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元年俸120円Jリーガー安彦考真が格闘家デビュー戦でKO勝ち

「EXECUTIVE FIGHT 武士道」格闘家デビュー戦を白星で飾りポーズを決める安彦考真(撮影・小沢裕)

<EXECUTIVE FIGHT~武士道~>◇16日◇東京・八芳園

夢のRIZIN出場へ好スタートを切った。元年俸120円Jリーガーで、昨年から格闘家に転向した安彦考真(43)が、デビュー戦(2分×2回)で勝利を飾った。

安彦はサンボマスターの曲に乗って勢いよくリングに上がった。リングアナに名前を呼ばれると大きく右手を挙げた。相手はタイガーマスク姿で登場した会社役員の佐々木司(38)。1回から「練習してきた」という左の前蹴りを多用し、相手のボディにダメージを与え続け、ダウンを奪った。2回もコーナーに追い込み右、左と強烈なパンチを浴びせ続け、2度のダウンを奪い、KO勝ち。自信のあるスタミナで圧倒した。

勝利後、佐々木と笑顔で握手をした安彦は「タイガーマスク、むちゃくちゃ強かった。40歳で全部捨てて、Jリーガーを目指した。点は取れなかったけど、3年間やり遂げた。格闘技ではみんなウエルカムで受け入れてくれた」と力強く語った。

40歳でJリーグに、43歳で格闘技に挑戦した。自分だけでなく見ている人たちにメッセージを届けたい。「人生をかけて戦うことで40歳になってもまだやれるんだ、ということを思ってくれたら」と覚悟を持って挑んだ。J3水戸では年俸0円で契約。「ほとんど収入はなかった」。1カ月2万円の寮で生活し、昼食は寮の白飯を容器に入れて練習場に持って行くなどして、毎日を過ごした。スポンサーを自分で探し、1年後にようやくまとめて払うことができた。現在も自分で“営業”し、支えてくれる人たちとの付き合いを大事にする。「格闘技はサッカーと違って、ファンに対する向き合い方が違うと思う。品評会みたいなもので、お客さんがいて成り立つし、自分のパフォーマンスを評価してくださいという感じで評価を委ねる。ファイトマネーはいらないと思っている」。先月には若手アーティストの展覧会に行き、メッセージ性の強い作品を目の当たりにして、自分の生き様と重ね合わせた。

目標とする大みそかのRIZIN出場の可能性が見えてきた。試合を観戦した広報の笹原氏からは「いつかリングに上がることを期待している」とエールをもらった。安彦は「このままRIZINに向かいたいと思います。お願いしても出られる大会ではないので、僕にお願いしてください」と笹原氏に頭を下げた。「格闘技は本当に楽しい」。さらなる成長を重ね、大みそかのリングまで突き進む。【松熊洋介】

◆安彦考真(あびこ・たかまさ)1978年(昭53)2月1日、神奈川県生まれ。高校3年時に単身ブラジルへ渡り、19歳で地元クラブとプロ契約を結ぶも開幕直前のけがもあり、帰国。03年に引退するも17年夏に39歳で再びプロ入りを志し、18年3月に練習生を経てJ2水戸と40歳でプロ契約。19年にJ3YS横浜に移籍。同年開幕戦の鳥取戦に41歳1カ月9日で途中出場し、ジーコの持つJリーグ最年長初出場記録(40歳2カ月13日)を更新。20年限りで現役を引退した。

「EXECUTIVE FIGHT 武士道」2R、格闘家デビューした安彦考真(左)は佐々木司にKO勝ちを収める(撮影・小沢裕)
「EXECUTIVE FIGHT 武士道」で格闘家デビューした安彦考真(左)は佐々木司にキックを放つ(撮影・小沢裕)

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元年俸120円Jリーガー安彦考真16日格闘家デビューへ「バチバチに」

16日に行われるEXECTIVE FIGHT~武士道~の前日計量を行った安彦考真(右)と対戦相手の佐々木司(撮影・松熊洋介)

