上へ戻る

au版ニッカン★バトル

記事検索

4大関揃って白星発進 照ノ富士は大関復帰初日を飾る/夏場所初日写真特集

<大相撲夏場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館

昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となった場所が、無観客で幕を開けた。場所前に横綱鶴竜が引退し、白鵬は休場。横綱不在で初日を迎えた。

大関に復帰の照ノ富士は明生にもろ差しを許しながら、かまわず圧力をかけてきめ出した。豪快な相撲で大関復帰初日を白星で飾った。

2度目のかど番となる大関正代は、北勝富士を突き落として白星発進。貴景勝は若隆景を一方的に押し出した。

結びの一番では朝乃山が大栄翔を送り出し。番付上、実質的な最高位となる4大関がそろって白星のスタートとなった。

初日の取組を写真で振り返ります。

白鵬は6場所連続の休場となった(撮影・河野匠)

協会あいさつに臨む、前列左から正代、朝乃山、八角理事長、貴景勝、照ノ富士、後列左から御嶽海、高安、隆の勝、大栄翔(撮影・小沢裕)

幕内

天空海引き落とし千代丸

天空海(左)を引き落としで破る千代丸(撮影・鈴木正人)

▼天空海 立ち合いが高かった。引いてくるのは分かっていたが、足が出なかった。明日から脇を締めて前に出たい。

魁聖寄り切り石浦

石浦(左)を寄り切る魁聖(撮影・河野匠)

▽魁聖 立ち合いから膝が曲がって足も出た。右を差せたのがよかった。

千代大龍突き出し大奄美

大奄美(左)を突き出す千代大龍(撮影・河野匠)

明瀬山寄り切り隠岐の海

明瀬山(後方)を寄り切りで破る隠岐の海(撮影・鈴木正人)

▼明瀬山 (隠岐の海とは)高校の時に1回当たったぐらい。やっぱり上手ですね。

琴恵光小手投げ千代翔馬

千代翔馬(左)を小手投げで破る琴恵光(撮影・鈴木正人)

千代翔馬(下)を小手投げで破る琴恵光(撮影・鈴木正人)

琴ノ若足取り照強

琴ノ若(左)を足取りで下す照強(撮影・河野匠)

琴ノ若(左)を足取りで下す照強(撮影・河野匠)

▼琴ノ若 自分が思っている以上に意識してしまった。切り替えて思い切っていきたい。

玉鷲押し出し

輝(左)を押し出す玉鷲(撮影・河野匠)

志摩ノ海送り出し遠藤

志摩ノ海(手前)を送り出しで破る遠藤(撮影・鈴木正人)

剣翔寄り切り宝富士

剣翔(右)を寄り切りで破る宝富士(撮影・鈴木正人)

▽宝富士 立ち合いから流れが良かったと思う。(3日目まで無観客開催だが)静かな方が僕は合っていると思う。

▼剣翔 思い切り当たって突き放してもろ差しを狙った。入ったは入ったが、中途半端だった。

栃ノ心寄り切り逸ノ城

栃ノ心(右)を寄り切る逸ノ城(撮影・河野匠)

▽逸ノ城 右四つになって、自分の形になったので寄るしかないと。先に攻めたのが良かった。(3日目まで無観客開催だが)今はしょうがない。

英乃海押し出し阿武咲

英乃海(左)を押し出しで破る阿武咲(撮影・鈴木正人)

豊昇龍寄り切り妙義龍

妙義龍(左)を寄り切る豊昇龍(撮影・河野匠)

▽豊昇龍 先場所終わった瞬間に自分の相撲を変えないといけないと思って前に出る相撲を磨いてきた。明生関、天空海関ともいい稽古ができた。太ったからいい感じで動けているし、最後までいきたい。

御嶽海押し出し霧馬山

立ち合いで力いっぱいぶつかる御嶽海(右)と霧馬山(撮影・河野匠)

霧馬山(左)を押し出しで破る御嶽海(撮影・鈴木正人)

▽御嶽海 決めきれなかったのは反省点だけど、相手の動きを見て足を動かすことができたのは良かった。(4大関時代は)悔しいのもあるけど自分のペースでやるだけ。

千代の国押し出し隆の勝

千代の国(右)を押し出しで破る隆の勝(撮影・鈴木正人)

▽隆の勝 立ち合いちょっと起こされたけど、そこからの攻めが良かった。(3日目まで無観客開催)寂しいし、お客さんが盛り上がっていないと物足りない気持ちもある。いつも通りになってくれればいい。

高安突き出し翔猿

翔猿(右)を突き出しで破る高安(撮影・鈴木正人)

▽高安 自分の考えていた攻めがしっかりできた。先場所はふがいない相撲が終盤にあったので、しっかりと次に生かしたい。

明生極め出し照ノ富士

明生(右)を攻める照ノ富士(撮影・鈴木正人)

照ノ富士(左)はきめ出しで明生を破る(撮影・小沢裕)

照ノ富士(左)はきめ出しで明生を破る(撮影・小沢裕)

▽照ノ富士 前に足出たので良かったです。(3日目まで無観客開催)テレビの前で見て応援してくれていると思っている。全力を出して頑張りたいと思います。

正代突き落とし北勝富士

北勝富士(右)を突き落としで破る正代(撮影・鈴木正人)

若隆景押し出し貴景勝

貴景勝(右)は若隆景を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

朝乃山送り出し大栄翔

大栄翔(左)の攻めに耐える朝乃山(撮影・河野匠)

大栄翔(手前)と攻め合う朝乃山(撮影・鈴木正人)

大栄翔(左)を送り出しで破る朝乃山(撮影・鈴木正人)

大相撲夏場所初日、弓取式に臨む将豊竜(撮影・小沢裕)

