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吉井が白星発進 目標キッパリ「全勝優勝です」元中学横綱の17歳ホープ

鈴木(右)と攻め合う吉井(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇2日目◇10日◇東京・両国国技館

元中学横綱の17歳のホープ、西幕下37枚目の吉井(時津風)が、鈴木を送り出して白星発進した。

先場所は初めて番付に載ってから10場所目で初めて負け越した。その悔しさから稽古に精進「自分には得意(の型)がないんで」と立ち合い、左前みつを狙う形に取り組んでいる。「携帯でいろんな力士の方の相撲を見て研究しました」。最も参考にしているのが元大関豪栄道(現・武隈親方)という。「前みつを取って相手を起こしていく相撲をとっていきたい」と明確な目指す形を示した。

8月には18歳になる。目標の関取の座へ、前進していきたい。今場所の目標を「全勝優勝です」とキッパリ。「場所前の稽古も調子よかった。全勝できるように一番一番、気を引き締めて頑張りたい」。先場所の初負け越しで後退した分を一気に取り戻す。若い意欲に燃えている。

鈴木(手前)を送り出す吉井(撮影・河野匠)
鈴木(左)を送り出す吉井(撮影・河野匠)

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白鵬が8年8カ月ぶり一人横綱、照ノ富士昇格で4大関に/夏場所新番付

横綱白鵬(2021年3月15日撮影)

日本相撲協会は26日、大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。

横綱は、鶴竜(現鶴竜親方)が引退したため白鵬(36=宮城野)だけとなった。番付上の一人横綱は12年秋場所の白鵬以来、8年8カ月ぶり。優勝制度が制定された1909年(明42)夏場所以降、一人横綱は宮城山、玉錦、大鵬、北の富士、千代の富士、北勝海、曙、朝青龍、白鵬と9人いるが、一人横綱経験者が再度、一人横綱になるのは初めてとなった。

大関は、照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が再昇進したことで、19年名古屋場所(豪栄道、高安、貴景勝、栃ノ心)以来の4大関となった。照ノ富士は17年秋場所以来、21場所ぶりの復帰。大関復帰は19年九州場所の貴景勝以来、昭和以降では11人目(栃東が2回あるため12回目)。平幕陥落後の大関復帰は77年春場所の魁傑以来で、序二段陥落後の大関復帰は史上初めて。東の序列2番目の正代(29=時津風)は今年初場所以来、2度目のかど番で臨む。

三役陣は4人。先場所、小結だった高安(30=田子ノ浦)が、7場所ぶりの関脇に復帰した(三役は4場所連続)。西の関脇は、新三役から4場所連続で隆の勝(26=常盤山)。小結は西から東に回った御嶽海(28=出羽海)が3場所連続(三役は6場所連続)、西は先場所に続き大栄翔(27=追手風)が就いた。

大相撲夏場所は、5月7日予定の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。9日の初日を迎える。

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親方衆PCR陰性で復帰へ「何もなくて良かった」

大相撲初場所初日 協会あいさつが執り行われる両国国技館(2021年1月10日撮影)

<大相撲春場所>◇4日目◇17日◇東京・両国国技館

新型コロナウイルスに感染した小野川親方(元前頭北太樹)、音羽山親方(元前頭天鎧鵬)と接触の可能性があるとして初日から休場していた親方衆17人が17日にPCR検査を受け、全員が陰性だった。電話取材に応じた日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が明らかにした。

山響部屋付きの小野川親方と尾上部屋付きの音羽山親方は11日に陽性が診断され、今場所は2部屋に所属する計28人の力士が全休となっている。この日検査を受けた親方衆は、小野川親方らと同じ社会貢献部に所属していた15人の親方と、場所前に協会公式YouTubeチャンネルに出演した際に感染した親方と接触した可能性がある富士ケ根親方(元小結大善)と武隈親方(元大関豪栄道)の2人で、計17人。社会貢献部所属の15人の親方は経過観察として4日目まで休場し、陰性が確認された場合は5日目から復帰する予定だったが、芝田山広報部長によると一部の親方は「今日から順次、配置に戻っています」と、4日目から復帰するという。

感染した小野川親方と音羽山親方もこの日の検査で陰性で「2人も仕事に順次戻ります」と説明した。協会内での感染拡大を回避し、同広報部長は「用心して様子を見て、何もなくて良かった。一番大事なのはこうやって(日程的な)区切りを付けてやっていくこと」と胸をなで下ろした。

社会貢献部所属の親方衆らが出演している協会公式YouTubeチャンネルについては「再開に向けて調整中」とした。

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ユーチューブの宣伝が…富士ケ根、武隈親方も全休

富士ケ根親方(左)と武隈親方

日本相撲協会は13日、1日に新型コロナウイルス感染が判明した山響部屋付きの小野川親方(元前頭北太樹)と尾上部屋付きの音羽山親方(元前頭天鎧鵬)と濃厚接触者の可能性があるとして、2部屋に所属する計28人の力士が春場所を全休すると発表した。富士ケ根親方(元小結大善)と武隈親方(元大関豪栄道)の大阪出身の両親方も全休。芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると、両親方は公式ユーチューブチャンネルで、陽性と診断された親方2人と共演していた。

また、感染した2人の親方は各部屋の稽古場にてまわし姿で力士に胸を出すなどして指導していたという。小野川親方らと同じ社会貢献部に所属していた15人の親方衆は検査で陰性だったものの、経過観察として4日目の17日まで休場する。

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感染禍の相撲協会 春場所休場の協会員を発表/一覧

両国国技館の外観(2020年5月4日撮影)