第2のアスリート人生をスタートさせる。「年俸120円Jリーガー」としてJ3YSCC横浜などでプレーし、昨季限りで現役引退して格闘家へ転向した安彦考真(43)が、16日の格闘技イベント「EXECUTIVE FIGHT 武士道」で格闘家デビューする。15日、前日計量を行い、1発でパスした後に会見を行った安彦は「思いっ切りバチバチにぶつかり合いたい」と決意を語った。

昨年12月の転向宣言後、ジムや自宅でのトレーニングを重ね、今大会のプロデューサーでもある元K-1王者の小比類巻貴之氏(43)のもとでパンチやキック、膝蹴りなどの指導を受けてきた。指導した小比類巻氏も「センスがある。キックはもちろんだが、石の拳みたいなパンチを持っている」と破壊力のある攻撃に太鼓判を押す。練習では前蹴りを強化した。「外からの蹴りは相手も対策をしてくる。(前蹴りは)自然と出る感じで、パンチを警戒している状態では相手にも見えにくいと思う」と明かす。

同大会は、公式大会出場経験がほとんどない、格闘技好きな選手による戦いで、ほとんどが会社経営者。小比類巻氏は「自分で道を切り開いてきた社長さんが仕事以外の部分で必死に戦う姿を見せたい」と話す。敵同士別のグループに分け、別々に合宿を行い、顔合わせはこの日が初めて。「試合まで仲良くしない方が絶対におもしろい」と、素人同士のがむしゃらなぶつかり合いが魅力だという。

安彦の相手は、会社役員でこちらもデビュー戦となる佐々木司(38)。この日の前日会見ではあこがれのタイガーマスクの姿で登場。控えめながら「アピールポイントはスピードとテクニック。弱っちい僕でもしっかり練習すればできるところを見せたい」と闘志を見せた。安彦と対戦希望の選手が多い中、佐々木を相手に決めた小比類巻氏は「強い相手を用意した。どちらが勝つか分からない」と好勝負を期待した。安彦はマスク姿の相手をにらみ付け「まだ顔も見ていない。試合でもヘッドギアで顔が見られない。倒してリング上でマスク剥がしてやろうかと」とあおった。

高3で単身ブラジルに渡るなど、思い立ったらすぐに行動に移すタイプ。「10回の素振りより、1回のバッターボックス」の精神で突き進んできた。03年に一度引退し、コーチや通訳、サッカースクールの運営に携わるなど、多方面で活動。17年に39歳で復帰し、40歳でJ2水戸と年俸0円でのプロ契約を結んだ。その後のYSCC横浜では年俸120円。現在も自らが広告塔となり、個人でスポンサーを獲得して生計を立てている。「自分たちは表現者。お願いしても出られる場所じゃない。お客さんに理解してもらわなければ価値は生まれない」。3月に若手アーティストの展示会に訪れた際に、メッセージ性の強い作品を目の当たりにし、自分の生きざまと重ね合わせたという。

格闘技の魅力を「リミットを外すことができて、納得するまで魂をぶつけられる。サッカーと違って本能のままにぶつかっていける」と話す。いずれはRIZIN出場を夢見る43歳。これまでも他のスポーツ界からの参戦を受け入れてきた榊原CEOも「キックはすごいだろう。強みを生かして第2のチャレンジになれば、ドラマはあるし、多くの共感を得ることができる」と語っており、大みそかのリングに上がる可能性もゼロではない。「人生をかけて戦う。知らない人にも見てもらって、まだ自分にもできることがあるじゃないか、と思ってくれたら」。厳しい練習を重ね、打ち合いへの恐怖感も消えた。さまざまな世界を渡り歩いてきた安彦に怖いものはない。【松熊洋介】

