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24年ぶり大技決めた炎鵬「何起こった」十両V視野

天空海(右)を勢いよく攻める炎鵬(撮影・河田真司)

<大相撲春場所>◇9日目◇22日◇東京・両国国技館

幕内復帰を目指す人気小兵の東十両4枚目炎鵬(26=宮城野)が、十両では24年ぶりとなる大技「つり落とし」を決めた。

自身より66キロ重い西十両筆頭の天空海を持ち上げ、豪快にたたきつけた。7勝目を挙げて勝ち越しに王手。十両では、1997年(平9)春場所3日目に舞の海が決めて以来の決まり手で国技館内を沸かせた。幕内の優勝争いは、小結高安が勝ち越し第1号となり、1敗でトップを守った。

   ◇   ◇   ◇

炎鵬が、また魅せた。懐に潜って右前まわしをつかみ、深い位置で取った左下手で振ると、相手を左肩に乗せた。168センチ、98キロの小兵が182センチ、164キロの巨漢を持ち上げ、土俵にたたきつける。多彩な技を駆使する炎鵬でも「何が起こったのか分からなかった」と未知の体勢だった。「相手のおなかしか見えなかった。つられたことしかないので、つるのは初めての体験。気持ち良かった」。5歳で相撲を始めて20年超。稽古場でも決めたことのない大技を繰り出し「ひとつ引き出しが増えた」と満足げだった。

“人気小兵対決”に敗れた悔しさが、1日たっても収まらなかった。前日8日目に幕内経験者の業師、宇良に敗戦。土俵際までもつれたが、相手の圧力に屈した。「悔しい。昨日帰ってから悔しさがひしひしと込み上げてきた」。鬱憤(うっぷん)を晴らすような一番で仕切り直した。

1場所での幕内復帰を目指した1月の初場所前に、同部屋の横綱白鵬が新型コロナウイルスに感染。濃厚接触の可能性があるとして休場を余儀なくされたが、気持ちを整理する時間になった。「気持ちが楽になった。十両から出直して、また幕内に上がれるように。昔の自分を超えられるように稽古してきた」。

2敗を守って単独トップに浮上。初の十両優勝が視界に入ってきた。「終わってみて、そうなれれば」。ファンが待つ幕内の土俵を目指す26歳は、色気をちらつかせた。【佐藤礼征】

◆つり落とし つり上げた相手を土俵外に運ばず、土俵の中で落として倒す技。相手を後ろから抱え上げて、土俵の中か外で落とした場合もつり落としになる。十両では97年春場所3日目に舞の海が智乃花に決めて以来。幕内では17年初場所初日に嘉風が千代翔馬に決めたのが最後。決まり手が68手に制定された55年5月以降、十両以上では35回目の登場となった。「東北の暴れん坊」の異名をとった元関脇陸奥嵐が最多6回。

天空海(右)を持ち上げ土俵際に追い込む炎鵬(撮影・河田真司)
天空海(後方)を吊り落としで破る炎鵬(撮影・鈴木正人)

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炎鵬つり落とし決めた!66キロ重い天空海持ち上げ

天空海(右)を持ち上げる炎鵬(撮影・河田真司)

<大相撲春場所>◇9日目◇22日◇東京・両国国技館

幕内復帰を目指す人気力士の東十両4枚目炎鵬(26=宮城野)が、大技「つり落とし」を決めて勝ち越しに王手をかけた。

168センチ、98キロの炎鵬が、自身より66キロ重い182センチ、164キロの西十両筆頭天空海を持ち上げた。立ち合い左に変わりながら上手を取りにきた相手に対し、炎鵬は懐に潜り込んで右前まわし、左は深めの下手。相手を振りながら、肩に乗せるように相手をつった。「何も見えなかった。相手のおなかしか見えなかった」。豪快につり落としを決めると、館内は大きな拍手に包まれた。

つり落としは幕内では17年初場所初日に嘉風が千代翔馬相手に決めているが、十両では97年春場所3日目に舞の海が智乃花に決めて以来、24年ぶりとなった。

20年を超える自身の相撲歴の中でも、つり落としを決めるのは初めてという。「稽古でも1回もない。何が起こったのか分からなかった。とりあえず気持ち良かった。持ち上げたつもりはない。天空海関が飛んだというか、そこに自分が合わせた? なんて言うんですかね、自分でもよく分からない。飛んだのが分かったので、そこに乗っけるような感じ」。初めての感触だった。

