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【インタビュー】里村明衣子「常に自分の最高を」WWEと選手兼コーチ契約

仙女とWWEのNXT UKで存在感を見せる里村

“ダブル二刀流”で日本と世界を魅了する。センダイガールズプロレスリング(仙女)の里村明衣子(41)は、世界最大のプロレス団体米WWEと日本人初の選手兼コーチ契約を結び、現在は英国を拠点にするWWEのNXT UKに参戦。仙女では選手兼社長として変わらず団体を背負う。それぞれで2つの顔を持つ“女子プロレス界の横綱”は、日英のリングで熱く生きている。【取材・構成=山田愛斗】

   ◇   ◇   ◇

世界最高峰への長旅は、10年前の門前払いから始まった。かねて海外志向が強かった里村は、2011年、WWEのリングに照準を合わせた。これまでの経歴、写真、映像と必要な資料すべてをメールで送信。トライアウト受験を目指したが、同団体から「必要ありません」と返信がひと言届き、書類選考で夢の扉は閉ざされた。

里村 まず11年にメールで断られたことが、自分的にはすごいショックでした。「今はセンダイガールズで力を尽くせ」ということだと解釈して仙女でやってきて。それでも海外志向は止まらなかったです。

12年からは米国の小規模団体に目を向けた。「興行に出させてください」と自らを売り込み、自費で飛行機のチケットを手配し、1年に1度ぐらいのペースで渡米。「今は大スターのミッキー・ジェームスとかと同じ大会に出て、私の試合を見た人から『すごい人がいる』といううわさが、どんどんどんどん広まっていきました」。16年ごろになると海外からのオファーが定期的に届き、「今度はイギリスで『メイコ・サトムラはすごい』と」。米英での小さな積み重ねが花を咲かせるようになった。

運命に導かれるようにWWEと交錯した。海外団体での実績が評価され、18年に米国で行われたWWE女子トーナメント「メイ・ヤング・クラシック」に招かれ、世界各国から出場した32人の中で4強入り。その直後にスカウトされた。

仙女の活動と並行して、まずは米国のWWEパフォーマンスセンター(トレーニング施設)で、計3カ月ほど特別コーチを務めた。「はっきりとは言われてなかったですが、最初はコーチだけで、試合を組まれる可能性もあったと思います」。コロナ禍で昨春の渡米計画が流れるなど、WWE本格デビューは幻となり、最高峰に手が届きそうで届かなかった。

そんな状況下で、今度は英国を拠点にするWWEのNXT UKから「選手とコーチ、両方でお願いしたい」とオファーがあり、1月29日に日本人初の選手兼コーチ契約が発表された。

里村 18年に(WWEの)トーナメントに出られたのは私にとって夢みたいな出来事で、こんなことがあるんだって。今回、この年齢で契約まで至ったのは「人生って奇跡は起きるんだな」と改めて思いましたね。選手とコーチの兼任は日本で私が初めてなんです。そこは仙女でやってきたことが認められたと思っています。

英国のプロレスファンをとりこにしてきた。18年3月にはファイトクラブプロ、19年9月には同国最大の団体プログレスで、それぞれ女子王座に輝いた。「イギリスでチャンピオンになってからすごく現地のファンが増えました」。プロレスが盛んなドイツやアイルランドの興行にも参戦。欧州人気が高まったこともNXT UKとの契約につながった要因のひとつだ。

現在は日本と英国を行き来しながら活動している。英入国時に10日、帰国時に14日の隔離期間があり、「移動だけで1カ月つぶれるので、練習は全然足りません(笑い)」。今後は英国で過ごす期間を増やす意向で、ロンドンのWWEパフォーマンスセンターを拠点に技術を伝えながら、自らのレベルアップを図る。

里村 日本とは全然違いますが、イギリスのレスラーの技術は最高で、レベルが高い印象です。私がコーチとして一緒に練習すると、向こうのレスラーは日本の技術も取り入れられるし、すごくいい効果が生まれています。

故郷新潟で中学3年までの15年間を過ごし、横浜を経て、仙台生活は17年目に突入した。

里村 とにかく仙女に没頭して、レスラーとしても経営者としても尽くしてきたので、役目を果たしながら1段上のステージに上がれたなと実感しています。

団体を長年続けてきたことで、思わぬ出会いもあった。「海外の選手が『日本で練習したい』となれば、センダイガールズに呼ぶこともできます」。4月11、12日の2日間、WWE年間最大の祭典「レッスルマニア」が米国で開催された。初日のメインイベントはスマックダウン女子王座戦。タイトル防衛に失敗したが、激闘を繰り広げたサーシャ・バンクスは、19年夏にお忍びで仙女の練習に参加したことがある。

きっかけは里村のSNSに届いた1通のメッセージだった。「日本で練習させてください」と連絡があり、単身で来日。1週間、仙女式を体験した。面識はなかったものの、「当然、私は彼女を知ってますよね。インスタのフォロワーを見たら450万人(当時=現在517万人)で、『えっ?』という感じで、この子が来るんだと思っていたら、本当に1人で来て、たくさん練習して帰っていきました」。すでに一流でありながら異国で学ぶ熱心さに驚かされた。

