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時津風親方また違反で解雇も 場所中にマージャン店

元前頭時津海の時津風親方(2019年1月17日撮影)

大相撲の時津風親方(47=元前頭時津海)が初場所中、日本相撲協会作成の新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反したことが26日、分かった。

関係者によると、同親方はマージャン店のほか歓楽街に出向いていたという。協会は近日中に理事会を開き、処分を決める方針。同親方は昨年9月にもゴルフコンペに参加していたことが判明して2階級降格処分を受けており、違反は2度目になる。解雇を含めた厳罰は避けられない見通しだ。

   ◇   ◇   ◇

大栄翔の初優勝などで初場所が盛り上がった直後、水を差すような行為が判明した。時津風親方が本場所中にもかかわらず複数回、雀荘でマージャンに興じていたことが分かった。また、マージャンだけでなく、歓楽街にも繰り出していた。関係者によれば、同親方は今場所に限らず、雀荘に出入りしていたという。

日本相撲協会は、新型コロナウイルス感染拡大を予防するためのガイドラインを作成し、力士、親方らに不要不急の外出を禁じている。初場所前に協会員878人全員がPCR検査を受け、力士5人が陽性となった。このほか直近で力士らの感染が判明した計5部屋に所属する親方や力士らの全休を決定。力士65人が休場して、初場所を実施した。

多くの協会員は、感染予防を徹底しながら15日間を過ごした。その結果、出場した力士らに感染者は1人も出ず、無事に完走。八角理事長(元横綱北勝海)は観客に感謝しつつ「外出できない中、力士も行司も呼出も床山も、そして親方衆も、その家族もよく頑張ってくれた。医療従事者にも感謝」と話したばかりだった。

時津風親方は昨年9月、友人に誘われて宮城県に旅行し、ゴルフコンペに参加。さらに、密状態ながら居酒屋にて会食していた。これが発覚して秋場所を謹慎し、場所後に「委員」から「年寄」への2階級降格処分を科された。出直しを期したはずが、違反を繰り返す事態になった。

手本を示すはずの親方の2度目の行為に対してあきれる親方は多く「クビは避けられないでしょう」と指摘する声もある。時津風部屋は今場所、正代が優勝争いに加わり、弓取りの幕下将豊竜が新十両に迫るなど、最後まで出場した15人中12人が勝ち越し。同じ屋根の下に暮らす親方の行為は、彼らの頑張りを台なしにしかねなかった。千秋楽からわずか数日、熱戦の余韻が消えていく。

◆時津風正博(ときつかぜ・まさひろ)本名は坂本正博。元前頭時津海で、最高位は東前頭3枚目。1973年(昭48)11月8日、長崎県五島市生まれ。東農大を卒業後、96年春で幕下付け出しデビュー。翌97年夏場所で新十両。98年秋場所新入幕。通算466勝485敗43休、幕内通算322勝385敗43休。07年10月に現役引退し、時津風部屋を継承。昨年9月、日本相撲協会のガイドライン違反で秋場所を謹慎。委員から年寄に2階級降格処分を受けていた。

◆時津風部屋 1941年(昭16)10月に、不滅の69連勝を記録した横綱双葉山が立浪部屋から独立し「双葉山道場」を設立。45年11月の引退後に年寄時津風を襲名した。68年12月の死去後は一時、立田川(元横綱鏡里)が引き継ぎ、69年2月に元大関豊山が継承。98年には理事長に就任。02年8月、元大関豊山の定年に伴い元小結双津竜が継承。07年10月、新弟子死亡問題から先代時津風親方が日本相撲協会を解雇。前頭の時津海が現役を引退して名跡と部屋を継承した。横綱鏡里や大内山、北葉山、豊山の3大関を輩出した名門。昨年は秋場所で優勝した正代が大関に昇進したばかりだった。

◆日本協会のコロナ対策ガイドライン 「日常生活における感染予防」の項目の1つに「外出の自粛」がある。「不要不急の外出を自粛する。近隣以外への緊急な外出や必要な外出は、師匠が協会に相談した上で行う」と書かれている。また「協会員の移動」の項目の中にも「基本的に外出禁止とし、不要不急の外出をしない」「人との接触の機会を減らす」とある。なお外出する場合は「マスクを着用し『いつ、だれと、どこに』を明確にし、師匠に報告する」と明記している。

