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英乃海が弟の翔猿をいじり倒すも兄弟同時三役への思い語る

夏場所に向けて稽古に励む英乃海(日本相撲協会提供)

大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)で自己最高位の東前頭6枚目に就いた英乃海(31=木瀬)が3日、兄弟同時三役への思いを語った。

都内の部屋での稽古後に報道陣の電話取材に対応。弟の西前頭筆頭2枚目翔猿(28=追手風)が新三役に迫っていることについて「負けずに頑張りたい」と刺激を受けていた。

春場所で再入幕を果たし、史上9組目の同時幕内となった。「今までも何組もいますからね。上には上がいる。一番上だと両方横綱(3代目若乃花と貴乃花)という人たちがいたのであれですけど。お互い三役くらいになったらうれしい」と話した。

翔猿への対抗心については「全くないといったらウソ」と高め合う存在だが「敵対心はない」という。「弟ですから。『(上位に)上がりやがってこの野郎!』とかはない」。普段から連絡を取る関係ではないものの、仲はいい。この日の取材でも翔猿の性格について「兄とか他人とか関係なく人に興味がないんですよね。すみません、言い方間違えたけど、男の人には興味がなくて。今は女の子と相撲のことしか頭にないんじゃないですか」といじり倒した。

翔猿以上に刺激を受ける存在が兄弟子の明瀬山(35=木瀬)だ。自身も先場所まで幕内での勝ち越しがなかったが、明瀬山は今年の初場所で35歳にして初めて幕内で勝ち越しを決めた。「何がきっかけになって奮起しましたかと聞かれて、弟さんですか? とよく聞かれるけど、意外とそんなことはなくて、最近思ったのは明瀬山関は本当にすごいなと。あの年齢で初めて勝ち越した。全然まだまだやれるなと思ったのは、それがきっかけ」。自身も15年名古屋場所に新入幕を果たしたが、5年以上も幕内と十両をいったりきたりだった。年齢を重ねても諦めない兄弟子がお手本だ。

明瀬山は埼玉栄高、日大の先輩でもあり、仲もいい。「いつも僕は明瀬山関のことが好きだからいじっていて、そういう(尊敬している)ことを言うといじってると思われて、また怒られちゃうから言ったことはないですけど、本当に思っているし、かわいがってもらえている。あの人は本当にコツコツやる人ですし、すごいなと思います」。

2場所連続2桁白星を目指す来場所。先場所は「自分でもびっくりするくらい内容も成績も良かった」と振り返る。場所後の6月に32歳の誕生日を迎える。「30超えて勢いだけで相撲取れない。頭を使って相撲を取りたい。今までは前に出て流れで何とか勝てればという相撲だったが、考えて相手の弱いところを攻めないと馬力負けしてしまう」。

夏場所は緊急事態宣言下のため3日目まで無観客開催。「相手のタオルがめちゃくちゃ多いと、めちゃくちゃやる気が出る。めちゃくちゃ燃えますね。勝ったら『どうだ』って感じになります。3日以降(観客が)入るといいんですけどね」と望んでいた。

翔猿(2021年3月25日撮影)

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55年ぶり珍事、横綱から十両まで新たな昇進力士なし/夏場所新番付

両国国技館(2021年1月10日撮影)

日本相撲協会は26日、大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。

新番付に、初めて昇進する力士がいるのは付き物だが…。ところが今場所は、新横綱、新大関、新三役、新入幕、新十両と、新たな昇進力士がいなかった。同一場所で前述の5つの新昇進がなかったのは、66年夏場所以来、55年ぶり史上2度目の“珍事”となった。

なお、同一場所で新三役、新入幕、新十両がいなかったのは、95年初場所であった(この場所は貴乃花が新横綱)。また同一場所で新入幕と新十両が不在だったのは、09年夏場所(この場所は鶴竜と栃煌山が新三役)以来のことになる。

大相撲夏場所は、5月7日予定の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。9日の初日を迎える。

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「一代年寄」に物言い「白鵬」襲名へ厳しい見解、存在意義を見いだせず

「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の山内委員長(左から2人目)から提言書を受け取った後、会見する八角理事長(右端)ら(代表撮影)

大相撲の「一代年寄」に物言いがついた。

日本相撲協会に設置された「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の第11回会合が19日、東京・両国国技館で行われ、山内昌之委員長(東大名誉教授)が、協会の八角理事長(元横綱北勝海)に提言書を提出。功績顕著な横綱に対し一代限りで襲名を認めていた「一代年寄」について、存在意義を示すものを見いだされないなどと問題提起した。史上最多44度の優勝を誇る横綱白鵬(36=宮城野)にとって、一代年寄「白鵬」襲名へ厳しい見解が示された。

    ◇    ◇    ◇

一代年寄の親方は今後、誕生しないかもしれない。約2年間にわたって開催されてきた有識者会議の会合が最終回を迎え、山内委員長から八角理事長に約50ページに及ぶ提言書が提出された。多国籍化した角界が目指す方向性などについて指摘される中、一代年寄について問題提起された。

提言書は「一代年寄は当該横綱一代限りの特例のため、その部屋の弟子らによる継承襲名は認められない。その横綱の力と技の相撲ぶりが名乗りの部屋名とともには後世に継承されないことを意味する」と論じた。過去に一代年寄を襲名したのは、大鵬、北の湖、貴乃花の3横綱のみ。3人とも部屋を興したが、死去や退職などにより3部屋とも消滅している。所属していた力士らは他の部屋への転籍を余儀なくされた。