里村 彼女がレッスルマニアのメインですごい試合をして、本物志向のスーパースターが、仙女で練習をしたいと思ってくれる団体になれたことがうれしかったです。

WWEに言葉の壁は存在しないが、英語はどちらかというと苦手だ。「恥ずかしいぐらい全然ダメです。試合は無言でもできますが、練習は言葉にして教えないといけないので、それが本当に難しくて、毎日、胃がきりきりしています(笑い)」。身ぶり手ぶりを交えながらコミュニケーションを取っている。

里村 今のWWEは全世界を巻き込もうとしています。各国の選手たちをすごく尊重してくれて、「日本人は日本語でいいからアピールしてほしい」という感じで、「英語ができないからあなたはダメ」ではなく、その国の代表を集めて全世界に発信するやり方は素晴らしいと思います。

2月12日のNXT UKデビュー戦を勝利で飾るなど、シングル戦はここまで2勝1敗。3月5日の2戦目では王者ケイ・リー・レイとタイトル戦で激突し、敗れているだけに「もちろんリベンジしたいです」と王座奪取に燃える。

里村 私は里村明衣子そのものを受け入れてくれるイギリス、ヨーロッパのファンが大好きなんです。自分自身をもっと高め、常に自分の最高を求めていきたいです。

この道26年のレジェンドが描く夢物語に終わりはない。

◆里村明衣子(さとむら・めいこ)1979年(昭54)11月17日生まれ、新潟市出身。3歳から柔道を始め、黒埼中3年時に県大会優勝。95年4月15日、GAEA JAPANで当時史上最年少の15歳でデビュー。得意技はスコーピオ・ライジング、オーバーヘッドキック、デスバレーボム、スリーパーホールド。趣味は旅行、筋トレ、郵便局巡り、スーパーマーケット巡り、読書、舞台鑑賞。157センチ、68キロ。

里村明衣子(2016年11月16日撮影)

里村明衣子がWWEと日本人初のコーチ兼選手契約

ボディービルコンテスト ともにベストパフォーマンス賞を受賞した里村明衣子と岩田美香(2016年8月28日撮影)

センダイガールズプロレスリング(仙女)の里村明衣子(41)が、世界最大のプロレス団体、米WWEとコーチ兼選手として契約したことが28日、明らかになった。

新潟県出身で仙女の社長兼看板選手の里村は「女子プロレス界の横綱」の愛称で親しまれる。40歳を超えてもストイックに体を鍛え上げ、彫刻のような肉体を維持し続けるトップレスラー。コーチ兼選手としての契約は日本人選手初の快挙になる。

里村は19年にイギリス最大の団体プログレスに初参戦するなど、海外でも実績を積んできた。現在はWWE UKに参加中で、今月6日から同団体のトレーニングセンターがあるロンドンに滞在。試合に向けて準備を進めている。

WWEはハルク・ホーガン、ザ・ロックら世界的スター選手も参戦した老舗団体だ。過去には国内公演が開催されるなど日本でも人気があり、新日本プロレスでエースだった中邑真輔や女子レスラーのSareeeとも契約している。里村は今後も仙女の社長を続け、同団体に変わらず参戦する。女子プロレス界の大物が、日本と仙女を背負い、世界最大の舞台で異彩を放つ。

里村明衣子(2019年3月11日撮影)
橋本千紘(右下)にデスバレーボムをかける里村明衣子(2017年9月24日撮影)

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仙台女子プロレス金子夏穂、ホテル辞めリングで夢を

必死の形相で立ち向かう金子(撮影・山田愛斗)

職場は、ホテルからリングへ-。センダイガールズプロレスリング(仙女)の金子夏穂(23)は、約1年半勤めていた名古屋のホテルを退職し、昨年4月に仙女の門をたたいた。しかしプロテストには3度の不合格を味わう。1年近く努力を重ね、ようやく先月8日に合格し同28日にデビューを果たした。

脱サラしてレスラー転身を決意したのは「好きな選手(新日本プロレスの高橋ヒロム)の印象に残る試合があり、仕事中もそれで頭がいっぱいだった。『自分もこれをやりたい』と思いが強くなった」と熱っぽく語る。運動未経験、体調を崩し中2の途中から卒業までは不登校。基礎体力ゼロの素人だが、人生を変えるため必死にもがいていた。

プロテストの壁に心が折れかけたこともある。「2回目までは大丈夫だった。3回目に落ちて自信がなくなり『向いてない。辞めたい』となったが、ここまでやりたいと思えることは今までなく、諦めたら後悔すると感じた」と負けん気は強い。体力と受け身の課題2つの克服に励み、ついに合格をつかんだ。

仙台で行われたデビュー戦には地元名古屋から母が駆けつけ、金子の名前がコールされると、会場には大声援が起こった。「何日も前から睡眠が浅く試合直前もガチガチだった。夢をかなえるためにようやく1歩を踏み出せた」。5分45秒で敗れたが、怖さを乗り越え堂々戦った。

会社員時代に「『仕事がきつい』と思ったときは、追い込まれながらもやり返す選手を思い出し元気をもらっていたので、自分も人の心に残るプロレスラーになりたい」。橋本千紘ら仙女の先輩レスラーのSNS上での合言葉は「がんばれかねこ」。一人前に早く成長し、リング上からエールを送る存在になる。【山田愛斗】

◆金子夏穂(かねこ・なつほ)1996年(平8)8月19日生まれ、愛知県名古屋市出身。昨年4月に仙女に入門し、今年3月28日プロデビュー。自分の世界を表現するのが好きで趣味はイラストを描くこと。160センチ、60キロ。

