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大鵬の孫・十両王鵬6発で突き出し白星先行「今はいい相撲が取れている」

荒篤山(手前)を攻める王鵬(撮影・滝沢徹郎)

<大相撲夏場所>◇5日目◇13日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫で元関脇貴闘力の三男、西十両14枚目王鵬(21=大嶽)が、東幕下筆頭荒篤山(27=荒汐)を突き出して3勝2敗と白星を先行させた。

押し合いで終始優勢。相手を常に正面に置き、計6発で土俵外に持っていった。「相手も突き相撲だったので、今日はまわしを取らないようにということだけ(意識した)。体の調子もどんどん上がっていくと思う。星が並んでしまう方なので、1個でも白星を積めたらいい」と振り返った。

新十両だった1月の初場所は5勝10敗とはね返された。関取として初めての勝ち越しを目指す今場所。「(突き押しの)威力が上がっているというよりは、しっかり当てていると思う。今はいい相撲が取れている」と話した。

荒篤山(左)を攻める王鵬(撮影・滝沢徹郎)

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千代の国が左膝半月板損傷、骨挫傷により休場 3日目の御嶽海戦で負傷

千代の国(21年3月撮影)

西前頭3枚目千代の国(30=九重)が夏場所4日目の12日、日本相撲協会に「左膝半月板損傷、骨挫傷により約2週間の加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。3日目の小結御嶽海戦で、取組後に土俵を下りる直前、左足を気にする様子を見せていた。付け人の肩は借りず、ゆっくりとした足取りではあったが、自力で花道を引き揚げていた。

休場は新型コロナウイルスの影響で九重部屋の力士全員が全休した初場所から3場所連続22度目。4日目の対戦相手、小結大栄翔は不戦勝となる。

今場所の十両以上の休場者は初日から休場している横綱白鵬、碧山らを含めて5人目となった。

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現役最年長50歳華吹、初黒星で1勝1敗

風武(手前)に寄り切りで敗れる華吹(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇4日目◇12日◇東京・両国国技館

現役最年長、50歳の西序二段94枚目華吹(はなかぜ、立浪)が、2番相撲で東序二段94枚目風武(22=武蔵川)に寄り切られて、今場所初黒星を喫した。

左四つに組み止めたがまわしに手が届かず、力なく土俵を割った。1勝1敗で星が五分となった。

初場所では東序ノ口9枚目で勝ち越し、50歳以上で勝ち越しは116年ぶりという偉業を成し遂げた。先場所は2勝5敗。86年春場所で初土俵を踏み、今場所は歴代最多を更新する通算210場所目。5月28日に51歳の誕生日を迎える。

風武(手前)の攻めを耐える華吹(撮影・鈴木正人)

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先代時津風親方の長男と次男が前相撲デビュー「夢だった土俵」兄の木竜皇

前相撲に臨む、先代時津風親方長男の木竜皇(左)と次男の春雷(撮影・河田真司)

<大相撲夏場所>◇3日目◇11日◇東京・両国国技館

先代時津風親方(元前頭時津海)の長男の木竜皇と次男の春雷(ともに立浪部屋)が前相撲デビューを果たした。兄は向中野を下手投げで退けて「自分の夢だった土俵に立てて、身が引き締まる」と感慨深げだった。父は初場所中にマージャン店に出入りするなど、協会の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反。2月に退職勧告の懲戒処分を受けて協会を去っていた。

今春に青森・三本木農高を卒業した木竜皇は当初、父が師匠を務める時津風部屋に入門する予定だったが、千葉・柏第二中を卒業した弟の春雷とともに立浪部屋に入門。「小さい頃から夢だった。こういうことがあろうと挑戦しようと思っていた」。宮城に逆転の居反りを食らって敗れた春雷も「10代で関取になれるように頑張る」と意気込んだ。

前相撲で向中野(中央)を破る先代時津風親方長男の木竜皇。後方右は審判に入る時津風親方(撮影・河田真司)
前相撲で宮城(上)に破れる先代時津風親方次男の春雷(撮影・河田真司)

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木竜皇、春雷の兄弟が前相撲デビュー「切磋琢磨したい」父は先代時津風親方

前相撲で宮城(上)に居反りで敗れる先代時津風親方次男の春雷(撮影・河田真司)

<大相撲夏場所>◇3日目◇11日◇東京・両国国技館

先代時津風親方(元前頭時津海)を父に持つ長男の木竜皇(きりゅうこう、18=立浪、本名・坂本博一)と次男の春雷(しゅんらい、16=立浪、本名・坂本正真)が、ともに前相撲デビューを果たした。