関連するニュースを読む

復帰の照ノ富士、かど番正代ら4大関そろって白星発進 夏場所

明生(手前)の腕をきめる照ノ富士(撮影・河野匠)

<大相撲夏場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館

昨年は新型コロナウイルスの影響で中止となった場所が、無観客で幕を開けた。場所前に横綱鶴竜が引退し、白鵬は休場。横綱不在で初日を迎えた。

大関に復帰の照ノ富士は明生にもろ差しを許しながら、かまわず圧力をかけてきめ出した。豪快な相撲で大関復帰初日を白星で飾った。

2度目のかど番となる大関正代は、北勝富士を突き落として白星発進。貴景勝は若隆景を一方的に押し出した。

結びの一番では朝乃山が大栄翔を送り出し。番付上、実質的な最高位となる4大関がそろって白星のスタートとなった。

北勝富士(右)を突き落としで破る正代(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

18年間「皆勤賞」の玉鷲が現役2位の673勝/夏場所新番付

玉鷲(2021年3月25日撮影)

日本相撲協会は26日、大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。現役力士の今場所達成可能な歴代10傑入りなどの記録は以下の通り(在位したことで達成済みも含む)。

【通算勝利数】

先場所、3日目から休場したものの2勝を上積みした横綱白鵬(35=宮城野)が、1172勝で歴代トップに君臨。今場所は既に休場を“表明”しており、7月の名古屋場所で更新できるか。現役2位の785勝だった横綱鶴竜(現鶴竜親方)が引退したため、現在の現役2位は玉鷲(36=片男波)の673勝。歴代10位で860勝の元関脇寺尾(現錣山親方)までは、あと187勝で、歴代10傑入りは苦しいか…。ちなみに現役3位は、西序二段94枚目の50歳力士・華吹(立浪)の670勝。単純比較は出来ないが、元横綱朝青龍の669勝を1つ上回る立派な記録だ。

【幕内在位場所数】

先場所で白鵬が、旭天鵬(元関脇=現友綱親方)を抜き歴代単独2位の100場所となり、今場所が101場所目。歴代1位の元大関魁皇(現浅香山親方)の107場所まで、あと1年、現役を続ければ並ぶ。なお、新入幕からの幕内連続在位は先場所、史上初の100場所となり、これも101場所に更新した。

【幕内出場回数】

白鵬が歴代8位の1265回だが、今場所は休場する方向で上積みは来場所以降になる。7月の名古屋場所で皆勤すれば、9月の秋場所初日に、歴代7位の安芸乃島(元関脇=現高田川親方)に並ぶ。歴代1位は、元関脇旭天鵬(現友綱親方)の1470回。

【幕内勝利数】

白鵬が1078勝で、2位の魁皇に199勝もの差をつけ歴代トップ。現役2位は玉鷲の490勝、3位は栃ノ心(33=春日野)の488勝。

【通算連続出場】

初土俵以来、無休の「鉄人記録」。歴代7位に1331回の玉鷲が入っている。04年春場所の序ノ口デビューから足かけ18年の「皆勤賞」だ。歴代6位の寺尾まで、あと28回。2場所皆勤で5位に浮上する。ちなみに1位は元関脇青葉城の1630回。

【金星獲得】

現役力士で歴代10傑(9個で三根山ら5人)入りは不在だが、ただ1人、現在8個で西前頭6枚目の逸ノ城(28=湊)に10傑入りのチャンスがあった。だが、白鵬休場で横綱戦はなし。横綱がいなければ獲得できないものだが、7個の北勝富士(28=八角)や遠藤(30=追手風)にも今後、10傑入りのチャンスがありそうだ。

関連するニュースを読む

白鵬が8年8カ月ぶり一人横綱、照ノ富士昇格で4大関に/夏場所新番付

横綱白鵬(2021年3月15日撮影)

日本相撲協会は26日、大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。

横綱は、鶴竜(現鶴竜親方)が引退したため白鵬(36=宮城野)だけとなった。番付上の一人横綱は12年秋場所の白鵬以来、8年8カ月ぶり。優勝制度が制定された1909年(明42)夏場所以降、一人横綱は宮城山、玉錦、大鵬、北の富士、千代の富士、北勝海、曙、朝青龍、白鵬と9人いるが、一人横綱経験者が再度、一人横綱になるのは初めてとなった。

大関は、照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が再昇進したことで、19年名古屋場所(豪栄道、高安、貴景勝、栃ノ心)以来の4大関となった。照ノ富士は17年秋場所以来、21場所ぶりの復帰。大関復帰は19年九州場所の貴景勝以来、昭和以降では11人目(栃東が2回あるため12回目)。平幕陥落後の大関復帰は77年春場所の魁傑以来で、序二段陥落後の大関復帰は史上初めて。東の序列2番目の正代(29=時津風)は今年初場所以来、2度目のかど番で臨む。

三役陣は4人。先場所、小結だった高安(30=田子ノ浦)が、7場所ぶりの関脇に復帰した(三役は4場所連続)。西の関脇は、新三役から4場所連続で隆の勝(26=常盤山)。小結は西から東に回った御嶽海(28=出羽海)が3場所連続(三役は6場所連続)、西は先場所に続き大栄翔(27=追手風)が就いた。

大相撲夏場所は、5月7日予定の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。9日の初日を迎える。

関連するニュースを読む

照ノ富士が横綱へ思い「しばらく誕生していない。大関4人で盛り上げを」

夏場所の番付発表で大関に復帰し、リモートでの会見に臨む照ノ富士

大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の番付が26日、発表された。春場所を12勝3敗で3度目の幕内優勝を飾り、17年秋場所以来21場所ぶりに大関に復帰した照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が会見に臨み、最高位横綱への思いを強く明かした。