前日8日目は東十両7枚目宇良との“人気小兵対決”に敗れたものの、ファンの期待に応える熱戦を繰り広げた。「昨日帰ってからも悔しさがひしひしと込み上げてきた」。一方で取組中に宇良が左ふくらはぎを負傷し、9日目から休場。炎鵬は「場所に来てから知って、気持ち的にもびっくりした。大きなけがじゃないことを願っています」と無事を祈る。宇良の分も土俵を盛り上げたい気持ちがあるかと問われると「いやいや、自分のできることを土俵でできたら」と謙虚に語った。

天空海(右)を持ち上げる炎鵬(撮影・河田真司)
天空海(右)を持ち上げる炎鵬(撮影・河田真司)
天空海(右)をつり落としで破る炎鵬(撮影・河田真司)
天空海(右)をつり落としで破る炎鵬(撮影・河田真司)
天空海(右)をつり落としで破る炎鵬(撮影・河田真司)

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友風が3連勝「あせらずいこうと」勝ち越し王手

琴全翔(左)をはたき込みで破る友風(撮影・河田真司)

<大相撲春場所>◇5日日◇18日◇東京・両国国技館

元幕内で、右膝の大けがから1年4カ月ぶりに復帰の西序二段55枚目・友風(26=尾車)が、3連勝で勝ち越しに王手をかけた。「動いてくると思ったんで、あせらずいこうと」。琴全翔の動きに冷静に対処してはたき込んだ。

順調に白星を重ねているが、「順調かはあれですけど、しっかり勝負してとれているのはいいんじゃないですかね」と手探り状態は続く。「恐怖心をぬぐえることはないと思う。土俵に上がれば関係ないが、ぬぐうのは難しい。弱気になるじゃないけど、だれもがこういうけがをしたら持つと思う」と心情を明かした。

恐怖心と不安との戦いの中で、励みになったのが平昌(ピョンチャン)パラリンピック男子スノーボードバンクスラローム金メダルの成田緑夢(ぐりむ)だという。入院中、同様のけがを克服した中村親方(元関脇嘉風)から「自分たちと同じようなけがをした人がいる」と教えられた。

「動画をずっと見てました。すごいけがをしたのに明るく振る舞って、自分が暗いときに同じ動画を何度も見てました。自分と同じ病院で手術、リハビリもしたそう。1度お話したいと思っています」と対面を望む。その日に向けて、自身も1歩ずつ。「3勝したんで、しっかり次勝って勝ち越せればと思う」と力強く話した。

琴全翔を破り、土俵から引き揚げる友風(撮影・河田真司)

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大栄翔「今回も」春場所初日は白鵬に連勝で好発進を

大栄翔(2021年1月24日撮影)

大相撲春場所(14日初日、東京・両国国技館)を翌日に控えた13日、協会員から新型コロナウイルス感染者が判明した影響で発表が延期されていた初日と2日目の取組が発表され、初場所優勝の小結大栄翔(27=追手風)が初日に横綱白鵬と対戦することが決まった。大関以下の力士が白鵬に連勝すれば、18年初場所の嘉風以来。初日から7日連続で役力士を破った先場所に続き、好スタートを目指す。

   ◇   ◇   ◇

先場所覇者の大栄翔は、初日にいきなり横綱戦が組まれた。前回の白鵬戦は昨年7月場所で、自慢の突き押しで圧力勝ち。「前回はしっかり押していけた。今回もそういう相撲を取れれば」。百戦錬磨の大横綱が同じ相手に連敗を喫したのは、18年夏場所の鶴竜戦が最後。大関以下なら同年初場所の嘉風以来となる。「(前回に比べて)押しとか突きも成長できていると思う」。初優勝で深めた自信を胸に、白星発進を狙う。

この日は埼玉・草加市の部屋で基礎運動を中心に最終調整した。取材などで引っ張りだこだった1カ月間を経て「いろんな反響があってさらに頑張らないといけないなと思った」と自覚をにじませる。

同級生の祝福ムードに乗っていきたい。1日に埼玉栄高の同級生で女子プロゴルファーの渡辺彩香が結婚を発表。相手の柔道選手、小林悠輔も同高の同級生だった。同高は1学年21クラスというマンモス校だけに、両者との面識はないが「自分がまだまだのときから第一線でやっていた」と、刺激を受けてきた。自身も角界の看板力士を目指す立場だが「まだまだです」。謙虚な27歳が、2場所連続で旋風を起こす。【佐藤礼征】