兄の木竜皇は同学年で鳥取城北高出身の向中野(18=宮城野)を下手投げで破り白星デビューを飾った。あこがれの本場所の土俵。「自分の夢だった土俵に立てて、すごい身が引き締まる気持ちです。素直にうれしい」と喜んだ。

坂本兄弟の父である先代時津風親方は、初場所中にマージャン店に出入りするなど、協会作成の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反。2月に退職勧告の懲戒処分を受け、協会を退職した。

兄の木竜皇は今春に青森・三本木農高を卒業。当初、父が師匠を務める時津風部屋に入門する予定だったが、父の退職をきっかけに入門部屋を再考。同じく今春に千葉・柏第二中を卒業した弟の春雷とともに立浪部屋入門を決断した。

木竜皇は「小さい頃から力士になるのが夢だったので、こういうこと(父の退職)があろうと挑戦しようと思っていた。兄弟で入門したので、つらいことも苦しいことも分け合って切磋琢磨(せっさたくま)したい。まずは関取を目指して頑張っていきたい」と話した。

弟の春雷は学生相撲出身の宮城(22=尾車)に敗れた。立ち合いから一気に土俵際まで持ち込んだが、反り技で逆転を食らった。「焦って出てしまった。一気に持っていったけど、そこをうまくうっちゃられたというか、居反りでひねられて負けてしまった。最初の相撲は勝ちたかったので悔しい」と振り返った。

3学年上の兄と出世を目指す。「10代で関取になれるように頑張ります。お兄ちゃんに負けたくない気持ちはあります」と力を込めた。

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突き押し相撲の大栄翔が四つ相撲で初白星「内容は本当に悪い」猛省

大栄翔(左)は霧馬山を寄り倒しで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇2日目◇10日◇東京・両国国技館

小結大栄翔(27=追手風)が、我慢の四つ相撲で今場所初白星を挙げた。

東前頭4枚目霧馬山の張り差しで組み止められると、四つ身の展開になった。左四つから右上手を引きつけると、外掛けで崩しながら寄り倒した。

突き押し相撲を信条とするだけに「内容は本当に悪いので、修正していかないとダメ。我慢できたのは良かったが、突き押し相撲なのでしっかり突いていかないといけない」と猛省。ただ、突き押しへ本格的に転向したのはプロ入り後で、埼玉栄高時代は四つでも取っていた。「高校生のころの話なので。高校の相撲がプロ、上位で通用しないと思うので…どうなんですかね」。

この日の取組で12年初場所の初土俵から、連続出場が700回となった。「知らなかった。そう聞くとそんなに長い回数なんだなと思いますし、これからもケガなく取っていきたい」。1月の初場所では13勝2敗で初優勝。優勝経験を持つ27歳は、3日目以降に向けて連勝を目指す。

大栄翔(左)は霧馬山を寄り倒しで破る(撮影・小沢裕)
霧馬山(下)を寄り倒しで破った大栄翔(撮影・鈴木正人)

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元関脇琴勇輝の君ケ浜親方「いろんな人に応援してもらった」涙ぬぐう場面も

大相撲初場所13日目、塵手水(ちりちょうず)を切る琴勇輝(21年1月22日撮影)

<大相撲夏場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館

先月14日に現役を引退した元関脇琴勇輝の君ケ浜親方(30=佐渡ケ嶽)が9日、都内で会見に臨んだ。「少しホッとしている。安堵(あんど)感もあるけど、これから親方として気の引き締まる思い」と心境を明かした。「いろんな人に応援してもらった」と周囲への感謝を口にすると言葉が詰まり、涙をぬぐう場面もあった。

引退を決断した要因は、相撲を取る恐怖心からだったという。昨年11月場所前に左膝の内視鏡手術を受けた影響で休場し、十両に陥落した初場所は4勝11敗と負け越して幕下に陥落。たび重なる膝の負傷を乗り越えてきたが「土俵に上がるのが怖いという気持ちが先行していた。勝負師として終わり。いろいろ考えて決断した」と、リハビリの中で気持ちを立て直すことができなかった。

現役生活で印象に残る一番は、16年春場所3日目の日馬富士戦で挙げた金星。この場所は上位総当たりで12勝3敗の好成績を残して殊勲賞も獲得し、翌場所は新関脇昇進も果たした。「とにかく稽古場通りの自分の立ち合いがどこまで通用するかという気持ちだった。結果的に12番勝ったというのも分からなかったくらい、体もよく動いていた」。