「もう次の場所に頑張っていかないとという気持ちだけです」と話し、「やらなくてはいけない。そういう気持ちでやっています」と決意表明した。

横綱鶴竜が引退し、白鵬も右膝の手術で夏場所の休場は確定的。照ノ富士が復帰した4大関が、番付的に最上位となる。

照ノ富士は「横綱、大関は協会の看板力士で責任もある。ちゃんと対応して、ちゃんとした結果を残さないといけない」と話し、「横綱に上がるためには優勝に準ずる成績を残していかないといけない立場。毎場所、そこに絡んで優勝を目指していきたい」と力強く語った。

その意味では朝乃山、貴景勝、正代と大関陣で、最高位を目指す戦いのスタートともなる。照ノ富士は「自分のことは自分のこと。他人はいろいろあるだろうし」と話しつつ、「しばらく横綱も誕生していないし、大関4人で盛り上げられたらと思います」と綱とり争いの幕開けを意識した。

関連するニュースを読む

55年ぶり珍事、横綱から十両まで新たな昇進力士なし/夏場所新番付

両国国技館(2021年1月10日撮影)

日本相撲協会は26日、大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。

新番付に、初めて昇進する力士がいるのは付き物だが…。ところが今場所は、新横綱、新大関、新三役、新入幕、新十両と、新たな昇進力士がいなかった。同一場所で前述の5つの新昇進がなかったのは、66年夏場所以来、55年ぶり史上2度目の“珍事”となった。

なお、同一場所で新三役、新入幕、新十両がいなかったのは、95年初場所であった(この場所は貴乃花が新横綱)。また同一場所で新入幕と新十両が不在だったのは、09年夏場所(この場所は鶴竜と栃煌山が新三役)以来のことになる。

大相撲夏場所は、5月7日予定の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。9日の初日を迎える。

関連するニュースを読む

華王錦、舛東欧ら幕下以下20人の引退発表

華王錦(2020年7月22日撮影)

日本相撲協会は3月31日、大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、春場所中に引退した横綱鶴竜(35=陸奥)改め年寄鶴竜襲名と、幕下以下20人の引退を発表した。元十両で春場所を最後に部屋がなくなった東関部屋の華王錦(42)や、唯一のハンガリー出身の舛東欧(35=常盤山)ら、以下の20人。

【引退】舛東欧(常盤山)光源治、大勇人(以上、峰崎)斗城丸(宮城野)華王錦(東関)綾風、宙風(以上、尾車)富栄、勇富士、八百ツ富士(以上、伊勢ケ浜)播磨灘(尾上)琴今川(佐渡ケ嶽)大翔鶴(追手風)玉の星(片男波)清水(武蔵川)太田(山響)久之虎(出羽海)霧乃龍(陸奥)煌(朝日山)東照錦(錦戸)

関連するニュースを読む

横審が引退鶴竜へ期待、親方で「後進の指導励んで」

鶴竜

日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)の定例会合が29日、東京都内で開かれた。春場所中に引退表明した横綱鶴竜(35=陸奥)に対し、横審は昨年11月場所後の定例会合で、横綱白鵬(36=宮城野)とともに「注意」を決議していた。

鶴竜の決断について、横審の矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)は「注意の措置を真摯(しんし)に受け止めたものの、再起の努力は実らず横綱の責任を果たせないと決断したと受け止めている」と察した。その上で「横綱として力士として立派な実績を残し、努力の人ではなかったかと思う。人間的にも温厚で、粗暴な振る舞いもなく、多くのファンの心をとらえたのではないか」と評価。親方として「後進の指導に励んでほしい」と期待した。

また、春場所優勝で大関復帰を確実にした関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)についても言及。「奇跡的な復活で多くのファンの心をとらえ、共感を得た」と評価し、さらに1人横綱となったことから「大関陣を先頭に競い合って上を目指してほしい」と期待を寄せた。

関連するニュースを読む

白鵬5場所連続休場「注意」継続、横審全会一致で

横綱白鵬(2021年3月15日撮影)

日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)の定例会合が29日、東京都内で開かれ、横綱白鵬(36=宮城野)に対して、昨年11月場所後の会合で出した「注意」の決議を、継続することを決めた。出席7委員(1人欠席)の全会一致で、あらたに決議することはなかった。

白鵬と、春場所中に引退を発表した鶴竜(35=陸奥、現鶴竜親方)の両横綱に対しては、休場の多さから昨年11月場所後の定例会合で「引退勧告」に次ぐ重さの「注意」が決議されていた。白鵬は春場所3日目から、右膝負傷で休場。5場所連続休場となり、今回の協議が注目されていた。

横審の矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)は、既に右膝の手術を終え7月の名古屋場所で再起をかける意思を、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)が明かしている白鵬について「厳しい意見も出たが、もう1回チャンスを与えようということで一致した。7月場所の奮起に期待したい」と話し、さらに「7月場所の結果によっては厳しい意見が出ると思う」とし最も重い「引退勧告」が決議される可能性にも言及した。7月場所の「結果」のラインについては「状況を見て決めるしかない。仮定に基づく話は出来かねる」と具体的な数字については言及を避けた。

矢野委員長は、注意の決議を継続した3つの理由についても言及。<1>1月の初場所は新型コロナウイルス感染で休場はやむを得ないこと<2>3月の春場所は2日だけの出場だったが意欲を示したことは評価<3>7月場所で進退をかけることを明言している、の3点を挙げた。3点目については発言の真意を確認するため、八角理事長(元横綱北勝海)に確認を要請。同理事長は師匠の宮城野親方を呼び真意を確認。その説明を同委員長も受けたという。

