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17歳ホープ吉井は白星発進 1年で2度の師匠交代

若隆元を下手投げで破り土俵を引き揚げる吉井(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇初日◇14日◇東京・両国国技館

元中学横綱の17歳、東幕下21枚目吉井(時津風)が、序ノ口デビューから11場所連続勝ち越しに向けて白星発進した。

1番相撲の相手は、幕下上位の経験が豊富な西幕下21枚目若隆元(29=荒汐)。左四つに組み止められたが、豪快な下手投げで相手を転がした。「おっつける相撲を目指していた」と本意の内容ではなかったものの「初日に勝てたのは大きい」と、安堵(あんど)の表情を見せた。

場所前に再び環境が変わった。前時津風親方(元前頭時津海)が初場所中にマージャン店に出入りするなど日本相撲協会作成の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反し、先月22日に退職勧告を受けて協会を去った。部屋を継承した新時津風親方(元前頭土佐豊)の指導のもとで、春場所に向けて調整を重ねてきた。

昨年7月場所前には、入門時からの師匠だった中川親方(元前頭旭里)が、弟子に対して暴力を振るうなど不適切な指導をしていたことが発覚した。中川親方は協会から懲戒処分を受けて、中川部屋は閉鎖。吉井ら力士は同じ時津風一門の部屋などに移籍した。1年間で2度も師匠が代わる異例の経験をした17歳は「師匠としてお世話になっていた方たちなので寂しい」と心境を吐露。「寂しさはあるが、結局頑張るのは自分。これもいい経験と思って、自分の稽古に励んでいる」と前を向いた。

若隆元(手前)を下手投げで破る吉井(撮影・河田真司)

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山内昌之氏「どう相撲を継承するか議論」有識者会議

日本相撲協会は20日、都内で「大相撲の継承発展を考える有識者会議」(山内昌之委員長)の第6回会合を開いた。4、6月の会合が新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止となり、第5回会合が開かれた2月以来半年ぶりの開催。全8人のメンバーのうち、歌舞伎役者の松本白鸚氏以外が出席した。

約2時間の議論を終えて代表取材に応じた山内委員長は「コロナの関係で大相撲が閉鎖する事態になり、そういう時代にどう相撲を継承するかを議論した」と説明した。7月場所前に不適切指導が判明して部屋を閉鎖する事態となった中川親方(元前頭旭里)や、7月場所前と場所中で複数回のキャバクラ通いが発覚して出場停止3場所と報酬減額の処分を受けた前頭阿炎の話題も挙がったという。山内委員長は「大相撲の伝統を踏まえてどのように状況を整理して、抱えている問題を分析するか。その中で私たちの意見も踏まえていくと思う」と見解を示した。

プロ野球ソフトバンクホークスの王貞治会長は唯一、オンラインで議論に加わった。会合の中で王会長は「死球の痛さを知らない人間は、プロ野球の本質について分かりづらいところもある。相撲でも稽古の厳しさや日々の鍛錬というのを経験していなければ分からないところもある」と、稽古や恐怖心に打ち勝つ重要性を説いた。

コロナ禍で日程が変更となった影響もあり、最終的にとりまとめる提言書の発表は今年秋から来年2月へと延期になった。次回について山内委員長は10月末までに開催する意向を示した。【佐藤礼征】

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貴花田以来!元中学横綱吉井が16歳で幕下勝ち越し

魁鵬を肩透かしで破り土俵を引き揚げる吉井(撮影・鈴木正人)

<大相撲7月場所>◇13日目◇31日◇東京・両国国技館

元中学横綱の西幕下54枚目吉井(16=時津風)が、1989年(平元)夏場所の貴花田以来31年ぶりとなる16歳での幕下勝ち越しを決めた。

西三段目3枚目魁鵬との顔合わせとなった7番相撲。左四つで前に出ることはできなかったが、相手の動きをよく見て肩透かしを決めた。新幕下場所を4勝3敗で終えたが「勝ち越したのは良かったけど、まだ前にいく相撲じゃない。もっと前に出る相撲を磨いていきたい」と、反省も忘れなかった。

