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「大関照ノ富士」21場所ぶりに響く 史上初“復帰V”へ期待の白星発進

明生(右)を攻める照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館

大関に返り咲いた春場所覇者の照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、東前頭2枚目明生をきめ出しで下して白星発進した。2場所連続、昭和以降では初の大関復帰場所での優勝に向けて、17年秋場所3日目以来1355日ぶりの大関白星を挙げた。昨年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止。2年ぶりの夏場所は3日目まで無観客で開催される中、16年九州場所5日目以来の4大関安泰で幕を開けた。

   ◇   ◇   ◇

照ノ富士が3年半ぶりに大関として勝った。2度目の立ち合いで、明生の両腕を抱え込むと、じわじわと体を寄せて、焦らず料理。危なげない一番に「(相手が立ち合いの呼吸を)合わせてくれなかったが、前に足が出たので良かった」と納得するようにうなずいた。

不安を抱えながら臨んだ場所だった。場所前の調整について、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「膝の調子があんまりよくない。稽古はちょっと足りてない」と、古傷の両膝の状態を懸念。「出るからには、大関としての責任を果たせるように頑張ってもらいたい」と求めている。

昭和以降、大関復帰場所で優勝した例はない。現行のかど番制度となった69年名古屋場所以降では、7人8例が大関に返り咲いたが、復帰場所での最多白星は05年春場所での栃東の10勝。データ上では優勝争いに絡んだケースすらない中で、史上初の“復帰V”が期待される。

無観客開催で国技館内は静寂に包まれる。場内アナウンスなどで「大関照ノ富士」のしこ名が17年秋場所以来、21場所ぶりに響くが本人は「特に(感想は)ありません」と感慨にふける様子はない。4日目の12日から上限約5000人で観客が入る。「やることは変わらないが、身近で見て盛り上がってくれればいいこと」。照ノ富士の白星が号砲となるように、4大関全員が白星。出場最高位として土俵を引っ張っていく。【佐藤礼征】

▼八角理事長(元横綱北勝海) 照ノ富士からすれば差されたら(相手の腕を)きめるのはいつものこと。先に動いたのが良かった。相撲が安定していて優勝争いの中心になるでしょう。(4大関安泰に)勝つべく人が勝って盛り上がる場所になりそうな感じがする。

照ノ富士(左)はきめ出しで明生を破る(撮影・小沢裕)
照ノ富士(左)はきめ出しで明生を破る(撮影・小沢裕)

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大関復帰の照ノ富士が白星発進「V争いの中心でしょう」八角理事長も期待

明生(手前)の腕をきめる照ノ富士(撮影・河野匠)

<大相撲夏場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館

大関復帰の照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、力強い相撲で白星発進。組んで良し離れて良しの明生(25=立浪)に二本差されたが、慌てず両腕をきめると休まず前に出て、最後は左から振り下ろすようにきめだした。

報道陣の電話取材に対応した日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、この一番を「照ノ富士からすれば差されたら(相手の肘を)きめるのは、いつものこと。(その後の攻めも)先に動いていた」と、休まず前に出たことを勝因に挙げた。

大関復帰の心情を「(緊張感は)感じられなかった。大関は2回目だから、プレッシャーよりやる気の方が大きいんじゃないかな」と察し、白星スタートを切ったことで「いい流れで行けると思う」と今後を見通した。優勝争いについても「こうゆういい相撲で安定してくる。(優勝争いの)中心でしょうね」と、出場する力士の番付最上位として期待を寄せた。

照ノ富士(左)はきめ出しで明生を破る(撮影・小沢裕)
照ノ富士(左)はきめ出しで明生を破る(撮影・小沢裕)

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4大関安泰に八角理事長も安堵「勝つべく人が初日に勝って流れが良くなる」

協会あいさつに臨む、前列左から正代、朝乃山、八角理事長、貴景勝、照ノ富士、後列左から御嶽海、高安、隆の勝、大栄翔(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館

一人横綱白鵬(36=宮城野)の休場で、出場する番付最上位の大関4人がそろって白星発進。唯一の役力士同士の対戦で、小結大栄翔(27=追手風)が大関朝乃山(27=高砂)に敗れた以外、役力士全員も白星を連ねた。

波乱の場所が長く続き、たとえ上位陣が敗れても、波乱とも思えないほど不安定には慣れっこ? の状況だったが、4大関安泰に協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)も「勝つべく人が初日に勝って(場所の)流れが良くなる。千秋楽まで4人とも全勝というわけにはいかないが、いい流れの盛り上がる場所になりそうな感じがする」と両国国技館では初の無観客開催のスタートで安堵(あんど)のコメントを残した。

大阪で開催された昨年3月の春場所以来の無観客開催。それでも興行が成立し4日目から観客を入れての開催となることに「ありがたい。力士の気持ちの持ちようというか、気合の入れようは大変だろうが、頑張ってほしい。(無観客は一度)経験しているけど(館内が)応援がなくシーンとしているとね」と力士の心情を、おもんぱかりつつ奮起を求めた。