「横綱の在り方を含め相当、時間をかけた」と矢野委員長。あらためて「横綱の責任を全うすることを強く求めたい」と期待し、さらに「横綱は大相撲の象徴的な、富士山のような存在。それは単なる自然でなく文化遺産。それと同じように大相撲も単なるスポーツではなく、歴史や伝統に支えられた国技。その意義を十分にかみしめて(白鵬のみならず)師匠や協会も自覚をもってほしい」と注文した。

関連するニュースを読む

照ノ富士が日本国籍取得へ、名字は「杉野森」最有力

優勝力士インタビューで笑顔を見せる照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

大関復帰を事実上決めた照ノ富士が、日本国籍取得に向けて準備を進めていることが28日までに分かった。年寄名跡の襲名には日本国籍が必要で、取得できれば現役引退後に親方として日本相撲協会に残る資格を得ることになる。

関係者によると現在はモンゴル国籍離脱のため、許可を取る申請をモンゴル側にしている段階という。国籍離脱が認められれば、日本での手続きが始まる見通しとなっている。照ノ富士は将来的に親方として協会に残る意向。三役経験を持つため、年寄名跡を取得すれば部屋を興すことも可能となる。

照ノ富士はモンゴルから18歳で逸ノ城らと一緒に来日し、日本に住んで10年以上となった。先月11日には18年2月に結婚したモンゴル出身のツェグメド・ドルジハンドさん(26)と挙式し、身を固めている。

関係者によると日本名の候補として、師匠の伊勢ケ浜親方の名字である「杉野森」が最有力に挙がっているという。決定すれば、大関復帰へ導いてくれた師匠への思いを表す形となる。

モンゴル出身では同国勢初の師匠となった友綱親方(元関脇旭天鵬)や高砂親方(元関脇朝赤龍)が日本国籍を取得している。19年9月に横綱白鵬が、24日に現役を引退した元横綱鶴竜は昨年12月に日本国籍を取得した。日本名は、白鵬はしこ名と同じ「白鵬翔」、鶴竜は変わらず「マンガラジャラブ・アナンダ」としている。

結婚式を終えて記念撮影をする照ノ富士(左)と夫人(2021年2月11日撮影)

関連するニュースを読む

結びで巻き添え、行司背中から落下/千秋楽写真特集

<大相撲春場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が昨年7月場所以来の優勝を果たして、確実にしている大関復帰に花を添えた。大関貴景勝を破って12勝目。3度目の幕内優勝は関脇以下では初となる快挙を成し遂げた。

八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る照ノ富士(撮影・河田真司)

幕内優勝を飾り師匠の伊勢ケ浜審判部長(左)から優勝旗を受け取る照ノ富士(撮影・小沢裕)

優勝力士インタビューで笑顔を見せる照ノ富士(撮影・鈴木正人)

千秋楽の熱戦を写真で振り返ります。

幕内

徳勝龍(7勝8敗)とったり琴勝峰(1勝6敗8休)

琴勝峰(手前)をとったりで破る徳勝龍(撮影・鈴木正人)


英乃海(10勝5敗)すくい投げ豊昇龍(8勝7敗)

豊昇龍(右)をすくい投げで破る英乃海(撮影・河田真司)


魁聖(8勝7敗)下手投げ翔猿(10勝5敗)

魁聖(右)を下手投げで破る翔猿(撮影・河田真司)

翔猿 (兄英乃海とともに2桁白星)目の前で取っていて、良かったと思う。場所中は自分のことであれだったので(話はしていない)。


琴ノ若(6勝9敗)寄り切り大奄美(9勝6敗)

琴ノ若(右)を寄り切りで破る大奄美(撮影・河田真司)


琴恵光(8勝7敗)寄り切り輝(6勝9敗)

琴恵光(左)を寄り切りで破る輝(撮影・河田真司)


玉鷲(5勝10敗)寄り切り照強(8勝7敗)

玉鷲(右)を寄り切りで破る照強(撮影・鈴木正人)


翠富士(5勝10敗)押し出し隠岐の海(3勝12敗)

隠岐の海(右)を押し出しで破る翠富士(撮影・鈴木正人)


竜電(6勝9敗)寄り切り妙義龍(7勝8敗)

竜電(右)を寄り切りで破る妙義龍(撮影・鈴木正人)

妙義龍 (7勝8敗の成績に)十分じゃないですか。連勝あり、連敗ありで、最後勝ちで締められたので良かったと思う。足が動いた相撲もあったし、動かなかった相撲もあった。


千代大龍(6勝9敗)はたき込み志摩ノ海(4勝11敗)

志摩ノ海(手前)をはたき込みで破る千代大龍(撮影・河田真司)


明生(10勝5敗)寄り切り剣翔(9勝6敗)

明生(手前)に寄り切りで敗れる剣翔龍(撮影・河田真司)


北勝富士(9勝6敗)押し出し若隆景(10勝5敗)

北勝富士(右)を押し出しで破る若隆景(撮影・河田真司)

若隆景 (立ち合い変化は)体が反応しました。(技能賞は)うれしいです。おっつけの技能が評価されたのはすごくありがたい。


千代翔馬(8勝7敗)上手投げ阿武咲(4勝11敗)

阿武咲(下)を上手投げで破る千代翔馬(撮影・河田真司)

阿武咲 思い切りいったが、自分が弱かっただけです。明日から切り替えて来場所、出直します。


宝富士(3勝12敗)突き落とし霧馬山(7勝8敗)

宝富士(右)を送り引き落としで破る霧馬山(撮影・鈴木正人)

宝富士(右)を送り引き落としで破った霧馬山(撮影・鈴木正人)

霧馬山 最後危なかったけど、我慢していきました。思い切りいっていい相撲をとろうと。勝って来場所につなげたかった。(部屋の横綱鶴竜が引退も)あまり考えず集中して、いつも通りいけました。