◆安彦考真(あびこ・たかまさ)1978年(昭53)2月1日、神奈川県生まれ。高校3年時に単身ブラジルへ渡り、19歳で地元クラブとプロ契約を結ぶも開幕直前のけがもあり、帰国。03年に引退するも17年夏に39歳で再びプロ入りを志し、18年3月に練習生を経てJ2水戸と40歳でプロ契約。19年にJ3YS横浜に移籍。同年開幕戦の鳥取戦に41歳1カ月9日で途中出場し、ジーコの持つJリーグ最年長初出場記録(40歳2カ月13日)を更新。20年限りで現役を引退した。

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元「年俸120円Jリーガー」が相内誠との対戦希望

格闘技イベント「EXECUTIVE FIGHT ~武士道~」第2回大会の記者会見を行う同大会プロデューサーの小比類巻氏と、秋田県内での講演会会場からリモート出演した安彦考真

「年俸120円Jリーガー」としてJ3のYSCC横浜などでプレーし、昨季限りで現役引退して格闘家へ転向した安彦考真(43)が8日、デビュー戦となるアマチュアの格闘技イベント「EXECUTIVE FIGHT ~武士道~」のオンライン会見に出席し、同じく格闘家へ転身したプロ野球元西武の相内誠(26)との対戦実現をアピールした。

自身の格闘家デビューを前に、相内が一足先にデビュー戦を戦った2月28日の立ち技格闘技イベント「RISE横浜大会」を観戦した。目の前で相内がKO負けを喫する姿を目にし「1Rで一瞬でやられていた。これはまずい、自分も同じグループにされてしまうと。1回、俺とやらせろと思った」と対戦を要求。続けて「相内さんとJリーグ対プロ野球で戦って、しっかりサッカーの蹴りで倒して勝った上で(目標の)RIZIN出場を再表明したい。人生をかけて命をささげる気持ちでやるので、僕は最後の最後までリングに立ち続ける。ファイティングスピリットを見せて戦いたい」と力を込めた。

安彦は4月16日に東京・港区の八芳園で行われる同大会の第5試合で会社役員の佐々木司さん(39)と対戦し、リングデビューを飾る。両者ともにキックボクシング歴1カ月。安彦は「自信は120%くらいありますね。僕はキックよりパンチの方が強いといううわさがある。右ストレートで吹っ飛ばしてやりたいと思います」と意気込んだ。

「EXECUTIVE FIGHT ~武士道~」は、K-1 WORLD MAX日本王者に3度輝いた経歴を持つ格闘家の小比類巻貴之氏(43)がプロデューサーを務める大会で、今回で2回目。出場者は20代~50代までさまざま。最終8戦目では小比類巻氏が自らリングに上がり、12年3月に総合格闘技の試合を行って以来、約9年ぶりのエキシビションマッチも行うという。小比類巻氏は「約9年ぶりにリングに上がって動いてみようかなと思っています。対戦相手はまだ決まっていないので、私が最後に動こうと思っています。そちらも応援よろしくお願いいたします」と話した。【松尾幸之介】

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安彦考真は格闘技センスあり!小比類巻氏が太鼓判

元K-1ファイターの小比類巻氏に指導を受けた安彦(右)

「年俸120円Jリーガー」としてJ3のYSCC横浜などでプレーし、昨季限りで現役引退して格闘家へ転向した安彦考真(43)が9日、都内でK-1 WORLD MAX日本王者に3度輝いた経歴を持つ格闘家の小比類巻貴之氏(43)と合同トレーニングを行った。

格闘家デビュー戦の日程が決まったことも明かし、小比類巻氏がプロデューサーを務める4月16日の格闘技イベント「EXECUTIVE FIGHT ~武士道~」第2回大会に出場することを明言した。

この日は昨年12月の格闘家転向宣言以降、初となるグローブを着用してのミット打ちなどを敢行。知人の紹介で知り合ったという小比類巻氏にマンツーマンでパンチやキック、膝蹴りなどの指導を受け、約1時間、汗を流した。最後は同氏との出会いをきっかけに出場を決めた格闘家デビュー戦となる同大会と同じ2分×2本(インターバル1分)のサンドバッグ打ちも経験。途中でうなり声をあげながらも何とかやり切り、「サッカーとは全然違う。本当に疲れた。でも、それと同じくらい楽しかった」と大粒の汗をぬぐった。