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元中学横綱の吉井が今場所初日 親方から助言に気合

鳰の海(左)の攻めを耐える吉井(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇6日目◇15日◇東京・両国国技館

元中学横綱の17歳、東幕下26枚目吉井(時津風)が、今場所の初日を出した。

3番相撲で西幕下28枚目鳰の湖を突き落としで下して1勝2敗。立ち遅れて押し込まれ、何度もいなして回り込む防戦一方の展開となったが、最後は組み止めて強引に投げ飛ばした。

取組前にあこがれの元関脇嘉風の中村親方から「自分の好きなことをやれ。守りに入るな」などと助言をもらったという。気迫あふれる相撲で、中盤戦に向けて巻き返しのきっかけをつくった。

吉井(左)は鳰の湖を突き落としで破る(撮影・柴田隆二)

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4連敗貴景勝の胸中思う元嘉風、アナ実況にも私見

元嘉風の中村親方(20年1月8日)

<大相撲初場所>◇4日目◇13日◇東京・両国国技館

4連敗した大関貴景勝について、NHK大相撲中継で解説を務めた中村親方(元関脇嘉風)が苦しい胸の内をおもんぱかった。

向正面で解説を担当した中村親方は貴景勝が敗れた後、次のようにコメントした。

「本来の貴景勝らしさ、両手で頭からぶちかましながら突き放して、何回もぶちかますようなところが出ていない。心の奥に負けたくないとか、連敗の影響があるんじゃないか。好きでこういう突っ張りをやっているとは思えない」

さらに、幕内実況を務めたNHKの大坂敏久アナウンサーに向けて、こう続けた。

「あと、この放送中に大坂さんが何度も『綱とり失敗』『綱とり失敗』とまだ3日目でどうしても…、失敗というか絶望的、3日目なのに絶望と言われるじゃないですか。やっぱり置かれている立場が本当に厳しいところにいてやっているから、まだ3日目なのに絶望と言われると、そういうところも乗り越えていかなきゃ横綱にはなれない、横綱というのは厳しいものなんだなと思いながらずっと聞いていました」

放送中、大坂アナウンサーは「綱とり失敗」とは言っていない。中村親方のコメント中にも、その旨を指摘しようとしたが、割り込むことはしなかった。取組前には、横綱昇進がかかる貴景勝の現状について「絶望的」と指摘し、実情を端的に伝えていた。貴景勝のふがいなさを強調しているわけではなかったが、一方の中村親方は力士に近い立場として、苦境の貴景勝を思いやっていた。

貴景勝(右)の腕をとる宝富士(撮影・野上伸悟)

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野上が7戦全勝で序ノ口優勝「純粋にうれしい」

有川(手前)を押し出しで破る野上(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

東序ノ口29枚目の野上(30=尾車)が、西序ノ口6枚目有川(32=松ケ根)を破り、7戦全勝で序ノ口優勝を果たした。

立ち合いで左を差し、右のおっつけを効かせながら一気に土俵外へ運んだ。09年初場所で初土俵を踏んで以来、優勝は初めての経験。「本当に緊張したけど、落ち着いて取れてよかった。純粋にうれしいです」と声を弾ませた。

自己最高位は昨年秋場所の東幕下8枚目。3場所連続で勝ち越して臨んだ同場所で、右膝の前十字靱帯(じんたい)断裂と半月板損傷の大けがを負った。リハビリに時間を要し、昨年九州場所から5場所連続で休場。序ノ口まで番付を落とし、復帰明けとなった今場所は「最初の一番で『ここから始まったのかな』とすごく感慨深かった」と初心を思い出したという。右膝の具合については「まだ100%治ってはいないけど、かなり調子はいい」と実力を発揮して優勝を果たした。

30歳を迎えた今年に、まさかの振り出しとなったが「昔はもうダメかなと思ったけど、中村親方や押尾川親方が年齢じゃないと見せてくれた。少しでもマネできたらいいと思う」と、30代後半まで現役を続けた部屋付きの中村親方(元関脇嘉風)と押尾川親方(元関脇豪風)の姿に刺激を受けたという。ゆえに、今後の目標は「関取になりたいという思いでやっている」と年齢を言い訳にせず土俵に上がる。

序ノ口優勝の野上(撮影・河田真司)