◆今後どうなる まずは日本相撲協会のコンプライアンス委員会(青柳隆三委員長=弁護士)が事実関係を調査する。時津風親方には弁明の機会も与えられる。コンプラ委は検討した処分案を日本相撲協会理事会に答申。これを受けて理事会が処分を決める。協会員への処分は軽い順にけん責、報酬減額、出場停止、業務停止(協会事業への従事を停止)、降格、引退勧告、解雇の7項目。

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大混戦!幕下96年名古屋場所以来の9人でV争いへ

初場所が行われている東京・両国国技館(2021年1月10日撮影)

<大相撲初場所>◇13日目◇22日◇東京・両国国技館

幕下の優勝争いが、一気に大混戦模様となった。12日目までの全勝は、西幕下8枚目将豊竜(24=時津風)と西幕下48枚目浜豊(25=時津風)の2人だけ。2人は同部屋のため、この日の本割での直接対決は組まれなかった。

先に取組を行った浜豊は5勝1敗の竜勢に負け、その2番後に土俵に立った将豊竜も、5勝1敗の錦富士に負けて全勝力士が消えた。錦富士、将豊竜、竜勢、魁、芝、浜豊、二本柳、琴翼、深海山の6勝1敗で並んだ9人が、24日の千秋楽で優勝決定戦に臨むことになった。幕下での9人による決定戦は96年名古屋場所以来。

優勝決定戦ではまず、5人に絞るところから始まる。9人で抽選を行い、不戦となった1人を除いた8人で取組を実施。その後、勝者4人と不戦1人の5人で再び抽選を行い、新たに不戦となった1人を除いた4人で取組を実施し、勝者2人と不戦1人の3人でともえ戦を行うことになる。

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ジンクスなんの!将豊竜「弓取り出世」新十両王手

朝興貴(右)を押し出しで破る将豊竜(撮影・江口和貴)

<大相撲初場所>◇11日目◇20日◇東京・両国国技館

弓取りを務める西幕下8枚目の将豊竜(24=時津風)が朝興貴を押し出して6連勝。幕下15枚目内で7戦全勝は内規で十両昇進となるため、新十両に王手をかけた。

身長170センチで体重110キロ台の小柄な体を土俵上で目いっぱい躍動させた。「今場所は立ち合いの圧が伝わっている。押されて怖いところもあったが、立ち合いから攻めることができた」と会心の相撲を振り返った。

自己最高位で6連勝。一気に関取の夢に王手をかけ、「緊張感しかない。昨日も1日中、考えすぎてましたが、場所に来てまわしを着けたら何ともない。そこまでがきついです」。

秋田県横手市出身。19年の春巡業から弓取りを務める。角界には「弓取り式をやる力士は出世しない」というジンクスもある。大きな希望と重圧がかかる最後の7番相撲へ、「意識しないのは無理かもしれないが、自分の相撲を取りきるだけです」と気合を入れた。

朝興貴(左)を攻める将豊竜(撮影・河野匠)

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正代、熊本の応援「背中を押してもらった」一夜明け

オンラインによる一夜明け会見に参加する秋場所で初優勝した正代

大相撲秋場所で初優勝を果たした関脇正代(28=時津風)が千秋楽から一夜明けた28日、リモートでの会見に出席した。東農大で学生横綱にも輝いた大器は、初土俵から6年で素質が開花。熊本県出身では初めて賜杯を抱いた。大関の足固めとみられていた場所で13勝を挙げ、場所後の大関昇進も確実。30日にも「大関正代」が誕生する。

主な一問一答は以下の通り。

-昨日と表情が違う

正代 そうですね。緊張感から解放された。

-実感は湧いたか

正代 理解はしているが、まだ。1日たったら落ち着くかと思ったが、優勝したんだなという感じです。今のところ。いろんな方々からの連絡で優勝したというのは分かっているが、自分がそれに追いついていない。