仙女15歳愛海“一本”宣言「日本一のレスラーに」

ジュニアベルトを掲げる愛海(撮影・山田愛斗)

プロレス番組を毎日のように見ていたオタク少女が、センダイガールズプロレスリング(仙女)第5代ジュニア王者まで上り詰めた。“中学生レスラー”の愛称で親しまれている愛海(15)は、中学を今月卒業。「(学業との)両立は今でも難しくて、高校ではもっと難しくなると考えたら、自分が好きな道を選んだ方がいい」。進学せずレスラー一本で勝負していく。

プロレスとの出会いは、初めて観戦に訪れた2歳のとき。以降、小3まで住んでいた大阪で何度も会場に通った。親の転勤があり小4で仙台へ引っ越し。仙女を見るようになり「女性でこんなに強い選手がいるのかと思い、憧れというか、こういう選手になりたい」と職業として意識し始めた。レスリング経験が少しある程度で、スポーツとは無縁だった。それでも選手がロープワークやマット運動を一般人に指導する「仙女サークル」で腕を磨き、徐々に頭角を現すと、プロ練習にも参加。小6でプレデビューを果たした。

12歳11カ月、中1で臨んだプロ初戦は、経験豊富なジャガー横田に屈して黒星スタート。「偉大な選手が相手でドキドキしていた。試合が始まったら目つきが変わってすごく怖かったが、『やってやるぞ』という気持ちだった。緊張してできない部分もあったけど、得意技のドロップキックを何発も打てたのは良かった」と振り返った。

昨年10月、神童ミコトに勝利し、プロ3年目で初めてベルトを巻いた。「何度も対戦し、バチバチのライバル関係もあったので楽しかった。ベルトを獲得したときは声援も大きくてうれしかった」。そして1、2月と2度防衛。次の防衛戦は未定だが「日本一の女子プロレスラーになりたい」。最強への道をコツコツ歩んでいく。【山田愛斗】

◆愛海(まなみ)2004年(平16)8月10日生まれ、大阪府出身。17年7月にプロデビュー。第5代センダイガールズワールドジュニアチャンピオン。得意技はドロップキック、羽根折り首固め。趣味は犬猫の動画を見ることや散歩。興味のあるスポーツは立ち技格闘技のK-1で、同じ大阪出身の皇治のファン。160センチ、57キロ。

ジュニアベルトを掲げる愛海(撮影・山田愛斗)

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仙女里村、東日本大震災教訓生かしイベント開催決断

橋本(中央奥)を中心に乾杯をする選手と参加者(撮影・山田愛斗)

センダイガールズプロレスリング(仙女)は1日、新型コロナウイルスの影響で開催か中止か難しい判断を迫られる中、仙台市内の道場でちゃんこイベントを行った。

宮城、山形、福島、茨城の4県から集まった約20人のファンにみそ、豆乳ちゃんこ、チヂミなどを振る舞い、仙女選手の出身地、入場曲問題など豪華景品が当たるクイズ大会も実施。2時間の交流を楽しんだ。

代表取締役兼選手の里村明衣子(40)は中止も頭をよぎる中、東日本大震災の教訓も生かし、通常通りイベントを行うことを決断した。「すごく悩みましたけど、消毒、手洗い、うがい、マスクと徹底的に気をつけてやりましたし、みなさんも気をつけて来てくれた。動ける人が動いて元気を出していこうというのはすごく重要で、それを震災で教わった。私たちは元気があるので、みなさんに元気を与えられるようにプロレスを通して活動したい」と言葉に力を込めた。

司会進行役とオリジナルクイズを考えたり、大車輪の活躍を見せた橋本千紘(27)は「暗いニュースばかりだけど、ファンと交流するのも大事。何がいいとは言えないが、プロレスやイベントで元気になって免疫力を上げてもらいたい」。仙女が元気や勇気を発信していく。【山田愛斗】

中学卒業でファンに贈られた花束を持つ愛海(前列中央)ら選手とイベント参加者たち(撮影・山田愛斗)

仙女を彩る「四刀流」美女の朱里 昨年“古巣”帰還

仙女の舞台で存在感を見せた朱里

プロレス、キックボクシング、総合格闘技、舞台女優の“四刀流”美女がセンダイガールズプロレスリング(仙女)を彩っている。朱里(30)は仙女所属ではないが幅広く活動。里村明衣子(40)のタッグパートナーを務め、多彩なキックを武器に輝きを放つ。

朱里・里村組は、昨年11月に東京・後楽園ホールで行われたロイヤルタッグトーナメントに出場した。直前の大会で勝利を収めた里村はリング上で「今までタッグパートナーがいなかったけど、朱里選手を待ってました」と絶大な信頼を示し、朱里も「選手として尊敬する思い入れのある方。過去にもタッグを組んだが、トーナメントは初なので、うれしい」と応じた。しかし、結果は準決勝敗退で女王の座は逃した。

空手少女の朱里は女優に憧れ、高校卒業後はその道を目指していたが、知人から偶然勧められたプロレス団体ハッスルのオーディションに参加。プロレスを見たことは1度もなかったが合格し、08年に19歳でデビューした。10年には新団体SMASHのリングに立ち、その旗揚げ戦で里村と初対戦したが敗北。「オーラやたたずまいがすごくて、ほかの人には出せない雰囲気がある。立っているだけでかっこいい、素晴らしい選手」と当時から憧れる。