日本相撲協会は13日、春場所(14日初日、東京・両国国技館)を休場する協会員を発表した。

15日間を全休する協会員は以下の通り。

山響部屋:力士全員(13人)、山響親方(元前頭巌雄)、小野川親方(元前頭北太樹)、床朝(床山)、大将(呼び出し)

尾上部屋:力士全員(15人)、尾上親方(元小結浜ノ嶋)、佐ノ山親方(元前頭里山)、音羽山親方(元前頭天鎧鵬)、床浜(床山)

富士ケ根親方(元小結大善)、武隈親方(元大関豪栄道)

11日に新型コロナウイルス感染が判明した山響部屋付きの小野川親方、尾上部屋付きの音羽山親方に加えて、濃厚接触の可能性があるそれぞれの部屋の協会員が15日間を休場することになった。山響部屋、尾上部屋の協会員の他には、協会の公式ユーチューブチャンネルで小野川親方や音羽山親方と共演した富士ケ根親方、武隈親方も濃厚接触の可能性があるとして休場することが決まった。

また、小野川親方と音羽山親方と同じく協会の社会貢献部に所属する以下の親方衆は、経過観察期間として4日目まで休場する。

竹縄親方(元関脇栃乃洋)、高崎親方(元前頭金開山)、三保ケ関親方(元前頭栃栄)、岩友親方(元前頭木村山)、不知火親方(元小結若荒雄)、阿武松親方(元前頭大道)、熊ケ谷親方(元前頭玉飛鳥)、押尾川親方(元関脇豪風)、秀ノ山親方(元大関琴奨菊)、楯山親方(元前頭誉富士)、荒汐親方(元前頭蒼国来)、清見潟親方(元関脇栃煌山)、春日山親方(元前頭武州山)、北陣親方(元前頭翔天狼)、井筒親方(元関脇豊ノ島)

報道陣の電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると、濃厚接触の可能性がある上記の親方衆は13日にPCR検査を受け、全員が陰性だった。

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初場所V大栄翔が母校凱旋「強く思えば夢はかなう」

大相撲初場所で初優勝を果たし、母校の埼玉栄高を表敬訪問する大栄翔。左は同校相撲部の山田道紀監督(埼玉栄高提供)

大相撲初場所で初優勝を果たした平幕の大栄翔(27=追手風)が5日、母校の埼玉栄高を表敬訪問した。同校出身では、元大関豪栄道(現武隈親方)と大関貴景勝に続く、3人目の幕内優勝。凱旋(がいせん)を果たした大栄翔は「自分の相撲の原点は埼玉栄。いい報告ができて幸せです」と笑顔を見せた。

最高位は関脇で、強烈な突き押しを武器に初場所で初優勝を果たすなど角界で存在感を示しているが、高校時代は苦い思い出が多かった。レギュラー入りしたのは3年から。1、2年の時はレギュラー陣が稽古に励む中、早めに稽古を切り上げてちゃんこ番にまわっていたという。同校相撲部の山田道紀監督は「高校に入った時にはまさかこうなるとは思わなかった。でも辛抱強かった。おとなしい子だったけど、嫌な顔をせずに四股やテッポウをコツコツやって3年で花開いた」と大栄翔の高校時代を振り返った。

これに対して大栄翔は「自分は本当に弱かった」と当時を振り返った。しかし、全国大会で優勝することだけを思い続けて稽古に励んでいたといい「(夢は)強く自分の中で思えばかなう。山田先生の指導を素直に聞いて、諦めずに強く思って欲しい」と後輩へメッセージを送った。

新関脇を確実にした20年7月場所後には、母校の相撲部に米600キロを贈った。報道陣から、「今回はどれぐらい贈るか」と問われると「その時よりも多く贈りたい。きりよく1トン贈れればと思います」と話した。

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“地味キャラ”大栄翔テッポウで大きな手鍛え初賜杯

優勝インタビューで笑顔を見せる大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が初優勝を果たした。勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる可能性もあった大一番で、隠岐の海を突き出して13勝目。埼玉県出身では初、追手風部屋としても初めての優勝となった。3度目の殊勲賞、初の技能賞も獲得。“地味キャラ”とも呼ばれた実力者が、両横綱不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振となった場所で主役を張った。初場所は6年連続で初優勝力士誕生となった。

   ◇   ◇   ◇

歓喜の瞬間を迎えても、険しい表情はあえて崩さなかった。大栄翔の顔は、自身の赤い締め込みのように紅潮したまま。勝ち名乗りを受けて花道に引き揚げると、師匠の追手風親方(元前頭大翔山)が待っていた。「うれしさよりも緊張感があった。(師匠に)『おめでとう』と言われてうれしかった」。張り詰めていた感情の糸が、緩んだ瞬間だった。

勝てば優勝が決まる大一番で、会心の相撲を見せた。立ち合いから隠岐の海の差し手をはね上げ、左右ののど輪で一方的に引かせた。「自分の相撲を取りきるしかない。迷いなくいった」。初日から7日連続で役力士を破った突き押しは、千秋楽も健在だった。

脚光を浴び続ける相撲人生ではなかった。むしろ、実績の割には地味な印象が先行していたかもしれない。同部屋には幕内屈指の人気を誇る遠藤がいて、仲のいい貴景勝や、同学年の朝乃山は看板力士に成長。身近な存在が先を行くことが多かった。新十両会見では師匠の追手風親方に「声をもっと張れよ」と怒られるなどシャイな一面もあるが、地道に稽古を重ねる我慢強さはあった。