-朝を迎えての心境は

正代 精神的な疲れが大きい。すごくだるく感じる。

-初優勝の味

正代 最高と答えておきます。

-熊本では初優勝

正代 とても光栄に思っています。

-昨日は熊本が大変なことになっていた

正代 うれしい。そんなにたくさんの方に見ていただいて応援してもらった。大勢の方々に背中を押してもらった。どこかのタイミングで1度帰られたらいい。

-時津風部屋でも久々の優勝

正代 師匠にもおかみさんにも喜んでいただいた。前回が北葉山さんというのは知っていた。すごく光栄、すごくうれしい。

-審判部が臨時理事会の招集をする。事実上の大関昇進が決定

正代 今まで以上に負けられない地位。責任もともなう。自分なりに精進していきたい。

-今場所の意気込み

正代 関脇の地位を維持できればいいと思っていた。まず勝ち越し。上がれたらいいかなというくらいに考えないと緊張してしまう。

-原動力になったこと

正代 しっかり自分の中でオンとオフができた。日頃からそうだけど、稽古終わってから自分の部屋に帰って、ほとんど相撲のことを考えないようにしている。休むときは休んで、土俵に立ったらオンが入るようにメリハリをつけるようにしている。ここまできっちり分けたのはここ最近だと思う。

-12日目で2桁。節目となったか

正代 早い段階での2桁だったので、僕の中ではすごい意外というか、信じられないというか、そんな感じだった。

-2日間の大関戦。貴景勝戦は下がらなかった

正代 立ち合いが良かった。自分の中でも2桁勝ってだいぶ余裕が生まれた。相手は大関。思い切り取ることだけに集中した。

-朝乃山戦は

正代 今場所の15日間で一番いい立ち合いができた。角度もすごい良かった。自信にもなった。今までやってきた稽古が間違ってなかったんだと思った。

-千秋楽勝てば優勝だった

正代 (単独)先頭になったのが千秋楽だけ。それが気持ち的に楽だった。ずっと先頭だと気負ってしまう。

-相手は新入幕の翔猿

正代 千秋楽に当たる相手としては最悪。千秋楽で初顔というのはなかなかない。それですごく好調。やりづらい。同じ大学出身なので。あの場所では一番意識した相手だった。

-前日の夜も寝られなかった

正代 2時間くらいですね。(気持ちの整理は)つかなかった。土俵に上がるときは立ち合いどういうふうに当たるか考えていたが、それまでどういう相撲を取るかなかなか決まらなかった。自分はそんなに選択肢の多い力士ではない。相手がどうくるか考えた。とりあえず立ち合いだけ圧をかけて、その後は相手の変化にも対応できたらなと、土俵に向かった。振り返ってみて立ち合いは当たれていなくて、良くない立ち合いだった。手をつくときにも時間をかけた。頭の中では決めていたけど、なかなか体はついてきてくれなかった。

-土俵際の勝負だった

正代 一気に持って行かれることはないと思っていたが、自分にも焦りがあった。

-いなされて中に入られた

正代 内容としては良くない。

-逆転の突き落とし

正代 最後まで諦めない気持ちがそこに出た。

-何度かうなずいた

正代 最初は、勝ったんだと。緊張から解放されて安心しているのが出たのかな。

-付け人を見た瞬間に目に光るものがあった

正代 付け人を見たときもそうだし、弓取りの(同部屋の)将豊竜が目が潤んでるように見えた。お客さんもいたので何とか堪えたが、花道にいって緊張が抜けてきたときに、きた。

-15日間何が良かったのか

正代 立ち合いの圧力が良かった。

-胸から当たる立ち合い

正代 自分的には弱点だと思っている。もう少し前傾の方がいいんじゃないかと感じている。今場所は立ち合いからはじくほどじゃないが、ぶつけにいっている。その勢いを殺さないように前に出る感じ。自分の悪いところは直しつつ、持ち味は伸ばしたい。