キックボクシングや総合格闘技にも挑戦し、17年には世界最強の格闘家を決める舞台、米UFCに参戦。日本人女子初勝利を挙げた。UFCと契約する直前まで仙女で活躍し、昨年9月に“古巣”に帰還した。「里村さんがいる団体だからこそ上がれてうれしい。仙女のタッグベルトを獲得し、いずれは里村さんとシングルマッチでバチバチやって倒したいという思いもある」。緋色(ひいろ)の美女が静かに闘志を燃やしている。【山田愛斗】

◆朱里(本名は近藤朱里=こんどう・しゅり)1989年(平元)2月8日、神奈川県生まれ。小学校で空手を始め初段。08年「ハッスル」でプロレスデビューし、12年「Krush」でキックボクシングに初挑戦した。16年にパンクラスで総合格闘技を経験し、17年に米UFCに参戦。19年9月に仙女に復帰した。

朱里(右)と里村

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「しずちゃんとやりたい」赤井沙希七番勝負への思い

「おきばりやす七番勝負」の初戦藤本つかさ戦に臨む赤井沙希(撮影・高場泉穂)

DDTのプロレスラー赤井沙希(32)が、11月24日後楽園大会から七番勝負「おきばりやす」をスタートさせる。第1戦は昨年女子プロレス大賞の藤本つかさ(36=アイスリボン)。DDTで紅一点として戦う赤井にとって、女子選手とのシングルは貴重な機会。さらに飛躍するための七番勝負に向け、意気込みを語った。【取材・構成=高場泉穂】

-七番勝負が決まった経緯は

赤井 七番勝負というものを知ったのは自分が13年にプロレスを始めてから。やるのは、キャリアの浅い新人さんというイメージ。私はもう6年目なので、言われたときは「いまやるんだ…」とは思いました。新人がやるか、経歴やキャリアがあってくすぶっている人がやると聞いていたので。もっと伸びてほしいという団体からの期待と受けとめました。

-女子選手とのシングルについて

赤井 DDTは女子選手が私1人しかいないので、これまでのシングルは片手におさまるぐらい。だからうれしいです。自分自身が変わらなきゃいけないし、勝ち負けが大事。さらにそれ以外のものもつかみにいかないとと思っています。

-藤本選手とは過去に他団体のタッグ戦で対戦したことがある。印象は

赤井 先輩としての格、オーラがありながら、若い選手に寄り添って試合をされていた。藤本さんの器の中にいる感じがして悔しかったです。

-藤本選手は赤井選手に対し、「男子の中でやっているから、華を添えるポジションに落ち着いているのでは」と挑発

赤井 自分の中で、そういう立場にもやもやしたことは確かにありました。もっと、バチバチやりたいと。でも、その時求められることをやるのがDDTのレスラーとして必要。たとえ華を求められる役だとしても、プロレスラーとしてリングに立っているので、華も添えられて、試合も強くて。それが一番いいじゃないですか。華があってなにが悪いのと言いたいですね。

-さらに藤本選手から「喜怒哀楽」のうち、怒り、哀(かな)しみがみえない、と指摘された

赤井 (怒りも哀しみも)ありましたよ。リング上でゴング鳴った瞬間、泣いちゃったこともあるし、7月の両国大会で世志琥選手に負けたときは、涙が出ましたが見えないようにしました。

怒ったり、悔しい時は必ず向かい側に女子がいることに気付きました。

-2戦目以降の相手は未定。対戦してみたいのは

赤井 まずマッハ文朱さんですね。自分がデビューする前に引退されたんですが。タレントからレスラーになった人で、身長も170ぐらいある。重なる部分が多い大先輩です。あとは、しずちゃんですかね。私もボクシングをしていましたし、グローブ付きのプロレス技ありルールとか。カイヤさんもやってみたい。普通にでかいし、パワーもある。私は声でかいとびびっちゃうので不利ですが…。DDTなら対戦は可能かもしれない。

-七番勝負を通して得たいものは

赤井 DDTの選手として、戦力になりたいし、ベルト戦線に絡んでいきたい。悔しいですが、里村さんら仙女(センダイガールズ)のみなさんが今年KO-D6人タッグベルトを取って、自分もベルトを狙えると気付かされました。女子とか、男子とか関係なく、一戦力となってDDTをもっと盛り上げて、戦いをお客さんに楽しんでもらえるようになりたいです。

◆赤井沙希(あかい・さき)1987年(昭62)1月24日、京都府京都市生まれ。タレント活動を経て、13年8月、DDT両国大会でデビュー。14年プロレス大賞で女子初の新人賞を受賞。芸能活動と並行しながら、DDTリングで活躍する。得意技ケツァル・コアトル。父は元ボクサーで俳優の赤井英和。174センチ、53キロ。

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チーム200キロ初タイトル届かず、増量で頂点へ

ロイヤルタッグトーナメント決勝で敗れ、悔しがるチーム200キロの橋本千紘(左)と優宇(撮影・高場泉穂)

<センダイガールズ:後楽園大会>◇12日◇東京・後楽園ホール

業界注目の「チーム200キロ」こと橋本千紘(27=センダイガールズ)、優宇(28=EVE)組が初のタイトルをあと1歩で逃した。初開催の女子タッグ10組による「ロイヤルタッグトーナメント」に出場。1回戦でアレックス・リー、チャーリー・エヴァンスの外国人タッグを下し、準決勝では“横綱”こと里村明衣子と、元UFC戦士朱里組と対戦。強敵2人の蹴りに苦戦したが、橋本が師里村をラリアットで沈め、決勝へ駒を進めた。