また、現在の協会の定款に根拠となる規定はないなどとして、存在意義を示すものは見いだされないとも論じた。山内委員長は「(一代年寄を)『廃止』と理解されては困る。廃止ではなく、制度そのものが本来なかった。協会のどこにも規定がない」と説明。提言書によると一代年寄は、1969年に現役だった横綱大鵬に、内弟子集めを例外的に認めて「横綱大鵬」と「年寄大鵬」を並立させる工夫として生み出されたものだという。加えて、弟子への継承が認められていないこともあり、提言書では「大相撲の師資相承の伝統から外れたいわば『異形』の資格」と論じた。

一代年寄について進言を受けた八角理事長は「そういう場面があれば理事会で審議していく」と話した。提言書に強制力はないが、協会が今後、一代年寄を認めない可能性が出てきた。認められなければ、横綱白鵬は引退後、一代年寄「白鵬親方」として協会に残ることができず、親方名跡取得の道を模索しなければならない。横綱は引退後5年間、力士名の親方として協会に残れるが、白鵬は年寄「間垣」を取得する方向で調整中。一代年寄取得に興味を示していた時期もあったが、厳しい見解が示される形となった。

◆一代年寄 日本相撲協会に以前から登録された105の年寄名跡のほかに、著しい貢献のあった横綱の功績をたたえて贈られる名跡。幕内優勝20回が目安とされ、個人一代限りにおいて年寄として待遇される。過去の権利取得者は4人。

▽大鵬 69年9月に一代年寄「大鵬」を贈られた。71年5月に引退し、同年12月に二所ノ関部屋から独立。史上初の一代年寄。2013年に72歳で死去。

▽北の湖 85年1月に引退して一代年寄「北の湖」となり、同年12月に三保ケ関部屋から独立。2015年に62歳で死去。

▽千代の富士(辞退) 89年9月に理事会で提案されたが本人が辞退。91年夏場所限りで引退し年寄「陣幕」を経て「九重」を継承。2016年に61歳で死去。

▽貴乃花 03年初場所中に引退して一代年寄「貴乃花」を襲名。04年2月に二子山部屋を継承し、部屋名を変更。2018年に退職。

<横綱比較>

▽大鵬 第48代横綱。優勝32回。通算872勝182敗136休

▽北の湖 第55代横綱。優勝24回。通算951勝350敗107休

▽千代の富士 第58代横綱。優勝31回。1045勝437敗159休

▽貴乃花 第65代横綱。優勝22回。通算794勝262敗201休

▽白鵬 第69代横綱。優勝44回。1172勝247敗223休

◆大相撲の継承発展を考える有識者会議 八角理事長(元横綱北勝海)の諮問機関。17年に起きた元横綱日馬富士による傷害事件など不祥事が続き、暴力問題再発防止検討委員会から外国出身力士に対する指導方法などについて外部有識者による協議を要請され、19年に創設された。委員はプロ野球ソフトバンクホークスの王貞治会長や俳優の紺野美沙子ら8人で構成。19年6月から議論を重ねてきた。

「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の山内委員長(右)から提言書を受け取る八角理事長(代表撮影)

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白鵬の一代年寄襲名は厳しく、横綱大鵬への特例で定款に規定なしと説明

「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の山内委員長(右)から提言書を受け取る八角理事長(代表撮影)

日本相撲協会は19日、東京・両国国技館で「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の第11回会合を開いた。

同会の山内昌之委員長が、協会の八角理事長(元横綱北勝海)に提言書を提出した。

約50ページに及ぶ提言書は、外国出身力士に大相撲の伝統文化を理解させるため、師匠の指導力や協会のガバナンス(統治)の重要性を指摘した。外国出身力士が多く活躍している現状を踏まえ、外国出身力士に対し「日本文化になじむ『入日本化』を促す」ことなどを進言。協会ガバナンスの向上を目指し、女性の外部理事登用も提言した。

また、功績顕著な横綱に対し一代限りで襲名を認めていた「一代年寄」についても言及した。提言書では「一代年寄は当該横綱一代限りの特例のため、その部屋の弟子らによる継承襲名は認められない。つまり、その横綱の力と技の相撲ぶりが名乗りの部屋名とともには後世に継承されないことを意味する。これは他の芸能・芸道には類例がなく、大相撲の師質相承の伝統からも外れたいわば異形の『資格』である」(一部抜粋)と論じた。

さらに一代年寄については、現在の協会の定款に根拠となる規定はないなどとして、一代年寄の存在意義を示すものは見いだされないとも論じた。山内委員長は「『廃止』と理解されては困る。廃止ではなく、制度そのものが本来なかった。協会のどこにも規定がない。横綱大鵬に対して工夫されたもので、それがある種の制度として考えられた」などと説明。提言書によると、一代年寄は1969年(昭44)に現役だった横綱大鵬に、内弟子集めを例外的に認めて「横綱大鵬」と「年寄大鵬」を並立させる工夫として生み出されたという。

一代年寄について進言を受けた八角理事長は「そういう場面があれば理事会で審議していきたいと思います」と話した。協会が提言書を受け、今後は一代年寄を認めないとなれば、横綱白鵬は「白鵬親方」として5年を超えて協会に残ることはできず、年寄名跡取得の道を模索することとなる。

同会議は八角理事長の諮問機関。元横綱日馬富士による傷害事件など不祥事が続き、暴力問題再発防止検討委員会から外国出身力士に対する指導法などについて外部有識者による協議を要請され、19年に創設した。委員にはプロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長ら8人で構成。19年6月から議論を重ねてきた。

◆一代年寄 日本相撲協会に以前から登録された105の年寄名跡のほかに、著しい貢献のあった横綱の功績をたたえて贈られる名跡。幕内優勝20回が目安とされ、個人一代限りにおいて年寄として待遇される。過去の権利取得者は4人。