明生(手前)の腕をきめる照ノ富士(撮影・河野匠)
北勝富士(右)を突き落としで破る正代(撮影・鈴木正人)
貴景勝(右)は若隆景を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
大栄翔(左)を送り出しで破る朝乃山(撮影・鈴木正人)

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響龍さん死去 28歳 春場所取組で倒れ入院、寝たきり続き急性呼吸不全で

響龍さん(2020年7月21日撮影)

大相撲の境川部屋の三段目力士、響龍(ひびきりゅう)さん(本名・天野光稀)が28日、急性呼吸不全のため東京都内の病院で死去した。28歳だった。日本相撲協会が29日、発表した。

響龍さんは3月の春場所13日目の取組で、すくい投げを食った際に頭から落ちた。意識はあったがうつぶせ状態のまま立つことができず、倒れてから約1分後に、呼び出し3人があおむけにした。審判の親方衆や医師らが容体をうかがうなどし、倒れてから約6分後に担架に乗せられて土俵を降り、都内の病院に救急搬送されていた。響龍さんは救急搬送された際、協会関係者に体のしびれを訴えていた。

翌日には、師匠の境川親方(元小結両国)が日本相撲協会広報部を通じて「いま、一生懸命、治療に専念しています」とコメントしていた。関係者によると、響龍さんの入院生活は続いていたというが、徐々にまひした体が動くようになっていたという。しかし、28日に容体が急変。同日に死去した。取組でのアクシデントがきっかけとなった死去は、異例。寝たきりの状態が続いており、肺血栓を患っていたという。

協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「この度の訃報に接し、協会員一同、心より哀悼の意を表します。ご遺族の皆様方のご傷心を察しますと、お慰めの言葉も見つかりません。私自身、突然の訃報に、ただただ驚き、茫然としております。一か月以上にわたる闘病生活、さぞ辛かったと思いますが、ご家族や師匠らの懸命の看病のもと、力士らしく、粘り強く耐え、病魔と闘ってくれました。今はただ、安らかに眠って欲しいと願っております。懸命の治療を施してくださった医療関係者の皆様には故人に代わり、深く感謝申し上げます」(原文ママ)とのコメントを発表した。

◆響龍光稀(ひびきりゅう・みつき)本名・天野光稀。1993年(平5)3月17日、山口県下関市生まれ。山口・響高校(現下関北高)相撲部出身で、11年5月の技量審査場所で初土俵。最高位は19年秋場所での西三段目24枚目。通算195勝206敗5休。

響龍さん(2020年7月21日撮影)

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響龍さん死去に八角理事長「ただただ驚き、茫然としております」

響龍さん(2020年7月21日撮影)

大相撲の境川部屋の三段目力士、響龍(ひびきりゅう)さん(本名・天野光稀)が28日、急性呼吸不全のため東京都内の病院で死去した。28歳だった。日本相撲協会が29日、発表した。

響龍さんは3月の春場所13日目の取組で、すくい投げを食った際に頭から落ち、都内の病院に救急搬送されていた。

協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)がコメントを発表した。

「この度の訃報に接し、協会員一同、心より哀悼の意を表します。ご遺族の皆様方のご傷心を察しますと、お慰めの言葉も見つかりません。私自身、突然の訃報に、ただただ驚き、茫然としております。一か月以上にわたる闘病生活、さぞ辛かったと思いますが、ご家族や師匠らの懸命の看病のもと、力士らしく、粘り強く耐え、病魔と闘ってくれました。今はただ、安らかに眠って欲しいと願っております。懸命の治療を施してくださった医療関係者の皆様には故人に代わり、深く感謝申し上げます」(原文のまま)

突然の訃報に触れ、ショックの大きさを声明文ににじませた。

八角理事長(2018年10月1日撮影)

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「一代年寄」に物言い「白鵬」襲名へ厳しい見解、存在意義を見いだせず

「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の山内委員長(左から2人目)から提言書を受け取った後、会見する八角理事長(右端)ら(代表撮影)

大相撲の「一代年寄」に物言いがついた。

日本相撲協会に設置された「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の第11回会合が19日、東京・両国国技館で行われ、山内昌之委員長(東大名誉教授)が、協会の八角理事長(元横綱北勝海)に提言書を提出。功績顕著な横綱に対し一代限りで襲名を認めていた「一代年寄」について、存在意義を示すものを見いだされないなどと問題提起した。史上最多44度の優勝を誇る横綱白鵬(36=宮城野)にとって、一代年寄「白鵬」襲名へ厳しい見解が示された。

    ◇    ◇    ◇

一代年寄の親方は今後、誕生しないかもしれない。約2年間にわたって開催されてきた有識者会議の会合が最終回を迎え、山内委員長から八角理事長に約50ページに及ぶ提言書が提出された。多国籍化した角界が目指す方向性などについて指摘される中、一代年寄について問題提起された。