自らミットをつけて熱血指導を行った小比類巻氏は安彦の格闘技センスを褒め「キックはもちろんですが、パンチも重いし、スピードもある。昔、ロベルト・デュランというボクサーがいて、石の拳と言われていましたけど(安彦も)石の拳みたいなパンチを持ってましたね。(敵を)倒せますよ、これ」と太鼓判を押した。

2人は奇遇にも同学年の43歳。小比類巻氏は安彦が目標に掲げる格闘技イベント「RIZIN」の解説なども務めている。安彦の同イベント出場については「全然出られると思いますし、出られるように育てていきます。サッカーから転向してもやれるんだという43歳を見せてほしい」と期待を込めた。

安彦の格闘家デビューは4月16日に決まった。残り約2カ月。安彦は「試合をしたくてしょうがない。感謝の気持ちだったりを表現できるように、自分らしく必死で戦いたい」と意気込んだ。

安彦は39歳の時に1度は諦めたJリーガーへの再挑戦を決意し、18年に練習生を経てJ2水戸とプロ契約。19年からYS横浜へ移籍し、同年の開幕戦で41歳1カ月9日で途中出場してプロ初出場を飾り、ジーコの持つJリーグ最年長初出場記録(40歳2カ月13日)を更新。年俸120円の“ほぼ0円”契約も話題となり、昨年12月のJ3最終節後に競技経験のない格闘家への転向を発表していた。【松尾幸之介】

元K-1ファイターの小比類巻氏に指導を受ける安彦(右)
元K-1ファイターの小比類巻氏に指導を受ける安彦(右)

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格闘家転向の安彦が元警察官のK1愛鷹と共同トレ

愛鷹の自宅トレーニング場で指導を受ける安彦(右)

「年俸120円Jリーガー」としてJ3のYSCC横浜などでプレーし、昨季限りで現役引退して格闘家へ転向した安彦考真(42)が23日、相模原市内でK-1の初代Bigbangヘビー級王者で、現在はクルーザー級で活躍する愛鷹亮(31)と共同トレーニングを行った。

2人は以前から親交があり、自宅は共に相模原市内。愛鷹は自宅にフィジカル強化用の練習場を設けており、安彦がそこでの練習サポートを依頼して今回のタッグが実現した。安彦はサラリーマンからJリーガーへの夢を追いかけ、さらに格闘家へと転身。愛鷹も警察官からプロ格闘家へ転身した経歴を持つなど、もともと何かと共通点は多かった。この日は愛鷹が普段から行っているというデッドリフトなどの基本的な筋力トレーニングを約1時間行い、パンチなどの実践的なテクニックについてもアドバイスを受けた。現役のK-1ファイターからの指導に安彦は「体のここに(疲労が)きているなというのがはっきりわかった。パンチを見せてもらったけど、やっぱり迫力があるし、ギリギリのラインで戦っている人の生命力を感じた。自分も同じように研ぎ澄ましていけるようにしたい」と刺激を受けた様子だった。

今回の機会をきっかけとし、今後も愛鷹から継続した練習アドバイスなどを受けていくという。このほか今月は知人から紹介を受けた元プロボクサーで現在はストレッチ専門トレーナーの後藤俊光氏からも協力を快諾されており、徐々に周囲のサポート体制も整いつつある。安彦は「かなり強力なパートナーたちが集まってくれている。そばにいてくれる人がいるのは大きい。その恩に全力で応えて、その人たちをどう喜ばすかを必死に考えたい」と力を込めた。