会見に同席した師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「私の中ではもう少しできるんじゃないかと思っていた」と、弟子の引退を惜しんだ。「負けず嫌いなところが相撲に出る力士。本当にいい力士だった。先代師匠が元気だったら、琴勇輝の相撲を喜んで見ていたと思う。先代に似ている部分があった」と「猛牛」と呼ばれた亡き先代佐渡ケ嶽親方(元横綱琴桜)に姿を重ねた。

一時は立ち合いの直前に「ホウッ」と気合のこもった声を発することでも注目を浴びていた。琴勇輝は「関取になってからかなり注目されるようになったけど、もっと前からやっていて、地位が上がるにつれて覚えてもらえるきっかけになっていった。しっかりと気合を入れて、おなかに力を入れるイメージだった。一気に自分の気合が入るようなルーティンになった」と振り返った。

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50歳華吹が白星発進、初場所では116年ぶり勝ち越しの偉業

華吹(右)は琴大興を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館

現役最年長、50歳の西序二段94枚目華吹(はなかぜ、立浪)が、1番相撲で西序二段95枚目琴大興(26=佐渡ケ嶽)を寄り切り、白星発進した。

右四つから下手で振って体を寄せた。

初場所では東序ノ口9枚目で勝ち越し、50歳以上で勝ち越しは116年ぶりという偉業を成し遂げた。今場所は歴代最多を更新する通算210場所目。5月28日に51歳の誕生日を迎える。

華吹(右)は琴大興を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)
初日を白星で飾り勝ち名乗りを受ける華吹(撮影・小沢裕)

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勝南桜が91連敗、旭丸に押し出され記録更新

勝南桜は旭丸(手前)に押し出しで敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館

東序ノ口9枚目勝南桜(しょうなんざくら、22=式秀)が、1番相撲で東序ノ口8枚目旭丸(21=友綱)に押し出され、黒星発進となった。立ち合いから相手の圧力に屈し、自身が持つ連敗記録は91に伸びた。

1月の初場所では場所前に入門時からのしこ名だった「服部桜」を「勝南桜」に改名して臨んだものの、心機一転の場所でも白星を挙げることはできなかった。当初は、生まれ育った神奈川県茅ケ崎市への思いから「湘南桜」への改名を想定していたが、師匠の式秀親方(元前頭北桜)の提案で「勝南桜」に。下の名前も高校生棋士、藤井聡太2冠から取って「祥多」から「聡太」にした。

勝南桜は旭丸(左)に押し出しで敗れる(撮影・小沢裕)

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大栄翔「乗っていけるように」初優勝した初場所の再現だ!初日朝乃山と対戦

初場所初日 大関朝乃山(左)を攻める大栄翔(2021年1月10日撮影)

小結大栄翔は初優勝した初場所の再現を狙う。

縦は約3メートル、横は約2メートルと特大の優勝額を贈呈され「間近で見るとすごく大きい。改めて優勝の実感を味わった」と喜んだ。初日の相手は大関朝乃山。初場所も初日に朝乃山と対戦し、7日目まで役力士に7連勝して賜杯を引き寄せた。「(初日の白星で勢いに乗れた面が)間違いなくあったと思うので、乗っていけるように今場所の初日は頑張っていきたい」と気持ちを高めた。

優勝額贈呈式で記念撮影に臨む大栄翔(代表撮影)

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初場所V大栄翔、特大優勝額に驚き「改めて優勝の実感を味わいました」

優勝額贈呈式で記念撮影に臨む大栄翔(代表撮影)

大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)を翌日に控えた8日、同所で優勝額贈呈式が行われ、初場所覇者の小結大栄翔(27=追手風)が出席した。

縦は約3メートル、横は約2メートルと特大の優勝額を贈呈され「大きさに驚いたことと、間近で見るとすごく大きいんだなと思いました。2場所前ですけど、改めて優勝の実感を味わいました」と話した。

初場所では13勝2敗で初優勝を果たし、翌場所は8勝7敗で勝ち越した。三役復帰2場所目となる夏場所に向けて「明日から5月場所が始まりますし、うかれていても仕方ない。自分の相撲を取り切ることが一番。どんな相手にも自分の突き押しをできるように、そんな15日間にしたい」と意気込んだ。

