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「THE MATCH」榊原信行氏が成功報告「レガシー刻んだ」「新しいビジネススキーム誕生」

一夜明け会見に臨む大会実行委員の榊原氏(左)と株式会社サイバーエージェント執行役員藤井氏(撮影・足立雅史)

“世紀の一戦”RISE世界フェザー級王者・那須川天心(23)-K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者・武尊(30)戦をメインに組んだ立ち技格闘技イベント「THE MATCH 2022」(東京ドーム)から一夜明けた20日、同大会の製作委員を務める榊原信行氏が記者会見を開き、大会の成功を報告した。

「本当に歴史的な1日になりました」と切り出した。「歴史が動く瞬間に立ち会えることはない。昨日の東京ドームは間違いなく、私を含めた我々は、50年、100年と2022年6月19日は語り継がれるレガシーを刻みました」と感慨深げに話した。

また、今後も「同大会に勝るとも劣らないイベント」を作り出すことを約束。「格闘技界は連携して、他のジャンルのエンタメに挑んでいく。自信をもってサッカーよりも野球よりも、どんなメジャーなスポーツよりも世間と勝負できる」と主張した。

さらに、大会直前に地上波での放送がなくなったこで「期せずして一気に時代が動いた」と説明。「新しいビジネススキームが誕生したといっても間違いはない。ビジネスシーンにおいても時代が動いた、そんな1日になりました」と、日本格闘技史上最多のPPV視聴者数50万人を獲得したとする大会の成功に胸を張った。

最後は「これから格闘技は続いていく。皆さんが求める以上のものを作り出す」と、さらなる発展を誓っていた。

一夜明け会見に臨む大会実行委員の榊原氏(撮影・足立雅史)
一夜明け会見に臨み笑顔を見せる那須川(撮影・足立雅史)
一夜明け会見に臨む那須川(撮影・足立雅史)

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「THE MATCH」那須川-武尊をABEMAで無料配信、20日午後9時「強い要望あった」

那須川天心(左)と武尊の対戦(2022年6月19日撮影)

19日、ABEMAのPPV(ペイ・パー・ビュー)にて放送された、RISE世界フェザー級王者・那須川天心(23)-K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者・武尊(30)戦をメインに組んだ立ち技格闘技イベント「THE MATCH 2022」(東京ドーム)が、日本格闘技史上最も多くのPPV視聴者数となる50万人を獲得したと発表された。

“世紀の一戦”から一夜明けた20日、製作委員を務める榊原信行氏とABEMAエンタメDX本部長の藤井琢倫氏が記者会見を開き、明言した。藤井氏は「PPV購入者は50万人以上。私の知る中ではおそらく、日本格闘技史上、最も多くの皆様に楽しんでもらった。グローバルスタンダードが日本人の多くの方に受け入れられた歴史の1ページになった」と胸を張った。

また、20日午後9時からABEMAにて、メインの那須川-武尊戦を無料で配信することが決まった。「ファンから強い要望があった。より多くの皆様に届けたい」と話した。

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那須川天心、帝拳ジム入りへ 村田諒太ら世界王者12人輩出の名門でボクシング王者目指す

那須川天心(中央)と帝拳ジム葛西裕一トレーナー(右)。左は元WBC世界スーパーフェザー級王者三浦隆司氏(2018年2月撮影)

キックボクシングのRISE世界フェザー級王者・那須川天心(23=TARGET/Cygames)が、因縁の対決を制した。K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者武尊(30=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)との58キロ契約3分3回(延長1回)に臨み、5-0の判定勝ち。キックの公式戦で負けなしの42連勝とし、花道を飾った。ボクシングに転向する那須川は名門・帝拳ジムでデビューすることが有力となった。

    ◇    ◇    ◇

那須川が最高の環境でボクシング世界王者を目指す方向であることが分かった。前WBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太ら世界王者12人を輩出した名門ジム・帝拳ジムへの入門が有力だ。今後、帝拳ジム側と本格的に契約交渉に入る見込みだという。

那須川の父弘幸トレーナー、那須川が主戦場としてきたキックボクシングRISE伊藤隆代表と帝拳ジム本田明彦会長は以前から良好な関係にあり、関係者によれば契約交渉もスムーズに進みそうだという。本田会長はプロボクシング界で世界的なネットワークを持っており、マッチメーク力もトップクラス。那須川にとってボクシング転向の所属ジムとして申し分ない。

那須川が中学3年から帝拳ジムに出げいこするなど、関係は深かった。帝拳ジムで97年から20年間、トレーナーを務めていた元東洋太平洋スーパーバンタム級王者葛西裕一氏(グローブス代表)の指導を受けてきた経緯もあり、那須川のボクシングには「帝拳イズム」が流れている。

この武尊戦のために一時的に中断していたが、ボクシング転向に向けたジムワークは帝拳ジム中心で続けてきた。同ジムでは、世界2階級制覇(フェザー級、スーパーフェザー級)を成し遂げた粟生隆寛トレーナーの指導を受け、22年中のボクシング転向を見据えてきた。両者間の契約交渉がスムーズに進めば、年内には帝拳ジムからプロテストを受験、プロデビューすることになりそうだ。

◆那須川天心(なすかわ・てんしん)1998年(平10)8月18日、千葉県生まれ。5歳で極真空手を始め、小5でジュニア世界大会優勝。その後キックボクシングに転向し、14年7月にプロデビュー。15年5月にプロ6戦目で史上最年少16歳でRISEバンタム級王座に輝いた。16年12月にRIZIN初参戦。18年6月には階級を上げ、初代RISE世界フェザー級王者に。プロ通算成績は46戦46勝(31KO)。20年6月から始めたユーチューブの登録者数は89・2万人。165センチ。

◆帝拳ジム 所在地は東京都新宿区神楽坂。1946年(昭21)8月、帝国拳闘会拳道社として設立。後の初代コミッショナー田辺宗英がジム会長就任。本田明マネジャーが2代目会長就任も65年に死去し、立教高3年だった17歳の次男明彦現会長が引き継いだ。70年10月に大場政夫がWBA世界フライ級王座を獲得。86年7月には浜田剛史がWBC世界スーパーライト級王座獲得。その後、ホルヘ・リナレス、西岡利晃、粟生隆寛、山中慎介、村田諒太ら世界王者12人を輩出。