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「ダメ大関」乗り越え…琴奨菊は超スロー初V/復刻

豪栄道(左)を突き落としで破り、初優勝を決めた琴奨菊(2016年1月24日撮影)

大相撲の元大関琴奨菊が15日、現役を引退した。大きな実績の1つが、2016年初場所での幕内優勝。当時の日刊スポーツの記事で振り返ります。

◇  ◇  ◇

ついに重い扉をこじ開けた。大関琴奨菊(31=佐渡ケ嶽)が豪栄道を突き落として、14勝1敗で悲願の初優勝を果たした。06年初場所の栃東以来10年ぶりの日本出身力士の優勝。31歳11カ月の初優勝は昭和以降年長3位、大関在位26場所は史上最スローだった。32歳の誕生日の30日は、妻祐未さん(29)との結婚式。最高の贈り物となった。3月の春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)が初めての綱とりとなる。

打ち破ったのは、目の前の豪栄道だけではなかった。日本出身力士が10年間、届かなかった賜杯への重い扉。何よりも、琴奨菊自身の過去の鎖だった。「まだ信じられない。言葉に表せないくらい本当にうれしい。(賜杯は)いろんな思いが詰まった重さでした」。

歴史を、自分の力で動かした。鋭い出足。がぶる。そして間髪入れない突き落とし。「本当に、よくこの体で戦えたと思います」。しみじみと昔を振り返った。自分を認められずにいた、昨年名古屋場所までを。

それまで大関23場所で、2桁白星はわずか6度。「ダメ大関」の烙印(らくいん)も押された。名古屋で脱出したかど番も、一時は5勝7敗。場所前に結婚した祐未夫人を苦しませた。

場所後、1つの動画を紹介された。「鷹の選択」という。タカは40歳で選択する。つめが弱まり、くちばしが曲がり、羽が重くなって飛べなくなる。そのまま死を待つか、それとも苦しい自分探しの旅に出るか。後者を選んだタカは、岩でくちばしをたたき割る。つめをはぎ取る。古い羽を1本ずつむしる。半年後、新しいくちばしが、つめが、羽が生えたタカは新しい姿となって高く羽ばたく-。

自分が映っていた。馬力を持ち味に大関まで昇進するも、ケガで次第に通じなくなった。「いい時のイメージはきついよ。頭はそれ。でも、現実を見たら、できなくなっていることが多い。なのに力が落ちていると認められない。オレは前者だった」。初めて自分が分かった。「朽ち果てたくない。新しいタカになる」。苦しい旅が始まった。

ケトルベル、ハンマー投げ、綱引き、タイヤたたき。外見の筋肉を壊し、体幹を鍛える作業が始まった。何度もぶっ倒れた。でも「つらいけど楽しい。できないんじゃなく、受け入れていなかっただけだと分かった」。古いモノが落ちた。

昨年秋場所5日目。嘉風に敗れた夜、食事後に思い立って、部屋に行った。ハンマーを取り出し、無心でタイヤをたたく。そんな姿は初めてだった。負けても「しょうがない」とあきらめていた姿は消えていた。夜10時。近隣に「うるさい」と怒られるまで続いた。

心が変わり、体が変わった。そして、結果も変わった。「すべて心だと思う。気持ちがつくれないと、稽古も準備も適当になる」。

固い決意から半年。モンゴル出身の3横綱全てに勝って、日本出身力士10年ぶりの賜杯を手にした。くちばし、つめ、羽-。琴奨菊は新しい姿となって、高く羽ばたいた。【今村健人】

   ◇   ◇   ◇

祐未夫人は「まだ実感が湧かない」と夢見心地だった。祝賀会場では、2人で並び大関のホオに祝福のキス。「とても輝いて見えました。あらためて、すてきだなと思いました」と笑顔でのろけた。前夜は手料理のトンカツで“必勝祈願”。優勝を祝う料理には「大関が大好きなオムライスを作りたいです」と話した。

琴奨菊(右)は祐未夫人と笑顔で見つめ合う(2016年1月24日撮影)
16年1月、初場所で初優勝し、賜杯を手に笑顔の琴奨菊

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元嘉風の中村親方が佐伯市など提訴 右脚に大けが

元関脇嘉風の中村親方(2019年9月16日撮影)