初日から3日目まで無観客で開催されるが、前日7日に4日目から有観客で行われることが発表された。「拍手があることで自分も力が出ると思うので、お客さんを入れてもらえるのはすごいありがたいことですし、またより一層気合も入るので頑張りたい」と歓迎した。初日の相手は大関朝乃山。優勝した初場所では初日に朝乃山を破って好発進すると、7日目まで役力士に7連勝した。初優勝の再現が期待される27歳は「胸を借りるつもりでいく」と気持ちを高めた。

優勝額贈呈式で記念撮影に臨む大栄翔(左)と照ノ富士(代表撮影)
優勝額贈呈式で記念撮影に臨む大栄翔(左)と照ノ富士(代表撮影)

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土俵上の応急対応措置、審判部ら「いかに早く医師に診せるか」手順学ぶ

土俵周りで行われた「土俵上の応急対応措置講習会」に参加する親方衆ら

日本相撲協会は7日、東京・両国国技館の土俵周りにて、「土俵上の応急対応措置講習会」を開催した。講習会には審判部や警備担当の親方衆ら約60人が参加。NPO法人スポーツセーフティージャパンの佐保豊代表理事を講師として招き、約1時間行われた。

電話取材に応じた春日野警備本部長(元関脇栃乃和歌)は、講習会を振り返り「みんなこわごわと搬送しないといけないんじゃないかというのがあったけど、あえて迅速に適切にやれば、早く専門の医師に任すという意味では必要なのではないかと。思い切って1分でも早く専門家に判断してもらうように迅速な対応が必要なんだなというのはありました」と、より迅速な対応が必要であることを感じたという。

講習会では「負傷者を担架に乗せて医師に渡すまでの手順を訓練した」という。「横を向いた状態、あおむけの状態、うつぶせの場合」と、倒れている患者の体勢によっての担架への乗せ方を学んだという。春日野警備本部長は「治療は医師が行う。それまでの工程を安心に迅速に行う。時間をかけてやればいいという訳ではない。いかに早く医師に診せるか。その手順を学んだ」と説明した。

4月28日に境川部屋の三段目力士、響龍の天野光稀さんが急性呼吸不全のため都内の病院で死去した。響龍さんは春場所13日目の取組で、すくい投げを食った際に頭部を強打。自力で立ち上がることができず都内の病院に救急搬送された。

負傷時は協会関係者に体のしびれにより首から下が動かないと訴えていたが、入院後は徐々にまひした体が動くようになった。しかし、容体が急変して死去。今回実施した講習会について芝田山広報部長(元横綱大乃国)は以前に、1月の初場所で脳振とうを起こした力士がおり、もともと検討していた講習会と説明していた。

土俵周りで行われた「土俵上の応急対応措置講習会」に参加する親方衆ら

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正代かど番脱出へ全集中「今回に関しては勝ち越さんと話にならないので」

幕下以下の若い衆と相撲を取る大関正代(右)

大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)にかど番で臨む大関正代(29=時津風)が6日、都内の部屋で行った朝稽古後に、報道陣の電話取材に応じた。

この日は、幕下以下の若い衆と約20番相撲を取ったと説明。「とりあえず初日を迎えてみないと何とも言えないけど、立ち合いの圧力や出足は意識して稽古はしてきたつもりです」と感触を口にした。

かど番は初場所以来2度目となる。春場所では、思うような立ち合いが出来ずに7勝8敗と及ばず。同場所後は、立ち合いの確認を入念に行ってきたという。「できるだけ番数をなるべく多く取って、どういう状況でも出足と圧力が相手に伝えられるように、いろいろ試しながらやった」と説明。大関4場所目にして、早くも2度目のかど番だが「前回のかど番に比べるとモチベーションといいますか、そういうのは安定はしている。あまり考えないようにしている」と自然体を強調した。

本来であれば5月5日に、東京五輪の聖火ランナーとして地元・熊本を走る予定だった。しかし、時期が本場所4日前だったことや新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより辞退。直接、地元で勇姿を見せることはできなかったが「参加できなかったのは残念だけど本職は力士。今回は残念でしたけど、場所の方で活躍して地元の人に頑張っている姿を見ていただけたら、それでいいかなと思っています」と言葉に力を込めた。

かど番脱出を目指す夏場所は、緊急事態宣言発令に伴い、3日目までの無観客開催が決まっている。しかし、緊急事態宣言は延長される可能性があり、それに合わせて4日目以降も無観客開催となる可能性も出てきた。「去年の3月に無観客の経験はしているので違和感はそこまでない。あまり影響を受けずに自分の相撲を取り切れたら、テレビで見ていただいている方にも楽しんでもらえると思う」と話した。「とりあえず勝ち越せたらいい。今回に関しては勝ち越さんと話にならないので」と、かど番脱出に全神経を集中させる。