安彦との初コラボレーションを果たした愛鷹は「(安彦は)やっぱり下半身はしっかりしていました。上半身の引き込む力とか、組んだときの力は競技をやったことがないと弱いと思うので、後背筋や僧帽筋を鍛えていきたい。やっぱり勝ってほしいですし、教えられることは教えていきたい」と振り返った。自身も現在は昨年行った両目の網膜剥離手術や、右太もも筋断裂のけがなどから復帰し、3月に予定する約1年ぶりの試合へむけてトレーニングを積む最中。安彦の格闘家転向を聞いた際は「驚いたけど、安彦さんがクレイジーというのは昔からわかっていた」と受け止め「チャレンジするのは自由ですし、元気をもらえる人もいると思う。頑張ってほしい」とエールを送った。

安彦は39歳の時に20代の頃に1度は諦めたJリーガーへの再挑戦を決意し、18年に練習生を経てJ2水戸とプロ契約。19年からYS横浜へ移籍し、同年の開幕戦で41歳1カ月9日で途中出場してプロ初出場を飾り、ジーコの持つJリーグ最年長初出場記録(40歳2カ月13日)を更新。年俸120円の“ほぼ0円”契約も話題となり、昨年12月のJ3最終節後に競技経験のない格闘家への転向を発表していた。【松尾幸之介】

K-1ファイターの愛鷹(右)からトレーニングを教わった安彦考真(撮影・大野祥一)

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格闘家に転向「年俸120円Jリーガー」が成功祈願

亀戸香取神社で必勝祈願した安彦考真(撮影・大野祥一)

「年俸120円Jリーガー」としてJ3のYSCC横浜などでプレーし、昨季限りで現役引退して格闘家へ転向した安彦考真(42)が12日、新年初練習と成功祈願を行った。

安彦は昨年12月のJ3最終節後のセレモニーで競技経験のない格闘家への転向を発表。格闘技イベント「RIZIN」出場を目標に掲げていた。この日は午前中に地元の相模原市内の公園でトレーナーと共に新年初練習を実施。フィジカルトレーニングやパンチ練習などで約1時間半、汗を流した。

午後は「スポーツ振興の神」として知られる都内の亀戸香取神社(江東区)を訪問。レスリングの吉田沙保里や競泳の池江璃花子ら多くのオリンピアンも必勝祈願に訪れたことのある聖地で、新たな挑戦の成功を祈願した。Jリーガー時代はチームメートらと共に必勝祈願に訪れていたが、今回は1人に。安彦は「過酷な1年が始まるぞという気持ちになって、身が引き締まった。格闘家としてのいいスタートが切れたのかなと思います」と話した。

年末年始は昨年12月31日から今月9日まで知り合いのいる北海道砂川市で過ごした。自身が出場を目指す大みそかのRIZINも見たといい「選手が花道を歩く姿には感動した。自分もあの道を仲間と歩いて、リングに立ちたいと思った」とあらためて奮い立った。「僕は閉塞(へいそく)感や停滞感のある今の社会にパンチを与えようとしている。今の世の中にこういう挑戦者が必要だという思いで取り組んで、リングに安彦が必要だと思ってもらえたら。そこに立っているイメージをし続けることが大事だと思います」と意気込んだ。

北海道滞在中には知人から依頼を受けて札幌市内の中の島中学校で講演会も行った。スポーツに励む生徒らに自身の経験などを語ったといい、生徒からは「なぜそんなに挑戦できるのか」など素朴な疑問を多く受けた。安彦は「『心に響いた』という声ももらえた。生の声が届けられて良かったと思う」と振り返った。

今後については「何が見えているかというと何も見えてはいない」と明るく口にした。「Jリーガーを目指した時もそうだった」と付け加え「リングの上に立つというやることは決まっている。そのために何をするのかはこれから。歩みながらいろんな人を巻き込んで『あいつは何かやるな』と世の中の人に思ってもらいたい」。引き続きフィジカルトレーニングなどを続けながら、トレーナーらと相談しながら所属ジムなどを探っていくという。