決勝では、ワールドタッグ王者の令和アルテマパワーズことDASH・チサコ(31)、松本浩代(33)組と激突。優宇の強烈な逆水平、橋本の投げっぱなしジャーマンなど巨体を生かした破壊力抜群の攻撃を次々繰り出したが、王者組の巧みな連係に押され、最後は優宇がチサコにホルモンスプラッシュをくらい、敗れた。

独特の丸々としたフォルムをもつ2人は7月の仙女英国大会で初タッグ。結成4カ月ながら「息があう」(優宇)「隣にいるだけで頼もしい」(橋本)と絆は深く、切磋琢磨(せっさたくま)しながら体を大きくしてきた。それでも橋本はまだ88キロで、優宇は90キロ。真の「チーム200キロ」になるにはまだ22キロ足らない。試合に敗れ、コメントブースに現れた橋本は「年内にも挑戦したい」とワールドタッグベルトのタイトル戦を要求。さらに「その時は本物の200キロにする」と増量を約束した。「例えるなら、1人暮らしの冷蔵庫」(優宇)と世界的に見てもまれな小さくて丸々とした体形を持つ2人。橋本は大好きな酢豚、優宇は最近目覚めたという外食のカレーを味方に、もうひと回り大きな体を目指す。

一方、頂点に立った令和アルテマパワーズのチサコは「もっともっと戦いたいと正直に思いました。このベルトもいつでも挑戦受けるよ」とチーム200キロの力を評価。この日は準決勝でハードコアマッチをした直後の対戦だっただけに、「ダメージがない中で戦いたい」と再戦を希望した。

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Sareee初防衛「女子プロ自分が背負っている」

DASH・チサコを下し、ワールド王座を初防衛したSareee

<センダイガールズ:後楽園大会>◇7日◇東京・後楽園ホール

センダイガールズワールド王者Sareee(23=ディアナ)が、挑戦者DASH・チサコ(30)を破り、初防衛を果たした。チサコの巧みな攻撃におされぎみだったが、必殺技ホルモンスプラッシュを膝で返し、そこから反撃。裏投げ、ヘッドバットとたたみかけ、リストクラッチ式裏投げを決め、13分15秒で勝利をおさめた。

“仙女の門番”を名乗るチサコにも勢いを止めさせなかった。5月にアジャ・コングを破りWWWD王座を獲得。6月の新潟大会で仙女の若きエース橋本千紘からベルトを奪取し、シングル2冠王者となった。初防衛の相手は仙女岩田美香の予定だったが、岩田が首の負傷で休場を余儀なくされ、代わりにチサコが挑戦を表明。チサコにとっては、外敵Sareeeからベルトを取り戻す仙女のプライドをかけた戦いだったが、一蹴した。試合後は橋本に再戦を要求されたが、「いまの私にもう1回勝とうと思ってるの?」と余裕のコメント。今夏中に防衛戦をすると受諾した。

「日本の女子プロ界を自分が背負っている」。締めのマイクで言い切った。デビュー8年目。心身ともに充実し、日本女子プロ界のトップ戦線に一気におどり出た。WWEからも熱視線を送られており、6月末の日本公演に招待された。Sareeeは「まだ何も決まっていない。どうしたらいいか…」と困惑しつつも、「あんなたくさんのお客さんの前で試合をしたことはない。すごいと思った」。大きな刺激を糧に、さらに高みを目指す。

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仙女王者の橋本千紘V5 Sareee挑戦状に叫ぶ

5度目のワールド王座防衛を果たした橋本千紘(撮影・高場泉穂)

<センダイガールズ:後楽園大会>◇16日◇東京・後楽園ホール

センダイガールズワールド王者橋本千紘(26)が、巨体の刺客ジョーダン・グレース(23)を倒し、5度目の防衛を果たした。

予想以上の強敵だった。強靱(きょうじん)な体を持つグレースに、軽々と持ち上げられ、パワーボムを決められるなど一時は窮地に追い込まれが、最後は必殺のオブライトで勝利。「ベリーストロング」とつたない英語でグレースをたたえ、抱き合って互いの力を認め合った。「ぎりぎりの戦いだった。応援が背中を押してくれた」。駆けつけた母校のレスリング部の後輩から「いけいけ、千紘!」と熱いエールをもらい、薄氷の戦いを制した。

試合後には、直前のシングマッチで里村明衣子を破ったディアナのSareeeから挑戦状をたたきつけられた。橋本は「ちょっと顔がかわいいからって…。プロレスのレベルはこっちの方が上だ。出直してこい! 」とマイクで叫び、5月12日にディアナのタイトルWWWD世界シングルをアジャ・コングから奪還することを挑戦の条件とした。

仙女里村ら3人が女子チーム初のKO-Dタッグ王者

KO-Dタッグを奪取した仙女の3人。左から里村明衣子、橋本千紘、DASH・チサコ

<DDT:後楽園大会>◇21日◇東京・後楽園ホール◇観客1433人(満員札止め)