-持ち味というのは

正代 差し身の部分だったり、自分の重さを生かしたり、磨いていけたら。

-前向きな性格

正代 そこまでは変わっていないけど、口には出していなかった。

-かつてはネガティブと言われた

正代 そこまで性格は変わっていない。地位も成績も、今まで経験したことが影響しているんじゃないか。

-ご両親に連絡は取れたか

正代 取れました。千秋楽終わって帰った後に自分から連絡した。「おめでとう」「お疲れさま」という感じ。

-4年前には熊本地震もあった

正代 地震が多い土地ではないので、自分の地元に大きな地震がくるとは思っていなかった。慰問に行って現場を見るまでは理解できていなかった。被災地を見て悲しい気持ちになったが、逆に頑張らなきゃいけないという気持ちにもなった。自分に何かできることは何だろうと考えたときに、相撲で活躍することが1番だと考えた。

-水害も起きた

正代 一番被害があった人吉市は去年巡業でお邪魔した場所。すごい思い出もあったし、自分の同級生が人吉の高校で働いていたので心配した。

-避難している体育館でもテレビがついていた

正代 自分の相撲を見て元気になってもらえれば。

-場所入りの染め抜きも熊本城のものだった

正代 地震で熊本城も壊れていた。そういう意味でもきれいな熊本城を見ていただければと思ってあのデザインにした。

-大関という地位はどんな地位か

正代 いろんな責任がともなう地位だと思う。(小さいときは)正直雲の上の存在だと思っていた。まだまだ実感はない。もし昇進できるなら、何とか必死に務めていけたら。今まで以上に負けられない戦いが続く。

-どんな大関になりたいか

正代 いろんな方にあこがれるような、応援してもらえるような力士になりたい。

-伝達式での口上のイメージは

正代 いろいろ考えてはいる。まだ決めかねている。どれにしようかなと。

-本名のしこ名は続けていく

正代 そうですね。変えるつもりはない。珍しい名字。このしこ名で定着しているなら、このしこ名で頑張っていきたい。師匠が、正代はいい名前だからそれでいこうと新十両のときに言っていただいた。これからもずっと正代でいこうかなと思います。

オンラインによる一夜明け会見に参加する秋場所で初優勝した正代

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負け越し知らず幕下北の若2勝目「焦らずいこうと」

将豊竜(右)を寄り切りで破る北の若(撮影・河田真司)

<大相撲7月場所>◇8日目◇26日◇東京・両国国技館

元高校横綱の西幕下20枚目北の若(19=八角)が4番相撲で東幕下24枚目将豊竜を寄り切り、2勝2敗と星を五分に戻した。

低い当たりで突き押し相撲が得意の相手に対し、左四つで組み止めた。様子をうかがいながら、右上手を引きつけじっくり攻めた。「いつも通り下から下から攻めていった。たまたま左が引っかかって左四つになったが、焦らずにいこうと思っていた」。高校相撲の名門、埼玉栄高から鳴り物入りで入門した大器は、落ちついた様子で話した。

序ノ口デビューから負け越し知らずで、幕下上位の実力者と対戦する機会も増えた。「部屋でも関取衆に胸をかしてもらってやっている。(幕下上位でも)胸を借りるつもりでやっていきたい」と話した。

将豊竜(手前)を激しく攻める北の若(撮影・鈴木正人)
将豊竜を寄り切りで破った北の若(撮影・鈴木正人)

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弓取り将豊竜「寂しい」無観客で「よいしょ~」なし

将豊竜の弓取式(撮影・前岡正明)

大相撲春場所は22日、異例の無観客場所を無事に終えた。千秋楽は6年4カ月ぶりの横綱相星決戦となり、白鵬が44度目のV。静寂に包まれた場所を締めくくったのが、秋田・横手市出身で弓取り式を務めた西幕下30枚目の将豊竜(23=時津風)だった。

四股を踏めば、通常は観衆の「よいしょ~」の声も響くが、それもない。「やっぱり寂しいですよね。でもやることは、いつもと変わらないと思っていました。今後あるかないか分からないが、貴重な体験でした」。テレビの前の視聴者にも向けた、堂々とした15日間を終えた。