提言書は「一代年寄は当該横綱一代限りの特例のため、その部屋の弟子らによる継承襲名は認められない。その横綱の力と技の相撲ぶりが名乗りの部屋名とともには後世に継承されないことを意味する」と論じた。過去に一代年寄を襲名したのは、大鵬、北の湖、貴乃花の3横綱のみ。3人とも部屋を興したが、死去や退職などにより3部屋とも消滅している。所属していた力士らは他の部屋への転籍を余儀なくされた。

また、現在の協会の定款に根拠となる規定はないなどとして、存在意義を示すものは見いだされないとも論じた。山内委員長は「(一代年寄を)『廃止』と理解されては困る。廃止ではなく、制度そのものが本来なかった。協会のどこにも規定がない」と説明。提言書によると一代年寄は、1969年に現役だった横綱大鵬に、内弟子集めを例外的に認めて「横綱大鵬」と「年寄大鵬」を並立させる工夫として生み出されたものだという。加えて、弟子への継承が認められていないこともあり、提言書では「大相撲の師資相承の伝統から外れたいわば『異形』の資格」と論じた。

一代年寄について進言を受けた八角理事長は「そういう場面があれば理事会で審議していく」と話した。提言書に強制力はないが、協会が今後、一代年寄を認めない可能性が出てきた。認められなければ、横綱白鵬は引退後、一代年寄「白鵬親方」として協会に残ることができず、親方名跡取得の道を模索しなければならない。横綱は引退後5年間、力士名の親方として協会に残れるが、白鵬は年寄「間垣」を取得する方向で調整中。一代年寄取得に興味を示していた時期もあったが、厳しい見解が示される形となった。

◆一代年寄 日本相撲協会に以前から登録された105の年寄名跡のほかに、著しい貢献のあった横綱の功績をたたえて贈られる名跡。幕内優勝20回が目安とされ、個人一代限りにおいて年寄として待遇される。過去の権利取得者は4人。

▽大鵬 69年9月に一代年寄「大鵬」を贈られた。71年5月に引退し、同年12月に二所ノ関部屋から独立。史上初の一代年寄。2013年に72歳で死去。

▽北の湖 85年1月に引退して一代年寄「北の湖」となり、同年12月に三保ケ関部屋から独立。2015年に62歳で死去。

▽千代の富士(辞退) 89年9月に理事会で提案されたが本人が辞退。91年夏場所限りで引退し年寄「陣幕」を経て「九重」を継承。2016年に61歳で死去。

▽貴乃花 03年初場所中に引退して一代年寄「貴乃花」を襲名。04年2月に二子山部屋を継承し、部屋名を変更。2018年に退職。

<横綱比較>

▽大鵬 第48代横綱。優勝32回。通算872勝182敗136休

▽北の湖 第55代横綱。優勝24回。通算951勝350敗107休

▽千代の富士 第58代横綱。優勝31回。1045勝437敗159休

▽貴乃花 第65代横綱。優勝22回。通算794勝262敗201休

▽白鵬 第69代横綱。優勝44回。1172勝247敗223休

◆大相撲の継承発展を考える有識者会議 八角理事長(元横綱北勝海)の諮問機関。17年に起きた元横綱日馬富士による傷害事件など不祥事が続き、暴力問題再発防止検討委員会から外国出身力士に対する指導方法などについて外部有識者による協議を要請され、19年に創設された。委員はプロ野球ソフトバンクホークスの王貞治会長や俳優の紺野美沙子ら8人で構成。19年6月から議論を重ねてきた。

「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の山内委員長(右)から提言書を受け取る八角理事長(代表撮影)

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白鵬の一代年寄襲名は厳しく、横綱大鵬への特例で定款に規定なしと説明

「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の山内委員長(右)から提言書を受け取る八角理事長(代表撮影)

日本相撲協会は19日、東京・両国国技館で「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の第11回会合を開いた。

同会の山内昌之委員長が、協会の八角理事長(元横綱北勝海)に提言書を提出した。

約50ページに及ぶ提言書は、外国出身力士に大相撲の伝統文化を理解させるため、師匠の指導力や協会のガバナンス(統治)の重要性を指摘した。外国出身力士が多く活躍している現状を踏まえ、外国出身力士に対し「日本文化になじむ『入日本化』を促す」ことなどを進言。協会ガバナンスの向上を目指し、女性の外部理事登用も提言した。

また、功績顕著な横綱に対し一代限りで襲名を認めていた「一代年寄」についても言及した。提言書では「一代年寄は当該横綱一代限りの特例のため、その部屋の弟子らによる継承襲名は認められない。つまり、その横綱の力と技の相撲ぶりが名乗りの部屋名とともには後世に継承されないことを意味する。これは他の芸能・芸道には類例がなく、大相撲の師質相承の伝統からも外れたいわば異形の『資格』である」(一部抜粋)と論じた。