明瀬山(7勝8敗)突き出し大栄翔(8勝7敗)

明瀬山(手前)を激しく攻める大栄翔(撮影・鈴木正人)

大栄翔(左)は明瀬山を突き出しで破る(撮影・小沢裕)

大栄翔 (7勝7敗千秋楽に)ちょっと緊張したけどやることはひとつ。思い切りいきました。とりあえず勝ち越しはよかったが、内容的には悪い相撲が多かった。


逸ノ城(7勝8敗)押し出し御嶽海(8勝7敗)

逸ノ城(右)を押し出しで破る御嶽海(撮影・鈴木正人)

御嶽海 (千秋楽勝ち越しに)ホッとしてます。ようやく終わりました。自分としてはもっととりたかったが、ファンの方はハラハラドキドキ、刺激になったんじゃないでしょうか。


高安(10勝5敗)はたき込み碧山(11勝4敗)

碧山(左)にはたき込みで敗れる高安(撮影・鈴木正人)

高安(右)をはたき込みで破った碧山(撮影・河田真司)

碧山 (優勝決定戦への望みは)もちろんありました。残念です。(勝てばの条件付き敢闘賞は)知っていました。落ち着いていい相撲がとれたと思います。


栃ノ心(7勝8敗)押し出し隆の勝(8勝7敗)

栃ノ心(左)を押し出しで破る隆の勝(撮影・河田真司)

隆の勝 (千秋楽勝ち越しに)ガチガチにはならず、いい緊張感で臨めた。勝ち越しで終われたのは自信になる。来場所、もっと活躍できるように頑張りたい。


貴景勝(10勝5敗)押し出し照ノ富士(12勝3敗)

貴景勝(手前)を攻める照ノ富士(撮影・鈴木正人)

貴景勝(右)を土俵際に追い込む照ノ富士(撮影・河田真司)

貴景勝(右)を押し出しで破り、幕内優勝を決める照ノ富士(撮影・河田真司)

貴景勝 本割で勝たないことには始まらないんで。一生懸命やろうと思いました。負けたのは自分が弱いから。それをしっかり考えて、来場所に向けてやっていきたい。


正代(7勝8敗)上手投げ朝乃山(10勝5敗)

朝乃山(左)に上手投げで敗れる正代にぶつかる行司の式守伊之助(右)(撮影・河田真司)

朝乃山(右)は正代を上手投げで破る。行司の式守伊之助(左)は巻き添えを食らい土俵下に頭から落ちた(撮影・小沢裕)

結びの一番で土俵下に落ちた立て行司の式守伊之助(撮影・鈴木正人)

結びの一番で土俵下に落ちた立て行司の式守伊之助(中央)。声をかける西岩親方(左)と呼び出し(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

照ノ富士万感「辞めず良かったか」問われ10秒の間

貴景勝(手前)を攻める照ノ富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇28日◇東京・両国国技館

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が昨年7月場所以来の優勝を果たして、事実上決まった大関復帰に花を添えた。負ければ優勝決定ともえ戦にもつれ込む一番で、大関貴景勝を押し出して12勝目。昇進目安の「三役で3場所33勝」に3勝を上乗せした。日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)が、大関昇進をはかる臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請し、了承された。31日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て正式に17年秋場所以来の「大関照ノ富士」が帰ってくる。

   ◇   ◇   ◇

大相撲史に史上最大の復活劇を刻んだ。土俵下での優勝インタビューで「辞めなくて良かったか」と問われると、照ノ富士は10秒の間を置いて「そうですね。良かったです」と言葉を振り絞った。3年半前に大関から陥落。両膝のけがや内臓疾患などの影響で何度も引退を考え、そのたび師匠の伊勢ケ浜親方に引き留められた。序二段まで落ちて大関に復帰するのは史上初。優勝と同時に実現し「1日1日必死に、前向きでやってきた結果が現れる日がくると思って信じてやってきた」とうなずいた。

3大関を総ナメして“先輩大関”の実力を示した。貴景勝に土俵際まで押し込まれながら右を差し込むと、苦し紛れに小手で振る相手を力ずくで押し出し。立ち合いで相手の右手をたぐれなかったが「相撲ってあんまり狙い通りにならないもんで」。気持ちと展開を一瞬で切り替えた。

万全ではない終盤戦だった。師匠の伊勢ケ浜親方によると、3敗目を喫した10日目の志摩ノ海戦で膝を痛めたという。残り5日間は痛み止めを打って土俵に上がったが、本人は「完全に治っているわけはない。痛みはあるから、付き合ってやっている。仕方ないこと」と淡々。この日の朝、一緒に病院へ行った弟弟子で平幕の翠富士には「優勝しておいしい酒を飲もうぜ」と宣言。不安な表情は見せなかった。

心身を第一に調整してきた。両膝を痛めるまでは場所直前でも1日50番以上を取ることはざらにあったが、現在は1日20から30番ほど。昨年末には「年齢も変わって、やり方も変わってくるから」と照ノ富士。間垣部屋時代からの仲間で呼び出しの照矢は「僕から言うのは『けがだけはしないように』。保護者みたいに見守っています」と笑う。土俵に立つ姿が何よりの恩返しだった。

来場所から4大関で最高位への出世争いを繰り広げる。「1場所1場所精いっぱい頑張れば、次につながるかな」と照ノ富士。鶴竜の引退で白鵬の1人横綱となった相撲界。その白鵬に次ぐ現役2位の3度目の優勝で、次期横綱候補として再び名乗りを上げた。【佐藤礼征】