19年4月の巡業中、巡業部副部長の花籠親方(60=元関脇太寿山)から打診を受けたことがきっかけだった。「最初は『えっ、まじか』って感じでしたよ」。一門の横綱鶴竜の付け人を務めながら、新たな役割が加わった。練習を重ね、今年初場所3日目にデビュー。「今は『ありがとうございました』って感じですけれど、仕事はかなり忙しくなりましたね」。弓取り式が毎日実施されるようになった1952年(昭27)以降では37人目(代役除く)。弓をしなやかに振る音も、館内に鳴り響いた。

自身の相撲も14日目に千代の勝を寄り倒しで破り、勝ち越しを決めた。5月の夏場所(東京・両国国技館)は自己最高位の幕下23枚目前後が予想される。同じ秋田県出身(鹿角市)で弓取りを務めた巴富士は小結まで番付を上げた。170センチ、140キロで突き押しが武器。関取昇進での“弓取り卒業”にも挑み続ける。【鎌田直秀】

将豊竜の弓取式(撮影・前岡正明)

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将豊竜5勝目逃すも来年へ決意「前に出る力を」

記者の質問に答える将豊竜(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇24日◇千秋楽◇福岡国際センター

秋田県横手市出身の西幕下28枚目将豊竜(23=時津風)は、悔しい今年の締めくくりとなった。

自己最高位ですでに勝ち越しを決めていたが、鳩岡(木瀬)に押し倒されて5勝目を逃した。「見ていきすぎた。気持ちの弱さですね。勝ちたい気持ちが出過ぎた。後悔しますね」。持ち味は立ち合い、ぶちかましてからの一気の攻めだが、小柄な相手への警戒心を強めて本来の相撲を失った。それでも番付の更新は確実。「いろいろ経験できた場所。もっと前に出る力をつけていきたい」と来年に向けた思いを新たにした。

鳩岡(左)に寄り倒しで敗れる将豊竜(撮影・栗木一考)

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照ノ富士、無傷5連勝「集中」関取復帰へ残り2番

将豊竜(左)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇9日目◇18日◇福岡国際センター

<大相撲九州場所>◇9日目◇18日◇福岡国際センター

大関経験者で、番付を序二段まで落として以降、4場所連続勝ち越しで順調に関取復帰の道を歩む西幕下10枚目の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、全勝対決で同28枚目の将豊竜(23=時津風)を下し、無傷の5連勝をマークした。残る2番に勝てば、10場所ぶりの関取復帰が確実視される状況となった。

相手の上突っ張りを、腰をドッシリ構え下からあてがいながら対応。左からおっつけて相手の体勢を崩すと、ここが勝機とばかりに組み止めた。左を抱えながら前に出て右が深く入ると、かいなを返しながら棒立ちの相手をねじ伏せるように、すくい投げで倒した。

関取復帰が現実味を帯びようとも、取り口同様に、はやる気持ちはない。自ら「落ち着いていた。冷静にやろうと思っていた」と言い、つかまえれば問題ないか? の問いにも「腰をドッシリ構えていれば」と冷静沈着だ。4番相撲を終え4連勝は7人いた。この日、その7人が5番相撲を取り、星のつぶし合いもあり全勝は4人に絞られた。自分の1番前で、弟弟子で東幕下12枚目の翠富士(23)が逆転の投げで全勝をキープした相撲も刺激になった。「自分も頑張ろうと思った。入った時から(翠富士が)頑張っているのを見ているから」。ともに幕下15枚目以内のため、7戦全勝なら十両昇進の権利を得られる。同部屋のため本割対決はなく、その可能性も残され「そうなれば、ありがたい」と話す。

だが、すぐに打ち消すように「とりあえず、まずは1番1番。勝ってからの話なんで。あさって(11日目の6番相撲)の相撲に集中してやるだけです」。先のことは考えず、目の前のことだけに集中する。それが復帰への近道と信じている。ただ、そうは言っても、残る2番の相手は幕下45枚目以下で。周囲の期待は、いやが上にも高まるばかりだ。

将豊竜(左)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・栗木一考)
記者の質問に答える照ノ富士(撮影・河田真司)