▽大鵬 69年9月に一代年寄「大鵬」を贈られた。71年5月に引退し、同年12月に二所ノ関部屋から独立。史上初の一代年寄。2013年に72歳で死去。

▽北の湖 85年1月に引退して一代年寄「北の湖」となり、同年12月に三保ケ関部屋から独立。2015年に62歳で死去。

▽千代の富士(辞退) 89年9月に理事会で提案されたが本人が辞退。91年夏場所限りで引退し年寄「陣幕」を経て「九重」を継承。2016年に61歳で死去。

▽貴乃花 03年初場所中に引退して一代年寄「貴乃花」を襲名。04年2月に二子山部屋を継承し、部屋名を変更。2018年に退職。

◆大相撲の継承発展を考える有識者会議 八角理事長(元横綱北勝海)の諮問機関。17年に起きた元横綱日馬富士による傷害事件など不祥事が続き、暴力問題再発防止検討委員会から外国出身力士に対する指導方法などについて外部有識者による協議を要請され、19年に創設された。委員はプロ野球ソフトバンクホークスの王貞治会長や俳優の紺野美沙子さんら8人で構成。19年6月から議論を重ねてきた。

「大相撲の継承発展を考える有識者会議」の山内委員長(左から2人目)から提言書を受け取った後、会見する八角理事長(右端)ら(代表撮影)

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靱帯損傷、腰痛、肉離れ…ケガに泣かされた鶴竜

20年7月、7月場所の初日で鶴竜(右)が腰砕けで遠藤に敗れる

日本相撲協会は24日、第71代横綱鶴竜(35=陸奥)の現役引退と、理事会で年寄「鶴竜」襲名を承認したことを発表した。鶴竜は昨年11月場所後に横綱審議委員会(横審)から、引退勧告に次ぐ重さの「注意」を決議されながらも、春場所を休場して5場所連続休場。5月の夏場所で再起を懸けるはずだったが、心身共に限界を迎えた。01年九州場所で初土俵を踏んでから20年。歴代10位の横綱在位41場所、6度優勝の横綱が土俵人生に幕を下ろした。

   ◇   ◇   ◇

鶴竜は、昨年7月場所を右肘靱帯(じんたい)損傷で途中休場した。その後は重度の腰痛に悩まされて翌秋場所から初場所まで全休が続いた。春場所では進退を懸けて臨むことを表明。2月に両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古では、小結御嶽海と2日で計30番取って全勝するなど、復調をアピールした。しかし、場所前に左足太ももを肉離れして一転、休場。5場所連続休場となる鶴竜に対して、陸奥親方は「辞めるという選択もある」と言ったというが、鶴竜は現役続行の意思を示していた。

横綱在位41場所で史上10位に名を連ねたが、皆勤は22場所にとどまった。昇進後は満足に相撲を取ることが減っていた。横綱での休場率は4割を超えた。在位数で鶴竜より長い9人では、貴乃花の3割4分7厘が最高で、他は1~2割台。金星配給は史上8番目に多い33個だった。

20年2月、日本国籍を取得して報道陣の取材に対応する鶴竜

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K1谷川聖哉は元貴乃花親方似を売りにK1横綱狙う

会見を前にファイティングポーズを決める谷川聖哉(撮影・吉池彰)

K-1クルーザー級の谷川聖哉(24=K-1ジム相模大野KREST)が大相撲元貴乃花親方(元横綱)の花田光司氏似を「売り」にK-1界の横綱を目指す覚悟を示した。

21日のK-1年間最大の祭典ケイズフェスタ4大会Day2(日刊スポーツ新聞社後援)で同級トップ選手のRUI(29=K-1ジム福岡チームビギニング)に判定勝ちし、22日には都内で一夜明け会見に出席した。

チームメートをはじめ、試合後もSNSなどを通じて花田氏に似ていると言われたと明かした谷川は「昔からずっと言われていた。試合に集中していたけれど、会場からも『似ている』と聞こえた。ありがたいことです」と自身を覚えてもらえる好機にとられた。

まだK-1王者になっていないこともあり「横綱ではなく、今は小結ぐらいですが、ベルトを取ってK-1の横綱と言われたい。名実ともにK-1横綱になれるように頑張りたい」とクルーザー級王座奪取を目標に掲げていた。

元横綱貴乃花に似ていると評判の谷川聖哉(撮影・吉池彰)

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北勝富士、歴代10位タイの金星記録なるか/新番付

北勝富士(2020年9月20日撮影)

日本相撲協会は1日、大相撲春場所(14日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。現役力士の今場所達成可能な歴代10傑入りなどの記録は以下の通り(在位したことで達成済みも含む)。

【通算勝利数】

既に横綱白鵬(35=宮城野)が1170勝で歴代トップに君臨。昨年7月場所10日目以来の白星を、どこまで伸ばせるか注目だ。現役2位は横綱鶴竜(35=陸奥)の785勝。こちらも最後の白星は、昨年春場所14日目で1年ぶりの白星で、あと75勝の歴代10位・寺尾(元関脇=現錣山親方)に迫りたいところだ。

【幕内在位場所数】

今場所で白鵬が、旭天鵬(元関脇=現友綱親方)を抜き歴代単独2位の100場所。ちなみに歴代1位は元大関魁皇(現浅香山親方)の107場所。新入幕からの幕内連続在位100場所は、史上初の快挙となった。

【幕内出場回数】

白鵬が歴代8位の1265回。今場所、皆勤し5月の夏場所も出場すれば、3日目に歴代7位の安芸乃島(元関脇=現高田川親方)に並ぶ。現役2位は鶴竜の1027回。なお歴代1位は、元関脇旭天鵬(現友綱親方)の1470回。

【幕内勝利数】

白鵬が1076勝で、2位の魁皇に197勝もの差をつけ歴代トップ。現役2位は鶴竜の645勝で、歴代10位の貴乃花(元横綱)までは残り56勝。

【通算連続出場】

初土俵以来、無休の「鉄人記録」。歴代7位タイに1316回の玉鷲(36=片男波)が入っている。04年春場所の序ノ口デビューから足かけ18年の「皆勤賞」だ。ちなみに1位は元関脇青葉城の1630回。

