1922年の創刊当初からボクシングのみを基本線に扱う月刊専門誌。毎月、ボクサーのランキングを独自の基準で選定するなど、ボクシング界では最も歴史と権威ある雑誌とされ「ボクシングの聖書」とも呼ばれる。同誌編集委員会に各国記者らを加えたメンバーで毎月独自に各階級、パウンド・フォー・パウンドで世界10位までランキングを発表。設立当初から独自に認定した王者にチャンピオンベルトも授与。02年より本格的に各階級ごとのベルト授与も開始。また年間最優秀選手など表彰も行う。

◆パウンド・フォー・パウンド 異なる階級の選手を体重差がなかったとして比較した場合の最強王者を示す称号。過去にはマイク・タイソン、ロイ・ジョーンズ、近年ではマニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーがPFPの評価を受けた。「ザ・リング」でトップ10入りした日本人は井上以外では元WBCバンタム級王者の山中慎介、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志がいる。

井上尚はWBSS優勝を果たしアリ・トロフィーをファンに披露する(撮影・足立雅史)

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井上尚弥が究極階級王者!ドネア下しWBSS頂点

アリトロフィーを掲げる井上尚(撮影・横山健太)

<プロボクシング:ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝>◇7日◇さいたまスーパーアリーナ

3階級王者のWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が真の階級最強王者の称号を手にした。ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝で5階級王者のWBAスーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)と対戦。3-0の判定で勝利を飾った。

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史上4人目となる階級最強を証明するアリ・トロフィーをリングで掲げた。「ザ・グレーテスト」の愛称で知られる元世界ヘビー級王者ムハマド・アリの名を冠した優勝副賞を手にし、歓喜に浸った。WBA王座3度目、IBF王座初防衛にも成功。過去に井岡一翔、高山勝成、田口良一が2つの王座を同時保持したが、井岡と高山はすぐに返上。田口が日本人で初めて2つの王座を懸けて防衛戦に臨んだが、王座陥落していたため、日本人初となる複数王座の防衛にも成功した。

5年前となる14年11月24日、尚弥は父真吾トレーナー、弟拓真とともに大橋ジムでドネアと対面した。当時のドネアはWBA世界フェザー級スーパー王座から陥落し、スーパーバンタム級にカムバック。井上尚は2階級制覇を狙い、WBO世界スーパーフライ級王者オマール・ナルバエス(アルゼンチン)に挑戦する前だった。その際、過去にナルバエスに判定勝ちしていたドネアから助言を受けた。

この頃は2階級も違うウエートで戦っていたこともあり、尚弥は「体が大きいと思った」と当時の印象を振り返りつつ「階級も違うし、対戦するとは思っていなかった」。この5年間。尚弥はスーパーフライ級でWBO王座を7度防衛、バンタム級に転級し、WBA王座を獲得。一方のドネアはWBO世界スーパーバンタム級王座を獲得し、18年4月までフェザー級を主戦場としていたが、WBSS参戦に合わせて7年ぶりにバンタム級へと電撃復帰。ついに2人の時間軸が交わった。大橋ジムの大橋秀行会長は「2人は戦う運命にあった」と表現した。

昨年7月、WBSSバンタム級トーナメント8選手が出そろった際、尚弥が真っ先に挙げた対戦相手はドネアだった。記憶に残る名勝負もドネアのベストバウトとなる11年2月19日、米ラスベガスで開催されたWBC・WBO世界バンタム級王座統一戦。挑戦者ドネアが、長谷川穂積との王座統一戦を制したばかりの王者フェルナンド・モンティエル(メキシコ)を左フック1発で2回TKO勝ちを収めた試合を挙げた。

「研究ではなく、ドネアの技術を自分に取り入れるために見ていた」と井上尚。ドネアは「この階級の最強の1人で恐るべき存在。数年前に会い、それ以降、彼の成長を見てきた。このように怪物に成長した井上選手と戦えることを楽しみにしている」と。戦う運命にあり、宿命だったと言っていい。

5月18日のWBSS準決勝でエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)を2回TKO撃破した後、本格的なスパーリングを開始したのは8月6日。約3カ月も実戦トレから離れたのは故障以外では初めてで、蓄積した肉体的なダメージを回復させた。9月には米老舗誌ザ・リング選定パウンド・フォー・パウンド(階級超越の王者)1位で世界最速3階級制覇王者のワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)の練習パートナー、ジャフェスリー・ラミドと計20ラウンドのスパーリングを消化。1度、左ボディーでダウンを奪った。ロマチェンコも計130ラウンドで1度ダウンを奪っているものの、大橋会長は「ロマチェンコを超えた」と絶賛する内容だった。