さらに一代年寄については、現在の協会の定款に根拠となる規定はないなどとして、一代年寄の存在意義を示すものは見いだされないとも論じた。山内委員長は「『廃止』と理解されては困る。廃止ではなく、制度そのものが本来なかった。協会のどこにも規定がない。横綱大鵬に対して工夫されたもので、それがある種の制度として考えられた」などと説明。提言書によると、一代年寄は1969年(昭44)に現役だった横綱大鵬に、内弟子集めを例外的に認めて「横綱大鵬」と「年寄大鵬」を並立させる工夫として生み出されたという。

一代年寄について進言を受けた八角理事長は「そういう場面があれば理事会で審議していきたいと思います」と話した。協会が提言書を受け、今後は一代年寄を認めないとなれば、横綱白鵬は「白鵬親方」として5年を超えて協会に残ることはできず、年寄名跡取得の道を模索することとなる。

同会議は八角理事長の諮問機関。元横綱日馬富士による傷害事件など不祥事が続き、暴力問題再発防止検討委員会から外国出身力士に対する指導法などについて外部有識者による協議を要請され、19年に創設した。委員にはプロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長ら8人で構成。19年6月から議論を重ねてきた。

◆一代年寄 日本相撲協会に以前から登録された105の年寄名跡のほかに、著しい貢献のあった横綱の功績をたたえて贈られる名跡。幕内優勝20回が目安とされ、個人一代限りにおいて年寄として待遇される。過去の権利取得者は4人。

▽大鵬 69年9月に一代年寄「大鵬」を贈られた。71年5月に引退し、同年12月に二所ノ関部屋から独立。史上初の一代年寄。2013年に72歳で死去。

▽北の湖 85年1月に引退して一代年寄「北の湖」となり、同年12月に三保ケ関部屋から独立。2015年に62歳で死去。

▽千代の富士(辞退) 89年9月に理事会で提案されたが本人が辞退。91年夏場所限りで引退し年寄「陣幕」を経て「九重」を継承。2016年に61歳で死去。

▽貴乃花 03年初場所中に引退して一代年寄「貴乃花」を襲名。04年2月に二子山部屋を継承し、部屋名を変更。2018年に退職。

◆大相撲の継承発展を考える有識者会議 八角理事長(元横綱北勝海)の諮問機関。17年に起きた元横綱日馬富士による傷害事件など不祥事が続き、暴力問題再発防止検討委員会から外国出身力士に対する指導方法などについて外部有識者による協議を要請され、19年に創設された。委員はプロ野球ソフトバンクホークスの王貞治会長や俳優の紺野美沙子さんら8人で構成。19年6月から議論を重ねてきた。

「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の山内委員長(左から2人目)から提言書を受け取った後、会見する八角理事長(右端)ら(代表撮影)

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大相撲の有識者会議「次回最後」で報告書作成目指す

有識者会議を終えリモート記者会見に臨む山内昌之委員長(右)と芝田山広報部長

日本相撲協会は3日、東京都内で「大相撲の継承発展を考える有識者会議」(山内昌之委員長)の第10回会合を開いた。委員8人のうち歌舞伎役者の松本白鸚氏と俳優の紺野美沙子氏が欠席。王貞治氏(プロ野球ソフトバンク球団会長)ら6委員が、約2時間にわたり意見交換した。昨年12月以来の開催で、次回は今月19日に開催予定。

次回の会合で、最終的に自己規律指針をまとめ、協会に提出する提言書の完成を目指す。リモートによる代表取材に応じた山内委員長によれば、この日は提言書にまとめる内容を議論。提言書は大枠で3つに分けられるという。1つ目は昭和から現在に至るまで力士が多国籍化した現状を踏まえ、どのような方向性に進むべきか。2つ目は、新しい時代の大相撲が継承発展のために、どう進むべきか方向性の施策。3つ目は他のスポーツ諸団体同様のガバナンス、インテグリティを相撲界としてどう考慮するべきか。山内委員長は「今の段階では次回が最後(の会合)とは必ずしも言えないが、次回でおおむね最終的なものが出る形で努力したい」と話し、次回の会合で最終報告書ができれば「八角理事長(元横綱北勝海)にお渡しすることになる。至らなければ、その次(の会合後)にお渡しする」と語った。報告書については、本文は400字詰めで40枚から50枚、各委員の主要発言をまとめたものは400字詰めで各委員4枚ほどになると説明した。

有識者会議を終えリモート記者会見に臨む山内昌之委員長

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白鵬5場所連続休場「注意」継続、横審全会一致で

横綱白鵬(2021年3月15日撮影)

日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)の定例会合が29日、東京都内で開かれ、横綱白鵬(36=宮城野)に対して、昨年11月場所後の会合で出した「注意」の決議を、継続することを決めた。出席7委員(1人欠席)の全会一致で、あらたに決議することはなかった。