場所前には中川親方(元前頭旭里)の不適切指導の影響で中川部屋が閉鎖となり、吉井は時津風部屋に転籍して初めての場所となった。異例の移籍を経て迎えた場所となったが「特に不安はなかった」と断言する。新しい部屋では関脇正代、前頭豊山らが胸を出してくれることもあり「とにかく相撲のことだけを考えて、兄弟子ともたくさん稽古した。時津風部屋にはたくさんの幕下の兄弟子がいる。幕下に上がってから、立ち合いを磨いてきた。いつもと違った当たりができた」と成長を実感した。

「とにかく自分は相撲を取るためにプロに入った。まだまだ体も子ども。もっとやれば必ず関取に上がれると自分を信じている。親方からまだ筋肉が全然ないと、パワーで負けていると言われている。いっぱい食べて、いっぱい筋トレして頑張りたい」。来年の目標として「幕下上位に定着できるようになりたい」と掲げた。注目を集めるホープは、焦らずに出世を目指す。

魁鵬(右)を攻める吉井(撮影・河田真司) 

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春日龍が元中川部屋1勝「相撲に集中したい」

大相撲7月場所初日、無観客で執り行われる序二段の取組(撮影・河田真司)  

<大相撲7月場所>◇初日◇19日◇東京・両国国技館

転籍した元中川部屋の力士が初日の取組で一番相撲に臨み、弓取りも務めた東序二段35枚目春日龍(36=友綱)が“元中川部屋1勝”を挙げた。

取組は観客が入っていない午前中に行われ、春日龍は突き落としで西序二段34枚目栃乃島(33=春日野)を破った。取組後、リモート取材に応じた春日龍は「初めてなので分からないことばかり。いつもと違う場所。相撲に集中したい」と気を引き締めた。

中川親方(元前頭旭里)は弟子に暴力を振るうなど不適切な指導があり、懲戒処分を受けて、委員から平年寄へと2階級降格。それに伴い中川部屋は閉鎖し、力士らは同じ時津風一門の部屋を中心に転籍した。中川親方は時津風部屋の部屋付き親方となった。

元中川部屋の力士では序二段で春日龍のほかに4人が登場したが、4人はいずれも黒星発進となった。

東序二段115枚目吉沢(27=朝日山)は寄り切りで敗れ、東序二段85枚目笹崎(19=時津風)は体格を生かして前に出たが、相手の厳しいおっつけに屈して送り倒された。西序二段48枚目木山(19=友綱)も一方的に押し倒され、西序二段37枚目大国里(27=追手風)も黒星を喫した。

ホープの西幕下6枚目旭蒼天(27=片男波)は、初日に東幕下7枚目千代嵐と対戦。元中学横綱の西幕下54枚目吉井(16=時津風)は2日目に登場する。

大相撲7月場所初日、関塚山に敗れ土俵から引き揚げる吉沢(撮影・河田真司)  

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中川親方は審判部外れ指導普及部 協会の職務分掌

中川親方

日本相撲協会は18日までに、新たな職務分掌を決めた。暴力問題により「委員」から「年寄」に2階級降格となった中川親方(元幕内旭里)は審判部を外れ、指導普及部に配属された。同じ時津風一門で、巡業部・指導普及部の枝川親方(元幕内蒼樹山)が審判部も兼ねることになった。

また、15日に引退した元関脇栃煌山の清見潟親方は指導普及部に配属された。

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暴力降格の中川親方「殺す」「首にする」暴言常態化

中川親方

日本相撲協会は13日、弟子に暴力を振るうなど不適切な指導があった中川親方(54=元前頭旭里)について、委員から年寄への2階級降格処分を決めた。

それに伴い、中川部屋を閉鎖。中川親方は同じ一門の時津風部屋の部屋付き親方となる。力士、裏方の計13人も時津風一門の部屋を中心に転籍することが決まった。年寄は親方衆の序列で再雇用者の参与を除き最下位。