試合前、井上尚は「最大のキャリアになるのは間違いない。そして、その先にある道、景色に自分がすごく興味を持っている。最大のパフォーマンスを出し切って優勝し、アリトロフィーを無事にゲットしたい」とリングに向かった。WBSS制覇は、過去の日本人世界王者が誰も到達しなかった領域へ、井上尚が足を踏み入れた瞬間だった。

◆ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS) 階級最強を決める賞金争奪トーナメント。リチャード・シェイファー氏、カレ・ザワーランド氏の米独両プロモーターが企画。シーズン1として17年秋から約1年間かけてスーパーミドル級とクルーザー級で初開催。クルーザー級決勝は昨年7月にロシアで開かれ、オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)が4団体統一王者に。またスーパーミドル級は同年10月、サウジアラビアで開かれ、カラム・スミス(英国)が優勝。シーズン2はバンタム級、スーパーライト級、クルーザー級で18年秋からスタート。

4回、流血しながらもドネアに必死に食らいつく井上尚(撮影・足立雅史)
11回、ドネアからダウンを奪い勝利かと思われたが相手が立ち上がりあぜんとする井上尚(撮影・足立雅史)
観戦に訪れたセイキン(左)とヒカキン(撮影・鈴木みどり)
ドネアに勝利した井上尚(中央)は布袋寅泰(右)、和田アキ子(左)と記念撮影(撮影・鈴木みどり)

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井上尚弥は「最も世界震撼させた」プロモーター絶賛

ムハマド・アリトロフィーを挟んで、にらみ合う井上尚(左)とドネア(右)。中央はWBSS代表のザワーランド氏(撮影・横山健太)

階級最強を決めるトーナメント、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)を運営するプロモーターのカレ・ザワーランド氏が、バンタム級決勝に進んだWBA・IBF世界同級王者井上尚弥(26=大橋)を絶賛し続けた。7日、さいたまスーパーアリーナで開催されるWBSS決勝の公式会見に井上尚、対戦相手の5階級制覇王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とともに出席。「もちろんベストが勝つ」と勝敗予想した上で、井上尚への大きな期待感を示した。

「若き井上尚弥は、この2年で一番世界を震撼(しんかん)させたボクサーではないかと思っている。試合の短さも話題に上がっている。対戦してきた相手が強豪で勝っている」と実績を強調。階級を超越した王者ランキングとなるパウンド・フォー・パウンド(PFP)について「私は(4階級制覇王者)カネロ(アルバレス)や(世界最速3階級制覇王者)ロマチェンコと並ぶPFPだと思っています」と力説。老舗ボクシング誌「ザ・リング」のPFPランキングで1位のワシル・ロマチェンコ、3位のサウル・アルバレスらに現在4位の井上尚も並んでいると強調していた。

ポーズを決める井上尚(左)とドネア(右)。中央はWBSS代表のザワーランド氏(撮影・横山健太)

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井上尚弥がスパーリングで「ロマチェンコ超え」

練習を終え、笑顔で取材に応じる井上尚(撮影・足立雅史)

ボクシングWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が「ロマチェンコ超え」を果たした。WBAスーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)決勝(11月7日、さいたまスーパーアリーナ)に向け、27日に横浜市の所属ジムで練習。スパーリング相手として約1カ月間の日程で呼んだ米老舗誌ザ・リング選定パウンド・フォー・パウンド(階級超越の王者)1位で3団体統一ライト級王者のワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)の練習パートナー、ジャフェスリー・ラミド(19=米国)からダウンを奪ったことを明かした。

20年東京五輪米国フェザー級代表候補のラミドは昨年から2度、ロマチェンコの合宿に招待されていた。通常より1分多い1回4分間設定のスパーリング方式で1日に9回を担当。計130回のうち、1度だけダウンを喫した経験がある。今回、井上は計20回ながらも24日のスパーリングの際、左ボディーでダウンを奪った。井上本人は「4回目で良いボディーが入りましたね」と淡々と振り返るが、ラミドは「ジャブが強い。ロマチェンコと井上は2人ともすごい。戦い方は違うが、2人とも王者になる理由を持っている」と実力に遜色がないことを口にした。