センダイガールズ(仙女)の3人が、女子チームとして初めてKO-Dタッグ王者となった。

仙女の里村明衣子、橋本千紘、DASH・チサコ組が、3度目の防衛を狙う王者竹下幸之介、彰人、飯野雄高組に挑戦。体格差で苦戦する場面もあったが、最後は仙女のエース橋本が飯野にオブライト(原爆固め)を決めて勝利。橋本は「1発1発の重さが違って、ダメージが残ってしまう。でもそこに負けないパワーが自分にはあって、それを最後まで出し切れた」と胸をはった。敗れた竹下は「哺乳類として、向こうが上だった」と完敗を認めた。

試合後には、DDT所属の赤井沙希がリングに乱入。タッグの仲間が決まっていないにも関わらず、「他団体に流出することに憤りを感じる」と挑戦を申し出た。横綱こと里村は「待ってたんだよ」と快諾し、「お前の眠ってる細胞目覚めさせてやるよ」と激戦を予告した。

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仙女里村明衣子「忘れたくない」毎年3・11興行

ワールドシングル王座の4度目の防衛を果たした橋本千紘

<センダイガールズ:新宿FACE大会>◇11日◇東京・新宿FACE

女子プロレス界の“横綱”里村明衣子(39)率いるセンダイガールズ(仙女)が、震災からちょうど8年を迎えた日、東京で「あの日を忘れない」と題した大会を行った。試合前には選手がリングにあがり、観客とともに黙とうをささげた。震災翌年の12年以来毎年3月11日に東京で試合を行ってきた。里村はリング上で、その狙いと思いを語った。

「3月11日、東日本大震災から8年がたちました。あの日に思いを寄せて、ここに足を運んでくださっている方も多いと思います。いつ、何が起こるか分からない。あの時、日本中、世界中の方々が助け合ってここまでこれたこと。センダイガールズもたくさんの方に支えられてここまでこられたこと。絶対に忘れたくない、という思いで毎年開催させていただいています。何かあった時にすぐに助けにいけるような団体であり、選手でありたいな、と思っております。人それぞれ使命があると思いますが、今日はセンダイガールズの思いをぶつけていきたいと思います」。

仙台から世界一の女子プロレスを目指す仙女。その志通り、特別な日に熱くハイレベルな戦いを繰り広げた。第3試合では、ワールドシングル王者の橋本千紘(26)が、挑戦者の旧姓・広田さくら(40)をオブライト(原爆固め)で下し、V4の最多防衛記録を達成した。橋本は日大レスリング部を経て、15年に入団。11年当時は大学生で東京にいた。「自分は東京にいて、被災はしなかったが、いまこうしてセンダイガールズでチャンピオンでいるのには意味があると思う。プロレスを通じて、東北のみなさんにパワーを届けることが私の役目」と、力強く宣言した。

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新崎人生まだまだ道半ば 記念大会で25年の思い爆発

「拝み渡り」を決める新崎(撮影・鎌田直秀)

<みちのく:新崎人生25周年記念大会>◇24日◇宮城・仙台サンプラザホール

 新崎人生(51)が、25年の思いをリング上で披露した。みちのくプロレスをともに盛り上げてきたザ・グレート・サスケ(48)、傘下の仙台女子プロレス里村明衣子(38)らとリングに上がってあいさつ。「新崎人生は東北で生まれた。まだまだ恩返しは出来ていないが、今日は、みちのくプロレスと仙女を凝縮した良さが出せたと思う」。5年後の30周年記念大会実施も約束した。

 お遍路スタイルで入場すると「人生、最高だぞ~」と大歓声を浴びた。6人タッグでのメモリアル試合でも、存在感は際立ってきた。トップロープを拝みながら渡って相手にチョップを浴びせる「拝み渡り」。トップロープから相手3人同時にドロップキックも決めた。「久しぶりでぶっつけ本番だったので、出来るかどうかのかけ。不格好でしたけれど、ひと安心でした」と苦笑いした、バック宙からの回転蹴りも場外で成功。最後は、かつぎ上げてからのパワーボム「高野落とし」でフォールを奪った。

 男女2団体のタイトルマッチをメインにしたのも新崎人生らしさだ。「『プロレスって痛くないんでしょ? 本気でやっていないんでしょ?』などと言われることもあったが、我々は我慢比べの職業。実際に見てもらえば、プロレスの見方が変わると思う。メイン4人の若手に負けないぞという気持ちも少なからずあります」。新崎人生は、まだまだ道半ばだ。【鎌田直秀】

トップロープからドロップキックを見舞う新崎(撮影・鎌田直秀)

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仙台女子カサンドラ宮城、大運動会で全国区ヒールだ

ヒールとして新境地を見せるカサンドラ宮城

 女子プロ好き、全員集合! 団体の垣根を越えて、50人以上のレスラーが参加する「女子プロレス大運動会」が14日に神奈川・川崎市とどろきアリーナで開催される。大縄跳び、100メートルリレーや綱取りなど6種目が行われ、仙台女子プロレスは里村明衣子代表(38)を始め、総勢8人が参加する。入団4年目のヒールレスラー、カサンドラ宮城が高い身体能力を誇示して会場内を席巻する。中学時代には陸上部に所属。定評のあるキレ味抜群のマイクパフォーマンスでも存在感を発揮する。