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英乃海が弟の翔猿をいじり倒すも兄弟同時三役への思い語る

夏場所に向けて稽古に励む英乃海(日本相撲協会提供)

大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)で自己最高位の東前頭6枚目に就いた英乃海(31=木瀬)が3日、兄弟同時三役への思いを語った。

都内の部屋での稽古後に報道陣の電話取材に対応。弟の西前頭筆頭2枚目翔猿(28=追手風)が新三役に迫っていることについて「負けずに頑張りたい」と刺激を受けていた。

春場所で再入幕を果たし、史上9組目の同時幕内となった。「今までも何組もいますからね。上には上がいる。一番上だと両方横綱(3代目若乃花と貴乃花)という人たちがいたのであれですけど。お互い三役くらいになったらうれしい」と話した。

翔猿への対抗心については「全くないといったらウソ」と高め合う存在だが「敵対心はない」という。「弟ですから。『(上位に)上がりやがってこの野郎!』とかはない」。普段から連絡を取る関係ではないものの、仲はいい。この日の取材でも翔猿の性格について「兄とか他人とか関係なく人に興味がないんですよね。すみません、言い方間違えたけど、男の人には興味がなくて。今は女の子と相撲のことしか頭にないんじゃないですか」といじり倒した。

翔猿以上に刺激を受ける存在が兄弟子の明瀬山(35=木瀬)だ。自身も先場所まで幕内での勝ち越しがなかったが、明瀬山は今年の初場所で35歳にして初めて幕内で勝ち越しを決めた。「何がきっかけになって奮起しましたかと聞かれて、弟さんですか? とよく聞かれるけど、意外とそんなことはなくて、最近思ったのは明瀬山関は本当にすごいなと。あの年齢で初めて勝ち越した。全然まだまだやれるなと思ったのは、それがきっかけ」。自身も15年名古屋場所に新入幕を果たしたが、5年以上も幕内と十両をいったりきたりだった。年齢を重ねても諦めない兄弟子がお手本だ。

明瀬山は埼玉栄高、日大の先輩でもあり、仲もいい。「いつも僕は明瀬山関のことが好きだからいじっていて、そういう(尊敬している)ことを言うといじってると思われて、また怒られちゃうから言ったことはないですけど、本当に思っているし、かわいがってもらえている。あの人は本当にコツコツやる人ですし、すごいなと思います」。

2場所連続2桁白星を目指す来場所。先場所は「自分でもびっくりするくらい内容も成績も良かった」と振り返る。場所後の6月に32歳の誕生日を迎える。「30超えて勢いだけで相撲取れない。頭を使って相撲を取りたい。今までは前に出て流れで何とか勝てればという相撲だったが、考えて相手の弱いところを攻めないと馬力負けしてしまう」。

夏場所は緊急事態宣言下のため3日目まで無観客開催。「相手のタオルがめちゃくちゃ多いと、めちゃくちゃやる気が出る。めちゃくちゃ燃えますね。勝ったら『どうだ』って感じになります。3日以降(観客が)入るといいんですけどね」と望んでいた。

翔猿(2021年3月25日撮影)

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応急対応処置講習会は「響龍のことではなく、以前から検討」芝田山広報部長

芝田山広報部長(2020年4月3日撮影)

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は30日、5月7日に東京・両国国技館の土俵周りで行われる「土俵上の応急対応処置講習会」について、開催の経緯などを説明した。

28日には境川部屋の三段目力士、響龍(ひびきりゅう)さんが急性呼吸不全のため東京都内の病院で死去した。28歳だった。響龍さんは春場所13日目の取組で、すくい投げを食った際に頭部を強打。自力で立ち上がることができず、救急搬送されて入院中だった。

代表による電話取材に応じた芝田山広報部長は、同講習会は響龍さんの死去を受けたものではなく、事前に開催が決まっていたと説明した。「1月場所に湘南乃海が脳振とうを起こして、立ち上がれなくことがあって、検討材料になっていた。専門家の先生、詳しい人にいろいろレクチャーしてもらって、今回、来週(5月7日に)やると決まってはいた。その中で昨日の響龍のことがあり、まだ発表できなかったので、昨日の段階では後日みなさんに(発表する)と伝えた。響龍のことではなく、以前から検討していた」。