判定勝ちした那須川天(右)は雄たけびを上げる。左は武尊(撮影・菅敏)
3回、那須川天(左)は武尊にパンチを打ち込む(撮影・菅敏)
3回を戦い終え、武尊(右)と抱き合う那須川天(撮影・菅敏)
判定で武尊(左)に勝利し、深々と頭を下げる那須川天(撮影・菅敏)

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那須川天心「笑ったらこのパンチが来る」武尊の癖見抜き、決定打許さず 無敗のままボクシングへ

3回、那須川天(左)は武尊にパンチを打ち込む(撮影・菅敏)

<キックボクシング・THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

プロ通算46戦無敗でRISE世界フェザー級王者・那須川天心(23=TARGET/Cygames)が、世紀の一戦を制した。

K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者武尊(30=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と、58キロ契約の3分3回(延長1回)で対戦し、5-0の判定勝ちを収めた。14年7月にプロデビューし、キックボクシング42連勝。宣言通り、この試合を最後にボクシングに転向する。

    ◇    ◇    ◇

那須川はリング上で泣いた。そして笑った。試合前には「遺書の動画も取っていた」と明かした人生最大の戦い。最強で最高のライバルを退け「俺、勝っちゃったよ!」と、5万6000人を超える観衆に思いを叫んだ。

1回終了間際、カウンターの左ストレートを決めて、先制のダウンを奪った。「相手が笑ったらこのパンチが来る。そういう癖も見抜いていた」。2回にバッティングを受けて、右目が腫れ上がるハンディを負ったが、その後も必死の反撃で前進する武尊に決定打を許さなかった。

試合前、那須川は話していた。「ワクワクする」。常に追われる立場にいた“神童”にとって、それは長年忘れていた感情。15年の対戦要求から約7年、思いのたけを拳に込めた。

試合後は、交わすものは拳から抱擁、そして熱い言葉へと変わった。「ここまで強くなれたのは武尊選手がいてくれたおかげ。僕の前に立ちはだかってくれてありがとう」。感謝の言葉を連ねた。

心の準備の重要性はレジェンドが教えてくれた。プロボクシング元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)とビデオ通話した際、アドバイスを送られた。「考えるな。すべては試合が終わってから考えろ。今度の相手は俺じゃない」。18年にRIZINで、ボクシングのスパーリング形式で対戦。記録がつかない非公式戦ながら人生初を含む3度のダウンを奪われた相手だ。那須川は「(自分がやってきたことは)間違いがないと思えた」。自分を信じ、迷いなく拳を振りぬいた。

この試合を最後に、ボクシングに転向する。世紀の一戦で見せた渾身(こんしん)のファイト、残した数々の伝説は、キックボクサーの道しるべになる。【勝部晃多】

判定勝ちした那須川天(右)は雄たけびを上げる。左は武尊(撮影・菅敏)
試合を終え、抱き合う那須川(後方)と武尊(撮影・足立雅史)
1回、那須川天(右)は武尊の顔面にパンチを入れる(撮影・菅敏)
1回、武尊(左)にひざ蹴りを入れる那須川天(撮影・菅敏)
【イラスト】那須川天心のプロ全成績

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ヒカキン「あまりの衝撃」とんねるず石橋「ドーム揺れている」那須川天心勝利を生観戦でツイート

判定勝ちした那須川天(右)は雄たけびを上げる。左は武尊(撮影・菅敏)

<キックボクシング:THE MACTH 2022>◇19日◇東京ドーム

プロ通算46戦無敗でRISE世界フェザー級王者・那須川天心(23=TARGET/Cygames)が、世紀の一戦を制した。K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者武尊(30=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と、58キロ契約の3分3回(延長1回)で対戦し、5-0の判定勝ちを収めた。

   ◇   ◇

キック頂上対決となった那須川天心-武尊戦を会場やライブ配信などで見届けた有名人たちが次々と絶賛のコメントで反応した。

公式ツイッターを通じ、とんねるず石橋貴明は「天心君が勝つ! 武尊君もナイスファイト! ドームが満員で揺れている!」と歓喜すれば、会場に足を運んだ人気ユーチューバーのヒカキンも「物語の結末を目の当たりにして、あまりの衝撃に言葉が出ませんでした」などと放心状態の気持ちをコメント。

またK-1でスペシャルリングアナウンサーを務めた経験もあるびびる大木は「お金払ってよかった!!」と感激している様子だった。

3回、那須川天(左)は武尊にパンチを打ち込む(撮影・菅敏)
3回を戦い終え、武尊(右)と抱き合う那須川天(撮影・菅敏)
ユーチューバーのヒカキン=2019年8月
石橋貴明=2021年12月

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魔裟斗氏「右のジャブがすべて。何年も語り継がれる試合」那須川天心ー武尊戦、中継で解説

パンチを放つ那須川天心(C)THE MATCH 2022

<キックボクシング:THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

キック頂上対決となった那須川天心-武尊戦のABEMA中継で解説を務めた元K-1 WORLD MAX王者魔裟斗氏(43)が、勝敗のポイントに那須川のジャブを挙げた。

ガードの間から刺すように武尊の顔面をとらえた那須川の動きに「右のジャブがすべて」と分析。那須川に判定負けしたK-1の後輩、武尊に向けて「やらないで後悔するよりも、やって出し切った方が良かったと思います。これは何年も語り継がれる試合」とねぎらった。

約7年かかった待望のカードだったこともあり、魔裟斗氏は「2人のライバルストーリーがあったからこそ、キックボクシング興行で5万人を集めたのですから。2人の力です。勝った天心には、ボクシングでもチャンピオンになってほしい」とエールを送っていた。

判定勝ちした那須川天(左)は魔裟斗に祝福される(撮影・菅敏)
3回、那須川天(左)は武尊にパンチを打ち込む(撮影・菅敏)
魔裟斗氏=2018年撮影

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那須川天心「負けたらマジで死のうと思っていた」遺書の動画も…世紀の一戦で武尊撃破/一問一答