◆照ノ富士春雄(てるのふじ・はるお)本名・ガントルガ・ガンエルデネ。1991年11月29日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。18歳で来日し、鳥取城北高に留学して相撲を始める。3年時に中退して間垣部屋に入門。しこ名「若三勝」で11年技量審査場所で初土俵。13年春場所後に伊勢ケ浜部屋に転籍。同年秋場所が新十両昇進で「照ノ富士」に改名。関脇だった15年夏場所で初優勝を果たし、場所後に大関昇進。17年秋場所後に大関陥落。5場所連続休場して19年春場所に西序二段48枚目で本場所に復帰。192センチ、177キロ。血液型はO。家族は妻。得意は右四つ、寄り。

貴景勝(右)を土俵際に追い込む照ノ富士(撮影・河田真司)
八角理事長(右)から内閣総理大臣杯を受け取る照ノ富士(撮影・河田真司)
幕内優勝を飾り師匠の伊勢ケ浜審判部長(左)から優勝旗を受け取る照ノ富士(撮影・小沢裕)
吉本興業賞授与式に臨む間寛平(右)と幕内優勝の照ノ富士(撮影・河田真司)
吉本興業賞授与式で間寛平(右)から額を受け取る照ノ富士(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

豊山が右腕負傷で休場 13日目まで4勝9敗

東前頭15枚目豊山(27=時津風)が春場所14日目の27日、日本相撲協会に「右遠位上腕二頭筋腱(けん)断裂で約4週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。

今場所は13日目まで4勝9敗の成績で、来場所の十両陥落は確実の状況だった。

豊山の休場は昨年秋場所以来3度目。14日目の対戦相手、琴ノ若は不戦勝となる。

今場所の十両以上の休場者は横綱白鵬、引退した横綱鶴竜らに続いて7人目となった。

関連するニュースを読む

千代の国が休場 右母指脱臼、左肋骨骨折の診断書

千代の国

大相撲の東前頭9枚目千代の国(30=九重)が、大相撲春場所13日目の26日、日本相撲協会に「右母指脱臼、左肋骨(ろっこつ)骨折により、約2週間の加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。12日目を終えて8勝4敗としていた。

今場所の十両以上の休場は白鵬、鶴竜の両横綱、平幕の遠藤、琴勝峰、十両宇良に続いて6人目。

関連するニュースを読む

鶴竜晴れ晴れ「何かから解放された」20年土俵人生

引退会見を行う元横綱鶴竜の鶴竜親方(日本相撲協会提供)

元横綱鶴竜の鶴竜親方が春場所12日目の25日、両国国技館でオンラインによる引退会見を行った。約20年の土俵人生を終えて「何かから解放された、そういう気持ちです」と晴れ晴れとした表情を浮かべた。

昨年7月場所から休場が続き、同年11月場所後には横綱審議委員会から、引退勧告に次ぐ「注意」の決議を受けた。1月の初場所を休場。進退を懸けて臨むつもりだった春場所は、場所直前に左足を負傷して休場した。現役続行の意欲を持っていたが、同場所中11日目の24日に引退届を提出。気持ちは23日夜に固まったといい「気持ちの面が少しずつ削られて、体が悲鳴を上げて、体がもう無理なのかなという信号を出していると思った」と心身共に限界を迎えた。

モンゴルから日本の相撲関係者に送った手紙がきっかけで、16歳の時に旧井筒部屋に入門した。「人間としても、男としても、お相撲さんとしても成長させてもらった」と人生の半分以上を過ごした土俵人生に感謝。現在、角界にも多くいるモンゴル出身の後輩たちへ「人に、後輩に慕われる、いい人間になって欲しい。相撲だけではなく人間として成長して欲しい」とエールを送った。今後は陸奥部屋付きとして後進を指導する。

引退会見を行う元横綱鶴竜の鶴竜親方。左は師匠の陸奥親方(日本相撲協会提供)

関連するニュースを読む

鶴竜「井筒は継ぎます」亡き師が認めた指導者の資質

元関脇逆鉾の井筒親方(右)と鶴竜(2016年11月27日撮影)

<とっておきメモ>

鶴竜を入門時から育てた元関脇逆鉾の井筒親方は、鶴竜の指導者としての資質を認めていた。親方が亡くなる1年4カ月前、2018年夏場所中、国技館内の巡業部室で話を聞いた。

まだ鶴竜が日本国籍を取得する前のこと。引退後の見通しは立っていなかったが、井筒親方は鶴竜の将来を案じていた。

「先行きは自分で決めること。自分で決めていい。自分がそうしたいというならそうするし、本人も最近は考えているところがあるみたい。僕としては、鶴竜は技術的にも(いいものを)持っているし、性格も穏やかだから、指導者として適任ではないかと思っています。もちろん、本人がほかにやりたいことがあるならしょうがないけど」

この前年、鶴竜は6場所中5場所で休場していたが、年が明けて復活。18年春場所は8場所ぶり4度目の優勝を果たしており、井筒親方の気持ちも落ち着いていた。

井筒親方は膵臓(すいぞう)がんを患い、2019年9月16日に58歳で亡くなった。部屋は閉鎖となり、鶴竜らは陸奥部屋に転籍した。

師匠の告別式が終わった後、近親者だけが残った最後の席で、鶴竜は決意を口にした。「井筒は、僕が継ぎます」。横綱は引退後、現役名のまま5年間は日本相撲協会に残れる。今後の見通しははっきりしないが、この5年のうちに何らかの名跡を取得することになるだろう。

鶴竜の付け人経験者は皆、その人柄に魅了され、この人のために力を尽くそうとしてきた。きっといい親方になる。天国の師匠は、心配してない。【佐々木一郎】

関連するニュースを読む

鶴竜「引退する」風呂で背中を流す兄弟子鋼に告げる

塵手水(ちりちょうず)する鋼(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇12日目◇25日◇東京・両国国技館