白鵬と、春場所中に引退を発表した鶴竜(35=陸奥、現鶴竜親方)の両横綱に対しては、休場の多さから昨年11月場所後の定例会合で「引退勧告」に次ぐ重さの「注意」が決議されていた。白鵬は春場所3日目から、右膝負傷で休場。5場所連続休場となり、今回の協議が注目されていた。

横審の矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)は、既に右膝の手術を終え7月の名古屋場所で再起をかける意思を、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)が明かしている白鵬について「厳しい意見も出たが、もう1回チャンスを与えようということで一致した。7月場所の奮起に期待したい」と話し、さらに「7月場所の結果によっては厳しい意見が出ると思う」とし最も重い「引退勧告」が決議される可能性にも言及した。7月場所の「結果」のラインについては「状況を見て決めるしかない。仮定に基づく話は出来かねる」と具体的な数字については言及を避けた。

矢野委員長は、注意の決議を継続した3つの理由についても言及。<1>1月の初場所は新型コロナウイルス感染で休場はやむを得ないこと<2>3月の春場所は2日だけの出場だったが意欲を示したことは評価<3>7月場所で進退をかけることを明言している、の3点を挙げた。3点目については発言の真意を確認するため、八角理事長(元横綱北勝海)に確認を要請。同理事長は師匠の宮城野親方を呼び真意を確認。その説明を同委員長も受けたという。

「横綱の在り方を含め相当、時間をかけた」と矢野委員長。あらためて「横綱の責任を全うすることを強く求めたい」と期待し、さらに「横綱は大相撲の象徴的な、富士山のような存在。それは単なる自然でなく文化遺産。それと同じように大相撲も単なるスポーツではなく、歴史や伝統に支えられた国技。その意義を十分にかみしめて(白鵬のみならず)師匠や協会も自覚をもってほしい」と注文した。

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V照ノ富士知る兄弟子の安治川親方「全て変わった」

元安美錦の安治川親方(2019年8月13日撮影)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が昨年7月場所以来の優勝を果たして、事実上決まった大関復帰に花を添えた。負ければ優勝決定ともえ戦にもつれ込む一番で、大関貴景勝を押し出して12勝目。昇進目安の「三役で3場所33勝」に3勝を上乗せした。日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)が、大関昇進をはかる臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、了承された。31日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て正式に17年秋場所以来の「大関照ノ富士」が帰ってくる。

   ◇   ◇   ◇

照ノ富士の兄弟子でもある、部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)は「ケガで番付が下がったけど、よく頑張った。ここまでのことは想像できなかった」と祝福した。自身が現役の時に、照ノ富士は大関昇進と大関陥落を経験。当時を間近で見ていた安治川親方は「ケガもそうだけど病気も重なった。相撲を取れる状態ではなかった」と、照ノ富士が序二段まで番付を落とした時の様子を明かした。

今回の優勝で2度目の大関昇進は確実。1度目の大関昇進時と、現在の違いについて問われると「今日1日を精いっぱい頑張っている。全てにおいて違う」と稽古に打ち込む姿勢や私生活などが、まるっきり変わったという。「他の関取衆がケガで稽古を休んだとしても、照ノ富士は若い衆相手に稽古をしていた。その時に出来ることを精いっぱいやってきた。その結果が出た」と優勝の要因を語った。

貴景勝(右)を土俵際に追い込む照ノ富士(撮影・河田真司)
八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る照ノ富士(撮影・河田真司)

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照ノ富士「皆さんのおかげで元の位置に」一問一答

優勝力士インタビューで笑顔を見せる照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が昨年7月場所以来の優勝を果たして、事実上決まった大関復帰に花を添えた。負ければ優勝決定ともえ戦にもつれ込む一番で、大関貴景勝を押し出して12勝目。昇進目安の「三役で3場所33勝」に3勝を上乗せした。日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)が、大関昇進をはかる臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、了承された。31日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て正式に17年秋場所以来の「大関照ノ富士」が帰ってくる。

   ◇   ◇   ◇

照ノ富士の一問一答は以下の通り。

-優勝を決めた心境は

照ノ富士 本当に皆さんのおかげでこうやって元の位置に戻ることができた。

-優勝への意識はいつから

照ノ富士 そんなに意識してなかったけど、最後の方はちょっと意識してしまった。

-初優勝した15年夏場所との違いは

照ノ富士 比べても分からないが、うれしさがある。

-ともえ戦にしたくはなかったか

照ノ富士 万が一負けてともえ戦になったとしても、精いっぱい力を出し切ろうとしか考えてなかった。なったら仕方ない。一生懸命やるだけ。

-支えになったものは

照ノ富士 これは番組でいっぱい出てるから、そんな毎回言うことじゃないけど(笑い)。本当に皆さんの応援のおかげで戻ることができた。

八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る照ノ富士(撮影・河田真司)
貴景勝(右)を土俵際に追い込む照ノ富士(撮影・河田真司)