スピーチする那須川天心(C)THE MATCH 2022

<キックボクシング:THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

プロ通算46戦無敗でRISE世界フェザー級王者・那須川天心(23=TARGET/Cygames)が、世紀の一戦を制した。

K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者武尊(30=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と、58キロ契約の3分3回(延長1回)で対戦し、5-0の判定勝ちを収めた。14年7月にプロデビューし、キックボクシング42連勝。宣言通り、この試合を最後にボクシングに転向する。

那須川の一問一答は以下の通り。

-試合の感想

「もうなんか開放されました。全てが終わったという感じです」

-武尊の印象

「印象はそうですね、ずっと同じ。本当に気持ちの入ったファイター。マジで出会えてよかったと、感謝しかないです」

-東京ドーム

「めっちゃ気分良かったですね。格闘技、日本のエンタメの中でも一番盛り上げられたと思うので、格闘技も捨てたもんじゃないと日本中に伝えられたと思います」

-今後の展望

「1回休みたい。全てから開放された1カ月2カ月3カ月5カ月くらい休みたい」

-やりたいこと

「なんだろう、格闘技のこと1回も考えない日々を送りたい」

-ゴンドラの上から見た風景

「星みたいでした。逆夜空みたいな。いつも上を見ると星。空から見ていたような、俺が地球になったかなという感じでした」

-リードジャブがさえていた

「何パターンか用意していた。ジャブから組み立てられた。キーポイントだったので、そこから組み立てることができて、いつもより落ち着いて戦えた。相手のセコンドの声も聞こえて、ジャブを捨てろと言っていたので、あえて踏み込んで強く打っていきました」

-ダウンを奪った左

「会心の左でしたね。コンパクトに狙う。刀のように振り抜きました」

-バッティングを受けた

「集中力がやばいとなった。視界がぼやけて、ちょっと落ち着かないと(いけない)と思った。3ラウンドでは戻らなかった」

-展開

「相手が絶対に来るからそこに合わせていくというイメージでした」

-武尊の強さ

「一番はやっぱりプレッシャーっていうのをすごく感じました。やった選手の中で一番強かった。本当に正反対のスタイルのファイター。そこで勝ち切れたのは大きいですね」

-試合を支配した

「ダウンを取ったときに本当にゆっくりに見えた。力を入れなかった。それでよかったですね」

-キック最後の意識

「最後じゃなくて武尊選手と戦う意識しかなかった」

-終わってみて

「まだしばらくないかな。でも、終わりだもんね。悲しくなりますね」

-交わしあった言葉

「本当にありがとうという気持ち。そういう感じの気持ちです。そこは2人の男話ということで」

-武尊戦までの気持ち

「対戦が決まったときから、負けたらマジで死のうと思っていた。動画を取っていた。遺書の。次の日を迎えられることがよかった。ずっと人生最後の気持ちだった。死んでもいいと思っていたので生きられてよかった。本当にハッピーです」

-ファンの期待感

「不思議な感覚。歓声の時差を感じた。反響なのか俺がそっちの次元にいっているのか分からなかった」

-矢沢さんの曲

「おこがましいけど矢沢さんに近づけた」

-菅田将暉さんから花束をわたされた

「期待しているよ、と言ってくれた。すげえパワーを頂いた。さわやかでした」

-今後の格闘技界へメッセージ

「本当に今回こうやって日本のエンタメの中で一番大きいことができた。次の世代、子供たちが目指す存在にやっと慣れたと思うので。選手たちの思いは一緒。みんな最強を目指している。その気持ちを踏みにじってほしくないなと思っています」

-武尊との戦い方

「笑ったらこういうパンチが来るとか、そういう癖も見抜いていた。思ったより小さく見えた。そう思えたことがよかったかな。イメージの範囲内で勝てた」

-打ち勝てた理由

「チームを信じ切って戦えたこと。自分を信じ切れた。そこが勝因。父親だったりボクシングのトレーナーだったり、チーム天心は最強の仲間だった」

-ボクシングの詳細

「いったん休んでから考えようかなと思います。まだわからないです」

-父へ

「感謝の気持ちしかない。できすぎですよね。父の日ですし。こんなことってある? っていう。ロッタンに勝った日も父の日なんですよね」

-武尊の今後に期待すること

「言えないんですけど。これは内緒です」

-最後に

「武尊選手には感謝しかない。僕の前に立ちはだかってくれてありがとう。そして僕を成長させてくれたキックボクシング界。RISE、K-1、RIZIN。どの舞台も最高だと思う。またまじりあうことができたらうれしい。格闘技は人の心を動かす。最高の舞台でできたこと、ありがたいです」

試合を終え、抱き合う那須川(後方)と武尊(撮影・足立雅史)
パンチを放つ那須川天心(C)THE MATCH 2022
会場を盛り上げるラウンドガールライズフォースの宮原華音(撮影・菅敏)
判定で武尊を破り涙ぐむ那須川天(撮影・菅敏)
試合前、那須川(右)に花束を贈る菅田将暉(撮影・足立雅史)
判定勝ちした那須川天(右)は雄たけびを上げる。左は武尊(撮影・菅敏)
判定で武尊(左)に勝利し、深々と頭を下げる那須川天(撮影・菅敏)
武尊(左から2人目)と3回を戦いを終え、ガッツポーズを見せる那須川天(撮影・菅敏)
試合後、涙ぐむ那須川天(右から2人目)にもらい泣きするラウンドガールライズフォースのメンバー
試合を終え、抱き合う那須川(後方)と武尊(撮影・足立雅史)

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武尊うつむき多くを語らず「心から申し訳ない」那須川天心に0-5判定負け/一問一答

3回、那須川天(左)は武尊にパンチを打ち込む(撮影・菅敏)

<キックボクシング・THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者の武尊(30)がキックボクシング頂上対決に敗れた。

ライバルのRISE世界フェザー級王者那須川天心(23)との58キロ契約体重3分3回(延長1回)に臨み、0-5の判定負けを喫した。15年11月、那須川からの対戦直訴を契機に所属団体問題などで実現していなかった待望のファイトだったが、12年6月以来、10年ぶりの黒星を喫した。