協会発表によると中川親方が暴力を振るっていたのは幕下以下の弟子3人。食事をこぼさずに運ぶよう注意した際や、タクシーで宿舎へ向かう際の居眠り、浴衣の帯の結び方を注意した際に暴力を振るった。さらに昨年1月ごろから3月ごろまで、3人の弟子に対して稽古中か否かにかかわらず「殺すぞ」「首にするぞ」など日常的に暴言を繰り返したという。

協会から事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱されたコンプライアンス委員会は、師匠の暴力は責任重大であり、部屋を運営させるべきではないと指摘。一方で暴力の際に道具は使用しておらず、けがもなかった。中川親方が深く反省しており、被害を受けた弟子も同親方の謝罪を受け入れて厳罰を望んでいないことから、降格の懲戒処分が妥当との意見を八角理事長に答申し、この日の臨時理事会で処分が決定した。

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降格処分の中川親方、弟子3人への暴力内容明らかに

中川親方

日本相撲協会は13日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、弟子に暴力を振るうなど不適切な指導があった中川親方(元前頭旭里)の懲戒処分について、降格(委員から平年寄へと2階級の降格)にすると発表した。それに伴い、中川部屋を閉鎖することも発表した。

協会発表によると、中川親方は3人の弟子に対して暴力を働き、暴言を吐くなどしたという。弟子Aに対しては2月ごろに、食事をこぼさずにはこぶよう注意した際、顔面中央付近を右手拳で1回殴打した。

3月の春場所中には、宿舎に届いた荷物を中川部屋へ郵送する手配に不手際があったとして、あぐらで座っていた弟子Bの背中を1回蹴り、左顔面を左平手で1回たたいたという。また同じ春場所中に、タクシーで宿舎へ向かう際に居眠りした弟子Bに立腹し、宿舎に戻った後に正座をさせて説教しながら、腹を3回蹴り、胸部を手拳で2回殴打したという。

さらには去年の夏ごろ、出稽古から戻ってあいさつをした弟子Cに対し、浴衣の帯の結び方を注意した際に左こめかみ付近を手拳で1回殴打したという。3人はいずれもケガはなかったが、1月ごろから3月ごろの間、3人の弟子に対して稽古中か否かにかかわらず、日常的に暴言を繰り返したという。

協会から事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱されたコンプライアンス委員会は、師匠の暴力は責任重大であり、部屋を運営させるべきではないと指摘。一方で暴力の際に道具は使用しておらず、ケガもなく、中川親方が深く反省しており、被害を受けた弟子も同親方の謝罪を受け入れて厳罰を望んでいないことから、降格の懲戒処分が妥当との意見を八角理事長(元横綱北勝海)に答申し、この日の臨時理事会で処分が決定した。

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不適切指導の中川親方は2階級降格、部屋閉鎖も発表

中川親方

日本相撲協会は13日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、弟子に暴力を振るうなど不適切な指導があった中川親方(元前頭旭里)の懲戒処分について、降格(委員から平年寄へと2階級の降格)にすると発表した。それに伴い、中川部屋を閉鎖することも発表した。

協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「この度、相撲部屋で師匠による暴力が起きたことを、深く反省しております。指導者の暴力は1番あってはならないことです。今後もこのようなことのないよう、コンプライアンス委員会に相談しながら、具体的な再発防止強化策を講じます」とコメントを発表した。

中川部屋の所属協会員の移転先は以下の通り。

◆親方

▽中川親方=時津風

◆力士

▽西幕下6枚目旭蒼天=片男波

▽西幕下54枚目吉井=時津風

▽西三段目60枚目旭勇幸=引退

▽東序二段4枚目春光=宮城野

▽東序二段35枚目春日龍=友綱

▽西序二段37枚目大国里=追手風

▽西序二段48枚目木山=友綱

▽東序二段85枚目笹崎=時津風

▽東序二段115枚目吉沢=朝日山

◆呼出

▽耕平=片男波

◆床山

▽床仁=荒汐

▽床春=伊勢ノ海

◆世話人

▽白法山=宮城野

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7月場所可否と中川親方処分を13日協議 相撲協会

八角理事長(2020年4月3日撮影)