高校相撲の名門、埼玉栄高でレギュラーをつかんだのは3年で、2年までは補欠でちゃんこ番。同校相撲部の山田道紀監督は「文句を言わず黙々と稽古していた。芯が強い。控えの後輩の教材になっていた」と振り返る。「うちは弱い子にはテッポウをさせる。大栄翔もずっとテッポウをやっていた」と同監督。地道にテッポウ柱を打ち続けた手のひらは分厚い。もともと手は大きく、中2でサイズの合う手袋がなくなった。母恵美子さんによると、古い友人に「キャッチボールの時はグローブがいらないね」とからかわれたことも。突き押しの威力は大きな手を介して確実に伝えた。

自身を含めて関取6人を誇る部屋では、稽古相手に不足はなかった。感染対策で出稽古が禁止され、調整の難しさを漏らす関取もいる一方で「恵まれていると思う。(突っ張りの)回転の良さは申し合いで積み重ねることが大事なので」。コロナ禍だからこその“アドバンテージ”が生きた。

昨年は全5場所で優勝力士が異なり、新年最初の場所も6年連続で初優勝力士が誕生した。“戦国時代”まっただ中の角界で、大関昇進の期待もかかる。「期待に応えられるように頑張りたい」。資質は証明済み。磨いた突き押しの威力を、これからも信じ続ける。【佐藤礼征】

<大栄翔アラカルト>

◆埼玉初 埼玉県出身の力士では初めて。他に優勝がないのは宮城、福井、岐阜、静岡、滋賀、京都、和歌山、島根、徳島、宮崎、沖縄で11府県。

◆平幕優勝 昨年7月場所の照ノ富士以来、平成以降では13例目。

◆アベック優勝 十両で同部屋の剣翔が優勝。幕内、十両のアベックVは05年九州場所の高砂部屋(幕内朝青龍、十両闘牙)以来。1場所15日制が定着した49年夏場所以降では19例目。

◆埼玉栄高 豪栄道、貴景勝に続いて3人目。

◆平成生まれ 照ノ富士、御嶽海、貴景勝、朝乃山、正代に続き6人目。

大栄翔(左)は隠岐の海を突き出しで破り幕内優勝を決める(撮影・小沢裕)
隠岐の海(後方左)を突き出しで破り幕内優勝した大栄翔(撮影・鈴木正人)
隠岐の海(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・河田真司)
花道を引き揚げる大栄翔(撮影・鈴木正人)

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千秋楽どうなる?大栄翔、正代 優勝の行方を解説

大栄翔(左)と正代

<大相撲初場所>◇千秋楽◇23日◇東京・両国国技館

大相撲初場所は23日に千秋楽を迎える。幕内優勝の可能性が残る力士は、14日目まで12勝2敗の西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)と、11勝3敗の大関正代(29=時津風)の2人。千秋楽の取組は、次のようになっている。

大栄翔-隠岐の海(過去の対戦成績は大栄翔の8勝10敗)

正代-朝乃山(同4勝4敗)

先に取組がある大栄翔は、勝てば初優勝が決まる。負けた場合は、正代の勝敗次第。本割で大栄翔負け→正代勝ちなら2人による優勝決定戦、大栄翔負け→正代負けなら大栄翔の優勝が決まる。

大栄翔が優勝した場合、埼玉県出身力士として初めてになる。初場所は過去5年、初優勝力士が続いた(16年=琴奨菊、17年=稀勢の里、18年=栃ノ心、19年=玉鷲、20年=徳勝龍)。大栄翔は顔触れに加われるか。また、昨年は5場所連続(夏場所は中止)で異なる力士が優勝したため、年をまたいで6場所連続になるかもしれない。

11月場所をケガで途中休場した正代は、初場所をかど番で迎えた。負け越せば大関から陥落する危機に直面していたが、勝ち越しどころか優勝争いに加わってきた。かど番大関が優勝すれば、16年秋場所の豪栄道以来になる。正代が優勝すれば2場所ぶり2度目で、次の本場所に横綱昇進がかかる。

千秋楽の最大の注目は幕内優勝になるが、十両以下、三段目を除く各段の優勝も決まる。中でも、9人による幕下の優勝決定戦は、熱い戦いが必至だ。

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大栄翔7連勝!本田美奈子さんに並ぶ朝霞のスターへ

大栄翔(右)は隆の勝を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)

<大相撲初場所>◇7日目◇16日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭大栄翔(27=追手風)が、三役以上を総ナメにして単独トップに立った。

関脇隆の勝を押し出し。初日から平幕が三役以上に7連勝するのは、1場所15日制が定着した1949年(昭24)夏場所以降では初の快進撃だ。7日目を終えて平幕が単独首位に立つのは、2019年秋場所の隠岐の海以来。埼玉県出身力士として初めての優勝も現実味を帯びてきた。

   ◇   ◇   ◇

大栄翔の突き押しが、誰にも止められない。立ち合いで勢いよく頭から当たると、隆の勝は1歩も2歩も後ずさり。間髪入れずに左、右、左と3発押し込んで、勝負は決した。過去2勝3敗の相手に、何もさせなかった。「今日も立ち合いがしっかり良かった。本当に内容もいい。力がついてきたんじゃないかなと思っている」。口調は丁寧でも、言葉の端々に自信がみなぎっていた。

両横綱は不在だが、出場している三役以上の力士を総ナメにした。1場所15日制が定着した49年夏場所以降、平幕が初日から三役以上に7連勝するのは初の快挙だ。91年秋場所で当時平幕の若花田(3代目横綱若乃花)が三役以上を総ナメにしたが、当時は東西の関脇に同部屋の貴闘力と貴花田が在位していたため、対戦したのは1横綱、2大関、2小結の5人だった。7人もの役力士を破るのは、異例中の異例だ。