24日に現役を引退した元横綱鶴竜(35=陸奥)の付け人を務めていた西序二段7枚目鋼(39=陸奥)が“弟弟子”への思いを語った。

琴進に寄り切りで敗れて2勝4敗となった取組後、報道陣のリモート取材に応じて、鶴竜の心情を推し量った。「本人が1番悔しいとは思う。努力しているところを入ったときから最後まで身近で見ていた。この場所に向けても一生懸命稽古していた。今までも乗り越えて頑張ってきたけど、もう一踏ん張りできると思っていた」。旧井筒部屋からの付き合い。01年九州場所が初土俵の鶴竜に対して、自身は00年春場所が初土俵で鶴竜の兄弟子にあたる。

引退の報告は本人から直接告げられた。前日24日の朝稽古後、風呂で背中を流している時だった。「『引退することになりました』と言われて『うん』と言った。2人だけの空間で。長い付き合いもあるし、本人が決めたならしょうがないと思う。現実を考えたらいろいろ言われる。自分的にはまだまだ頑張るなら応援するためについていこうとは思っていた」。

これからは鶴竜親方として後進の指導にあたる。「陸奥部屋に移ってからも、周りの若い子に横綱から直接アドバイスする姿を見ている。間違いなく下の子にも手取り足取り教えている。間違いなくいいアドバイスはしてくれると思う」と話した。

引退会見を行う元横綱鶴竜の鶴竜親方

関連するニュースを読む

鶴竜親方が引退会見「中途半端に上がるわけには」

引退会見を行う元横綱鶴竜の鶴竜親方

<大相撲春場所>◇12日目◇25日◇東京・両国国技館

現役引退した元横綱の鶴竜親方(35=陸奥)が、リモートでの引退会見に臨んだ。

◇一問一答

-今の心境は

鶴竜 何かから解放された。そんな気持ちです。ボーッとしてるじゃないけど、何も考えずにいられる。

-来場所にかけると思っていたが決断の経緯は

鶴竜 直前のけがもそうだが、ここ最近けがで土俵に立つことができず連続休場できていた。たくさんの人にもう1度土俵に上がる姿を見せたいと思っていたが、気持ちの面で少しずつ削られて、体も悲鳴をあげて、中途半端に土俵に上がるわけにはいかない。引退という決断になった。

-気持ちが揺れた

鶴竜 けが早く治るかと思ったが長引いた。体をもう1回作るのは大変。その中で気持ちが切れてしまった。

-横綱として

鶴竜 休場多かった。けがして復帰、何回もあった。協会の人たちにも迷惑かけて、よくここまでやらせてもらった思いやる。これ以上は無理かなと自分の中で思った。

-土俵の未練は

鶴竜 決めた後に思うとよくここまでやれた、疲れたなと。けがさえ治ればやれる気持ちはあった。最後は残念だなと思う。

-(師匠に)どんな思い

陸奥親方 見ていてつらい部分もあった。一番苦しいのは本人。何とかもう1回という気持ちでいたが。

-大変な決断だが

陸奥親方 横綱は大変な地位というのが分かった。応援してもらった人たちに何とかもう1回、気持ちは伝わってくる。一方でもういいんじゃないかという思いもあった。最後は自分で決断した。ホッとした部分はあると思う。親方になって指導して、分かってくる部分はあると思う。

-(鶴竜親方に戻り)どんな思いが浮かぶ

鶴竜 まだそんなに時間たっていない。これからいろんなことが思い出されると思う。今はただただ、明日から体いじめなくていいんだとホッとしている。

-思い出はたくさん

鶴竜 16歳の若い子が夢を持って日本にやってきて関取になりたい、幕内になりたい、夢が広がって最後は横綱になれた。人間として男としてお相撲さんとして感謝の気持ちでいっぱい。

-大変な時期は

鶴竜 横綱に上がってからはほとんどけがとの闘い。今思うと数え切れないぐらい思い出ありますね。

-重圧は

鶴竜 上がった時から常に肝に銘じてというか、何かあった時でも相撲のことを考えてきた。今はそれから解放されて、うれしいというか、よかったというか、そういう気持ちですね。

-振り返ると

鶴竜 1通の手紙から始まったんで。「拾ってください」と。その言葉を守ることができたと思う。

-思い出の相撲は

鶴竜 いっぱいありますけど、やっぱり関取になれたのが一番がうれしかった。夢が広がったわけだから。最初の自分の目標。それを達成した喜びが大きかった。

-(師匠に)横綱は最初は一門の力士として見てきた

陸奥親方 やっぱりまじめ。余計なことを言わないし、本音も言わない。もともとそうだったのかなと。受け入れる方も不安あったが、一緒に生活して言ったことはちゃんとやってくれる。それでここまでこれたのかなと。

-一門を引っ張ってくれた

陸奥親方 みんなあこがれていたと思いますね。

-どういう親方に

陸奥親方 自分が苦労したことを押しつけるタイプではないと思うが、そこを厳しく言ってもらわないと強くならない。稽古場では厳しく、稽古場を離れたらやさしく。そういう親方になってくれたら。

-(鶴竜親方に戻り)先代師匠は

鶴竜 16歳で書いた手紙を読んで拾ってくれた。たくさん怒られましたけど一生忘れることないし、感謝しかない。稽古に対しては厳しい人だったが、離れたらやさしい。

-報告は

鶴竜 もちろんあいさつに行きたい。まだ行けてないですけど。

-子どもは

鶴竜 子どもに「もうパパはお相撲さんじゃなくなるよ」。「え、何になるの?」。「教える人になるんだよ」。「え、いいじゃん」と言われました。家族はずっと支えてくれた。本当に感謝したい。