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照ノ富士万感「辞めず良かったか」問われ10秒の間

貴景勝(手前)を攻める照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が昨年7月場所以来の優勝を果たして、事実上決まった大関復帰に花を添えた。負ければ優勝決定ともえ戦にもつれ込む一番で、大関貴景勝を押し出して12勝目。昇進目安の「三役で3場所33勝」に3勝を上乗せした。日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)が、大関昇進をはかる臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、了承された。31日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て正式に17年秋場所以来の「大関照ノ富士」が帰ってくる。

   ◇   ◇   ◇

大相撲史に史上最大の復活劇を刻んだ。土俵下での優勝インタビューで「辞めなくて良かったか」と問われると、照ノ富士は10秒の間を置いて「そうですね。良かったです」と言葉を振り絞った。3年半前に大関から陥落。両膝のけがや内臓疾患などの影響で何度も引退を考え、そのたび師匠の伊勢ケ浜親方に引き留められた。序二段まで落ちて大関に復帰するのは史上初。優勝と同時に実現し「1日1日必死に、前向きでやってきた結果が現れる日がくると思って信じてやってきた」とうなずいた。

3大関を総ナメして“先輩大関”の実力を示した。貴景勝に土俵際まで押し込まれながら右を差し込むと、苦し紛れに小手で振る相手を力ずくで押し出し。立ち合いで相手の右手をたぐれなかったが「相撲ってあんまり狙い通りにならないもんで」。気持ちと展開を一瞬で切り替えた。

万全ではない終盤戦だった。師匠の伊勢ケ浜親方によると、3敗目を喫した10日目の志摩ノ海戦で膝を痛めたという。残り5日間は痛み止めを打って土俵に上がったが、本人は「完全に治っているわけはない。痛みはあるから、付き合ってやっている。仕方ないこと」と淡々。この日の朝、一緒に病院へ行った弟弟子で平幕の翠富士には「優勝しておいしい酒を飲もうぜ」と宣言。不安な表情は見せなかった。

心身を第一に調整してきた。両膝を痛めるまでは場所直前でも1日50番以上を取ることはざらにあったが、現在は1日20から30番ほど。昨年末には「年齢も変わって、やり方も変わってくるから」と照ノ富士。間垣部屋時代からの仲間で呼び出しの照矢は「僕から言うのは『けがだけはしないように』。保護者みたいに見守っています」と笑う。土俵に立つ姿が何よりの恩返しだった。

来場所から4大関で最高位への出世争いを繰り広げる。「1場所1場所精いっぱい頑張れば、次につながるかな」と照ノ富士。鶴竜の引退で白鵬の1人横綱となった相撲界。その白鵬に次ぐ現役2位の3度目の優勝で、次期横綱候補として再び名乗りを上げた。【佐藤礼征】

◆照ノ富士春雄(てるのふじ・はるお)本名・ガントルガ・ガンエルデネ。1991年11月29日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。18歳で来日し、鳥取城北高に留学して相撲を始める。3年時に中退して間垣部屋に入門。しこ名「若三勝」で11年技量審査場所で初土俵。13年春場所後に伊勢ケ浜部屋に転籍。同年秋場所が新十両昇進で「照ノ富士」に改名。関脇だった15年夏場所で初優勝を果たし、場所後に大関昇進。17年秋場所後に大関陥落。5場所連続休場して19年春場所に西序二段48枚目で本場所に復帰。192センチ、177キロ。血液型はO。家族は妻。得意は右四つ、寄り。

貴景勝(右)を土俵際に追い込む照ノ富士(撮影・河田真司)
八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る照ノ富士(撮影・河田真司)
幕内優勝を飾り師匠の伊勢ケ浜審判部長(左)から優勝旗を受け取る照ノ富士(撮影・小沢裕)
吉本興業賞授与式に臨む間寛平(右)と幕内優勝の照ノ富士(撮影・河田真司)
吉本興業賞授与式で間寛平(右)から額を受け取る照ノ富士(撮影・河田真司)

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3大関倒しVの照ノ富士は「安定してる」理事長評価

八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る照ノ富士(撮影・河田真司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、大関貴景勝(24=常盤山)を冷静にさばき、3度目の幕内優勝を達成。確実にした大関復帰に花を添えた。

負ければ優勝決定ともえ戦に持ち込まれる一番は、貴景勝の突き押しを下からあてがい、捨て身ともいえる小手投げにも冷静に対処。最後はお株を奪うように、もろ手でドンと突いて土俵下まで押し出した。

精神的にも安定した状態を、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「押し込まれても焦らなかった。冷静だった。辛抱勝ちでしょう」と評した。逆に番付上の貴景勝の心理を読むように「貴景勝の方が焦って小手に振った。あそこは(照ノ富士が)はたくのを待つぐらいの我慢がほしかった。勝負を焦った」と解説した。

これで大関昇進は確実。現状では3大関より力が上であることを証明した場所でもあった。「今場所は3大関に勝ってる。正代はいっぺんに持っていったし、朝乃山には相撲を取らせなかった。そして今日。体さえ良ければ、経験からしても一番、安定している」と同理事長。今後については「膝のケガとかで大関から落ちたから、それに気をつけさえすれば立派に大関を務められる。膝の強化と体調管理。そこに気をつけてほしい」と期待した。