地元の期待が活力になっている。埼玉県出身で賜杯を抱いた力士はいない。出身の朝霞市はツイッターで連日「プッシュだプッシュだ大栄翔!」と、自身の取り口を重ねるようにエールを送ってくれる。「頑張る気力になっている」と大栄翔。朝霞市の有名人といえば「本田美奈子.さん」。同市で生涯の大半を過ごした歌手に、知名度で並ぶ意欲を見せているが「顔じゃないです」。連勝の中でも謙虚な姿勢は崩さない。

中日以降は全員、平幕が相手になる。「(気持ちの変化は)特にない。変わらずやっていく」。1日一番。まずは自身初のストレート給金を目指す。【佐藤礼征】

▽八角理事長(元横綱北勝海) 横綱がいない中、大栄翔(の快進撃)は救世主が現れたという感じ。7日間、全部いい立ち合いだがその中でも今日が一番良かった。当たってすぐの瞬発力、手も伸びたし力を全部出している。貴景勝は開き直っていた感じだった。

<大栄翔>

◆生まれ 1993年(平5)11月10日、埼玉県朝霞市出身。本名・高西勇人。

◆スポーツ歴 朝霞市立朝霞第四小1年時から朝霞相撲錬成道場で相撲を始める。埼玉栄高3年で高校総体団体2位、個人3位。

◆しこ名 初めて番付に載った12年春場所から同年名古屋場所まで「大翔栄」だったが「『栄』の字が最後にくると下半身をけがする」と言われ、本当にけがをしたことをきっかけに「大栄翔」と改名。

◆好きな力士 子どもの頃から元大関千代大海(現九重親方)のファンで、埼玉栄高の先輩、元大関豪栄道(現武隈親方)にもあこがれている。

◆園芸部 中学は相撲道場に通いながら、園芸部に所属。キュウリやナス、ゴーヤーなどを育てた。ヒマワリが好き。

◆サイズ 182センチ、161キロ。

取り組み前に気合が入る大栄翔(撮影・柴田隆二)
クラシックコンサートで歌う本田美奈子さん(2004年1月10日撮影)

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大栄翔、けがするジンクス的中で「大翔栄」から改名

取り組み前に気合が入る大栄翔(撮影・柴田隆二)

<大相撲初場所>◇7日目◇16日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭大栄翔(27=追手風)が、三役以上を総ナメして単独トップに立った。関脇隆の勝を押し出して、初日から7連勝で唯一の勝ちっ放し。埼玉県出身力士として初めての優勝も現実味を帯びてきた。

1敗はかど番の大関正代と、初黒星を喫した再入幕の明瀬山。5人の平幕が2敗を守っている。

<大栄翔>

◆生まれ 1993年(平5)11月10日、埼玉県朝霞市出身。本名・高西勇人。

◆スポーツ歴 朝霞市立朝霞第四小1年時から朝霞相撲練成道場で相撲を始める。埼玉栄高3年で高校総体団体2位、個人3位。

◆しこ名 初めて番付に載った12年春場所から同年名古屋場所まで「大翔栄」だったが「『栄』の字が最後にくると下半身をけがする」と言われ、本当にけがをしたことをきっかけに「大栄翔」と改名。

◆好きな力士 子どもの頃から元大関千代大海(現九重親方)のファンで、埼玉栄高の先輩、元大関豪栄道(現武隈親方)にもあこがれている。

◆園芸部 中学は相撲道場に通いながら、園芸部に所属。キュウリやナス、ゴーヤーなどを育てた。ヒマワリが好き。

◆サイズ 182センチ、161キロ。

大栄翔(右)は隆の勝を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)

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大栄翔、初日から3日連続大関撃破は昭和以降3人目

立ち会い後に強烈な突き押しで正代(右)を攻める大栄翔(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇3日目◇12日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔が、3日連続の大関撃破を果たした。かど番で初日から連勝中の正代を、突き出しで破った。朝乃山(初日)、貴景勝(2日目)に続く撃破で、平幕力士の初日から3日連続大関撃破は昭和以降3人目の快挙。

◆平幕力士の3日連続大関撃破 昭和以降では大栄翔が18人目。初日から3日連続撃破は、08年九州場所の西前頭2枚目若の里(初日から琴欧洲、琴光喜、魁皇)、19年初場所の西前頭2枚目北勝富士(同栃ノ心、豪栄道、高安)に続いて3人目。平幕の4日連続撃破は、10年夏場所の西前頭2枚目栃ノ心(2日目から日馬富士、琴欧洲、琴光喜、魁皇)のみ。

正代(左)を突き出しで破る大栄翔(撮影・菅敏)

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八角理事長、3連勝大栄翔&阿武咲の対戦見てみたい

立ち会い後に強烈な突き押しで正代(右)を攻める大栄翔(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇3日目◇12日◇東京・両国国技館

3大関総崩れの一方で、きっぷのいい押し相撲の大栄翔(27=追手風)と阿武咲(24=阿武松)が、ともに3連勝。早くも役力士の全勝が消えた今場所の、台風の目になりそうな平幕コンビに、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「乗っている時の2人の対戦が見たいね。立ち合いで、どんな当たりをするのか見てみたい」と興味津々の様子で期待した。

大栄翔は3大関撃破、阿武咲も2関脇と1小結と役力士に全勝。阿武咲については「この3日間、初日から最高の相撲を取っている。去年の相撲教習所での(合同)稽古も全部行った。その意気込みがうれしい。やる気が結果に出ている。立ち合いで迷わず持って行けるという自信がついている」と褒めた。一方の大栄翔についても「調子がいいから(正代より)先に動いている。ここまでは負けて元々と思い切って行けた。三役との対戦があるが(今後も)気持ち的に受け身にならないように」と期待。「2人とも立ち合いの思い切りがいい。変にまとまっていない」と期待を寄せた。