試合後にインタビュースペースに現れた武尊は多くを語らなかった。

試合後の感想を問われると、以下のように発言した。「本当に、あの…、この試合を本当に実現できたことと、実現してくれた人たちと、支えてくれた人たちと、対戦相手の天心選手に心から感謝しています。僕を信じてついてきてくれたファン、K-1ファイター、ジムの人たち。そういう人たちには心から申し訳ないと思っています。以上です」。うつむき加減で、その場を後にした。

判定で武尊(左)に勝利し、深々と頭を下げる那須川天(撮影・菅敏)
THE MATCH 2022 会場を盛り上げるラウンドガールRIZINガールの東海林里咲(撮影・菅敏)
3回を戦い終え、武尊(右)と抱き合う那須川天(撮影・菅敏)
判定勝ちした那須川天(右)は雄たけびを上げる。左は武尊(撮影・菅敏)

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“神童”那須川天心“最強”武尊撃破!世紀の一戦5-0判定勝利「武尊選手いたから強くなれた」

1回、那須川天(右)は武尊からダウンを奪う(撮影・菅敏)

<キックボクシング・THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

プロ通算46戦無敗でRISE世界フェザー級王者・那須川天心(23=TARGET/Cygames)が、世紀の一戦を制した。

K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者武尊(30=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)と、58キロ契約の3分3回(延長1回)で対戦し、5-0の判定勝ちを収めた。14年7月にプロデビューし、キックボクシング42連勝。宣言通り、この試合を最後にボクシングに転向する。

那須川は1回終了間際、左ストレートをカウンターで決めて、先制のダウンを奪った。2回にバッティングを受けて、右目が腫れ上がるハンディを負ったが、その後も必死の反撃で前進する武尊に決定打を許さなかった。

試合後はリング上から「この試合を長い間待ち続けたファン、武尊選手、ありがとう。満員の東京ドームで最後に試合ができて本当に幸せです。武尊選手がいたから強くなれたし、キックを続けられた。勝って、自分が強いと本当に思いました」と、感極まった表情で大観衆に向かって語りかけた。

試合前、那須川は話していた。「ワクワクする」。常に追われる立場にいた“神童”に、忘れていた感情が湧き起こった。久々に胸の高鳴りを感じる一戦だった。

K-1で3階級制を成し遂げ、41戦40勝(24KO)1敗の圧倒的な成績を誇る“最強”武尊。団体の中で「敵がいない」と言われ続けた那須川自身の境遇と重なった。頂点に君臨したこの5年間において「那須川よりも強いのではないか」と評されることもあった存在だった。「そんな時こそ、僕は強い。キックボクシング人生でやってきたことをすべてぶつける」。15年の対戦要求から約7年、思いのたけを全てぶつけた。

心の準備の重要性を思い知らされたのは、大会前。プロボクシング元世界5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(45=米国)からのアドバイスだった。ビデオ通話で話し、「考えるな。すべては試合が終わってから考えろ。今度の相手は俺じゃない」とエールを送られた。

18年大みそか、総合格闘技イベントRIZINで、ボクシングのスパーリング形式で対戦。人生初を含む3度のダウンを奪われ、記録がつかない非公式戦ながら、唯一「勝てなかった試合」を戦った相手だ。

レジェンドのその一言に、那須川は「(自分がやってきたことは)間違いがないと思えた」。自分を信じ、迷いなく拳を振りぬいた。

この試合を最後に、ボクシング転向を表明していた。それでも「1度ボクサーになる気持ちは捨てた」と、燃え尽きる覚悟で臨んだ。先月末に4泊5日で行われたRISEの合同合宿では、選手からの質問に惜しみなく答えた。「年上、年下関係なく、練習の姿勢などをみんなに見てもらおうという気持ちで(合宿)に臨みました」と試合前に語っていた。

世紀の一戦で見せた渾身(こんしん)のファイト、残した数々の伝説は、キックボクサーの道しるべになる。

▽1R 那須川が左ストレート。武尊は右のミドルキックを返す。互いに距離をとりながらの探り合い。武尊が出てくるところに合わせ、那須川が左フック。さらに那須川は右ニーキックからのワンツーで主導権握る。終了間際那須川の左がヒットし武尊がダウン。(那須川―武尊 10―8、10―8、10―8、10―8、10―8)

▽2R 武尊が距離を詰めようと前に出る。右のミドルキックから突破口を図るが那須川にうまくかわされる。武尊の頭が那須川の右目上に激突し、ドクターチェックが入って残り約2分で試合が中断。再開後、武尊の右カウンターが那須川をとらえる。残り約1分、武尊が那須川を投げ飛ばして再び試合が中断。武尊には口頭で注意が与えられる。(那須川―武尊 10―10、10―10、10―10、10―10、9―10)

▽3R 武尊が出てくるところ、那須川が左カウンター。さらに的確なジャブを浴びた武尊はあせりか、大振りが目立つ。激しい打ち合いで、武尊が「こいよ」とばかりノーガードで挑発。ラスト30秒で魂の打ち合い。終了のゴングが鳴り、お互い抱き合って健闘をたたえる。判定は5―0で那須川の手が上がった。(那須川―武尊 9―10、10―10、10―10、10―9、10―10)

◆那須川天心(なすかわ・てんしん)1998年(平10)8月18日、千葉県生まれ。5歳で極真空手を始め、小5でジュニア世界大会優勝。その後キックボクシングに転向し、14年7月にプロデビュー。15年5月にプロ6戦目で史上最年少16歳でRISEバンタム級王座に輝いた。16年12月にRIZIN初参戦。18年6月には階級を上げ、初代RISE世界フェザー級王者に。プロ通算成績は46戦46勝(31KO)。20年6月から始めたユーチューブの登録者数は89・2万人。165センチ。