【金星獲得】

現役力士で歴代10傑入りは不在だが、今場所チャンスがあるとすれば現在7個の北勝富士(28=八角)。横綱2人を倒せば通算9個で三根山、玉乃海、長谷川、富士桜、貴闘力が名を連ねる歴代10位タイに滑り込む。番付も上位総当たりの東前頭2枚目。序盤にチャンスが巡ってくるか…。

なお8個で現役トップの逸ノ城(27=湊)は、ようやく西前頭6枚目まで番付を戻した。序列では横綱戦はないが、中盤まで好成績を残せば当てられる可能性はある。それは7個で追う遠藤(30=追手風)も同じで、初場所は7勝8敗で負け越したが、東前頭5枚目に据え置かれた。こちらも序盤から白星を並べれば、中盤以降に横綱との一番が組まれる可能性がある。

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貴景勝は心機一転「また新しい部屋で頑張っていく」

春場所に向けて稽古をする貴景勝(日本相撲協会提供)

大関貴景勝(24=常盤山)が10日、朝稽古後に報道陣の電話取材に応じ、近況を語った。

綱とりが一転、左足首を痛め10日目から休場した初場所後は、2日から稽古を再開したが、この日も「しっかり基礎をやって、足首と並行して自分の体を焦らず作っている段階」と土台作りに専念している。土俵の中での稽古については「体が出来たらすぐにでもやりたい。早く土俵の中での稽古が出来るに越したことはない」とした。そのため20日から始まる各部屋の関取衆による合同稽古も「自分の体次第」と見通しを立てなかった。

先場所の負け越しは負傷による要因が大きかったが、そこは貴景勝らしく「負けるというのは、まだまだなのでまた稽古して強くなるしかない。(場所前は)自分の中ではやりきったけど、実力がないからああいう展開になった」と言い訳は避けた。埼玉栄高の先輩にあたる大栄翔(27=追手風)の初場所初優勝は「同じ突き押しでもタイプが違うけど、いい刺激をもらいました」とカンフル剤にはなったという。

今月中旬には常盤山部屋が、現在の東京都台東区橋場から板橋区前野町に移転する。貴乃花部屋から当時の千賀ノ浦部屋に移籍し、約2年を過ごした隅田川に程近い現在地の部屋での稽古も最後。「移籍してから、ずっとここで鍛えさせてもらったので少し寂しい気持ちもあるけど、また新しい部屋で頑張っていきたい」と心機一転にする。

うれしいこともある。長らく付け人をしていた貴健斗(25)の新十両昇進だ。「自分とずっと下の時から一緒だったので本当にうれしい。ついてもらったしサポートしてもらったので、上がってくれたことがうれしい。勝ち越してナンボなので切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」。この日、25歳の誕生日を迎えた1学年上にあたる兄弟子の朗報も味方にする。

一方、埼玉栄の後輩で、部屋は違っても付け人を務めていた元横綱大鵬の孫で、初場所新十両だった王鵬(20=大嶽)は、十両の壁にはね返されて5勝10敗で負け越し。大阪から東京開催になった大相撲春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)での幕下陥落は避けられない状況だが、後輩に対しても「関取に上がったら自分の考えでやらないといけない。(十両に)上がったら自分で乗り切るしかないのかな、と思っています」と先輩からのエールを送ることも忘れなかった。

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貴健斗が十両昇進「平常心」突き押し相撲が武器

春場所での新十両昇進が決まりリモートでの会見に臨む貴健斗(日本相撲協会提供)

日本相撲協会は27日、東京・両国国技館で春場所の番付編成会議を開き、貴健斗(25=常盤山)の新十両昇進を決めた。都内の部屋でリモートでの会見に臨んだ貴健斗は「喜びはあるけど、いつも通り平常心です」と、落ち着いた表情で関取の座をつかんだ心境を明かした。

14年初場所の初土俵から7年かかった。アマチュアでは高校相撲の強豪、鳥取城北高で3年時に主将を務めるなど活躍。序ノ口デビューから所要4場所で新幕下昇進を果たすなど期待されたが、幕下上位で停滞する期間が長かった。「精神的に未熟だったので時間がかかった。(性格的に)ネガティブなところもあったので…」。転機は2年前、同部屋の大関貴景勝からの言葉だったという。「『(新十両昇進を)2年と決めてやらないと、膝のけがもあるし、分からなくなるぞ』と。目標を立てていけと言われて、覚悟を決めた」。

東幕下38枚目だった昨年初場所から6場所連続の勝ち越しで新十両を射止めた。会見に同席した師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)も「関取衆(貴景勝、関脇隆の勝、十両貴源治)に胸を出されて、ぶつかりで泥だらけになっていた。押し相撲は(ぶつかりが)特に大事」と振り返る。旧貴乃花部屋付きの親方として、「水田」のしこ名の時から貴健斗を見ていた同親方は「入ったときから真面目。コツコツとやっていた」と、柔和な笑顔を見せた。

丸太のような太ももが支える突き押し相撲が武器。「(太ももは)2、3年前に測ったときは80センチくらいだった。今はもうちょっと大きくなっているかも」。旧貴乃花部屋の時に先代師匠の貴乃花親方(元横綱)から突き押しに徹するように指導を受け、地道に磨いてきた。

同時昇進を決めた藤島部屋の武将山は同学年の同期生で「ライバルというより戦友。苦手な相手ではあるので、十両では借りを返したい」と意気込む。初めての15日間。「まずは十両で勝ち越すこと。できるだけ早く幕内に上がりたい」と次の目標を設定した。