安彦は39歳の時に、20代の頃に1度は諦めたJリーガーへの再挑戦を決意し、18年に練習生を経てJ2水戸とプロ契約。19年からYS横浜へ移籍し、同年の開幕戦で41歳1カ月9日で途中出場してプロ初出場を飾り、ジーコの持つJリーグ最年長初出場記録(40歳2カ月13日)を更新。年俸120円の“ほぼ0円”契約も話題となる中、昨季開幕前に今季限りでの現役引退を表明。次なるステップとして格闘家転向を掲げていた。【松尾幸之介】

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元120円Jリーガー安彦「倒れねえ」格闘家初練習

格闘家に転身した安彦はトレーニング初日を終えファイティングポーズで写真に納まる(撮影・垰建太)

「年俸120円Jリーガー」としてプレーし、今季限りでJ3、YSCC横浜で現役引退した安彦考真(42)が24日、都内で格闘家転向へ向けた初練習を行った。

安彦はJリーガーとしての現役最終戦となった20日のJ3最終節、藤枝MYFC戦に先発出場。後半13分までプレーし、試合後のセレモニーで競技経験のない格闘家転向を発表し、格闘技イベント「RIZIN」出場を目標に掲げていた。格闘家としての始動場所には39歳でJリーガーを目指した際にもトレーニングサポートを受けたスポーツジム「IWA ACADEMY」(東京都千代田区)を選択。「現役サッカー選手を終えてダラダラいくより、年内に始めておきたかった」と当時も厳しい指導で夢を実現させた田辺大吾トレーナー(33)と共に約1時間、汗を流した。

この日は強いパンチを生み出すための骨盤の動作確認や、懸垂や綱引きなど、腕や背中の筋肉を使うサーキットトレーニングを取り入れた。2度目の挑戦も支えることになった田辺トレーナーは「前回、仕事を全部辞めて来た時の衝撃に比べたら驚きはないです。ひねる動きが硬いので、まずはここで基本に戻って、あとは専門家のみなさんの指導に委ねたい」と話した。初回から容赦のないハードトレーニングにも安彦は息を切らしながら食らいつき、何とか完走。途中で着ていた上着2枚を脱ぎ捨て、最後はタンクトップ姿で床に倒れ込んだ。安彦は「サッカーとは違うコンディション強化は必要になってくる。これに耐えていけるかどうか。乗り越えていくしかない」と額を拭った。

今後は専門家らと自身に合った格闘技の種類を見極め、より専門的な練習を始めていく。すでに知人を介してジムとのコンタクトもとっているといい、安彦は「知り合いからは『命に関わるから』と止める声もありました。死と向き合いながら何を表現したいのか。僕はただ目の前の相手をぶったたきたいとかではなくて、そういう自分の表現できるものを1年間かけて見せ続けたいと思います」と力を込めた。

安彦の発表を受けたRIZIN関係者の反応も耳に届いたとも明かし「決していいものではなかった。燃えますよね。このままでは終われない」とさらに気合はみなぎった。今回はJリーガーを目指した時よりも周囲からは前向きな意見が多かったといい、自身の考える一番の武器には「人間力」をあげた。「不屈の精神で、『こいつ倒れねえな』と思わせたい。パンチもキックも素人だけど、生き様だけは勝てるかもしれない。挑戦者としての魂とかそういうところかな」と意気込んだ。

安彦は39歳の時に20代の頃に1度は諦めたJリーガーへの再挑戦を決意し、18年に練習生を経てJ2水戸とプロ契約。昨季移籍したYS横浜での同開幕戦で41歳1カ月9日で途中出場してプロ初出場を飾り、ジーコの持つJリーグ最年長初出場記録(40歳2カ月13日)も更新。年俸120円の“ほぼ0円”契約も話題となる中、シーズン開始前に今季限りでの現役引退を表明。次なるステップとして格闘家転向を掲げていた。【松尾幸之介】

格闘家に転身した安彦はトレーニング初日を終えサッカー仕込みの蹴りを披露する(撮影・垰建太)
格闘家に転身した安彦(左)はトレーニング初日を終え田辺トレーナーと笑顔で写真に納まる(撮影・垰建太)

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