◆THE MATCH 2022 格闘技イベントRIZINを運営するドリームファクトリー・ワールドワイドの榊原信行代表が音頭を取り、キックボクシング主要団体となるRISE、K-1が全面協力。東京ドームを会場に那須川天心-武尊戦の注目対決メインに決めた。その後、選手の要望を受けながら2団体を中心としたファイターたちで全15試合がマッチメークされた。当初はフジテレビが地上波で中継する予定だったが、総合的な判断から取りやめとなり、ABEMAのPPVライブ配信された。

1回、那須川天(右)は武尊の顔面にパンチを入れる(撮影・菅敏)
1回、武尊(左)にひざ蹴りを入れる那須川天(撮影・菅敏)
判定で武尊(左)を破り、雄たけびを上げる那須川天(撮影・菅敏)
2回、武尊(左)にひざ蹴りを入れる那須川天(撮影・菅敏)
試合前、菅田将暉(左)から花束を受け取る那須川天心(撮影・菅敏)
ワンオクTAKA(右)から花束を受け取る武尊(撮影・菅敏)
那須川(右)は判定で武尊を破る(撮影・足立雅史)
【イラスト】那須川天心のプロ全成績
【イラスト】武尊のプロ全成績
3回を戦い終え、武尊(右)と抱き合う那須川天(撮影・菅敏)
判定で武尊(左)に勝利し、深々と頭を下げる那須川天(撮影・菅敏)
判定勝ちした那須川天はトロフィーを掲げる。左から2人目は武尊(撮影・菅敏)
武尊(左から2人目)と3回を戦いを終え、ガッツポーズを見せる那須川天(撮影・菅敏)
判定勝ちした那須川天(左)は魔裟斗に祝福される(撮影・菅敏)

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武尊、那須川天心に敗れ悔し涙“垣根”越えた世紀の一戦も10年ぶり黒星 THE MATCH

判定勝ちした那須川天(右)は雄たけびを上げる。左は武尊(撮影・菅敏)

<キックボクシング:THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者の武尊(30)が頂上対決で約10年ぶりの黒星を喫した。

RISEフェザー級王者那須川天心(23)との58キロ契約体重3分3回(延長1回)に臨んだものの、1回に左カウンターでダウンを喫し、0-5の判定負け。15年11月、那須川による対戦直訴から所属団体の「垣根」などで実現していなかった待望のファイトだったが、12年6月以来の黒星で悔し涙を流した。

   ◇   ◇   ◇

1回残り10秒、武尊が一瞬の隙を突かれた。左カウンターをあごに被弾し、ダウンを喫した。2回以降、重圧をかけながら右ストレートを狙ったが、那須川に回避されて追い詰めきれなかった。判定負け後、目には悔し涙があふれた。リングから降りた後も涙が止まらない。最後は深々と一礼し、控室に戻っていった。

会見した武尊は「この試合を本当に実現できたことと、実現してくれた人たち、支えてくれた人たち、対戦相手の天心選手に心から感謝しています。僕を信じてついてきてくれたファン、K-1ファイター、ジムの人たち。そういう人たちには心から申し訳ないと思っています」と悔しさをにじませた。

昨年12月、対戦発表会見で「(那須川の)存在をうらんだ時期もあった」と吐露した。史上初となるK-1の3階級制覇を成し遂げた一方で、ライバル那須川との対戦は団体間の垣根が障害となって実現まで時間を要した。SNSで「那須川の方が強い」「(対戦を)避けている」などと誹謗(ひぼう)中傷めいた批判も発奮材料に変えて那須川戦に臨んだ。「試合は命の取り合い。負けたら死と一緒。後のことは考えていない」と退路を断ち、キック引退もにおわせていただけに今後が注目される。

◆武尊(たける)1991年(平3)7月29日、鳥取県生まれ。小2で空手を始める。11年9月にプロデビューを果たすと、15年4月に初代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント、16年11月に初代K-1フェザー級王座決定トーナメント、18年3月に第4代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントで優勝し、史上初の3階級制覇を達成。プロ通算成績は41戦40勝1敗(24KO)。鳥取県米子市首都圏観光大使、とっとりふるさと大使。20年3月に始めたユーチューブの登録者数は23.3万人。168センチ。

◆THE MATCH 2022 格闘技イベントRIZINを運営するドリームファクトリー・ワールドワイドの榊原信行代表が音頭を取り、キックボクシング主要団体となるRISE、K-1が全面協力。東京ドームを会場に那須川天心-武尊戦の注目対決メインに決めた。その後、選手の要望を受けながら2団体を中心としたファイターたちで全15試合がマッチメークされた。当初はフジテレビが地上波で中継する予定だったが、総合的な判断から取りやめとなり、ABEMAのPPVライブ配信された。

1回、那須川天(右)は武尊からダウンを奪う(撮影・菅敏)
【イラスト】武尊のプロ全成績
【イラスト】那須川天心のプロ全成績
1回、那須川天心(右)の左を顔面に食らう武尊(撮影・菅敏)
那須川(右)は判定で武尊を破る(撮影・足立雅史)
スピーチする那須川天心(C)THE MATCH 2022
パンチを放つ那須川天心(C)THE MATCH 2022
THE MATCH 2022 会場を盛り上げるラウンドガールK-1ガールズの小湊美月(左)(撮影・菅敏)
会場を盛り上げるラウンドガールライズフォースの宮原華音(撮影・菅敏)
THE MATCH 2022 会場を盛り上げるラウンドガールRIZINガールの東海林里咲(撮影・菅敏)

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シュートボクシング“最高傑作”海人判定勝ち「次は世界に行きます」2階級王者野杁正明に3-0

海人(右)は判定で野杁を破る(撮影・足立雅史)

<キックボクシング・THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

「シュートボクシング」(SB)の“最高傑作”と呼ばれる海人(24=TEAM F.O.D)が、K-1の2階級制覇王者で現K-1ウエルター級王者の野杁正明(29=K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)に、判定勝ちを収めた。

1回残り30秒に左ハイキックを浴びて一瞬後退したが、2回には的確なパンチを顔面に決めた。お互い一歩も引かない打ち合いを展開し、3回を終えて3人のジャッジの採点は30対30と差がつかず、1回の延長戦に突入。その延長戦の残り30秒から的確なクリーンヒットを決めた海人が、3-0の判定で決着をつけた。

