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前田稔輝人生初ダウンも7連勝「今日みたいな試合じゃ日本王者に勝てない」

人生初のダウンを食らいながら無傷の連勝を7に伸ばした前田は苦笑い(撮影・実藤健一)

<プロボクシング:ノンタイトル戦>◇11日◇エディオンアリーナ大阪第2競技場◇フェザー級8回戦

19年度の同級全日本新人王・前田稔輝(じんき、25=グリーンツダ)が、人生初のダウンを食らいながら、判定で無傷の連勝を7に伸ばした。

前田は「人生初です。いい経験をさせてもらった」と苦笑い。その場面が4回だった。人生初のダウン。「効いたが、その後は落ち着いて対処することができた」。試合を支配することはでき、判定は3-5ポイントの3-0で完勝した。

大商大2年時に日本拳法で日本一になり、ボクシングの世界に飛び込んだ。「バリエーションが少ない」と反省したように、いまだ日本拳法のスタイルから抜け出せず、キャリアを重ねながらさまざまな局面への対応を学んでいる。

戦績を7勝(3KO)無敗としたが現状、日本同級17位。目指すタイトルへ、よりキャリアを積むことが求められる。「今日みたいな試合じゃ、日本王者には勝てない。もっとキャリアを積んでいきたい」と前向きに語った。【実藤健一】

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新人ボクサーの今「みんな同じと思うと踏ん張れる」

自宅近くで練習するプロボクサーの前田(本人提供)

新型コロナウイルス感染の収束が見えないまま、5月を迎えた。ボクシングは6月いっぱいまで興行の中止が決まり、ジムは休業中。出口が見えない闘いの中でボクサーはどうしているのか。4月に電話で取材した昨年度の全日本フェザー級新人王・前田稔輝(じんき、23=グリーンツダ)に改めて“今”を聞いた。(取材・構成=実藤健一)

-現状は

前田 自分の練習状況に関しては変わりなしです。人があまりいない時間に走って、公園で基礎トレーニングして。夕方にトレーナーの父(忠孝さん=44)を相手にミット打ちしてます。(グリーンツダ)ジムも完全休館となり、通っていた選手も通えない。周りもすべて自粛しているのが変化といえば変化です。

-メンタル的に厳しいか

前田 本音で言うと試合をしたい気持ちは強い。でも(状況は)みんな同じ。それを思うと踏ん張れるかな。試合の動画を見たりしていると、もどかしい気持ちになるけど、その日に向けてエナジーをためるという考えに切り替えてます。

-その思いを共有?

前田 (本石)会長とは連絡を取り合ってます。「どんな感じで練習している?」とか。励ましてくれるんで、気持ちは折れずにいられます。

-プライベートも自粛

前田 感染防止が第一。必要以外には出ないようにしてます。彼女はいますが、(在住が)ちょっと距離あるんで会えません。彼女は会社員で、今は在宅勤務。近況を報告したりして、励まし合っています。

-やはり感染が怖い

前田 万が一、(彼女との)どちらかがかかっても周りに迷惑をかける。自分だけは大丈夫だろうではなく、今はひとごとでなく怖い。最近、愛知県の(ボクシング)ジムで感染者があったので、これが自分のジムだと想像したらより怖くなった。自分だけは大丈夫とは絶対に言えない。

-今後は

前田 (緊急事態宣言期限の)ゴールデンウイーク明けにはジムワーク再開も思っていましたが、情勢を見ながら。何より感染は避けないといけない。苦しいけど頑張ります。

◆前田稔輝(まえだ・じんき)1996年(平8)9月25日、大阪府守口市生まれ。大商大堺から大商大へ。大商大2年時に日本拳法で日本一となる。プロの格闘家を目指して18年11月にグリーンツダジムに入り、19年4月のデビュー戦で1回TKO勝ち。同年の全日本フェザー級新人王を獲得。戦績は4勝(2KO)無敗。身長174センチの左ボクサーファイター。

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練習環境も職も失い…ある新人ボクサーの苦悩と支え

前田稔輝(2019年12月22日)