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照ノ富士4戦全勝で勝ち越し、再十両昇進が現実味

芝を寄り切りで破る照ノ富士(右)(撮影・今浪浩三)

<大相撲九州場所>◇8日目◇17日◇福岡国際センター

大関経験者で、番付を序二段まで落として以降、4場所連続勝ち越しで順調に関取復帰の道を歩む西幕下10枚目の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、全勝対決で同7枚目の芝(27=木瀬)を寄り切りで破り、4戦全勝でストレート勝ち越しを決めた。

立ち合いは手つき不十分で2度の不成立。3度目に立ったが、両脇をつかれ二本差しを許した。なおも寄りたてられたが、小手に振って懸命にこらえる。相手の両腕を強烈にきめながら土俵中央へ攻め返し、機を見て右を巻き替え胸を合わせた。さらに左を巻き替えると、相手も左を巻き替え腰が浮いたところを逃さず、左四つ十分の体勢で寄り切った。

勝ち越しをかけた、約20秒を要した一番をものにすると、さすがに取材対応では息が荒かった。今場所3番相撲から崩していない、やや険しい表情で「巻き返しが少し遅かった。(ただ)巻き返して、まわしを取れば負けることはないだろうと思った」と振り返った。ストレートでの勝ち越しには「後輩が頑張っているんで負けられないという気持ち」と、弟弟子でやはり前日7日目に4連勝で勝ち越しを決めた東幕下12枚目の翠富士(23)の存在を挙げた。

本割では同部屋は当たらないため、理想は2人そろって7戦全勝での同部屋優勝決定戦。そうなれば「最高ですね」と表情一つ変えずに話すが、実現したあかつきには勝敗にかかわらず、自らの関取復帰、そしてかわいい弟弟子の新十両と二重の喜びになる。「最高ですね」の言葉は発したが、一方で場所前から口にしている言葉も繰り返した。「残り3番、しっかりケガをしないように頑張りたい。(場所後の関取復帰は)1番1番やって出来なかったら来場所で、という気持ち(に変わりない)」。とはいえ、残された相手は、西幕下28枚目の将豊竜が番付最高位。場所後の再十両昇進は、にわかに現実味を帯びてきた。

芝(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・栗木一考)

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納谷 勝ち越し決められず「前に出られなかった」

将豊竜(左)に下手投げで敗れる納谷(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇10日目◇20日◇福岡国際センター

元横綱大鵬の孫、西三段目11枚目納谷(18=大嶽)が2敗目を喫し、勝ち越しを決められなかった。

目線をやや上に上げながら、ため息交じりに反省の弁を語った。「負ける気はしなかったけど…。前に出られなかった」。立ち合いで東三段目7枚目将豊竜(22=時津風)に低くぶつかられ、もろ差しを許した。小手投げを打つも通用せず、腰高なまま寄り切りで敗れた。「相手のペース。全然うまくいかなかった」と話した。

3勝2敗で残り二番を迎える。「しっかり足を出して当たることを意識したい」と切り替えた。

将豊竜(左)に下手投げで敗れた納谷(撮影・鈴木正人)

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福轟力が三段目V 験担ぎ無精ひげ「すぐ剃ります」

福轟力(左)は竜虎をはたき込みで下し三段目優勝を決める(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇21日◇愛知県体育館

 三段目を制したのは東11枚目の福轟力(ふくごうりき、29=荒汐)だった。6戦全勝が3人いたが、最初に将豊竜(時津風)が敗れ、優勝決定は福轟力と竜虎(尾上)の一番で勝った方に絞られた。その一番は、もろ手突きで立った竜虎に対し、福轟力は冷静に対応。相手の足がそろったところでタイミングよく引いて、相手を土俵にはわせた。各段優勝は初めて。「ずっと優勝はしたかったので、本当にうれしいです」と喜んだ。顔中に無精ひげ。験担ぎで今場所2日目の一番相撲に出る前に剃って以来、生やし続けていた。「見た目がアレですから。ひげ剃りも持ってきているんで、この後、すぐにでも剃ります」と笑顔で話し、報道陣の笑いを誘った。