大相撲の中村親方(38=元関脇嘉風)が、大分県佐伯市などに損害賠償を求めて東京地裁に提訴したことが19日、分かった。佐伯市が明らかにした。同親方は現役だった昨年6月、故郷の佐伯市での合宿中、市のPRのためのキャニオニング(渓流下り)で右脚に大けがを負った。右足首にはまひが残り、そのまま土俵に復帰できず同年9月に引退を発表していた。

引退会見の場では地元への愛情を口にし「誰かを責めているわけではありませんし、誰も憎んでいません。市長からはできる限りのことはすると言ってもらった」と明かしていた。補償問題について双方の弁護士が話し合い、同親方は当初から和解を望んでいたが、裁判に発展した。

中村親方は日体大3年でアマチュア横綱に輝き、2004年初場所で初土俵。06年初場所に新入幕を果たし、16年初場所で新関脇に昇進した。三賞受賞は10回、金星は8個。今年10月3日に引退相撲(両国国技館)を予定していたが、新型コロナウイルスの影響で延期(日時未定)を発表していた。

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中村親方「復帰の思い伝わる」大けがの友風から動画

中村親方(元嘉風)

大相撲の中村親方(元関脇嘉風)が1日、昨年九州場所で右ひざに大けがを負った弟子の友風の現状を語った。

都内で行われたアスリートのセカンドキャリアなどをサポートする団体「一般社団法人 APOLLO PROJECT」設立の記者会見にリモート参加。会見後の囲み取材で、報道陣から友風の現状について聞かれると「本人は辞める気はさらさらない。復帰に向けて鍛錬を重ねています」と明かした。

友風は西前頭3枚目だった昨年九州場所で、右膝関節脱臼により途中休場。今年の初場所、春場所、7月場所と3場所連続で全休中だ。そんな友風からリハビリやトレーニングの動画が送られてくるといい「頑張っていると言うと申し訳ないぐらいコツコツとやっている。回復もゆっくりで歯がゆい思いはあると思う。ただ『絶対に復帰する』という思いが動画を見て伝わってくる」と話した。

中村親方は友風の現在について、「本当は尾車部屋でやるのが望ましいけど」と前置きした上で、リハビリやトレーニング設備が整っている地元・神奈川に戻っていることを明かした。また、母校・向の岡工高でまわしを締めて稽古していることも明かした。「四股、すり足、本当に軽めだけどぶつかりもやっている」といい、弟子の復活に期待した。

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元関脇嘉風の中村親方、現役時のトレーニング悔やむ

元関脇嘉風の中村親方(2019年9月16日撮影)

大相撲の中村親方(元関脇嘉風)が1日、都内で行われた、「一般社団法人 APOLLO PROJECT」設立の記者会見にリモート参加した。同団体はサッカーのC大阪で活躍した山内貴雄氏が代表理事を、元ラグビー日本代表の広瀬俊朗氏らの元アスリートらが理事を務め、アスリートのセカンドキャリアなどをサポートする団体。中村親方は、同氏らが熱弁した自身の現役時代の体験や引退後の活動、おのおのが考えるアスリートの価値などについて耳を傾けた。

中村親方は昨年秋場所に現役を引退し、現在は尾車部屋で後進の指導に当たっている。会見中に「決断力」について問われた同親方は「部屋の若い衆は親方の指示に従って稽古をする。ただ関取になると、私の部屋(尾車部屋)では(師匠の尾車親方から)『番付が上がるも下がるも自己責任』と言われてほとんどを任せられた」と現役時には高い自己決定力が必要だったことを明かした。

そんな中で「30歳を過ぎてから、33、34、35歳の時は若い時のように毎日相撲を取る稽古は行わずにトレーニングばっかりやっていた。トレーニングをやっていれば体は動くと勝手に仮説を立てていた」と悔やんだ。一方で「たくさん稽古をして成績を残すということに疑問を抱いていた。晩年は若い衆と同じ稽古量はできないなと思っていた。実際に自分が若い時の100分の1ぐらいの量だったけど質は高めました」と現役時代の経験や考え方を明かした。

中村親方は、同団体が来年1月から展開する「アスリート向け教育事業(A-MAP)」に1期生として参加し、人材育成講義を受講するという。同親方は「楽しみがたくさんある。1期生としてしっかり学んで、自分のいい所を発見して次につなげていきたい」と語った。また「角界は辞めた後の次が厳しい。残れる人は少しだけ。指導者として何とかしたい。若い衆もだけど、関取衆もこの世界に残れる保証はない。そんな人に自分でよければアドバイスできればなと思う」と講義で学んだことを、後輩に伝えていく。