◆平幕力士の3日連続大関撃破 昭和以降では大栄翔が18人目。初日から3日連続撃破は、08年九州場所の西前頭2枚目若の里(初日から琴欧洲、琴光喜、魁皇)、19年初場所の西前頭2枚目北勝富士(同栃ノ心、豪栄道、高安)に続いて3人目。平幕の4日連続撃破は、10年夏場所の西前頭2枚目栃ノ心(2日目から日馬富士、琴欧洲、琴光喜、魁皇)のみ。

阿武咲(左)は隆の勝を引き落としで破り、初日から3連勝を飾る(撮影・小沢裕)

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徳勝龍「史上最高インタビュー」大相撲この1年前編

優勝インタビューで笑顔を見せる徳勝龍(2020年1月26日撮影)

2020年が間もなく終わる。コロナ禍にあったこの1年は、相撲界でもさまざまなことが起きた。角界での「印象に残った10の言葉」を、1月から順に紹介する。まずは前編。【取材・構成=佐々木一郎】

(1)「自分なんかが優勝していいんでしょうか?」(徳勝龍、1月26日)

今年の本場所は、幕尻だった徳勝龍の番狂わせから始まった。千秋楽、大関貴景勝を寄り切り、あれよあれよという間に優勝をさらった。場内インタビューでの第一声が「自分なんかが優勝していいんでしょうか?」。国技館内が柔らかな笑いに包まれた。優勝争いの意識を聞かれても「意識することはなく…。ウソです。めっちゃ意識してました」と漏らして笑いを誘った。徳勝龍の人柄が多くの人に知られるきっかけになり、「史上最高の場内インタビュー」と指摘する声も多い。

(2)「師匠の男っぷりの良さをこれからも見習っていきたい」(豪栄道、1月29日)

大関豪栄道が初場所後に引退を発表し、会見で話した言葉。大関からの陥落が決まったが、次の場所で10勝すれば大関に復帰できる。しかし、潔く引退を決めた。師匠の境川親方(元小結両国)からは「弱音を決して吐かない、ど根性は誰よりも持っていた男」との言葉を贈られた。年寄「武隈」を襲名。2日後には年寄総会にスーツ姿で現れ、師匠から贈られた、バックルが「G」のいかついベルトも話題になった。

(3)春場所初日の協会あいさつ(3月8日、八角理事長)

3月の春場所(エディオンアリーナ大阪)は無観客で行われた。初日恒例の協会あいさつは、幕内力士と審判部の親方衆が土俵下に整列し、土俵の中央で八角理事長(元横綱北勝海)が正面を向いて言葉を発した。以下、全文を記載する。

「初日にあたり謹んでごあいさつを申し上げます。

公益財団法人日本相撲協会は、社会全体でコロナウイルス感染症の拡大を防いでいる状況を勘案し、また何より大相撲を応援してくださる多くのファンの皆さまにご迷惑をかけることは決してできないと考え、大相撲3月場所を無観客で開催させていただくこととなりました。

本場所を楽しみにお待ちいただいておりました多くの皆さまには大変なご迷惑とご心配をおかけすることとなりましたが、何とぞご理解を賜りますようお願いを申し上げます。

またコロナウイルスに感染した皆さまには一時も早いご回復をお祈り申し上げます。このようなお客さまのいない本場所となり、力士にとっても気持ちを整えるのが難しい、非常に厳しい土俵となりますが、それでも全力士は全国各地で応援してくださっている郷土の皆さまやファンの方々の歓声や声援を心に感じ、精いっぱいの土俵を務め、テレビでご観戦の皆さまのご期待にお応えするものと存じます。

古来から力士の四股は邪悪なものを土の下に押し込む力があるといわれてきました。また横綱の土俵入りは五穀豊穣(ほうじょう)と世の中の平安を祈願するために行われてきました。力士の体は健康な体の象徴ともいわれています。

床山が髪を結い、呼び出しが柝(き)を打ち、行司が土俵を裁き、そして力士が四股を踏む。この一連の所作が人々に感動を与えると同時に、大地を静め、邪悪なものを抑え込むものだと信じられてきました。

こういった大相撲の持つ力が日本はもちろん、世界中の方々に勇気や感動を与え、世の中に平安を呼び戻すことができるよう協会員一同一丸となり、15日間全力で努力する所存でございます。何とぞ千秋楽まで温かいご声援を賜りますようお願い申し上げ、ごあいさつといたします。

令和2年3月8日 公益財団法人日本相撲協会理事長 八角信芳」

4分21秒にも及ぶ異例の長さだったが、感動的なスピーチは好評を得た。YouTubeの日本相撲協会公式チャンネルで映像が見られるので、ぜひ視聴していただきたい。

(4)「最後の場所は無観客でしたから、引退相撲の時は多くの人に『豊ノ島~』って声をかけていただきたいですね」(豊ノ島の妻沙帆さん、4月18日)

4月17日に豊ノ島が引退を発表した。春場所は東幕下2枚目で勝ち越せず、関取復帰はならなかった。三役経験者の名力士の引退だったが、コロナ禍にあって記者会見はなし。当時はまだ協会のオンライン対応もなく、代表社による電話取材でコメントを出すだけだった。本来なら、映像が残る節目の会見になるはずだったが…。発表の翌日、妻の沙帆さんに電話インタビューをお願いすると、冒頭のコメントが出た。現役最後の場所は無観客、引退会見は電話のみ。さみしい引き際だが、最後の晴れ舞台がある。引退相撲は2022年5月28日を予定している。