日本相撲協会は13日に臨時理事会を開き、大相撲7月場所(19日初日、東京・両国国技館)の開催可否の判断を下す。

協会は各部屋に外出自粛や出稽古禁止の通達、希望する協会員の新型コロナの感染歴を調べる抗体検査を行うなど、開催に向けて慎重に準備を進めてきた。当初は無観客開催を目指していたが、開催決定の場合は、観客の有無についても協議される。

日常的に弟子に暴力を働くなど、不適切な指導を行ってきた中川親方(元前頭旭里)の処分も協議される。同親方は師匠の資格なしと判断され、中川部屋は閉鎖となる見通し。同部屋に所属する9人の力士らは、同じ時津風一門を中心に移転先を最終調整しているが、なかには引退を考えている力士もいる。また、11月に福岡で開催される九州場所を両国国技館で代替開催する案が浮上しており、協議される見込み。例年は九州場所後に実施される冬巡業は、取りやめの見通しとなっている。

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中川部屋所属の力士ら、時津風一門を中心に移転調整

日本相撲協会は13日に臨時理事会を開き、大相撲7月場所(19日初日、東京・両国国技館)の開催可否の判断を下す。

協会は各部屋に外出自粛や出稽古禁止の通達、希望する協会員の新型コロナの感染歴を調べる抗体検査を行うなど、開催に向けて慎重に準備を進めてきた。当初は無観客開催を目指していたが、開催決定の場合は、観客の有無についても協議される。

日常的に弟子に暴力を働くなど、不適切な指導を行ってきた中川親方(元前頭旭里)の処分も協議される。同親方は師匠の資格なしと判断され、中川部屋は閉鎖となる見通し。同部屋に所属する9人の力士らは、同じ時津風一門を中心に移転先を最終調整している。また、11月に福岡で開催される九州場所を両国国技館で代替開催する案が浮上しており、協議される見込み。例年は九州場所後に実施される冬巡業は、取りやめの見通しとなっている。

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不適切指導の中川親方、日常的に弟子殴り蹴っていた

中川親方

不適切な指導により日本相撲協会から処分を検討されている中川親方(54=元前頭旭里)が、弟子に暴力を振るっていたことが11日、関係者への取材で分かった。関係者によると同親方は、弟子に対して日常的に殴る、蹴るなどの暴力行為を働いていたという。さらに、人格を否定する暴言を吐くなどし、一部の弟子が録音していた。

協会のコンプライアンス委員会は、すでに親方や所属力士らを聴取。処分は13日の臨時理事会で協議されるが、中川親方は師匠の資格なしと判断され、中川部屋は閉鎖となる見通しだ。同親方は部屋関係者を通じて「ご迷惑をお掛けして申し訳ありません。今は何もお答えできない。またあらためてお時間を取らせて頂きます」とコメントした。

協会は17年の元横綱日馬富士の暴行問題をきっかけに、暴力問題の再発防止に向け、指導者の責任を重視する方針を示している。18年には第三者機関の暴力問題再発防止検討委員会から提言を受け、暴力決別宣言と暴力問題再発防止策の方針を発表。コンプライアンス委員会と有識者会議を設けるなど、暴力やハラスメントの根絶へ本腰を入れて取り組んできたが、またも不祥事は起こってしまった。

部屋閉鎖となれば、力士らは他の部屋への転属が必要となる。中川部屋に所属する9人の力士らは、同じ時津風一門を中心に移籍先を最終調整中。幕下旭蒼天は片男波部屋、幕下吉井は時津風部屋への転籍が有力視されている。協会が7月場所(19日初日、東京・両国国技館)開催に向けて慎重に準備を進める中、水を差す事態となった。