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新関脇に大栄翔、遠藤が小結復帰/新番付アラカルト

大栄翔(2020年7月28日撮影)

日本相撲協会は8月31日、東京・両国国技館で理事会を開き、この日、新番付が発表された大相撲秋場所(両国国技館)を当初の日程通り、9月13日初日で開催することを決定した。

<秋場所番付アラカルト>

▽変わらず 横綱、大関の顔触れは変わらず。大関で朝乃山と貴景勝の東西が入れ替わった。

▽新関脇 東西の正代、御嶽海はそのまま。大栄翔が新たに就いた。埼玉県出身は若秩父以来57年ぶり。3関脇は17年九州場所(御嶽海、嘉風、照ノ富士)以来で大関経験者なしの3関脇は11年秋場所(琴奨菊、稀勢の里、鶴竜)以来。

▽返り咲き 小結は先場所西の隠岐の海が東、西は遠藤が2場所ぶり復帰。

▽明暗 先場所幕尻優勝の照ノ富士が一気に16枚番付を上げて東前頭筆頭に。出場停止処分の阿炎は9枚下げ西前頭14枚目。

▽新入幕 翔猿は追手風部屋から10人目の幕内。兄英乃海との史上11組目の兄弟幕内。元横綱朝青龍を叔父に持つ豊昇龍はモンゴル出身では27人目、外国出身では50人目の幕内力士。

▽新十両 王輝は新潟県出身では戦後17人目、錦富士は青森県出身では戦後65人目。

遠藤(2020年1月12日撮影)

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新関脇の大栄翔「欲を出して頑張る」大関昇進も意欲

埼玉県草加市の追手風部屋で秋場所の番付表に記載されている自身のしこ名を指さす新関脇の大栄翔(右)と新入幕の翔猿

大相撲秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)で新関脇に昇進した大栄翔(26=追手風)が、大関昇進への意欲を示した。31日、埼玉・草加市の部屋からリモートでの会見に出席。東小結だった7月場所で11勝を挙げた成長株は「関脇を目標にしていたのでうれしい。常にこういう好成績を残せば上がれると思っていた」と笑みを浮かべた。

同年代で同じ関脇の正代、御嶽海との出世争いになる。3人とも7月場所で11勝を挙げ、大関とりの起点をつくった。「現役でいる以上はさらに上を目指して、欲を出して頑張っていきたい」と大栄翔。大関という地位について「違う世界、未知の世界になる。今の自分にとって最大の目標」と意識を隠さなかった。3関脇は17年九州場所(御嶽海、嘉風、照ノ富士)以来で、大関経験者不在の3関脇は11年秋場所(琴奨菊、稀勢の里、鶴竜)以来となった。ライバルの存在に「いい刺激になる。負けないように頑張りたい」と前向きにとらえた。

前日30日には同じ埼玉栄高出身で、仲のいい大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が婚約を発表した。「自分も最近知った」と明かし「すごいおめでたいこと。(貴景勝にも)『おめでとうございます』と伝えた」と祝福した。自身の“嫁取り”については「相撲と一緒で徐々に頑張っていきたい」と控えめに話した。

追手風部屋からは2000年九州場所の追手海以来20年ぶりで、埼玉県出身では63年名古屋場所の若秩父以来、57年ぶり戦後2人目として迎える新関脇場所は、初日まで2週間を切っている。17日から新入幕の翔猿らの関取衆を相手に相撲を取る稽古を再開。「立ち合いをもっと厳しく、突き押しで取り切ることを課題にやっている」。秋場所の目標は「2桁勝ちたいが、まずは勝ち越し。ひとつずつ目標を増やしていけたら」と意気込んだ。【佐藤礼征】

埼玉県草加市の追手風部屋でリモートでの会見に臨む秋場所で新関脇昇進を果たした大栄翔

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大栄翔加わり「3関脇」17年九州場所以来/新番付

大栄翔(2020年7月28日撮影)

日本相撲協会は8月31日、開催を目指す大相撲秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、開催の可否や開催形態は理事会で決定する見込み。

横綱は4場所連続で、東に白鵬(35=宮城野)、西に鶴竜(35=陸奥)が就いた。7月場所では、白鵬が13日目から、鶴竜は2日目から休場。ともに復帰をかける土俵で、白鵬は2場所ぶり45回目、鶴竜は昨年の名古屋場所以来6場所ぶりの優勝を目指す。