春場所での新十両昇進が決まりリモートでの会見に臨む貴健斗(日本相撲協会提供)
春場所での新十両昇進が決まりリモートでの会見に臨む貴健斗(右)と師匠の常盤山親方

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初土俵が同じ貴健斗、武将山ら4力士が十両昇進

貴健斗(2020年10月22日撮影)

日本相撲協会は27日、大阪での開催を目指している大相撲春場所(3月14日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、十両昇進力士4人を発表した。

新十両は2人で、貴健斗(24=常盤山)と武将山(25=藤島)。

貴健斗は相撲の強豪・鳥取城北高から貴乃花部屋に入門し14年初場所初土俵。同部屋の閉鎖に伴い、大関貴景勝らとともに千賀ノ浦部屋に転籍(師匠の年寄名跡交換により現在は常盤山部屋)。幕下に長く定着していたが、自己最高位の西幕下筆頭で臨んだ今月の初場所で5勝2敗の成績を収め、約7年で念願の関取の座を射止めた。

その貴健斗と高校時代に強豪校同士でライバル関係にあった武将山は、貴景勝や初場所優勝の大栄翔らを輩出した埼玉栄高から藤島部屋に入門し、やはり14年初場所で初土俵。こちらも幕下に約5年も定着したが、自己最高位(東幕下2枚目)の初場所で4勝3敗の成績で、初土俵が同じ貴健斗とともに新十両昇進を果たした。

再十両は19年九州場所以来、7場所ぶり復帰の一山本(27=二所ノ関)と、2場所ぶりの十両復帰となった錦富士(24=伊勢ケ浜)の2人だった。

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貴健斗が新十両昇進に前進「集中して気を抜かずに」

一山本(右)を引き落としで破る貴健斗(撮影・江口和貴)

<大相撲初場所>◇11日目◇20日◇東京・両国国技館

西幕下筆頭貴健斗(24=常盤山)が、新十両昇進に前進した。

6番相撲で関取経験者の西幕下3枚目一山本を下し、4勝2敗として勝ち越しを決めた。立ち合いから威力のある突っ張りで相手を後退させた。最後は引き落とし。取組後は呼吸を整えながら「いつも通りの自分の相撲を取れた」と振り返った。

アマチュア時代は高校相撲の強豪校、鳥取城北高で3年時は主将として活躍。旧貴乃花部屋に入門して14年初場所で初土俵を踏んだ。長く幕下に定着していたが、自己最高位の西幕下筆頭で勝ち越し。入門から約7年。関取の座に大きく近づいたが「まだあと一番あるので集中して、気を抜かずにいきたい」と平常心を保つ。

大関貴景勝の付け人を務め、精神面で助言をもらうことも多い。「(貴景勝に)しっかり教えてもらったことをできるようにやっている」。大関は10日目から途中休場したが、自身の活躍で部屋に明るい話題を届ける。

一山本(右)を引き落としで破った貴健斗(撮影・江口和貴)

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休場貴景勝は左足関節靱帯損傷「約3週間の加療を」

18日、遠藤に引き落としで敗れ、土俵下で浮かない表情を見せる貴景勝(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇10日目◇19日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=常盤山)が初場所10日目の19日、日本相撲協会に「左足関節靱帯(じんたい)損傷により今後約3週間の加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。

昨年11月場所に大関として初優勝し、今場所は横綱昇進が懸かっていたが、初日から4連敗を喫するなど9日目を終えて2勝7敗と不振だった。

負け越しが決まり、来場所はかど番となる。

電話取材に応じた師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)によると、3日目の北勝富士戦で負傷した。患部は腫れているという。同親方は「『不完全燃焼なので取らせてください』ということで昨日(18日)まで取った。昨日の夜に『これ以上相撲が取れないので、休場させてください』ということだった」と説明した。

大関が優勝した翌場所で負け越すのは03年名古屋場所の魁皇以来で、平成以降では7例目(4人目)。

十両以上の休場者は17人となり、02年名古屋場所の16人を上回って戦後最多となった。貴景勝の休場は昨年7月場所以来で6度目。10日目の対戦相手、隠岐の海は不戦勝となった。

◆関取16人休場の02年名古屋場所 7場所連続休場となる横綱貴乃花、大関武双山が初日から休場。上位陣は最終的に1横綱、3大関が不在となった。11日目に計14人、13日目に海鵬と蒼樹山の平幕2人が休場して計16人に。取組が表示される電光掲示板は休場者欄があふれ、十両力士名が掲示できない珍事も起きた。

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白鵬が旭天鵬に並ぶ歴代2位の幕内99場所/新番付

白鵬(2020年7月22日撮影)

日本相撲協会は24日、来年1月の大相撲初場所(10日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。現役力士の今場所達成可能な歴代10傑入りなどの記録は以下の通り(在位したことで達成済みも含む)。

【通算勝利数】

既に横綱白鵬(35=宮城野)が1170勝で歴代トップに君臨。どこまで伸ばせるか注目だ。琴奨菊(現秀ノ山親方=828勝)が引退したため、現役2位は横綱鶴竜(35=陸奥)の785勝。歴代10位の寺尾(元関脇=現錣山親方)まで75勝もある。

【幕内在位場所数】

今場所で白鵬が、旭天鵬(元関脇=現友綱親方)に並ぶ歴代2位の99場所。ちなみに歴代1位は元大関魁皇(現浅香山親方)の107場所。

【幕内出場回数】

白鵬が歴代8位の1265回。今場所、皆勤し3月場所も出場すれば3日目に歴代7位の安芸乃島(元関脇=現高田川親方)に並ぶ。現役2位は鶴竜の1027回。なお歴代1位は、元関脇旭天鵬(現友綱親方)の1470回。