◆中川憲治(なかがわ・けんじ)本名・増田憲治。1965年(昭40)11月9日生まれ、大阪・池田市出身。81年春場所で大島部屋から初土俵。89年初場所で新十両に昇進し、90年春場所で新入幕。幕内在位は4場所で、最高位は前頭14枚目。98年初場所で現役を引退し、年寄「熊ケ谷」を襲名。04年8月に「中川」を襲名し、退職した元春日山親方(元幕内浜錦)が率いていた旧春日山部屋を、17年1月に継承した。現在は審判委員を務めている。

神奈川県川崎市の中川部屋(写真は一部加工)

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大相撲の中川部屋が閉鎖へ 弟子に不適切指導か

中川親方(2020年3月15日)

大相撲の中川親方(54=元幕内旭里)が弟子に不適切な指導をしたとして、日本相撲協会が処分を検討していることが10日、分かった。

すでに日本相撲協会のコンプライアンス委員会が調査を進めている。13日の理事会で処分が検討されるが、中川部屋は閉鎖される見込み。中川部屋には、幕下吉井ら9人の力士が所属しており、今後は複数の部屋に転籍するほか、引退する力士もいるという。

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中学横綱の吉井、高卒211キロを投げて6勝締め

吉井(19年2月撮影)

<大相撲名古屋場所>◇14日目◇20日◇ドルフィンズアリーナ

静岡・焼津港中で昨夏の全国中学校相撲選手権個人、団体2冠に輝いた西序二段66枚目の吉井(15=中川)が、6勝1敗で今場所の取組を終えた。

デビュー2場所連続勝ち越しの上、6勝したことで秋場所での三段目昇格の可能性も浮上。しかし、吉井は「相撲内容はまだまだですが、場所前の目標をクリアできたことは、ホッとしています」と冷静でいる。

この日の7番相撲は、同じく1敗の同東72枚目當眞(宮城野)だった。同期入門力士だが、鳥取城北高卒の3学年上。体重は211キロで145キロの吉井は、立ち合いから一気に土俵際まで押し込まれたが、相手のはたきを踏ん張って左前みつを手にした。その後、こう着状態になったが、右前みつも手にして一気に寄り。土俵際に押し込んだ上で、右上手投げを決めた。

「重かったです。自分では出し投げのイメージでしたが、何とか勝てて良かったです」

どうしても勝ちたい相手だった。デビューの夏場所では、昨年の全国中学選手権個人で準優勝の大辻(高田川)が、當眞に勝っていたから。「大辻のことを考えると、勝っておきたい相手でした。苦しみましたが、何とかなりました」。

理想の立ち合いから馬力で押し込む相撲ができたのは、5勝目を飾った一番のみという。師匠の中川親方(元前頭旭里)からも「内容が良くない」と指摘されている。それでも、出世は順調。吉井自身はおごらず、「ここから先は、ゆっくりと上がっていければと思います。とにかくケガをしないように、じっくりと力をつけていきたいので」と話している。【柳田通斉】

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福山雅治から激励された吉井、デビュー連続勝ち越し

突っ張りのポーズで気合を前面に出す吉井=2019年2月28日

<大相撲名古屋場所>◇10日目◇16日◇ドルフィンズアリーナ

静岡・焼津港中で昨夏の全国中学校相撲選手権個人、団体2冠に輝いた西序二段66枚目の吉井(15=中川)が、デビュー2場所連続勝ち越しを決めた。3勝1敗で迎えた5番相撲は、同東63枚目の魁當真(浅香山)との取組。立ち合いで優位に立ちながらも、相手に右を差された。そこで冷静に左上手をつかんで豪快に投げを決めた。

「勝ち越しが早目に決まったことで、ホッとしています。これから心に余裕を持っていけると思います」

デビューの夏場所では5勝2敗。この勝ち越しで来場所も番付を上げて迎えることができるが、相撲内容には満足していない。師匠の中川親方(元前頭旭里)から指導されている「四つにこだわらず、馬力で相手を持っていく」が、実現できていないからだ。

「自分でもまだまだまだだと感じています。先場所に比べると、体重も5キロ減って145キロです。夏場になって汗の量が増えたからだと思いますが、これからは落とさないようにしたいです」