-どういう力士を育てたい

鶴竜 人に教えるのは大変難しいと感じている。教え方、どうすれば強い力士が育てられるか、勉強していきたい。ただただ自分が経験してきたことを押しつけるのではなく、協会の看板を背負う力士を育てていきたい。

-横綱白鵬への思いは

鶴竜 自分が上がる前から横綱でいた。高い目標であったし、その高い目標を追いかけたから自分も横綱になれたと思う。

-貫いた信念は

鶴竜 絶対あきらめないが僕の信念かなと思います。

-横綱としての思い出は

鶴竜 いっぱいありますけど、けが乗り越えて責任果たせて優勝したこととか思い出す。もう1回責任果たしたかったが、それができなかった。

-決断したタイミングは

鶴竜 一昨日の晩から、もうこれは。また0からやり直して次の場所に間に合うのはという思いがわいた。これからの人生の方が長い。体のこともあるし、もういいかなと思った。

-来場所まで

鶴竜 やっぱり気持ちが切れてしまったというか、もういいかな、と。家族、親とも相談して納得して。

-横綱審議委員会(横審)から厳しい意見も

鶴竜 横綱の責任を果たせていないわけだから。これ以上は無理かなと思った。

-やってみたいことは

鶴竜 力士の時は運転できなかった。これから運転できる楽しみはあります。

-モンゴルの後輩へは

鶴竜 みんなそれぞれの運命。運もあるし。人に慕われる、後輩にも慕われる、いい人間に成長してほしいと思いますね。お相撲さんだけじゃなく、人間として成長してほしいですね。

-横綱という地位は

鶴竜 上がった当時は先輩から意見聞いたり、ビデオ見たり勉強した。ある時に気づいた。鶴竜は鶴竜。自分はありのままでいていいんじゃないか、と。それからは「横綱像」とかあまり考えなくなった。よくも悪くも7年間、やれたと思う。

-コロナがなければの思い

鶴竜 少なからずありと思います。(調整に影響)全くないと言わないが、外出できなかったりとかあったので。

-ライバル横綱への思い

鶴竜 そういう存在がいたからここまで長くとれた。負けない、自分も頑張る。そういう気持ちの張り合いがよかった。本当に感謝ですね。

-再起目指す白鵬へは

鶴竜 先輩だから。自分からエールは失礼。たくさん優勝して結果残している。また結果を残してくれると信じている。

-悔いは

鶴竜 全くないですね。やれることは全部やれたと思う。

引退会見後に井筒親方(左)から花束を受け取る元横綱鶴竜の鶴竜親方
引退会見を行う元横綱鶴竜の鶴竜親方。左は師匠の陸奥親方

関連するニュースを読む

付け人務めた鶴大輝が鶴竜語る「指導者向いている」

<大相撲春場所>◇12日目◇25日◇東京・両国国技館

現役を引退した横綱鶴竜(35=陸奥)の付け人を務めてきた西序ノ口9枚目の鶴大輝(30)が思いを語った。相撲は寄り切りで敗れ、4勝2敗となった。

横綱の引退を「やっぱり悲しいですよ。長年付け人をやらせてもらって、辞めると聞いた時はだいぶショックでした」。公私ともに近い存在だった。「仕事としては横綱ですが、プライベートではお兄ちゃんみたいな存在でした。一緒にゲームしたり、子守を頼まれたり。楽しんでいました」と思い出は尽きない。

横綱の人柄にほれた。「地位だけじゃなく、人間として大きな器だな、と。新弟子が何かやらかした時も、その場で怒鳴るではなく、全部ひっくるめて教えるのがうまい。見ていてでかい存在です。絶対に指導者に向いていると思います。こんなぺーぺーが言うのもあれですが」。長年付き添った観点から、鶴竜親方の成功を確信している。

関連するニュースを読む

鶴竜お気に入りはCロナウド 多様なスポーツの知識

3点シュートを決め、ポーズを決める大相撲横綱鶴竜(2019年8月24日撮影)

<こんな人>

日本相撲協会は24日、横綱鶴竜(35=陸奥)の引退と、年寄「鶴竜」の襲名を承認したことを発表した。

   ◇   ◇   ◇

鶴竜は相撲だけでなく、スポーツ知識の引き出しの多さも横綱だ。朝稽古を終えて帰宅すると、録画しておいた欧州を中心とした海外サッカーや、米バスケットボールNBAなど、さまざまな競技をテレビ鑑賞しながら気分転換することが日課だった。

相撲の話を聞く前に、「サッカーの欧州チャンピオンズリーグ、すごい大逆転劇でしたよね」など、他競技の話題で入ることで、鶴竜の舌は滑らかさを増した。一番のお気に入りはポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドだった。

どんな流れで聞いたのかは、記憶にないが、横綱に「プロレスの鶴竜(正確には鶴龍)コンビってご存じですか?」と問い掛けたことがある。汗をタオルで拭いながら「分からないですねえ」と横綱。「ジャンボ鶴田と天龍源一郎のダッグの愛称です」と伝えると、「天龍さんは相撲界の大先輩ですよね」と即答した。

後日、鶴竜の出稽古先で取材した。遠目に私の姿を見つけると、右膝を胸のあたりまで上げて、笑った。ジャンボ鶴田の得意技「ジャンピング・ニー・パット」だった。分からないことは、すぐに調べて、また引き出しを増やす。競技、国内外問わず、知識や興味は幅広い。次は今夏の東京五輪・パラリンピックで日刊スポーツ評論家に推薦。評論コーナーのタイトルは「鶴のひと声」で。【13~14年大相撲担当・鎌田直秀】

大相撲を観戦に訪れた柔道男子73キロ級大野将平(左)は横綱鶴竜と握手する(2019年9月11日撮影)

関連するニュースを読む