新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言発令から1週間以上が過ぎた。スポーツイベントは再開の見通しすらたたない。回避すべき「3密」の最も影響を受けるひとつがボクシング。何とか普通に生活できる世界王者レベルのひと握りの選手ではなく、普通の選手はどうなのか。昨年度の全日本フェザー級新人王・前田稔輝(じんき、23=グリーンツダ)に聞いた。

-ジムのある大阪の現状は

前田 厳しいです。(ジムは最大5人制限で練習開放も)自分は(緊急事態宣言発令の7日から)ジムワークは自粛してます。実家暮らしなんで、万が一かかったら、家族に迷惑をかける。ただ、ジムワークできないのが一番、歯がゆい。走ったり、公園でシャドーか、簡単な筋トレしかできないんで。

-生活は

前田 飲食業でアルバイトしてましたが、先月(3月)末で休業。今は無職ですが、応援してもらっている後援者のみなさんに支えてもらっています。自分は実家暮らしなんで。1人暮らしで、アルバイトに生活費を頼る選手に比べたら、助かっていると思います。

-精神的にも苦しい

前田 自分だけじゃなくて、みんなが同じ状況。自分1人がケガで練習できないとなれば別ですが、みんなが同じ条件。そう思って練習しています。

◇  ◇  ◇

大商大2年時に日本拳法で日本一となった。武道で培った精神も、今の状況に生きているという。

前田 (日本拳法時代も)決して満足のいく環境ではなかったので、今の1人でのトレーニングも苦にはならない。いつでも試合ができるように準備をしています。

4月12日に予定していた試合が延期となった。振り替え日程も白紙。所属するジムの本石会長は、年内いっぱい再開はできない最悪のシナリオを想定しているという。

前田 SNSで自分たちよりも厳しい東京の選手のメッセージも見ます。みんなが苦しい。この苦しさを乗り越えた者が、いい結果をつかめると思ってます。

現状を冷静に見つめ、耐えながらボクサーも日常の回復を待っている。

【取材・構成=実藤健一】

○…ボクシングの選手だけでなく、ジムも新型コロナウイルスと戦う。前田が所属するグリーンツダジムでは、同時に5人を超えないよう調整した上で選手にジムを開放。除菌に効果がある超音波式加湿器を入れるなど感染防止に努力。同ジムの本石会長は「まず選手、スタッフを守らないといけない」。長期戦を覚悟する中で、スタッフへの給料支払いが滞らないよう対策を講じているという。長引くほど厳しくなるだけに各ジムが苦境打破に取り組む。

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亀田京之介「自分がダメ」亀田兄弟いとこ新人王逃す

フェザー級新人王決勝戦 4回、亀田(左)は前田の左ストレートを食らう(撮影・山崎安昭)

<プロボクシング:新人王決定戦フェザー級4回戦>◇22日◇東京・後楽園ホール

“浪速の狂拳”ことフェザー級東軍で亀田3兄弟のいとこ亀田京之介(21=花形)は、西軍の前田稔輝(じんき、23=グリーンツダ)に1-2の判定で敗れ、亀田一家初となる全日本新人王の座を逃した。MVPはスーパーライト級の本多航大(20=川崎新田)、技能賞はバンタム級中西寛多郎(18=HKスポーツ)、敢闘賞はフェザー級の前田が受賞した。

亀田家初の新人王へ。その思いは空回りした。「決勝というだけで嫌な緊張感がありました」。東軍MVPとしてひときわ注目を集める中で「めちゃめちゃプレッシャーもありました」。今までにない緊張を抱えて、リングに上がった。

1回から「イラつかせて大振りにさせようと思った」と手招きなどの挑戦的な態度を見せたが、前田は動じず。徐々に手数を増やす相手のパンチに苦しみ、最終4回の打ち合いでも連打で追い込まれた。試合後、キャンバスに突っ伏し涙し「強かった。結果は結果」と、潔く敗戦を受け止めた。

所属していた協栄ジムが試合2週間前に休会となったが「自分がダメだった」と影響を否定した。今回は特別措置で花形ジム所属で出場したが、今後の所属先は不明。亀田は「ゆっくりしたい。今はどうなるか分からない」と話した。

フェザー級新人王決勝戦 1回、亀田(右)は前田を挑発する(撮影・山崎安昭)
フェザー級新人王決勝戦 判定で敗れた亀田(中央)はタオルをかぶって泣きじゃくる(撮影・山崎安昭)