今場所は残り2番。連勝で終えると、6勝1敗で三段目昇格の可能性が出てくる。だが、本人は「目先の白星にこだわらず、自分の相撲を取ることに集中したいです。そのことは、師匠にも言われています」と話す。

ひたむきな15歳。本名は吉井虹(よしい・こう)で、母親が福山雅治のヒット曲「虹」から命名した。その情報は、報道を通じて福山にも伝わっており、東京FM「福のラジオ」で、「吉井君、頑張って君の虹つかんでください」とエールを送られている。夏場所前には、ドラマロケ先で福山と言葉も交わしている吉井。母親からは「福山さんの年末ライブ(パシフィコ横浜)に申し込むから、チケットが取れたら一緒に行こう」と誘われているという。そんな母親孝行を実現するまでに、どれだけの白星を積み上げられるか。吉井は「ケガをしないこと」を心がけながら、日々の成長を目指す。【柳田通斉】

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中学横綱の序ノ口吉井、福山雅治から「虹を」で5勝

吉井

<大相撲夏場所>◇14日目◇25日◇東京・両国国技館

静岡・焼津港中で昨夏の全国中学校相撲選手権個人、団体2冠に輝いた東序ノ口14枚目の吉井(15=中川)が、序ノ口デビュー場所を5勝2敗で乗り切った。25日の7番相撲は、同東10枚目で小兵の柏葉(伊勢ノ海)との取組。立ち合いで潜り込まれそうになったが、冷静に左を差して頭を押さえながら、肩透かしで勝負を決めた。

「勝ち越しが決まっていたので、緊張することなく、思い切ってやれました」

序ノ口とはいえ、レベルの高さを感じた場所だった。大学、高校出身力士も名を連ね、5番相撲では、東農大出身の時栄に屈した。師匠の中川親方(元前頭旭里)からも「まだ15歳。体力差はあるから、今場所は4番勝てばいい」と言われていたが、本人は「中学を出てすぐに入った以上、年齢差は関係なくやっていくだけです」。その上で「疲れはしましたが、食事も睡眠も十分で体重(150キロ)が減ることはありませんでした」と充実した表情で振り返った。

頑張れる要因には、福山雅治(50)の存在もあった。今場所前、東京・蒲田在住の後援者から「今、福山さんがドラマ『集団左遷』のロケをしているから」と声を掛けられ、稽古後に出向くと、偶然にエレベーターで一緒になった。実は母親が福山の大ファン。吉井の名前、虹(こう)は、母が福山の楽曲「虹」から命名したほどだが、吉井は緊張で福山にそれを説明できなかった。千載一遇のチャンスを逃す形に…。しかし、5月18日放送の東京FM「福のラジオ」で、パーソナリティーの福山自身がこう明かした。

「中川部屋の序ノ口吉井が2連勝。吉井くんの名前は、虹と書いて『こう』。お母さまが私のファンだそうで、ありがとうございます。で、03年リリースの『虹』から命名されたそうですが、何と吉井くんが、『集団左遷』の現場にいて、一緒のエレベーターに乗っていたらしいんですよ。俺が支度場でメークと衣装替えを終えて、4階か3階かでエレベーターに乗ったら、2階で止まるとそこに力士がいたんです。その人が吉井虹くんだったんです。俺が『大きいね~。体重何キロ?』と聞くと、『150キロです』と答えるので、『大人2人分だね』と返しました。そうこうするうちに、エレベーターが開いたわけですが、もう、言いなよ~。『吉井です。吉井虹です』って。その話を聞いて驚いたのは、私ですよ。ということで、頑張ってね。頑張って君の虹つかんでください」