1月の初場所10日目に幕下の湘南乃海-朝玉勢戦で、立ち合い不成立ながら両力士が頭同士でぶつかった際に、湘南乃海がフラフラになって立てなくなるアクシデントがあった。審判団が協議をして本人の意思を確認した上で取組をやり直しが、この判断は危険だったとされ、日本相撲協会は初場所後の理事会で審判規則の一部を変更。ルールの整備だけでなく、より緊急事態に備えるために、同講習会を開催する運びとなったという。

講習会には審判や警備の親方衆らが参加し、外部の医師の指導を受ける。同広報部長は「先生方に話を聞きながら、どういった形で対処したらいいか、講習される。状況判断もある。即動かしていいか、という判断もある。講習会でレクチャーされると思う。いち早く対処できるように態勢を整える」と話した。

日本相撲協会はAEDの設置を各部屋に義務づけ、定期的に講習を行うなど力士の健康に配慮している。同広報部長は「協会員の救急処置はAED講習会とかはやっている。消防訓練の救急対応もやっている。お客さんが倒れたときの場合もやっている。今回は土俵上で意識を失った。今までも脳振とうを起こしたり、張り手1発で倒れて意識もうろうとして土俵を降りていく人もいた。理事会で脳振とうを起こしたとき、どうするかは決まった。倒れ込んだときどうするか、いろんなケースがある。迅速に対応するため、今回の講習になった」と説明した。

春場所(両国国技館)は、講習会から2日後の5月9日に初日を迎える。

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響龍さん死去で対策は 相撲診療所の医師が早く駆けつけられる体制作りを

響龍さん(2020年7月21日撮影)

大相撲の土俵でアクシデントが起きた場合、日本相撲協会はどう対処すればいいのか。三段目力士、響龍の天野光稀(あまの・みつき)さんが28日に亡くなった。春場所13日目の3月26日、取組中にすくい投げを食らい、土俵に頭を打ち付けた。倒れたまま動けなくなり、担架で運ばれるまで約6分を要した。この時、何があったのか、取材をもとに振り返ってみる。

響龍さんがうつぶせに倒れた1分後、呼び出し3人によってあおむけにされた。響龍さんには意識があり、周囲からの問いかけに応じることができた。「首から下の感覚がない。(うつぶせで)息ができない」という本人の訴えがあり、体の向きを変えられた。この行為の是非を問う声もあるが、現場ではこのような事情があった。

審判長はイヤホンマイクを通じて、審判部室の横にあるビデオ室と交信。審判部はすぐに相撲診療所に電話し、医師を土俵に呼んだ。この時、審判部室にいたある親方は、こう語る。「審判部はすぐに連絡をしていた。でも、診療所と土俵は階も違うし、医師が到着するまで時間がかかった。もっとスムーズにできるよう、こういう時はどうするか練習しておくべきだったかもしれない。最善は尽くしましたが、先生が駆けつけるまで時間がかかったのは事実です」。

なぜ、土俵の近くに医師が常駐していないのか。これまで、その必要がなかったからだ。今回のように、土俵での事故が死につながるケースは記憶にない。もちろん、人命に勝るものはなく、万が一に備えた医師の常駐は力士のことを思えば最善策といえる。

ただし、運用面について、こんな指摘をする親方もいる。

「もちろん命は大事ですが、こういうケースは何十年に1度あるかないか。本場所は朝8時半から午後6時まで、15日間ある。仮に1時間交代で見守るとすれば、何人必要になるのか。ボクシングみたいに、数試合見ればいいというものではない。1年間、1度も出番がないケースもあるでしょう。これをどう考えるか。こうしなくても、やり方次第では、診療所からもっと早く先生が駆けつけることもできるはずなんです」

繰り返すが、人命に勝るものはない。この親方もそれを承知の上で、現実的な運用を探っている。医師の診断は早いほどいいが、今回の件は到着の遅れがどの程度、健康面に影響があったのか、専門家による検証があってもいい。また、響龍さんは頭を打って頸椎を痛めたとみられるが、死因は「急性呼吸不全」。当社の取材では、入院生活により肺血栓を患っていたという。取組がきっかけになった訃報だが、頭や首を痛めたことがどう影響したのか、こちらも医師らの知見を参考にするべきだろう。

春場所千秋楽の3日後となる3月31日、夏場所の番付編成会議が行われた。審判部によるこの会議で、「医師が土俵の近くにいるようにしましょう」という意見が出た。出席者によると、「(意見を)上に上げる」方向でまとまったという。ここから先は、協会役員らによる理事会での判断に委ねられる。