【幕内勝利数】

白鵬が1076勝で、2位の魁皇に197勝もの差をつけ歴代トップ。現役2位は鶴竜の645勝で、歴代10位の貴乃花(元横綱)までは残り56勝。

【通算連続出場】

初土俵以来、無休の「鉄人記録」の歴代8位に1301回の玉鷲(36=片男波)が入っている。今場所も皆勤すれば、千秋楽で歴代7位の豊ノ海(元前頭)に並ぶ。04年春場所の序ノ口デビューから足かけ17年の「皆勤賞」だ。

【金星獲得】

現役力士で歴代10傑入りは不在だが、今場所チャンスがあるとすれば現在7個の北勝富士(28=八角)。横綱2人を倒せば通算9個で10位タイに滑り込む。番付も上位総当たりの東前頭筆頭。序盤にチャンスが巡ってくるか…。

なお8個で現役トップの逸ノ城(27=湊)は、東前頭12枚目。よほどの快進撃がなければ、横綱戦はなさそうだ。また7個で追う遠藤(30=追手風)は、東前頭5枚目まで番付を上げたが、番付通りなら横綱戦はなさそう。こちらは序盤から白星を並べれば、中盤以降に横綱との一番が組まれる可能性がある。

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隆の勝、大関とりは「考えすぎないことが一番」

初場所に向けて稽古する隆の勝

大相撲の関脇隆の勝(26=常盤山)が10日、心技体での成長を実感した。都内の部屋での稽古後、代表取材に対応。春場所では平幕で12勝、11月場所では新三役で勝ち越すなど、飛躍を遂げた1年について「本当にうれしい。昔の自分じゃ考えられないところもある」と話した。

11月場所では7日目から3連敗を喫して「心が折れかけた」というが、立て直して14日目に勝ち越しを決めた。家族からの声掛けにも救われたといい「気持ちの面で大きく変わったことがいい方向につながった」と振り返った。

本来の突き押し相撲に加えて、磨いてきた右差しも躍進を支えた。「相撲内容、相撲の幅が広がった。そこが一番。(右の使い方も)習得できた」。旧貴乃花部屋の力士が移籍してきて約2年。大関貴景勝と三番稽古を繰り返すなどして「体の力も成長した」と馬力もついた。

初場所(来年1月10日初日、東京・両国国技館)へ、三役で2桁勝てば大関とりの起点となる。「(大関は)目標としてはあるけど、考えすぎないことが一番。稽古場の相撲が取れれば(12勝した)3月みたいにいい相撲が取れるんじゃないかと思います」。成長著しい26歳が「次期大関」に名乗りを上げる。

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貴景勝、大関8場所目で悲願 感謝を体現した優勝

幕内優勝を果たし、賜杯を手に笑顔を見せる貴景勝(代表撮影)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

綱とり初挑戦だ-。大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が18年九州場所以来2年ぶり2度目、大関としては初めての優勝を果たした。

小結照ノ富士に本割で敗れて13勝2敗で並ばれたが、優勝決定戦では鋭い出足で立ち合いから圧倒した。昨年はけがに苦しんだが、在位8場所目で悲願成就。コロナ禍だからこそ、周囲への感謝の気持ちを忘れない24歳の看板力士。横綱、大関陣でただ1人の皆勤で重責を果たし、17年初場所の稀勢の里を最後に遠ざかっていた大関の優勝なしにも、終止符を打った。

   ◇   ◇   ◇

闘志を充満させていた表情が、わずかにゆがんだ。1人大関の重圧に耐えた貴景勝を、定員の半分ほどに制限が引き上げられた5000人の観客が万雷の拍手で包む。コロナ禍で、今場所から解禁された土俵下での優勝インタビュー。「お客さんの前でいい相撲を見せる、それだけ考えて一生懸命やった」と話す声は、少し震えていた。

決定戦で自分の立ち合いを貫いた。本割では照ノ富士を突き放し切れず、浴びせ倒しで敗れた。右肩に土がベッタリつきながら戻った花道。「情けなさと悔しさ」を押し殺し「もう一戦チャンスをもらった」と切り替えた。決定戦は低い踏み込みから3発で一気に相手を土俵外へ。「何も考えてなかった。脳の指令で体が動く。初めて脳を止めて、体に任せた」。未知の領域だった。

コロナ禍で揺れに揺れた1年。昨年の大関昇進時、伝達式の口上で述べた「感謝の気持ちと思いやり」を体現した。8月に自身を含めた埼玉栄高のOBで母校相撲部に反物で作製したマスク40枚とメッセージを送った。インターハイなど高校相撲の主要大会が中止となり、傷心の後輩を激励。恩師で相撲部の山田道紀監督は「ありがたいことだね」と感謝した。

初の綱とり、来場所は年6場所制となった58年以降の初土俵では付け出しを除いて史上3位となる、所要38場所でのスピード昇進を狙う。一気に塗り替えたい。旧貴乃花部屋時代に宿舎を提供していた福岡・田川市の「相撲茶屋貴ノ花」では、店周辺に同部屋出身力士の幟(のぼり)を設置。業者との契約で3年に1回は全25本を交換するが、コロナ禍で交換が1年延長になった。入門来の付き合いで場所中も毎日のように連絡を取り合うという店主の今宮一成さん(55)は「今の幟には『大関』と書かれていないんですよ。来年上がってくれれば、いい替え時です」と笑う。一気に「横綱貴景勝」の幟に交換できる環境にある。

「強ければ勝つし弱ければ負ける。自分と向き合ってやっていきたい」。1909年に優勝制度ができて今場所がちょうど500場所目。節目の土俵で賜杯を抱いた貴景勝の新たな挑戦が始まる。【佐藤礼征】

<優勝アラカルト>

◆大関の優勝 17年初場所の稀勢の里以来、22場所ぶり。77年夏場所に当時大関の若三杉(2代目横綱若乃花)が優勝後、81年初場所で千代の富士が25場所ぶりに優勝した最長ブランクに次ぐ。