大関は東西が入れ替わり、東が朝乃山(26=高砂)、西が貴景勝(24=千賀ノ浦)。新大関として臨んだ7月場所で優勝次点の12勝3敗だった朝乃山は、7場所ぶり2度目となる大関初Vを目指す。7月場所で、かど番を脱出し12日目から休場した貴景勝も、婚約発表を機に10場所ぶり2度目となる大関初優勝を狙いたいところだ。

関脇は先場所、ともに11勝4敗の好成績を残した正代(28=時津風)と御嶽海(27=出羽海)が、東西で変わらない。正代は3場所連続の関脇在位(三役も)で、御嶽海は2場所連続の関脇在位(三役も)。

今場所はさらに、東の序列2番目の関脇に、大栄翔(26=追手風)が就いた。先場所は東小結で11勝4敗の好成績を収めた大栄翔は、今年初場所の朝乃山以来の新関脇。追手風部屋からの新関脇は、2000年九州場所の追手海以来20年ぶり。埼玉県出身でも久々の新関脇誕生で、63年名古屋場所の若秩父以来、57年ぶり戦後2人目となった。

なお3関脇は、17年九州場所(御嶽海、嘉風、照ノ富士)以来のこと。大関経験者不在の3関脇となると、11年秋場所(琴奨菊、稀勢の里、鶴竜)以来となる。

小結は先場所、西小結で9勝6敗の隠岐の海(35=八角)が東に、西は先場所、東前頭筆頭で8勝7敗の遠藤(29=追手風)が2場所ぶりの小結復帰を果たした。

秋場所は通常通りの日程でいけば、9月11日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。13日の初日を迎える。

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173センチ小柄な竹岡が序二段V「イメージ通り」

序二段優勝の竹岡(撮影・河田真司)

<大相撲7月場所>◇13日目◇31日◇東京・両国国技館

尾車部屋の成長株、東序二段84枚目竹岡(18)が7戦全勝で序二段優勝を飾った。西序二段75枚目生田目(18=二子山)に立ち合いから低い当たりで攻め込み、最後は相手が前傾になったところでタイミング良く引き落とした。「しっかり自分の押し相撲を稽古していた。イメージ通りの相撲だった」と納得の表情を見せた。

東京・両国出身で国技館がお膝元。「ちょんまげをつけたかった」と力士にあこがれ、小学校4年生から相撲を始めた。新潟海洋高では十和田大会で団体準優勝メンバー。身長は173センチと小柄だが、鋭い出足と押し相撲が持ち味だ。あこがれは部屋付きの中村親方(元関脇嘉風)。この日の取組前には中村親方から「しっかり自分の相撲を取り切れ。人に見せられない格好の悪い相撲を取るな」と言葉をもらったという。

「7勝できてとてもホッとしている。しっかり稽古でやってきたことを場所で出せるように、支度部屋では準備してきた。自分の全身全霊を出せるように意識した」。序二段優勝の自信を力に、さらなる番付上昇を目指す。

序二段優勝の竹岡(撮影・河田真司)

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16歳吉井、三番相撲2敗目「足出なくて全然だめ」

玄武丸(右)は吉井を寄り切りで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲7月場所>◇5日目◇23日◇東京・両国国技館

16歳で幕下昇進を果たした西幕下54枚目の吉井(時津風)が、三番相撲で2敗目を喫した。

東幕下56枚目玄武丸に寄り切られた。立ち合い前みつを狙ったが「あまり足が出なくて全然だめ。とにかく当たって差されないようにと思ったが、前に出ることができなかった」と肩を落とした。

場所前に師匠の不適切指導で所属していた中川部屋が閉鎖となり、時津風部屋に転籍した。神奈川・川崎市の部屋から、国技館まで徒歩圏内の部屋に移り「時間帯も全然違う。時間に余裕が持てる」と話す。

幕下昇進にあたり、あこがれの中村親方(元関脇嘉風)から博多帯をもらった。「中学の大会で日本一になったときにインタビューで『嘉風関のような力士になりたい』と話したら、気にかけてもらうようになった。『脇が甘い』と言われる。もっと期待に応えられるような相撲を取りたい」と意気込む。

8月1日の誕生日で17歳になるホープは「強くなるのに年齢は関係ない。同じ番付だと思って、『強くなるんだ』という強い気持ちで頑張りたい」と力強く話した。

玄武丸(左)は吉井を寄り切りで破る(撮影・柴田隆二)