日本相撲協会は28日付で親方衆らに「土俵上の緊急対応講習会開催のお知らせ」と題したメールを送った。5月7日に国技館で、春日野警備本部長(元関脇栃乃和歌)を筆頭に、警備担当の親方全員、若者頭全員、呼び出しの一部が集まり、緊急事態に備えた講習を受ける。

すでに日本相撲協会はAEDの設置を各部屋に義務づけ、定期的に講習も行っている。1月の初場所中、力士が脳振とうを起こした後、審判規定の一部を変更し、力士の健康に配慮している。今回の問題は、日ごろは大相撲のニュースに触れない人たちにも目に届きやすくなるため、あえて併記しておく。

今回の訃報は、協会内にも強いショックを与えた。ある親方は「勝つために、落ちる時は手をつかないで顔から落ちろと教えてきたけど、今はそうも言えなくなってきた」とまで言う。特に若い親方衆を中心に、何かを変えていかなくてはいけないとの思いは強い。

総合的に対策を考えると、いくつか思い浮かぶ。土俵近くの医師常駐は理想だが、まずは早急に相撲診療所の医師が早く駆けつけられる体制作りをする。親方衆らは常識的な緊急事態対応を学ぶ。頭部を固定でき、体重200キロにも耐えうる担架を常備する。今回の悲報を受け、特に対戦相手の力士や、境川部屋の力士への精神的ケアも求めたい。さらには、対策がまとまった時点での、力士や相撲ファンへの丁寧な広報を願いたい。

相撲ファンの多くは協会を批判したいのではなく、力士が全力を尽くせる土俵を見ながら、安心して大相撲を楽しみたいのだ。【佐々木一郎】

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【最近の土俵上アクシデント】脳振とうの再取組、湘南乃海の一番で規則変更

響龍さん(2020年7月21日撮影)

大相撲の境川部屋の三段目力士、響龍(ひびきりゅう)さん(本名・天野光稀)が、急性呼吸不全のため東京都内の病院で28日に死去した。日本相撲協会が29日、発表した。28歳だった。響龍さんは、春場所13日目の取組で頭部を強打。救急搬送されて入院中だった。現役力士の死去は、昨年5月に新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全でなくなった三段目の勝武士さん以来。取組で負傷した力士が死亡するのは異例の事態となった。

   ◇   ◇   ◇

◆最近の土俵上のアクシデント 初場所10日目、幕下の湘南乃海-朝玉勢戦でのこと。最初の立ち合いは手つき不十分だったとみられ、行司が待ったをかけた。しかし、頭同士がぶつかり、湘南乃海がフラフラになって立てなくなった。脳振とうになったとみられる。審判団が協議し、本人の意思を確認した後に取組をやり直した。だが、この判断は危険だったとされ、日本相撲協会は初場所後の理事会で審判規則の一部を変更。「審判委員は、力士の立ち合いが成立する前に、相撲が取れる状態でないと認めた場合には、協議の上で当該力士を不戦敗とすることができる」とした。

朝玉勢(手前)と立ち合い不成立となるもフラフラになり立てない湘南乃海(21年1月19日)
朝玉勢との立ち合いが不成立となるもフラフラになり立てない湘南乃海(後方)は審判団が話し合う中、花道で険しい表情を見せる(21年1月19日)

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初土俵の坂本兄弟に期待「必ず強くしなきゃ」立浪親方 父は先代時津風親方

夏場所の新弟子検査を受ける元前頭時津海の長男、坂本博一(日本相撲協会提供)

大相撲の立浪親方(元小結旭豊)が28日、先代時津風親方(元前頭時津海)を父に持ち、夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)で初土俵を踏む坂本兄弟に大きな期待を寄せた。報道陣の電話取材に応じ「やはり力はある。44ぐらい部屋がある中で縁があってうちの部屋を選んでくれたし、必ず強くしなきゃっていう気持ちはあります。大変な気持ちはあったと思いますけど、そこを全部守りますよという話で家族と話したので」と語った。

今春に青森・三本木農高を卒業した先代時津風親方の長男、坂本博一(18)は当初、父が師匠を務める時津風部屋に入門する予定だったが、父の退職をきっかけに入門部屋を再考。同じく今春に千葉・柏第二中を卒業した次男の坂本正真(16)とともに立浪部屋入門を決断した。