第2代SB日本スーパーライト級王者。会見では相手を挑発することもなく、SNSなどを使って自身を積極的にアピールする格闘家が多い中、自身は格闘技に専念するために、必要最低限しか更新しない。戦いの根底にあるのは、シュートボクシングに注目を集めたという思い。K-1の2階級制覇王者野杁を撃破したことで、実力を証明するとともに、シュートボクシングの地位の向上にも貢献した。

試合後はリング上から「これで日本には相手がいなくなりました。次は世界に行きます。世界一になります」と、超満員で埋まった東京ドームの観客に宣言した。

延長戦で野杁正明(左)にひざ蹴りを見舞う海人(撮影・菅敏)
2回、野杁(左)の顔面にパンチを入れる海人(撮影・菅敏)
3回、野杁(左)の顔面にパンチを入れる海人(撮影・菅敏)
2回、野杁(左)の顔面にパンチを入れる海人(撮影・菅敏)

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原口健飛「これからもあこがれ続けます」前K1王者山崎秀晃を2回KO撃破 THE MATCH

1回、山崎(左)の顔面にパンチを見舞う原口(撮影・菅敏)

<キックボクシング:THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

前RISEライト級王者原口健飛(24)があこがれの前K-1王者を倒した。

前スーパーライト級王者山崎秀晃(35)との65キロ契約体重3分3回(延長1回)に臨み、2回33秒、KO勝利。1回に2度ダウンを奪った後、2回にラッシュをかけてレフェリーストップに追い込んだ。

原口は「試合は終わりました。これからも山崎秀晃という男をあこがれ続けます。本当に戦ってくれたありがとうございました。ボクはRISEの王者。ザ・マッチは特別な試合ですが、RISEを背負って、日本をもっと盛り上げていきます」と力強く宣言した。

1回、山崎(手前)からダウンを奪う原口(撮影・菅敏)
2回、山崎(左)の顔面にパンチをヒットさせる原口(撮影・菅敏)
山崎(右から2人目)に勝利し、ガッツポーズを見せる原口(撮影・菅敏)
山崎に勝利し、トロフィーを手に記念写真に納まる原口(撮影・菅敏)

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天心VS武尊に観客5万6339人! 89年アントニオ猪木の異種格闘技戦超えた THE MATCH

オープニングセレモニーに登場し、リングに上がり握手をする那須川天心(右)と武尊(撮影・菅敏)

<キックボクシング・THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

この日の観客動員数は5万6339人だった。第13試合の前に発表された。

◎東京ドーム開催の格闘技興行

▼88年3月、東京ドーム初興行。格闘技初となるボクシング興行マイク・タイソン-トニー・ダッブス戦が行われる。

▼89年4月、プロレス初進出となるアントニオ猪木の異種格闘技戦が開催。5万3800人を動員。

▼97年10月、総合格闘技初進出となるPRIDE1が開催。4万7000人を動員。

▼97年11月、キックボクシング初進出となる旧K-1の97年グランプリ決勝戦が開催。5万4500人を動員。

▼98年4月、アントニオ猪木の引退興行が開催。プロレスの歴代最多となる7万人を動員。

▼02年12月、旧K-1が02年グランプリ決勝戦を開催。東京ドーム格闘技の歴代最多となる7万4500人を動員。

多くの観客で埋まった東京ドーム(撮影・足立雅史)
THE MATCH 2022 会場を盛り上げるラウンドガールRIZINガールの東海林里咲(撮影・菅敏)

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前K1王者「ムエタイ大魔神」ゴンナパー1回KO勝ち「キックの王子様」白鳥大珠のアゴ打ち抜く

1回、白鳥(下)にパンチを決め、KO勝ちをするウィラサクレック(撮影・菅敏)

<キックボクシング:THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

前K-1王者ライト級王者の「ムエタイ大魔神」ゴンナパー・ウィラサクレック(29=タイ)がRISEの誇る「キックの王子様」白鳥大珠(26)を1回KO撃破した。ロープ際に追い込み、左ストレートからカウンターの右フックで白鳥アゴを打ち抜き、ダウンを奪取。1回2分47秒、KO勝利を挙げた。

母国で100戦以上のキャリアを積み、10年から日本で活躍。ライト級の日本人トップを次々と撃破し、日本人キラーと呼ばれた。20年12月にはK-1ライト級王者林健太を下すなど、K-1トップファイターとしての実力を証明してきた。リング上で笑顔をみせたゴンナパーは「この興行に参加でき、美しい勝利ができてうれしい。とても誇りに思っている」と胸を張っていた。

1回、白鳥(手前)にKOのパンチを決めるウィラサクレック(撮影・菅敏)
1回、白鳥(右)にパンチを決め、KO勝ちをするウィラサクレック(撮影・菅敏)
1回、白鳥(右)にパンチを見舞うウィラサクレック(撮影・菅敏)

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那須川天心、武尊ともに当日計量クリア 最後の“関門”越え頂上対決の開催正式決定

オープニングセレモニーに登場し、リングに上がり握手をする那須川天心(右)と武尊(撮影・菅敏)

<キックボクシング:THE MATCH 2022>◇19日◇東京ドーム

那須川天心VS武尊戦の注目ファイト実現へ、両者ともに最後の“関門”をクリアした。

メインイベントの58キロ契約体重3分3回(延長1回)で対戦するK-1スーパーフェザー王者武尊(30)、RISE世界フェザー級王者那須川天心(23)が当日計量に臨んだ。

ルールでは契約ウエートよりも4キロ増の62キロまでが制限。先に体重計に乗った那須川は61・95キロ、武尊は61・75キロでそれぞれパスした。これを受け、キックボクシング界の頂上対決の開催が正式決定した。

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那須川天心の弟・龍心プロ2戦目で初黒星、兄見守るも決め手なく…大久保琉唯に無念の判定負け

2回、大久保(左)のひざ蹴りを食らう那須川龍(撮影・菅敏)