(5)「いつもあと何場所で写真がなくなるか、考えていた。なくなる前にもう1つ飾りたかった」(照ノ富士、8月2日)

7月場所は名古屋でなく、国技館で行われ、照ノ富士が優勝した。千秋楽の取組を終えると、照ノ富士は土俵下で館内を見上げていた。なぜかは分からなかったが、その後のこのコメントで事情が分かった。ケガなどの影響で大関から序二段まで陥落し、14場所ぶりに幕内復帰して優勝。国技館の優勝額は、直近の優勝力士32人が掲額される。照ノ富士にとっては31場所ぶりの優勝だったため、気持ちはよく分かった。11月場所は優勝争いを繰り広げ、来年の初場所は関脇で臨む。来年は何枚、優勝額を飾るだろうか。

引退を報告する境川親方(右)と元大関豪栄道の武隈親方(2020年1月29日撮影)

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綱挑む貴景勝、照ノ富士18場所ぶり関脇に/新番付

貴景勝(2020年11月21日撮影)

日本相撲協会は24日、来年1月の大相撲初場所(10日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。

横綱は6場所連続で、東に白鵬(35=宮城野)、西に鶴竜(35=陸奥)が就いた。ともに3場所連続休場(全休は2場所連続)明けで、復調を示す土俵となる。白鵬は4場所ぶり45回目、鶴竜は昨年の名古屋場所以来8場所ぶり7回目の優勝を目指す。

大関は、東が先場所優勝で綱とり場所となる貴景勝(24=常盤山)、西が大関2場所目でかど番の正代(29=時津風)、東の序列2番目にこちらも、かど番の朝乃山(26=高砂)が就いた。9場所ぶり2度目となる大関初Vを狙う。貴景勝は2場所連続3度目の優勝を狙う。大関2人がかど番になるのは、昨年秋場所の豪栄道、栃ノ心以来となる。

東の関脇には、先場所小結の照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が返り咲いた。18場所ぶりの関脇復帰。西の関脇は隆の勝(26=常盤山)が据え置かれた。小結は2場所連続で高安(30=田子ノ浦)が東、西は先場所関脇の御嶽海(27=出羽海)が番付を落とし9場所ぶりの小結(三役は4場所連続)となった。

来年1月の初場所は、8日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。10日の初日を迎える。

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元大関豪栄道、武隈親方が結婚 第1子も誕生

武隈親方(2020年2月11日撮影)

日本相撲協会は9日、元大関豪栄道の武隈親方(34)が結婚していたことを発表した。婚姻届は5月24日に提出。相手の女性は東京都出身の年下で、11月1日には第1子の長男も誕生したという。

武隈親方は大関陥落が決まった今年1月の初場所限りで現役を引退し、境川部屋付きの親方として後進の指導にあたっていた。22年1月の初場所後に東京・両国国技館内で断髪式を予定している。

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貴景勝が新十両王鵬にエール「これからの伸び違う」

初場所に向けて稽古をする貴景勝

大相撲初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)で綱とりに挑戦する大関貴景勝(24=常盤山)が、新十両を決めた王鵬(20=大嶽)に熱いエールを送った。

7日、都内の部屋での稽古後に報道陣の代表取材に対応。埼玉栄高の後輩で、1年半にわたって自身の付け人を務めた王鵬に「苦労もしているから、これからの伸びは違うと思う」と期待を寄せた。

8月には武隈親方(元大関豪栄道)らとともに、コロナ禍でインターハイが中止となった母校の相撲部員に反物で作製したマスクとメッセージを送って激励するなど、母校愛は強い。「地方からみんなで出てきて、埼玉栄に入ってそこで優勝したいと、中学3年生から夢を持って高校に入ってるから、それはなかなかきついものがある。かわいそうですけど、また次の目標を立てて頑張ってほしいですね」。11月場所では3学年後輩の琴勝峰と初対戦。「僕らが高校生のときに幕内でがんがん活躍している先輩と初めて戦ったときのことを少し思い出した」と、後輩の躍進を歓迎した。

中でも王鵬は初土俵から順調に出世したが、幕下上位で1年半停滞するなど苦しんでいた。「同級生が先に上がっていく中で、焦りもあったと思う。でもこれは言ってましたけど『深みが違うよ。お前が上に上がったときは。何もしないで上に上がるのと、こういうことを経験して上がるのでは』と」。精神面で助言を送ってきた。

自身は初めて綱とりに挑む初場所に向けて、この日は四股などの基礎運動で体を鍛えた。18日から両国国技館内の相撲教習所で行われる合同稽古にも「行くつもりでいる」と参加の方針。「それまでに体をつくっておかないとけがする。戦える体にしておきたい」。 国内の感染状況も注視する。「ちょっとコロナに慣れてる部分もある。気をつけないといけない。自分がかかるとみんなに迷惑かかる。集団で稽古してるので」。感染対策を徹底しながら、調整を重ねていく。

初場所に向けて稽古をする貴景勝

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貴景勝、大関8場所目で悲願 感謝を体現した優勝

幕内優勝を果たし、賜杯を手に笑顔を見せる貴景勝(代表撮影)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

綱とり初挑戦だ-。大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。

小結照ノ富士に本割で敗れて13勝2敗で並ばれたが、優勝決定戦では鋭い出足で立ち合いから圧倒した。昨年はけがに苦しんだが、在位8場所目で悲願成就。コロナ禍だからこそ、周囲への感謝の気持ちを忘れない24歳の看板力士。横綱、大関陣でただ1人の皆勤で重責を果たし、17年初場所の稀勢の里を最後に遠ざかっていた大関の優勝なしにも、終止符を打った。