貴景勝(右)を土俵際に追い込む照ノ富士(撮影・河田真司)
貴景勝(右)を押し出しで破り、幕内優勝を決める照ノ富士(撮影・河田真司)

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V照ノ富士は「大関立派に務められる」八角理事長

八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る照ノ富士(撮影・河田真司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が昨年7月場所以来の優勝を果たして、確実にしている大関復帰に花を添えた。大関貴景勝を破って12勝目。3度目の幕内優勝は関脇以下では初となる快挙を成し遂げた。

   ◇   ◇   ◇

▽八角理事長(元横綱北勝海) 照ノ富士は焦らず冷静だった。貴景勝の方が小手に振って勝負を焦った。辛抱勝ちでしょう。照ノ富士は初日から安定して優勝するべく優勝した。膝の強化と体調管理をしっかりやれば立派に大関を務められる。3大関は照ノ富士に勝たないと優勝できないということ。

吉本興業賞授与式で間寛平(右)から額を受け取る照ノ富士(撮影・河田真司)
貴景勝(右)を土俵際に追い込む照ノ富士(撮影・河田真司)

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照ノ富士の大関復帰が事実上決定、臨時理事会を承認

賜杯を手にする照ノ富士(撮影・河田真司)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)の大関復帰が事実上、決まった。単独先頭で迎えた千秋楽。大関貴景勝を押し出して12勝目を挙げ、3度目の優勝を果たした。

打ち出し後、伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)が大関昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請して八角理事長が承認した。31日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て「大関照ノ富士」が帰ってくる。

照ノ富士は返り三役の昨年11月場所で13勝、関脇の初場所で11勝を挙げていた。大関昇進の目安は「三役で3場所33勝」だが、今場所の12勝で目安を上回る「36勝」となっていた。

貴景勝(手前)を攻める照ノ富士(撮影・鈴木正人)

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4敗目高安に「後の祭り」八角理事長が心理状態分析

八角理事長(2020年4月3日撮影)

<大相撲春場所>◇14日目◇27日◇東京・両国国技館

優勝争いで関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)とともに3敗でトップに並んでいた小結高安(30=田子ノ浦)が、連日の小兵との対戦で苦杯をなめ4敗に後退してしまった。

前日は若隆景(26=荒汐)、そしてこの日は翔猿(28=追手風)と、優勝争いの終盤で、対戦回数の少ない小兵との対戦は高安も難しいところだった。案の定、思い切りが影を潜め、翔猿にかき回された。得意の左四つ、右上手を引きつけても前に出られず、迷いが感じられた。そうこうするうち、翔猿が足を跳ばし体勢を崩したところが勝負どころ、と上体が浮いたまま喜び勇んで出るところで、逆転の首ひねりを食らい、土俵下に転落した。

日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、高安の心理を察するように「安全に安全に、と思ったんだろうけど勝負どころで動かなかった。(というより)動けなかったのかな。勝負どころはナンボでもあった。(翔猿の)蹴返しでグラッとなって、ようやく出たけど、最初から力を出していれば相手も出てこないし蹴返しもなかった。後の祭りだろうけど」と解説した。がんじがらめになった高安の心理状況を「それだけ優勝にはプレッシャーがかかるということ。絶対有利になったのに最後の最後で思い切りがなかった」と、精神的重圧に押しつぶされている状況を説いた。

それでも、ここまで場所を引っ張ってきたことは誰もが認めるところ。「最後まで、まだ1番ある。チャンスはあるのだから、頑張ってほしいですね。せっかく優勝争いをしているんだから、力を出し切るんだと考えた方がいい」と心の持ちようをすすめた。千秋楽は、4敗同士の対戦で碧山に勝ち、貴景勝が照ノ富士を破れば優勝決定ともえ戦に持ち込まれるだけに、最後まで場所を盛り上げることに期待した。

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照ノ富士理詰めでV王手に「相撲うまかった」理事長

朝乃山(右)と立ち合う照ノ富士(撮影・河田真司)

<大相撲春場所>◇14日目◇27日◇東京・両国国技館

大関復帰を確実にしている関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、今場所4日目以来の単独トップに立ち、大関返り咲きに花を添える、昨年7月場所以来3度目の幕内優勝に王手をかけた。

結びの一番で、対戦成績4戦全勝と相性のいい大関朝乃山(27=高砂)と対戦。意表を突くような朝乃山の、もろ手突きの立ち合いも冷静に対処。右の相四つで激しい攻防を展開したが、最後は左上手を引きつけ、右のかいなを返した照ノ富士が、万全の体勢で寄り切った。