所属ジムの大橋秀行会長(54)は「一言だけ。尚弥はロマチェンコを超えた、とだけ言います」と1カ月間のスパーリングを総括した。来月から母国で東京五輪予選を控えるラミドはラウンドごとに戦術を変えるスキルがあり、ドネアとタイプは違うものの、WBSS決勝に備えた十分なトレーニングを積めた様子。井上は「ドネアもキャリアあるし、ラウンドごとに戦術を変える。対応力は絶対に練習になる」と手応えを口にしていた。

練習を公開し、力強いミット打ちを見せる井上尚(撮影・足立雅史)

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リナレス再起戦で判定勝ち「また世界を取りたい」

4年9カ月ぶりの日本リングで判定勝利を収めた元3階級制覇王者ホルヘ・リナレス

「世界取る」4年9カ月ぶり日本リング

ボクシングの元3階級制覇王者ホルヘ・リナレス(34=帝拳)が再起戦を飾った。7日、東京・後楽園ホールでフィリピン・スーパーフェザー級5位アル・トヨゴン(21)との62・1キロ契約体重10回戦に臨み、3-0で判定勝利。頭から突進してくる相手に手を焼き、バッティングで両目上をカットしたがボディー連打で主導権を握った。5回には強烈な右拳を打ち下ろしてぐらつかせた。最大11点差の大差判定勝ち。「相手はタフで頭も危なかった。勝てて良かった」とほっとした表情を浮かべた。

14年12月以来4年9カ月ぶりの日本リング。07年2月以来、12年7カ月ぶりとなる後楽園登場に「久しぶりで良かった」と満足げな笑み。昨年5月、現3団体統一王者ロマチェンコ(ウクライナ)からダウンを奪いながらも10回KO負けしWBAライト級王座から陥落。今年1月の再起戦も敗れていたため「10回まで戦えて収穫。また世界を取りたい」と意欲を示した。

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決戦臨む井上尚弥が「最強王者」相棒と実戦スパーへ

井上尚弥のスパーリング相手として来日した世界最速3階級制覇王者ロマチェンコの練習パートナー、ジャフェスリー・ラミド

ボクシングWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が「最強王者」のスパーリング相手と実戦トレに入る。

WBA同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ決勝(11月7日、さいたまスーパーアリーナ)に向け、6日に横浜市の所属ジムで練習を公開。米老舗誌ザ・リング選定パウンド・フォー・パウンド(階級超越の王者)1位の3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)の練習パートナー、ジャフェスリー・ラミド(19=米国)と来週から約1カ月間の日程でスパーリングを行う。

20年東京五輪米国フェザー級代表候補のラミドは昨年から2度、ロマチェンコの練習相手を務めた。1分多い1回4分間設定のスパーリングで1日に9回を任された実力の持ち主。井上は「うまい選手。ドネアとスタイルが似ているわけではないけれど、自分の引き出しを多く試せそうです」とスパーリングを楽しみにしていた。

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リナレス12年ぶり「後楽園ホールだけは意味がある」

4年9カ月ぶりに日本での試合に臨む元3階級制覇王者リナレス。右は対戦相手のアル・トヨゴン

ボクシングの元3階級制覇王者ホルヘ・リナレス(33=帝拳)が4年9カ月ぶりの日本リングに臨む。7日、東京・後楽園ホールでフィリピン・スーパーフェザー級5位アル・トヨゴン(21)と62・1キロ契約体重10回戦を控え、6日には東京・文京区の日本ボクシングコミッションで前日計量に臨み、リミットでクリア。トヨゴンも61・5キロでパスした。

14年12月30日のWBC世界ライト級王座決定戦(東京体育館)以来となる日本マッチ。07年2月以来、12年7カ月ぶりとなる後楽園ホールでの試合だ。リナレスは「いつも試合会場は関係ないけれど後楽園ホールだけは意味がある。12年ぶりなので。若返って17歳ぐらいの気持ち。昔からの試合を全部覚えている」と感慨深げに話した。

昨年5月に現3団体統一王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)からダウンを奪いながらも10回KO負けでWBA王座から陥落。今年1月、WBC世界スーパーライト級挑戦者決定戦でパブロ・セサール・カノ(メキシコ)に1回KO負けを喫して以来の再起戦となる。

「相手(トヨゴン)は打たれ強いみたいだけど、チャンスがあればKOを狙う」と自信をみなぎらせるリナレスは「ライト級でいけるのでチャンスは欲しいですね。ロマチェンコとの再戦が1つのゴールだから」と意気込んでいた。

4年9カ月ぶりに日本での試合に臨む元3階級制覇王者リナレス。右は対戦相手のアル・トヨゴン

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