吉井は、放送を聴いて驚いた母から連絡を受けて声を弾ませた。

「もう、夢のようでした。憧れてきた福山さんが、僕のことを知っていて、ラジオで話してくださるなんて…。母も大喜びでした」

とはいえ、相撲人生は始まったばかり。この喜びを福山に直接伝える立場ではなく、再会するためには番付を上げて、その機会をうかがうしかない。

「母には今回のことで、少しの恩返しをできた気がしますが、まだ福山さんに会わしてあげられていないので、その夢が果たせるぐらいに力をつけていきたいです」

吉井はそんな虹をつかむべく、前に進む。【柳田通斉】

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静岡初の横綱へ!全国中学王者の吉井が春場所初土俵

春場所での初土俵に向け、得意の突っ張りのポーズで気合を前面に出す吉井

焼津港中で昨夏の全国中学校相撲選手権で、県勢初の個人、団体2冠に輝いた吉井虹(こう、15=中川)が、満を持して大相撲春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)で初土俵を踏む。

稽古合流から3日目となった2月28日、大阪・池田市の部屋で取材に応じた。2日には新弟子検査を受検。平成最後の本場所で“平成最後の大物”が、太もも回り80センチにも達する強靱(きょうじん)な足腰を武器に、相撲界の扉を開く。

    ◇    ◇    ◇

曽祖父も祖父も父も料理人の家系から誕生した吉井が、大物食いを目指して相撲界に飛び込む。

昨夏の全中では個人で県勢3人目、団体で初の優勝。もちろん2冠は県勢初の快挙で、高い将来性から、把握できないほどの数の部屋から誘われた。その中で、約2年前から熱心に誘いを受けてきた中川部屋を選んだ。すでに稽古を3日間経験。「熱気や雰囲気が、これまでと全然違う。親方や地元の期待に応えたい」と、将来の幕内、さらにその上を目指す。

178センチ、145キロの立派な体は発展途上ながら、太もも回りは80センチに到達している。幕内トップクラスの太ももの太さを誇る、身長191センチの大関栃ノ心が91センチ。身長差を考慮に入れれば、すでに幕内力士にも匹敵するほどの足腰を備えている。5歳で柔道を始め、焼津港小4年時に参加した、わんぱく相撲で優勝し、本格的に相撲の道を進み始めた。焼津港中では、週6日は土俵で3時間稽古し、残る1日は1周1キロの山を、約10キロの木材を持ちながら10周。「すり足の時もありました」と、徹底的に下半身を鍛えてきた。

師匠の中川親方(元前頭旭里)も「やはり、お相撲さんらしいドッシリとした下半身が一番の魅力。けがをしないように、じっくりと体をつくっていきたい」と期待する。現在は突き、押しも右四つも得意だが、同親方は「プロの世界では『これ』というものがないと上にはいけない。器用貧乏にならないよう、武器を身に付けさせたい」と1、2年は基礎運動とぶつかり稽古を中心に、方向性を見極めていく方針だという。

プロ意識も強い。小学5年時には中学卒業後のプロ入りを決意していた。「友だちの親には『高校に行った方が将来、安心だよ』と言われたけど、どうせプロになるなら高校に行くよりも3年間、体をつくった方が有利。高校に行けば楽しいかもしれないけど、夢がある人は何かを捨てないといけない」と力説。今後に支障が出ないよう、無呼吸症候群を誘発する危険性のあったへんとうは昨年末に手術して除去した。大相撲中継は毎日、幕内の取組を見て研究。豊富な運動量で格上や大柄な相手を次々と破る前頭嘉風が目標だ。

「趣味は相撲」と答えるほど、相撲漬けの毎日は歓迎だ。部屋の兄弟子は、ほとんど10歳以上年上とあって、すでに「コウくん」と呼ばれる人気者。母まゆみさんが歌手福山雅治の大ファンで、ヒット曲「虹」にちなみ名付けられたが、まるで違う道を選んだ。「クラスメートには『横綱になって』と言われます」。静岡県出身初の横綱の期待も心得ている。【高田文太】

◆吉井虹(よしい・こう)2003年(平15)8月1日、静岡市清水区生まれ。5歳から柔道、焼津港小4年から相撲を始める。同5年からは相撲一筋。わんぱく相撲静岡県大会を4、5年時に優勝。焼津港中3年時の昨年8月、全中で個人、団体の2冠。得意は突き、押し、右四つ。家族は両親と兄。178センチ、145キロ。血液型A。