 「今までにないヒール役をお見せする。プロレスじゃないところでも、カサンドラをアピールしたい。負けない、負けたくない、負けるわけがない…不不不…」

 今までのヒール像を打ち破る。「美仙女」と呼ばれる美形レスラー岩田美香に対して、果敢に「顔面ウォッシュ」を繰り出す極悪非道ぶりを見せる一方で、多彩な「芸」も持ち合わす。得意の絵を磨くため、美術系の短大に進学。仙女のポスターをデザインする。歌もうまく、16年にはシングル「不不不…」でデビュー。ヒールながらも絵を描いて歌って、マルチに活躍している。「女子プロレス界に、今までいない“ヒール”ラウンドレスラーを目指す…不不不…」と不敵に笑う。大運動会をステップに、全国区のヒールになる。【高橋洋平】

下段左から橋本千紘、佐藤亜海、アレックス・リー、DASH・チサコ。中段左から岩田美香、愛海、カサンドラ宮城。上段がハイジ・カトリーナ

白姫美叶シングル完敗で本名の岩田美香に戻す

トップロープから仕掛けるもDASH・チサコ(左)に反撃される白姫

<仙台女子プロレス>◇22日◇宮城・仙台市宮城野区文化センター

 白姫美叶(本名=岩田美香、21)がDASH・チサコ(29)にシングルで完敗し、リングネーム返上を宣言した。場外乱闘を仕掛けられてペースを握られ、必死の形相で腕ひしぎ逆十字固めで反撃するも17分31秒、ホルモンスプラッシュからの片エビ固めに沈んだ。チサコから試合後、「全然まだまだだわ~お前本当になめてるな」と吐き捨てられると、白姫はマイクを持って絶叫した。

 白姫 自分が一番悔しいんですよ。このままじゃ終われない。白姫美叶、名前返上します! 自分にも意地がある。

 1月のホーム戦で首を痛めて流れたチサコとの一戦に敗れ、決意した。1年以上もリングネームを愛用してきたが、連戦連敗は抜け出せなかった。「先輩の胸を借りるじゃないけど、仙女の一員として背負ってるものをかけた戦いだった。ここから抜け出すには、壁を乗り越えなければいけない」。3月11日の新宿FACE大会では木村花(20=レッスル1)と本名で戦い、新しい自分を見せる。

中1レスラー愛海、いつか仙女の「名勝負数え唄」に

里村に足を決められる愛海

<仙台女子プロレス>◇13日◇仙台市宮城野区文化センター

 デビュー1年目コンビの中学生プロレスラー愛海(13)と、宮城・気仙沼出身の佐藤亜海(19)が18年初のホーム開催で、初めてメインを経験した。愛海は松本浩代、橋本千紘と、亜海はDASH・チサコと里村明衣子とタッグを組み、ベルト経験者たちにもまれた。最後は亜海が24分21秒で松本のバックドロップに沈み「目立ってやろうと思ったけど、相手の技が強くて力の差を感じた」と先輩の洗礼を受けた。

 白姫美叶が練習中に首を負傷して欠場したため、この日2試合を戦った愛海も防戦一方だった。「ものすごく緊張した。自分の技が利かなくて、逆に相手に決められた」。見せ場をつくれなかったが、まだ中学1年生。学業を終えた午後6時半から約2時間の練習を続けている。デビューが後の亜海とはライバル関係で、シングルで負け越している。「まだ私の方が1勝しかしていない。日本一の女子プロレスラーになるには、負けられない」と意識した。医療系の専門学校に通いながらレスラーを続ける亜海も「体を大きくしないと。ひたすら練習するしかない」と前を見据える。デビュー1年目コンビのライバル関係が、いつか仙女の「名勝負数え唄」になる。

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仙台女子プロレス・白姫美叶、負け癖払拭へ新技探る

18日、バトルロイヤルでフライングボディープレスを見舞う白姫

 仙台女子プロレスの白姫美叶(21)が今年の意気込みを語った。昨年12月18日に仙台市内で行われたホーム最終戦ではタッグ戦で敗戦。その後のバトルロイヤルでも最後は王者橋本千紘(25)に競り負け、負け癖を払拭(ふっしょく)することができなかった。「負けが続いている。今年でレスラー生活4年目。そろそろベルトを取らないと」と焦りを口にした。

 16年に本名の岩田美香からリングネームに改名し、昨年1月には待望のシングル初勝利を収めた。9月からはボスニア・ヘルツェゴビナ出身のアレックス・リー(32)と異色タッグ「ストロングスタイルラッシュ」を組んでコスチュームを新調するも、タッグベルトとは無縁だ。「タッグは息の合わせ方など、難しさはあるけど勉強にはなる。でも今の自分には顔がない…」と、決め手不足に悩んでいる様子だ。

 「首刈り」と命名された回し蹴りを決め技にしているが、この頃は相手に見切られるようになった。「フィニッシュにつながる技をつくらないと。技の強度を上げていく。これで勝てる! という技を編み出す」。今年は新技を開発して、仙女の台風の目となる。

橋本を挑発する白姫

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仙台女子プロレスに英国美女入団「仙台からWWE」

1日、仙女の選手とともにボディービルのコンテストに参加し、肉体美を披露するカトリーナ(右)、左は里村、中央は白姫(撮影・高橋洋平)

 杜(もり)の都に、金髪美女の黒船現る-。イギリス人レスラーのハイジ・カトリーナ(28)が、9月24日の仙台大会から正式に仙台女子プロレスへ入団した。178センチ、80キロの恵まれた体格から豪快な力技と関節技を繰り出す。仙女のストロングスタイルで経験を積み、将来は米国の本場WWE入りを狙う。