<キックボクシング:THE MATCH2022>◇19日◇東京ドーム

那須川天心の弟、龍心(16=TEAM TEPPEN)は大久保琉唯(17=K-1ジム・ウルフTEAM ASTER)に判定で敗れ、プロ2戦目で初黒星を喫した。

2回2分に大久保のまわし蹴りでキャンバスに両手をついたが、スリップダウンの判定。その後も積極的に攻め、兄の天心もリングサイドから支えたが決め手がなく惜敗した。

◆大久保 東京ドームの大舞台に出られ、努力が報われてよかった。だけど正直、まったくいいところが出せなかった。入場した時の歓声が味わったことのない感覚ですごいなと思った。相手は元々、那須川天心選手の弟ということで、強いのはわかっていたが、カウンターの取り合いでなかなか入れなかったりとか、上手だった。今後はK-1のチャンピオンになりたい。

◆那須川龍 アップの時から調子はよかったし、勝ちたかった。すごく悔しい。相手は強いと思っていたので、予想通りでした。(東京ドームは)スクリーンに自分の名前が移って盛り上がってくれたのがうれしかった。この負けを最後にして、次からもっと強くなった姿を見せられれば。やりたいこともできないで終わる試合をしたくない。(天心)最後だし、KOしてほしい。どんな形でも勝ってほしいです。

2回、大久保(左)を攻める那須川龍(撮影・菅敏)
判定で大久保(左)に敗れ、肩を落とす那須川龍(撮影・菅敏)

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スリーノックダウン制 延長1回で引き分けなし 体重58.0キロ/天心武尊戦ルールあれこれ

にらみ合う那須川天心(左)と武尊(2022年6月18日撮影)

きょう開催の立ち技格闘技イベント「THE MATCH2022」のメインイベントで、RISE世界フェザー級王者那須川天心(23)とK-1スーパーフェザー級王者武尊(30)が激突する。所属団体やルールの違い、スポンサー問題などを乗り越え、8年越しに実現したビッグマッチ。当然ながら、この試合には特別ルールが採用されている。改めて同試合のルールを確認する。

▼試合ルール:特別キックボクシングルール(3分3回延長1回、スリーノックダウン制のジャッジ5人制)

・各ラウンド10点法で採点し、5人中3人以上が優勢と判定した選手を判定勝ちとする。延長ラウンドの採点は、延長ラウンドのみの内容で、各ジャッジが必ず優劣をつけるマスト評価を行う。

・つかみは攻撃が伴う瞬間的なもののみ有効。相手選手の蹴りをつかんだ際は瞬間的にキック、ひざ攻撃、パンチのいずれか1発のみ、相手選手の頭部をつかんだ際は瞬間的にひざ打撃が1発のみ有効となる。

試合決定当初、那須川は「KO宣言」、武尊は「延長無制限ルール」を提案していたが、延長1回で引き分けなしの完全決着ルールとなった。RISEルールでのみ許されているワンキャッチワンアタックが採用された。

▼体重:契約体重58.0キロ。当日計量(3時間前)62.0キロ

那須川はRISEバンタム級=55キロ、武尊はK-1のスーパーフェザー級=60キロを適正としており、その中間をとった形だ。那須川の通常体重が約62キロで、武尊が約65キロ。当日計量の制限があるため、武尊は通常よりも戻しの幅が小さくなるだろう。

▼グローブ:ウイニング製の6オンス

RISEは60キロ未満は6オンスを、K-1は55キロ以上から8オンスを使用する。今回は、那須川は通常通りだが、武尊はワンサイズ小さい6オンスとなる。拳の衝撃はよりダイレクトになり、KO決着の可能性は高くなる。

▼リング:6.5メートル四方

RISE、K-1ともに同サイズを使用している。

那須川天心(左)と武尊(2022年6月18日撮影)

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武尊は“最強” 所属ジム代表、天才・那須川相手でも「男と男の勝負で負けるはずがない」

にらみ合う那須川天心(左)と武尊(2022年6月18日撮影)

K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者・武尊(30)が19日、東京ドームで開催される立ち技格闘技イベント「ザ・マッチ2022」で、RISE世界フェザー級王者・那須川天心(23)との最強マッチに臨む。ここまで41戦40勝1敗(24KO)と、圧倒的な実績の持ち主。所属する「K-1ジム相模大野KREST」の渡辺雅和代表(38)は、その強さは心にあるとした。

死ぬか大成功するかのどちらか-。2010年の春だった。18歳でジムに入門してきた武尊を見て、渡辺代表はそう思った。「怖いもの知らずで(練習では)よく倒されていました。だけど、やられてもやられても向かっていく。当時から技術はありましたが、一番強かったのは心です」。

武尊はテレビで見たK-1に憧れ小2で空手を開始。高校でキックに転向し、さまざまなアマチュア大会で経験を積んだ。ジムでは最も小柄だったが、スパーリングでは一回り以上大きな相手にも向かっていった。体を壊して選手生命を棒に振るのではないか、そうでなければ大成功する。同代表は無限の可能性を感じた。

直感は正しかった。11年にプロデビューを果たすと、15年にスーパー・バンタム級、16年にフェザー級、18年にスーパー・フェザー級王座の決定トーナメントを制し、史上初の3階級制覇を達成。ここまで41戦40勝1敗(24KO)の圧倒的な成績を残してきた。

那須川が天才なら、武尊は最強という。「那須川選手はセンスの塊ですし、うまい選手だと思います。だけど武尊は強い」と渡辺代表。アグレッシブに攻め続けるスタイルで「ナチュラル・ボーン・クラッシャー」の異名を持つ。生まれ持った心の強さで「戦闘民族。戦うために生まれてきた男」と表現する。

それを象徴するのが、17年4月のビクトー・サラビア戦。急所への反則攻撃を受け、試合は中断した。嘔吐(おうと)やけいれんを起こす中、武尊は「これが殺し合いなら負けている。試合中断はお客さんには無駄な時間」と意地で立ち上がり、逆に左フックでKOを奪っている。