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前田稔輝が亀田京之介に判定勝利「今日は0点」

フェザー級新人王となった前田(撮影・山崎安昭)

<プロボクシング:新人王決定戦フェザー級4回戦>◇22日◇東京・後楽園ホール

ボクシングの全日本新人王決勝戦が22日、東京・後楽園ホールで行われ、注目のフェザー級は前田稔輝(23=グリーンツダ)が、亀田京之介(21=花形)を判定2-1で下した。

立ち上がりからお互いに様子見で手が出ず、静かな展開。2回から亀田がノーガードで顔を突き出す挑発行為も、決定打はなく最終ラウンド。ようやく打ち合いにいった前田が、接戦を制した。

「何とか勝つことができたが、今日は0点。ずっと自分じゃないみたいで、最初にジャブを当てられてからリズムを崩した」。ボクシングの聖地、後楽園ホールの独特の空気にのまれた。キャリア4戦目。大商大2年時に日本拳法で日本一になり、ジムに入門したのが昨年11月。デビューは今年4月と、経験のなさが最大の弱点だった。

接戦とはいえ、それを克服しての勝利。日本ランク入りは確実で「世界に早く近づけるようにしたい」と意気込んだ。

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“浪速の狂拳”亀田新人王逃す「嫌な緊張感あった」

フェザー級新人王決勝戦 判定で敗れた亀田(中央)はタオルをかぶって泣きじゃくる(撮影・山崎安昭)

<プロボクシング:新人王決定戦フェザー級4回戦>◇22日◇東京・後楽園ホール

“浪速の狂拳”こと東軍の亀田京之介(21=花形)が、西軍の前田稔輝(じんき、23=グリーンツダ)に1-2の判定で敗れ、亀田一家初となる全日本新人王の座を逃した。

思いは空回りした。「決勝というだけで嫌な緊張感がありました」。さらに、注目されることで「めちゃめちゃプレッシャーがありました」。今までにない緊張を抱えたまま、リングに上がった。序盤、相手をイラつかせて大振りにさせるため手招きなど挑戦的な態度をみせたが、「のってこなかった」。作戦もはまらなかった。その後は徐々に手数を増やす前田のパンチに苦戦し、前に攻められず。最終4回の激しい打ち合いでもパンチを浴び、僅差の判定で敗れた。試合後、キャンバスに突っ伏し涙した亀田は「強かった。結果は結果」と、潔く負けを受けとめた。

所属していた協栄ジムが約2週間前に休会となるアクシデントもあったが「自分がダメだった」と影響を否定した。この試合は、東日本協会の救済措置により花形ジム所属で出場したが、今後の所属先は不明だ。亀田は「しばらくゆっくりしたい。今はどうなるか分からない」と話した。

フェザー級新人王となった前田(撮影・山崎安昭)

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亀田京之介「どうでもいい」協栄ジム休会の影響なし

ボクシング全日本新人王決定戦前日計量をクリアした前田稔輝(左)と亀田京之介

ボクシング全日本新人王決勝戦(東京・後楽園ホール)の前日計量が21日に都内で行われ、フェザー級で東軍MVPの亀田京之介(21=花形)がリミットの57・1キロ、西軍技能賞の前田稔輝(じんき、23=グリーンツダ)が56・9キロでそろってクリアした。

亀田は所属の協栄ジムが9日に休会届を出したことにより、この1戦に限り、東日本ボクシング協会の花形進会長が経営する花形ジム所属選手として出場する。急きょ手を差し伸べてくれた花形会長に対し「感謝してます」とする一方、ジムの休会に関しては「なんとも思ってない。どうでもいいっす。練習もできていたし」と影響がなかったことを強調した。

生観戦した西軍決勝での前田の印象は「正直、あのレベルならいける」。KO勝利でMVPを取った東日本決勝と同様、「倒してMVPを取りたい」という思いもあるが、「それにこだわらず、どんな勝ち方でも勝てたらいい」と着実に日本一の称号を取りにいく。

一方の前田は、初対面した亀田について「オーラがあると思ってたけど、そんなに…」。日本拳法で培った詰めのスピードが武器と語り、「自信満々です。倒しにいく」と堂々と宣言した。

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