 カトリーナが仙台から世界へ、旋風を巻き起こす。破格のサイズとグラマラスボディーを誇る金髪美女が豪快に宣言した。

 「仙女でスキルを上げて、1、2年後にはWWEに入る。そして、世界最高のレスラーになってみせる」

 異色の経歴を持つ。14歳から体を鍛えていたが、「まだレスラーになるには早い」と大学では美術を専攻。卒業後の22歳でプロレスデビューを果たした。その後は地元ロンドンから離れ、フランス、ドイツ、カナダ、米国など世界を転戦。1年半前にたどり着いた日本で衝撃を受けた。昨年9月に行われた仙女の新宿FACE大会を観戦し、度肝を抜かれた。

 「シリアスにストロングスタイルをやっている。一目ぼれした。レスリングを学ぶには最高の場所。日本でプロレスを極めたい」

 来日当初は女子プロレスのREINAに参戦し、ベルトを獲得。DDTでは元プロボクサーで俳優の赤井英和の娘、赤井沙希とタッグを組んだりもしたが、仙女入団を決めた。4月23日の大阪大会で同マットに初参戦し、いきなりジャイアントスイングを披露。正式入団となった9月24日の仙台サンプラザホール大会ではダイビングギロチンドロップで締めくくり、存在感を示した。代表の里村明衣子(37)は「このまま成長していけば、WWEにも入れる逸材。今後が楽しみ」と最大級の賛辞を贈った。

 筋骨隆々の肉体は、毎日ジムで行う約2時間の筋力トレーニングのたまものだ。現在は仙台市在住で片言の日本語はマスターしており「センジョがイチバーン!」と、すっかり日本になじんだ。「今は仙台でプロレスをやりたい。関節技中心のブリティッシュスタイルに、仙女のストロングスタイルをブレンドしていきたい」。仙台からの逆輸入レスラーが、世界を席巻する日は近い。【高橋洋平】

 ◆ハイジ・カトリーナ 1989年4月21日、英国ロンドン生まれ。14歳から筋トレを始め、22歳でルチャ・ブリタニアでプロレスデビュー。その後は世界を転戦し、16年に来日。得意技はギロチンドロップ、アマゾンスラム(ランニング式パワースラム)。好きな日本食はしゃぶしゃぶ、カキ。178センチ、80キロ。スリーサイズはB104、W74、H102センチ。

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仙台女子プロレス「3・11」あえて新宿で試合

「熱く生きる」と色紙に決意を示す里村

 仙台女子プロレスが明日11日、新宿FACE大会「あの日を忘れない」を行い、試合開始前に黙とうをささげる。同イベントの3年連続の開催を迎え、里村明衣子代表(37)は「東京のプロレスファンに震災のことを知ってほしい。宮城で追悼するより、もっと知ってもらえると思う」と意図を説明する。ホーム仙台開催を12日にずらしてまで東京で開催する意味は、ここにある。

 「3・11」で仙女は修羅場を経験していた。当時いた7人のレスラーのうち、3人は引退などで退団し、3人いたスタッフも退社。11年8月からは一選手だった里村が代表に就任し、団体の運営を取り仕切った。当時経営ノウハウのなかった里村が自転車操業の中で粘り強く団体を存続できたのには、理由があった。同年4月、被災直後でがれきが残る石巻の避難所を1人で訪れ衝撃を受けていた。

 里村 家を流された人たちが段ボールですみ分けられた避難所で、必死に笑顔で頑張っていた。家がある自分たちが、へこたれちゃいけない。このままじゃ、いけないと思った。

 再始動した同年11月の大会では試合中に右足腓骨(ひこつ)を骨折。「こんなので痛いと言ってられない」と周囲には黙ってその後の試合も出続けた。体を張ったからこそ、今の仙女がある。里村は胸を張る。「今は自立して、本当の意味で『女子プロレスはこれからだ』と思える形にできた。今の仙女の勢いをアピールしたい」。魂を背負った女たちの戦いに、熱がほとばしる。【高橋洋平】

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“美仙女”白姫「やっととったぞ」必殺後ろ回し蹴り

後ろ回し蹴りで決着をつける白姫(撮影・高橋洋平)

<仙台女子プロレス>◇15日◇宮城野区文化センター

 デビュー2年目の「美仙女」こと白姫美叶(20)がMarvelous所属の桃野美桜(18)を11分11秒、新必殺技の後ろ回し蹴りから片エビ固めで撃破し、シングル戦初勝利を挙げた。白姫は「ホーム試合だし、すっごいうれしくて、やっととったぞ! という気持ちです」と振り返った。

 昨年12月にデビュー1年目の桃野と2度引き分けた危機感から、後ろ回し蹴りを新必殺技として磨いた。練習パートナーを務めた橋本千紘(24)が「威力も正確性も上がっていった。正直食らいたくない」と太鼓判を押すほどの威力だ。

 9日の新宿FACE大会では桃野相手に後ろ回し蹴りを決め、タッグ戦ながら自身初のフォール勝ち。この日も蹴り技中心で攻撃し、新必殺技で締めた。今後の目標は「ずっと努力が必要だと思う。白姫と言えば後ろ回し蹴り、と思われるぐらい練習したい」と締めくくった。次も美しく蹴り倒し、勝つ。

【高橋洋平】

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