   ◇   ◇   ◇

闘志を充満させていた表情が、わずかにゆがんだ。1人大関の重圧に耐えた貴景勝を、定員の半分ほどに制限が引き上げられた5000人の観客が万雷の拍手で包む。コロナ禍で、今場所から解禁された土俵下での優勝インタビュー。「お客さんの前でいい相撲を見せる、それだけ考えて一生懸命やった」と話す声は、少し震えていた。

決定戦で自分の立ち合いを貫いた。本割では照ノ富士を突き放し切れず、浴びせ倒しで敗れた。右肩に土がベッタリつきながら戻った花道。「情けなさと悔しさ」を押し殺し「もう一戦チャンスをもらった」と切り替えた。決定戦は低い踏み込みから3発で一気に相手を土俵外へ。「何も考えてなかった。脳の指令で体が動く。初めて脳を止めて、体に任せた」。未知の領域だった。

コロナ禍で揺れに揺れた1年。昨年の大関昇進時、伝達式の口上で述べた「感謝の気持ちと思いやり」を体現した。8月に自身を含めた埼玉栄高のOBで母校相撲部に反物で作製したマスク40枚とメッセージを送った。インターハイなど高校相撲の主要大会が中止となり、傷心の後輩を激励。恩師で相撲部の山田道紀監督は「ありがたいことだね」と感謝した。

初の綱とり、来場所は年6場所制となった58年以降の初土俵では付け出しを除いて史上3位となる、所要38場所でのスピード昇進を狙う。一気に塗り替えたい。旧貴乃花部屋時代に宿舎を提供していた福岡・田川市の「相撲茶屋貴ノ花」では、店周辺に同部屋出身力士の幟(のぼり)を設置。業者との契約で3年に1回は全25本を交換するが、コロナ禍で交換が1年延長になった。入門来の付き合いで場所中も毎日のように連絡を取り合うという店主の今宮一成さん(55)は「今の幟には『大関』と書かれていないんですよ。来年上がってくれれば、いい替え時です」と笑う。一気に「横綱貴景勝」の幟に交換できる環境にある。

「強ければ勝つし弱ければ負ける。自分と向き合ってやっていきたい」。1909年に優勝制度ができて今場所がちょうど500場所目。節目の土俵で賜杯を抱いた貴景勝の新たな挑戦が始まる。【佐藤礼征】

<優勝アラカルト>

◆大関の優勝 17年初場所の稀勢の里以来、22場所ぶり。77年夏場所に当時大関の若三杉(2代目横綱若乃花)が優勝後、81年初場所で千代の富士が25場所ぶりに優勝した最長ブランクに次ぐ。

◆複数回優勝 現役力士では白鵬、鶴竜の両横綱、関脇で2度優勝した御嶽海、大関時代と幕尻で2度制した照ノ富士に次いで5人目。

◆埼玉栄高 2度目の優勝は初めて。豪栄道と合わせて計3度。

◆混戦イヤー 今年の優勝者は初場所から徳勝龍、白鵬、照ノ富士、正代、貴景勝。過去に年間で優勝者の顔触れが異なるのは(年5場所以上)57年、72年、91年に続き29年ぶり4度目の“戦国時代”となった。

優勝インタビューを終え、感慨深げな表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)
幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

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大関Vは稀勢の里以来 22場所ぶり2番目ブランク

幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。本割一発で決めることはできなかったものの、最後は勝ち切った。

<優勝アラカルト>

◆大関の優勝 17年初場所の稀勢の里以来、22場所ぶり。77年夏場所に当時大関の若三杉(2代目横綱若乃花)が優勝後、81年初場所で千代の富士が25場所ぶりに優勝した最長ブランクに次ぐ。

◆複数回優勝 現役力士では白鵬、鶴竜の両横綱、関脇で2度優勝した御嶽海、大関時代と幕尻で2度制した照ノ富士に次いで5人目。

◆埼玉栄高 2度目の優勝は初めて。豪栄道と合わせて計3度。

◆混戦イヤー 今年の優勝者は初場所から徳勝龍、白鵬、照ノ富士、正代、貴景勝。過去に年間で優勝者の顔触れが異なるのは(年5場所以上)57年、72年、91年に続き29年ぶり4度目の“戦国時代”となった。

八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る貴景勝(撮影・鈴木正人)

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貴景勝が貫禄勝ち 高校後輩琴勝峰の初挑戦跳ね返す

貴景勝(左)は琴勝峰を突き落としで破る(撮影・小沢裕)

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が、初の年間最多勝を確実にした。埼玉栄高の3学年後輩にあたる西前頭5枚目琴勝峰を突き落としで下して10勝目。幕尻の志摩ノ海と1敗でトップを並走する。大関正代と並んで年間5場所で48勝目。単独の年間最多勝と、2年ぶり2度目の幕内優勝の“2冠”に向けて、出場最高位の大関が突っ走る。1敗の2人を小結照ノ富士、竜電の2敗2人が追いかける。

   ◇   ◇   ◇

果敢に攻め込む新鋭に、大関の貫禄を示した。貴景勝は、真っ向から2度、3度とぶつかる琴勝峰が前傾になった瞬間を見逃さず、得意の左からの突き落とし。「集中して気合入れて、それだけ考えてやっている」。敗れれば幕尻の志摩ノ海に単独トップを許す一番。重圧をはねのけた。