◆複数回優勝 現役力士では白鵬、鶴竜の両横綱、関脇で2度優勝した御嶽海、大関時代と幕尻で2度制した照ノ富士に次いで5人目。

◆埼玉栄高 2度目の優勝は初めて。豪栄道と合わせて計3度。

◆混戦イヤー 今年の優勝者は初場所から徳勝龍、白鵬、照ノ富士、正代、貴景勝。過去に年間で優勝者の顔触れが異なるのは(年5場所以上)57年、72年、91年に続き29年ぶり4度目の“戦国時代”となった。

優勝インタビューを終え、感慨深げな表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)
幕内優勝決定戦で照ノ富士を押し出しで破り、感極まった表情を浮かべる貴景勝(撮影・河田真司)

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正代「痛いというより怖い」じん帯損傷で全治3週間

4日目、膝に手を当て座る正代(2020年11月11日撮影)

左足首を痛めた新大関の正代(29=時津風)が5日目の12日、日本相撲協会に「左遠位脛腓靱帯(じんたい)損傷により約3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。

新大関の休場は19年夏場所の貴景勝以来で、現行のかど番制度となった69年名古屋場所以降では9人目。2横綱、2大関の休場は03年初場所(横綱武蔵丸、貴乃花、大関千代大海、魁皇)以来となった。

3日目の高安戦で突き落としを決め、土俵下に落ちた際に負傷した。休場は14年春場所の初土俵以来初めて。4日目の大栄翔戦では患部にテーピングして土俵に上がったが、踏み込みが弱く一気に突き出された。師匠代行の枝川親方(元前頭蒼樹山)によると、本人は「痛いというより怖い」と話したという。

11日目の18日には故郷の熊本・宇土市から「応援ツアー」として応援団が駆け付ける予定だった。地元の後援者によると、中止が決まった。地元ファンも残念がる中、再出場の可能性について枝川親方は「意欲はあると思うけど、今は治療に専念します」と厳しい見解。再出場しなければ、来年1月の初場所は大関2場所目にしてかど番となる。

幕内後半戦の伊勢ケ浜審判長(元横綱旭富士) (正代は)ケガで仕方がないところもあるけど上位が休んで残念。普段の稽古でケガをしない稽古をするのも重要。

4日目、大栄翔に突き出しで敗れ、肩を落とす正代(2020年11月11日撮影)

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新大関の正代休場 2横綱2大関の不在は03年以来

新大関・正代

<大相撲11月場所>◇5日目◇12日◇東京・両国国技館

新大関の正代(29=時津風)が大相撲11月場所5日目の12日、日本相撲協会に「左遠位脛腓靱帯(けいひじんたい)損傷により約3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。新大関の休場は、現行のかど番制度となった1969年名古屋以降、2019年夏場所の貴景勝以来9人目。今場所は白鵬、鶴竜の両横綱が初日から不在で、大関朝乃山も3日目から休場。2横綱2大関の休場は03年初場所(横綱武蔵丸、貴乃花、大関千代大海、魁皇)以来となった。

正代は3日目の勝った小結高安戦で、土俵際で逆転の突き落としを決めて土俵下に落ちた際に、左足首を負傷したとみられる。4日目は左足首にテーピングを施して土俵に上がるも、三役返り咲きを狙う大栄翔の突き押しに粘ることなくあっさりと土俵を割っていた。

4日目まで3勝1敗だった正代は、このまま再出場しなければ、来年1月の初場所は大関2場所目にしてかど番で臨むことになる。

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元貴ノ富士のスダリオ剛、総合格闘技デビュー戦白星

MMA初戦で勝利したスダリオ(撮影・中島郁夫)

<RIZIN24>◇27日◇さいたまスーパーアリーナ

暴力問題などで昨年10月に引退した、大相撲の元十両貴ノ富士のスダリオ剛(23)が、総合格闘技デビュー戦を白星で飾った。

全日本、ゼロワンで活躍してきたプロレスラーのディラン・ジェイムス(29=ニュージーランド)と120キロ契約3分3回で対戦。

スダリオは、ゴングから一気に距離を詰めると、積極的にパンチ、ローキックを放った。グラウンドに持ち込むと、膝蹴りをジェイムスの頭部に浴びせ、ペースをにぎった。同回終了時にドクターストップによるTKOで勝利をつかんだ。

スダリオはリング上で「MMAデビュー戦で緊張したが、練習でやってきたことが出せてよかった」とコメント。「つらいときを支えてくれた妻、悲しませたお母さん」などへの感謝を丁寧に述べた。

今後については「少しずつ、ヘビー級にスポットライトが戻るように、僕が頑張りますので、よろしくお願いします」とファンにアピールした。

スダリオは、父が日本人、母がフィリピン人の双子として生まれ、幼少期からサッカー、空手、バスケットボールなど、さまざまなスポーツを経験。13年に弟の貴源治とともに貴乃花部屋に入門すると、18年3月場所で十両昇進を決め、史上初の双子関取として注目を集めた。

抜群の運動神経が魅力で、将来を期待する角界関係者も多かったが、昨年9月に付け人への2度目の暴力行為が発覚し、引退。その後、総合格闘技への転向を発表し、元格闘家のエンセン井上のもとで約50キロ肉体を絞り、腕を磨いてきた。

ジェイムス(下)を攻めるスダリオ(撮影・中島郁夫)

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翔猿2敗堅守「ワクワク」106年ぶり新入幕V前進

2敗を死守し勝ち名乗りを受ける翔猿(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>13日日◇25日◇東京・両国国技館