 05年九州場所の初土俵から13年目。3年前には関取の座は目前となる、幕下5枚目まで番付を上げた。だが、首の故障を抱えたまま右足首をケガし、かばった無理もたたり、膝、左足首も痛めた。「調子を崩して相撲がバラバラになって、思い通りにならなくて低迷しました」と福轟力。ケガも癒え「ここ数場所は落ち着いて平常心で、ガムシャラだけでなく考えながら」やったことで浮上のきっかけをつかんだ。「この全勝を起爆剤に来場所から落ち着いて取れるようになります」。その来場所は幕下15枚目前後への浮上が予想される。「最高位の更新、その後は十両を目指します」と希望の光をとらえた。

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序二段は舛乃山、炎鵬が千秋楽で優勝決定戦

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇21日◇愛知県体育館

 序二段の優勝争いは、7戦全勝同士による千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

 6戦全勝同士の対戦で舛乃山(千賀ノ浦)が前田に勝利。もう1人の6戦全勝だった炎鵬(宮城野)も三段目の将豊竜(時津風)に勝ち、この2人が優勝決定戦に進んだ。

 前頭4枚目まで経験した舛乃山は、右膝の重傷からの復活を目指す。十両時代の14年8月に1回目、翌15年5月に2度目の手術をした。それでも「痛みがとれなかった」と昨年11月の九州場所後に、3度目の手術に踏み切った。今年は初、春場所と全休し、夏場所途中から本場所の土俵に復帰。今場所は心機一転、06年名古屋場所の初土俵からのしこ名「舛ノ山」を「舛乃山」に改名して臨んでいる。10年九州場所でともに新十両昇進を果たした大関高安(田子ノ浦)を「いい刺激にしたい。優勝決定戦は自分のゴールでなく、上に(関取に)上がるのが目標。一喜一憂しないでやりたい」と話した。

 一方の炎鵬は、引退後に部屋を持つ意向があるとされる、横綱白鵬の内弟子として入門し、5月の夏場所で序ノ口デビュー。7戦全勝し、今場所も含め土つかずの14連勝をマークした。「チャレンジャーの気持ちでぶつかるだけ。お客さんも多いと思うので、お客さんが喜ぶような相撲を取りたい」と優勝決定戦に思いをはせた。大けがからの再起を目指し押し相撲を貫く177キロの舛乃山と、95キロの業師・炎鵬。千秋楽に楽しみな取組が出来た。

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序二段宇良ストレート給金「もうちょっと勝ち星を」

将豊竜(左)を肩すかしで破る宇良(撮影・今中雄樹)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇18日◇愛知県体育館

 奇手・居反りを得意とする東序二段10枚目の宇良(23=木瀬)がストレートで勝ち越しを決めた。

 西序二段16枚目の将豊竜(18=時津風)を肩透かし。序ノ口デビューからの連勝を「11」に伸ばして「うれしいです。これで三段目に上がれるんですかね? とりあえず、早く雪駄(せった)が履きたい」と原則、三段目から許される履き物を切望する初々しい一面も見せた。

 序ノ口に続く連続優勝も見えてきた中で「もうちょっと勝ち星を稼げたらいいなと思います。1日1番を大切にしたら、番付も絶対に上がるので」と、さらなる白星量産を誓った。

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新序出世力士は佐藤ら6人

新所出世披露をする右から佐藤、将豊竜、山内、尾崎(撮影・岡本肇)

 日本相撲協会は大相撲秋場所8日目の21日、今夏の世界ジュニア選手権無差別級を制した佐藤(貴乃花部屋)ら今場所の新序出世力士6人(うち再出世2人)を発表した。

 九州場所(11月9日初日・福岡国際センター)から番付にしこ名が載る。出世力士は次の通り。かっこ内は出身地、部屋。

 佐藤(兵庫、貴乃花)吉田改め将豊竜(秋田、時津風)江口(大阪、九重)北斗龍(北海道、北の湖)山内(福岡、錦戸)尾崎(愛知、春日野)

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