対戦相手について言及することはめったにないが、後輩の挑戦に感じるものはあった。新入幕は20歳だった17年初場所。元大関豪栄道(現武隈親方)ら埼玉栄高のOBとの対戦は、常に相手が年上だった。3学年下の琴勝峰との初顔合わせに「ずっと先輩に立ち向かっていた。今回初めて埼玉栄の後輩で、だから何ってわけじゃないけど、どんどん埼玉栄が育っていることはうれしいこと」。5日目の大栄翔戦から始まり、4日連続5人目の“OB対決”で初めての経験を味わった。

同じ二所ノ関一門で、成長を予感する相手でもある。「(琴勝峰は)いいものを持っている。連合稽古を見ていても強い。強くなると思う、一生懸命やっていれば」。そんな期待する若手に、しっかりと番付の差を見せつけた。

年間48勝目で年間最多勝争いでも首位に立った。トップタイの正代が再出場する可能性は極めて低く、あと1勝で単独での最多勝が実質決定。2年ぶりの幕内優勝との2冠が近づいてきた。「毎日大事に大事にと、新弟子のときからやっている。明日はいつもと違うとか、これまで1回もない」。ぶれずに残り4日間に臨む。【佐藤礼征】

▽伊勢ケ浜審判長(元横綱旭富士)「貴景勝は落ち着いていた。当たりは琴勝峰が良かったけど、経験の差が少し出たかな。照ノ富士は相撲的によくない。前みつを引いてかいなを返して取る相撲だから。そういう相撲を取っていかないといけない」

貴景勝(左)は琴勝峰を突き落としで破る(撮影・柴田隆二)
勝ち名乗りを受ける貴景勝(撮影・丹羽敏通)

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「ダメ大関」乗り越え…琴奨菊は超スロー初V/復刻

豪栄道(左)を突き落としで破り、初優勝を決めた琴奨菊(2016年1月24日撮影)

大相撲の元大関琴奨菊が15日、現役を引退した。大きな実績の1つが、2016年初場所での幕内優勝。当時の日刊スポーツの記事で振り返ります。

◇  ◇  ◇

ついに重い扉をこじ開けた。大関琴奨菊(31=佐渡ケ嶽)が豪栄道を突き落として、14勝1敗で悲願の初優勝を果たした。06年初場所の栃東以来10年ぶりの日本出身力士の優勝。31歳11カ月の初優勝は昭和以降年長3位、大関在位26場所は史上最スローだった。32歳の誕生日の30日は、妻祐未さん(29)との結婚式。最高の贈り物となった。3月の春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)が初めての綱とりとなる。

打ち破ったのは、目の前の豪栄道だけではなかった。日本出身力士が10年間、届かなかった賜杯への重い扉。何よりも、琴奨菊自身の過去の鎖だった。「まだ信じられない。言葉に表せないくらい本当にうれしい。(賜杯は)いろんな思いが詰まった重さでした」。

歴史を、自分の力で動かした。鋭い出足。がぶる。そして間髪入れない突き落とし。「本当に、よくこの体で戦えたと思います」。しみじみと昔を振り返った。自分を認められずにいた、昨年名古屋場所までを。

それまで大関23場所で、2桁白星はわずか6度。「ダメ大関」の烙印(らくいん)も押された。名古屋で脱出したかど番も、一時は5勝7敗。場所前に結婚した祐未夫人を苦しませた。

場所後、1つの動画を紹介された。「鷹の選択」という。タカは40歳で選択する。つめが弱まり、くちばしが曲がり、羽が重くなって飛べなくなる。そのまま死を待つか、それとも苦しい自分探しの旅に出るか。後者を選んだタカは、岩でくちばしをたたき割る。つめをはぎ取る。古い羽を1本ずつむしる。半年後、新しいくちばしが、つめが、羽が生えたタカは新しい姿となって高く羽ばたく-。

自分が映っていた。馬力を持ち味に大関まで昇進するも、ケガで次第に通じなくなった。「いい時のイメージはきついよ。頭はそれ。でも、現実を見たら、できなくなっていることが多い。なのに力が落ちていると認められない。オレは前者だった」。初めて自分が分かった。「朽ち果てたくない。新しいタカになる」。苦しい旅が始まった。

ケトルベル、ハンマー投げ、綱引き、タイヤたたき。外見の筋肉を壊し、体幹を鍛える作業が始まった。何度もぶっ倒れた。でも「つらいけど楽しい。できないんじゃなく、受け入れていなかっただけだと分かった」。古いモノが落ちた。

昨年秋場所5日目。嘉風に敗れた夜、食事後に思い立って、部屋に行った。ハンマーを取り出し、無心でタイヤをたたく。そんな姿は初めてだった。負けても「しょうがない」とあきらめていた姿は消えていた。夜10時。近隣に「うるさい」と怒られるまで続いた。

心が変わり、体が変わった。そして、結果も変わった。「すべて心だと思う。気持ちがつくれないと、稽古も準備も適当になる」。

固い決意から半年。モンゴル出身の3横綱全てに勝って、日本出身力士10年ぶりの賜杯を手にした。くちばし、つめ、羽-。琴奨菊は新しい姿となって、高く羽ばたいた。【今村健人】

   ◇   ◇   ◇

祐未夫人は「まだ実感が湧かない」と夢見心地だった。祝賀会場では、2人で並び大関のホオに祝福のキス。「とても輝いて見えました。あらためて、すてきだなと思いました」と笑顔でのろけた。前夜は手料理のトンカツで“必勝祈願”。優勝を祝う料理には「大関が大好きなオムライスを作りたいです」と話した。

琴奨菊(右)は祐未夫人と笑顔で見つめ合う(2016年1月24日撮影)
16年1月、初場所で初優勝し、賜杯を手に笑顔の琴奨菊

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