坂本兄弟はこの日、両国国技館で夏場所の新弟子検査を受検した。師匠の立浪親方によると兄弟のしこ名はすでに決定しており、兄の博一が「木竜皇(きりゅうこう)」、次男の正真が「春雷(しゅんらい)」に決定。坂本兄弟の関係者が名付けたという。

坂本兄弟はすでに部屋の幕下、三段目を相手に稽古を行っているという。力士としての特徴について「お兄さんは(先代時津風親方に)似ているのかな。頭を中に入れて取るタイプ。顔は似ていますよね」と立浪親方。「関取の次の勢力になってもらうように期待しています」と期待を寄せた。

坂本兄弟もこの日、新弟子検査後に報道陣の電話取材に応じた。兄の博一は「プロに入ったので頑張るぞっていう心が引き締まった感じです」と角界入りを実感。「木竜皇」のしこ名の由来は「まだ聞いていない」というが「格好いい名前いただいた。ここからこの素晴らしい名前に負けないように強くなります」と意気込んだ。

弟の正真は兄へのライバル意識を隠さない。「兄ですが負けたくないので、勝てるように頑張りたい」。高校進学の道もありながら、プロ入りを選んだ理由については「高校の先生が転任になってしまい、兄もプロ行くと言ったので僕もプロに行こうと思いました」と説明。部屋には新三役を目前にしている明生や、元横綱朝青龍をおじに持つ豊昇龍ら有望株がそろう。「(稽古は)中学の時より全然きつくて、必死についていけるように頑張ります。部屋の関取たちのようなお相撲さんになりたいです」と目標を掲げた。

坂本兄弟の父である先代時津風親方は、初場所中にマージャン店に出入りするなど、協会作成の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反。2月に退職勧告の懲戒処分を受け、協会を退職した。

夏場所の新弟子検査を受ける元前頭時津海の次男、坂本正真(日本相撲協会提供)

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大栄翔が関取衆との申し合い稽古で汗「20番くらい、本当にいい稽古」

夏場所に向けて稽古に励む大栄翔(日本相撲協会提供)

大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)で返り三役2場所目となる小結大栄翔(27=追手風)が28日、埼玉・草加市の部屋で関取衆との申し合い稽古などを行い汗を流した。

報道陣の電話取材に応じ「今日は20番くらい。いつも通り本当にいい稽古ができています」と話した。

初場所の優勝力士として迎えた春場所では、初日から4連敗を喫しながらも、中盤以降は立て直して千秋楽で勝ち越しを決めた。「まだまだやっぱり実力も安定していない。力もまだまだなのかなという思いですね」と、さらなる成長を期す。

昨年春から日大大学院に通い文武両道を実践中。コロナ禍のため授業は全てリモート形式という。直近では4月の入学生との自己紹介や、修士論文の方向性などについて話し合った。「だいぶ慣れてきましたね。まだまだですけど。大学院も稽古も(外に)出られないからこそ時間をいいふうに利用してやっている」と時間を効率よく使う。春場所後には埼玉・朝霞市の実家に日帰りで帰省。愛犬チロルとの散歩でリフレッシュした。

夏場所は照ノ富士が大関に復帰して4大関となる。次の大関候補として期待される27歳は「出るからにはいい成績残して、上を目指すという思い。やっぱり今は関脇に上がりたいですね」と意欲を示した。緊急事態宣言下のため3日目まで無観客開催。「テレビの前でたくさん見ている方がいると思う。4日目以降はお客さんもたくさん入ってくれると思うので、しっかりいい相撲見せられるように頑張りたいです」と意気込んだ。

夏場所に向けて稽古に励む大栄翔(左)(日本相撲協会提供)

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退職の先代時津風親方の息子2人が受検 新弟子検査ともに立浪部屋

先代時津風親方(2019年1月17日撮影)

日本相撲協会は26日、夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の新弟子検査受検者を発表した。

先代時津風親方(元前頭時津海)の息子2人がそれぞれ受検する。長男の坂本博一(18)は今春に青森・三本木農高を、次男の坂本正真(16)は千葉・柏第二中を卒業した。ともに立浪部屋に入門する。先代時津風親方は初場所中にマージャン店に出入りするなど、協会作成の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反。2月に退職勧告の懲戒処分を受け、協会を退職した。

新弟子はほかに、日体大相撲部出身で昨年の全国学生相撲選手権で3位となった石崎拓馬(22=高砂)や、沢田日登志(23=追手風)ら11人が名を連ねた。石崎は三段目100枚目格付け出しでデビューする。沢田は16年9月に制度が変更された年齢緩和制限措置の入門となる。

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