テクニックでも負けていない。渡辺代表は「武尊の試合は打ち合いに持っていくので、雑なイメージがあるかもしれないけど(相手の攻撃を)もらってないんです」。勝利のために作戦を立て、得意技を封じるよう立ち回る選手が多い中、「(武尊は)相手のいいところも全部引き出して戦う」。心技体、全てで上回る。完膚なきまでたたきのめす。それが最大の魅力だ。

当日のグローブは普段の8オンスよりも小さい6オンス。拳の衝撃はよりダイレクトになり、KO決着の可能性は高い。さらに58キロ契約体重で試合日は62キロまでと通常より戻しの幅も小さい。過去にはない試みだが「倒せばいいんですよね?」と武尊はいたってシンプルだという。渡辺代表は「武尊は大丈夫。絶対に勝ちます。じゃんけんは負けるかもしれないけど、男と男の勝負で負けるはずがない」。同じ階級に強いやつがいるのが許せない。武尊のその思いとともに歩んできた12年間。最強は1人で十分だ。【勝部晃多】

◆武尊(たける)1991年(平3)7月29日、鳥取県生まれ。小2で空手を始める。11年9月にプロデビューを果たすと、15年4月に初代K-1スーパー・バンタム級王座決定トーナメント、16年11月に初代K-1フェザー級王座決定トーナメント、18年3月に第4代K-1スーパー・フェザー級王座決定トーナメントで優勝し、史上初の3階級制覇を達成。プロ通算成績は41戦40勝1敗(24KO)。鳥取県米子市首都圏観光大使、とっとりふるさと大使。20年3月に始めたユーチューブの登録者数は23.3万人。168センチ。

◆渡辺雅和(わたなべ・まさかず)1983年(昭58)9月25日、山口県岩国市生まれ。高校まではバスケ一筋。18歳の時にテレビで見たK-1に影響を受け、上京してキックボクシングを始める。03年にプロデビュー。12年に現役を引退し、バーの店長として働きながらトレーナーとして活動。16年にK-1 GYM SAGAMI-ONO KRESTを開いて独立した。

17年、サラビア戦でハプニングにもかかわらずKO勝ちし笑顔の武尊

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15年那須川天心が客席から対戦直訴 18年武尊「必ず実現させたい」/対戦実現までの経緯

那須川天心(左)と武尊(2022年6月18日撮影)

RISE世界フェザー級王者・那須川天心(23)が19日、東京ドームで開催される立ち技格闘技のビッグイベント「THE MATCH 2022」で、K-1の3階級制覇王者で現スーパーフェザー級王者・武尊(30)と対戦する。15年11月に那須川が武尊に呼びかけたことで始まった2人の対決待望論は、所属団体の違いやスポンサー問題、ケガによる延期など大きなハードルを乗り越え、今年に中立のリングで実を結ぶこととなった。

<実現までの経緯> 

▼15年11月 武尊のK-1の試合を観戦していた那須川が、客席から花道に歩み寄り対戦を直訴。

▼17年12月 那須川がRIZINの試合後のマイクで「皆さん誰と見たいですか?」と問いかけ、ファンが「武尊」と返答。「この歓声が答え」と再び対戦を要求。

▼18年6月 週刊新潮が、K-1が前述の行動を他団体の興行に対する不当な介入にあたるなどとし、RIZIN運営会社などを民事訴訟で訴えていると報道。

▼同年12月 試合に勝利した武尊が「時期はわからないが必ず実現させたい」と間接的に表明。

▼19年9月 那須川が試合後のマイクで「僕は逃げも隠れもしない」と呼びかけた。

▼20年大みそか 武尊が5年ぶりにRIZINに姿を現し、那須川戦を観戦。

▼21年3月 那須川が武尊のK-1の試合を観戦。武尊が「最高の舞台で試合をしたい」と呼びかけ。

▼同年6月、東京ドームで対戦予定も、武尊の右拳の負傷により延期。

▼同年12月24日、22年6月に中立のリングでの試合実施を発表。

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那須川天心-武尊戦2人の思いかなわず地上波生中継見送り ABEMA PPVで独占完全生中継

にらみ合う那須川天心(左)と武尊(2022年6月18日撮影)

きょう東京ドームで開催される、RISE王者那須川天心(23)-K-1王者武尊(30)戦をメインに組んだ立ち技格闘技のビッグイベント「THE MATCH 2022」は、ABEMA PPV(ペイ・パー・ビュー)で独占完全生中継される。

同大会は当初、フジテレビでの地上波放送も併せて予定されていた。だが、大会3週間前の5月31日に急きょ見送りが決定。フジテレビは公式ホームページなどで「主催者側との契約に至らず、フジテレビで放送しないことが決まりました」と公表した。

これを受けた同大会製作委員を務める榊原信行氏(58)らは、即日記者会見を実施。「いくつかの要因が考えられるが、何が最終的な原因か明確ではない」と前置きをした上で、5月9日に、榊原氏に金銭トラブルがあったとする一部週刊誌報道を原因のひとつとして挙げた。「経済的な条件で折り合わなかったわけではない」と強調。「断られても諦めきれない。やってくれると信じている」と訴えていた。

メインを戦う2人も即座に反応を示した。那須川は「もし地上波でやらないのであれば俺はもうやめてもいいと思ってる」、武尊は「1人でも多くの人に夢や希望を与えたい」などと、自身のSNSに書き込み。地上波放送中止の撤回を懇願した。

後日、TOKYO MX1での特番の放送が決まったが、最後までフジが下した生中継見送りの決定は覆らなかった。

一方で、当初から放送を予定していたABEMAは「配信における基準や法令・ルールの順守を徹底し、本件の放送にあたっても、その確認において問題ないと判断」した、と一貫した姿勢を貫いた。PPVチケットは、5500円(ABEMAプレミアム4400円)の「一般チケット」と7700円(ABEMAプレミアム6160円)の「那須川天心応援チケット」「武尊応援チケット」の3種を発売している。

総合格闘技のRIZINは14日、会員サービス「RIZIN STREAM PASS」の開始を発表。今秋から冬頃に行われる本格オープン後は、月額会費を払うことで、ライブ配信が見放題になるとのことだ。

格闘技界が、地上波と別々の道を歩む日も近いのかもしれない。

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