大型力士同士の四つ相撲に、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「見応えのある、いい内容だった」と両者の力の出し合いを評価した。朝乃山の立ち合いには「右を深く差せれば、というところだったのではないかな」と朝乃山の意図をくんだ。その上で「やっぱり上手を取って強かった。上手と(右)下手をね」と照ノ富士の力を、あらためて評価した。力ばかりでなく「相撲がうまかった。(朝乃山の)上手を切りながら、かいなを返しながら(の寄り)。朝乃山も先手を取りたかっただろうが終始、照ノ富士の流れだった」と理詰めの攻めもほめた。

千秋楽で照ノ富士は、4敗の大関貴景勝(24=常盤山)と対戦する。敗れれば、高安-碧山戦の勝者を加えた優勝決定ともえ戦に持ち込まれる。昨年の11月場所千秋楽も、星の差1つで両者は対戦。リードしていた貴景勝が本割で照ノ富士に敗れ並ばれたが、優勝決定戦で下し2度目の優勝を遂げた。「以前(昨年11月場所)と反対だったでしょう? 照ノ富士が(本割で)勝って決定戦で負けた。似たような感じ(状況)でしょう」と4カ月前のシーンを思い起こすように同理事長は話していた。

照ノ富士(左)は朝乃山を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
懸賞金を手にする照ノ富士。3敗で単独トップに立ち千秋楽に臨む(撮影・小沢裕)

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八角理事長、3敗目の高安は「ちょっと強引だった」

八角理事長(2020年4月3日撮影)

<大相撲春場所>◇13日目◇26日◇東京・両国国技館

優勝争いで単独トップを走っていた小結高安(30=田子ノ浦)が、小兵の若隆景(26=荒汐)に苦杯をなめ3敗目。3敗で追っていた照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が勝ったため、トップに並ばれてしまった。

今場所再三、粘り強い相撲を見せていた若隆景の、執拗(しつよう)な攻めに対処していたが、最後にやや強引に見える左からの小手投げが相手を呼び込む形となり、体を預けられ寄り倒された。

協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「最後、ちょっと強引だった。それまで我慢していたけど、最後は我慢しきれずに引っ張り込んだ。辛抱負けした」と勝負どころの高安の焦りを察した。これまでは三役や上位相手との対戦で高安らしい相撲を見せていたが「下位に取りこぼしちゃいけない(という気持ち)とか、動きの速い力士だから」と、番付下位と取る難しさも分析。高安の心理面を解き明かすように話した。

残り2日。ここまでは「緊張感はあっただろう」と察した上で「逆に開き直って、あと2日しっかりやろうと。安全に勝つんだ、じゃなく振り出し(に戻ったん)だ、ぐらいの気持ちでいけば」と、高安の心の持ちようを話した。

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八角理事長「今場所1番」照ノ富士の相撲を高評価

正代(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇13日目◇26日◇東京・両国国技館

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、2ケタ10勝目に白星を乗せた。大関昇進の目安とされる三役で3場所通算33勝は前日、12日目にクリア。

この日、さらに求めたかった大関とりの場所で2ケタ勝利に乗せ、大関復帰を濃厚にした。昇進については、審判部判断の姿勢からこの日も明言を避けた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)だが、相撲内容については、高く評価した。

大関正代(29=時津風)に対し、立ち合いで当たって瞬時に左前まわしを引くや、強烈に引きつけたまま巨体を預けた。危なげなく寄り切っての10勝目に、同理事長は「最高の相撲。今場所1番の相撲」と声を発した。電話越しに報道陣がかけた「立ち合いの踏み込みが良かった」の問い掛けには「それに尽きる。いいところ(左前みつ)を取れた。踏み込んでいるから」と、なおも最高の立ち合いを評価。さらに「内容は最高」とほめた。

正代を寄り切りで破り勝ち名乗りを受ける照ノ富士(撮影・鈴木正人)

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八角理事長、初V狙う高安は「落ち着いている」

八角理事長(2020年4月3日撮影)

<大相撲春場所>◇12日目◇25日◇東京・両国国技館

前日、2敗目を喫した小結高安(30=田子ノ浦)が、敗戦のショックを引きずることなく、北勝富士(28=八角)を破り10勝目。単独トップの座を守った。

立ち合いは両者ほぼ互角。ただ、この日も踏み込んだ高安が相手の出足を、余裕を持って受け止めたように見えた。右からのおっつけで一度、北勝富士の体勢を崩す。なおも出てくる北勝富士の左脇を、再度の強烈におっつけて、相手の体を泳がせた。ほぼ横向きで体勢を戻す北勝富士を攻め続け危なげなく押し出した。

八角理事長は「踏み込みが良かった。右からの攻めも良かった」と完勝を分析した。初優勝へ正念場の残り3日。テレビ画面に映る高安の姿に「内心はどうなんだろう…。見た目は落ち着いているように見える」と察した。残り3日に求められることには「とにかく1歩踏み込んで押し込む。当たり前のことをやることだろう」と指摘。ただ「1差は有利とは言えない?」の問いかけには「そうだろう」とだけ答えた。

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