新入幕の東前頭14枚目翔猿(28=追手風)が、平幕の隆の勝を破ってトップを守った。

大関貴景勝との2敗対決を制した関脇正代とともに、トップを並走。注目の14日目は、3敗に後退した大関貴景勝との対戦が決定した。新入幕の大関対戦は14年秋場所の逸ノ城以来、戦後13人目。結びの一番で埼玉栄高の後輩を破り、1914年(大3)夏場所の両国以来、106年ぶりの新入幕優勝へ、また1歩近づく。

   ◇   ◇   ◇

新入幕らしからぬ、強心臓ぶりを翔猿が見せた。初の幕内後半戦での取組を「ワクワクしていました。『後半で取っているな。幕内力士らしいな』と思った」と無邪気に振り返った。入門して以降、幕下と十両で過去5戦全敗だった隆の勝に、重圧がかかる中で初勝利。トップを死守した。

ふわっと、立ち上がってしまった立ち合い。先に力なく立ち「待ったかと思った」と立ち合い不成立と思ったという。しかし、行司からの「待った」の声は掛からず、隆の勝の鋭い立ち合いを受けた。たちまち土俵際に後退。のど輪も受けて上半身が起きてのけ反ったが、下半身は崩れず。しこ名の「猿」のごとく、素早く体を開きながらいなして送り出した。土俵上では少し驚いた表情。「勝っちゃった、みたいな感じでした。体は動いてますね」と明るい声で話した。

徹底した基礎運動が快進撃を支える。入門当初は、部屋の中でも四股やテッポウをこなす回数は多い方ではなかった。しかし、今では師匠の追手風親方(元前頭大翔山)が「一番する」と言うほど。転機は17年夏場所後に新十両に昇進し、巡業に参加するようになってから。日々の朝稽古で、誰よりも基礎運動をしていた横綱白鵬の姿に感化された。「強い人は基礎をたくさんやっているんだなと思った。自分も基礎をしっかりするようになってからケガをしなくなった」と基礎運動の大切さを身をもって経験。この日も、その成果を感じさせる軽やかな身のこなしで白星を挙げた。

優勝争いでトップに立ち、14日目は貴景勝との対戦が組まれた。新入幕の大関対戦は戦後13人目、快進撃しているからこその一番となり「思い切り、平常心で、挑戦者の気持ちでいくだけ」と待ち遠しそうに意気込んだ。幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)も「大関相手にどんな相撲を見せてくれるか。熱戦を期待したい」と注目した。

106年ぶり、史上2度目の新入幕優勝が迫っているが「本当に意識はない。思い切りいくだけ」。無心の先に、偉業達成が待っている。【佐々木隆史】

◆翔猿正也(とびざる・まさや)本名・岩崎正也。1992年(平4)4月24日、東京都江戸川区生まれ。小学1年の時に東京・葛飾区の葛飾白鳥相撲教室で相撲を始め、埼玉栄高では3年時に全日本ジュニア体重別で優勝。日大の2学年先輩である遠藤を追って追手風部屋に入門し、15年初場所に「岩崎」のしこ名で初土俵。17年名古屋場所の新十両昇進を機に「翔猿」と改名。20年秋場所新入幕。家族は両親、兄(十両英乃海)。175センチ、131キロ。血液型A型。得意は押し。

◆新入幕の大関戦 戦後では12人の新入幕力士が大関と対戦して7勝10敗。00年夏場所の栃乃花、14年秋場所の逸ノ城は2大関に連勝しており、2日連続で大関戦勝利は逸ノ城が初めて。95年名古屋場所の土佐ノ海は、先の夏場所で14勝1敗で十両優勝をしたことから、新入幕ながら西前頭7枚目。番付上の関係から、初日に大関若乃花、2日目に横綱貴乃花と対戦した。

◆106年前の新入幕優勝 1914年(大3)夏場所は、新入幕で東前頭14枚目の両国が9勝1休で優勝(10日間制)。初日から7連勝で8日目は相手の寒玉子が休場(不戦勝制度がなく、相手が休めば自分も休場扱い)、9日目以降も2連勝。2場所連続優勝中だった横綱太刀山も負けなしだったが、9日目の関脇朝潮戦が預かり(物言いがついて判定できない取組)となり8勝1休1預かりで、勝ち星1つ両国に及ばなかった。

▽八角理事長(元横綱北勝海) 翔猿はタイミングが合ってうまく対応した。勝っている時は動きがいい。28歳ということは若くしての新入幕ではない。高校、大学でここ一番の力の出し方も知っているだろう。これまでの経験があるし度胸もあるような気がする。

翔猿(左)は隆の勝を送り出しで破る(撮影・柴田隆二)

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若隆景「びっくり」5日連続で佐渡ケ嶽部屋勢と対戦

若隆景は琴勇輝(左)を押し出しで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲7月場所>◇5日目◇23日◇東京・両国国技館

西前頭14枚目の若隆景(25=荒汐)が、同17枚目の琴勇輝(29)を押し出した。

初日から5日間連続で、佐渡ケ嶽部屋の力士との対戦だった。

初日から琴奨菊、琴勝峰、琴恵光に3連敗したが、4日目から琴ノ若、琴勇輝に連勝。2勝3敗とした。

若隆景は「昨日、5日目の割(取組表)を見て、びっくりしました」とコメント。佐渡ケ嶽部屋勢が幕内13~17枚目までに5人もひしめいていることが珍現象のきっかけになった。

初日から同部屋力士と5日連続で対戦があったのは、1995年(平成7年)九州場所の湊富士(現在の湊親方)以来。当時、西前頭5枚目だった湊富士は初日から東前頭5枚目浪乃花、大関貴ノ浪、大関若乃花、横綱貴乃花、西前頭7枚目安芸乃島という二子山部屋勢と対戦し、横綱に敗れただけで4勝1敗とした。この場所は8勝7敗で敢闘賞受賞している。

若隆景(左)は琴勇輝を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)

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