昨年8月19日、全国中学相撲選手権大会個人戦決勝で大辻理紀(兵庫・報徳学園中)を突き落としで破り、優勝を飾った吉井
昨年8月19日、全国中学相撲選手権大会団体戦で優勝を飾った焼津港中の選手たち。中央が吉井

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中川親方の継承を発表 昨年閉鎖の旧春日山部屋

 日本相撲協会は3日、中川親方(51=元幕内旭里、本名増田憲治、大阪府出身)が昨年10月に閉鎖された旧春日山部屋を1月26日付で継承したことを発表した。名称は「中川部屋」となり、幕下以下の力士9人や行司、呼び出しら計14人が所属する。

 春日山部屋は元春日山親方(元幕内浜錦)が昨年10月に師匠を辞任した際、現役を続ける力士らが追手風部屋に「預かり」の形で転属し、同部屋付きの中川親方が指導してきた。

 元春日山親方は年寄名跡証書の引き渡しを求める訴訟で先代親方と和解に至らず、1月16日に日本相撲協会を退職した。

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中川親方が旧春日山部屋を継承、名称「中川部屋」に

立浪一門会の会合を終え帰路に就く中川親方(元前頭旭里)(写真は2010年1月)

 大相撲の年寄名跡証書の引き渡しを求める訴訟で先代親方と和解に至らず、16日に日本相撲協会を退職した元春日山親方(元幕内浜錦)が昨年10月まで率いた旧春日山部屋を、追手風部屋付きの中川親方(51=元幕内旭里、本名増田憲治、大阪府出身)が継承することが26日、関係者の話で分かった。同日の協会理事会で承認されたという。名称は「中川部屋」となる。

 元春日山親方が不適格であることを理由に師匠辞任勧告を受け、部屋が追手風部屋の預かりとなった後、計14人の力士が大量引退。中川親方は現役を続行した同部屋への移籍組の指導を続けていた。

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追手風親方が時津風一門移籍、一門内で考え方に相違

 大相撲の追手風親方(50=元幕内大翔山)が伊勢ケ浜一門を離れ、時津風一門へ移籍したことが22日、日本相撲協会関係者の話で分かった。

 角界屈指の人気を誇る幕内遠藤ら追手風部屋に所属する力士や、部屋付きの中川親方(元幕内旭里)も移ったが、年寄名跡を巡って係争中の春日山親方(元幕内浜錦)は移らなかった。

 関係者によると、移籍の理由には伊勢ケ浜一門内で考え方に相違があったことや、時津風一門を興した大横綱双葉山の元時津風親方が、現役時代に追手風親方が在籍した立浪部屋の大先輩に当たることなどがある。

 時津風一門には11月の九州場所で優勝した横綱鶴竜(井筒部屋)を筆頭に、来年1月の初場所で新関脇昇進が確実な幕内正代(時津風部屋)、人気力士の幕内の勢(伊勢ノ海部屋)らがおり、遠藤は同門となる。九州場所時点で追手風部屋には関取5人が在籍した。

 部屋を系統別に分ける一門は時津風、伊勢ケ浜の他に出羽海、二所ノ関、高砂、貴乃花と6つあり、2年に1度の役員候補選挙や連合稽古、冠婚葬祭などで協力する。

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時津風審判委員復帰へ「もう大丈夫」虫垂炎だった

時津風審判委員(写真は2016年9月28日)

 体調不良のため大相撲九州場所3日目の15日から休場していた時津風審判委員(元幕内時津海)が10日目(22日)から復帰することが21日に決まった。

 本人によると虫垂炎を患っていたという。休場中は中川親方(元幕内旭里)が代理を務めていた。

 時津風親方は19日に福岡市内の病院を退院。手術は受けておらず「症状が治まったので、もう大丈夫。千秋楽までしっかり仕事をさせていただく」と述べた。

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