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鶴竜反省「独り相撲を…」横綱の“腰砕け”黒星は初

腰砕けで遠藤(左)に敗れ苦笑いの鶴竜(撮影・河田真司)

<大相撲7月場所>◇初日◇19日◇東京・両国国技館

鶴竜(34=陸奥)が、横綱では初めて「腰砕け」で敗れた。東前頭筆頭の遠藤(29=追手風)に対し、右足で裾払いを仕掛けたが、これが空振り。バランスを崩して、自ら転倒した。「決まり手」ではなく勝負結果として「腰砕け」と判定された。

日本相撲協会広報部の資料によれば、1955年(昭和30年)に決まり手を制定してい以来、横綱が腰砕けで敗れるのは初めて。幕内では、昨年初場所2日目に隠岐の海が嘉風に勝って以来となる勝負結果となった。

金星を配給した鶴竜は「独り相撲を取ってしまった」と反省。4カ月ぶりの本場所は、横綱であっても相撲勘が鈍りかねない難しさがあるのかもしれない。

鶴竜(右)の腰砕けで遠藤が白星を挙げる(撮影・鈴木正人)

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新大関朝乃山、白鵬ら白星発進 鶴竜横綱初の腰砕け

鶴竜(右)の腰砕けで遠藤が白星を挙げる(撮影・鈴木正人)

<大相撲7月場所>◇初日◇19日◇東京・両国国技館

新大関の朝乃山が白星発進した。前頭隆の勝の突き、押しを受け止めつつ、下からあてがって反撃。相手が体勢を崩したところを、すかさず送り出す完勝だった。かど番の大関貴景勝は、同じ押し相撲の豊山を立ち合いから圧倒して押し出した。

両横綱は明暗が分かれた。白鵬は小結隠岐の海に攻め込まれたが、肩すかしで破った。

鶴竜は、横綱では初めて「腰砕け」で敗れた。東前頭筆頭の遠藤に対し、右足で裾払いを仕掛けたが、これが空振り。バランスを崩して、自ら転倒した。「決まり手」ではなく勝負結果として「腰砕け」と判定された。

日本相撲協会広報部の資料によれば、1955年(昭和30年)に決まり手を制定して以来、横綱が腰砕けで敗れるのは初めて。幕内では、昨年初場所2日目に隠岐の海が嘉風に勝って以来となる勝負結果となった。

金星を配給した鶴竜は「独り相撲を取ってしまった」と反省。4カ月ぶりの本場所は、横綱であっても相撲勘が鈍りかねない難しさがあるのかもしれない。遠藤は7個目の金星となった。

新入幕の琴勝峰は、寄り切りで千代丸を破って幕内初白星を挙げた。5月に部屋の三段目勝武士さんが、新型コロナウイルスに感染して亡くなった、高田川部屋勢は、前頭の輝と竜電、十両白鷹山の関取衆がそろって白星を挙げた。

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元関脇嘉風の引退相撲延期「世の中の状況を鑑み」

元関脇嘉風(2019年9月16日撮影)

大相撲の中村親方(元関脇嘉風)が、10月3日に両国国技館で予定していた引退相撲を延期することを発表した。

22日、引退相撲の公式ウェブサイトを更新し「嘉風引退中村襲名披露大相撲は世の中の状況を鑑み検討を重ねた結果、やむなく延期させて頂くことと相成りました。皆さまには大変ご迷惑をお掛けしますことを心からおわび申し上げます」と発表した。

開催時期については未定で「改めてお知らせいたしますので、その際はぜひともご臨席賜りますようよろしくお願い申し上げます」とした。

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元関脇嘉風の中村親方、コロナで断髪式の延期検討

元関脇嘉風の中村親方(2019年9月16日撮影)

大相撲の中村親方(38=元関脇嘉風)が、10月3日に両国国技館で予定している引退相撲について、延期を検討していることを明らかにした。

27日にツイッターで「嘉風断髪式は新型コロナウィルス感染拡大に伴いまして皆様に安心して来ていただける時期への延期も検討させていただいている状況でございます。延期実施の有無を含めまして決まり次第当サイトにてお知らせさせていただきます。罹患された皆さまおよび関係者の皆様には心よりお見舞い申し上げます」と発表し、28日までに引退相撲の公式ウェブサイトにも同様の文言をアップした。

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