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【ボクシング】元女子世界5階級制覇王者の藤岡奈穂子が引退「卒業、やりきりました」

現役引退を表明した元女子世界5階級制覇王者・藤岡奈穂子

プロボクシング元女子世界5階級制覇王者・藤岡奈穂子(47=竹原慎二&畑山隆則)が29日、現役引退を表明した。

同日、東京・大田区の所属ジムで竹原慎二会長、柴田貴之マネジャーとともに会見し「引退ということでしが、卒業ではないかなと。やり切りました」と引退する意思を口にした。昨年4月、米サンアントニオでマーレン・エスパーザ(米国)とのWBA、WBC世界ミニマム級王座統一戦に臨み判定負けしたのがラストマッチだった。

藤岡は「負けたら引退と決めていましたが、試合後に(米プロモート大手)ゴールデンボーイ・プロモーションの副社長から『もう1度、呼ぶ』と言われて揺れる自分がいて(1度は)再起を選びました」と昨年7月から約3カ月ほど米国でトレーニングを積んでいた。しかし条件面などで試合成立までいかず「自分の中で期限を決め、1年間やって何もなければ引き際かなと。やることはやったと思います」と引退を決意する経緯を説明した。

今後については何も決めていないものの、故郷の宮城・大崎市への恩返しや後進の指導に興味を持っているという。現時点で地元に戻る予定はなく「2拠点でも3拠点でも必要と言われればいきたい」と意欲満々。所属ジムの竹原会長は「よく今まで頑張ってくれた。ジムでは女子選手ながら見習う点も多く、男子選手の見本にもなり、リーダーシップをとってくれた。頑張り屋さんで自分から率先してやるタイプだった。2年前に政治家になったらと勧めましたが本人にその気はないみたいです」と秘話も明かした。

ソフトボールの実業団に所属していた藤岡は09年6月にプロデビュー。11月3月の東日本大震災で世界初挑戦が延期となって故郷も被災しながらも同5月、WBC女子世界ミニマム級王座を獲得し、故郷を勇気づけた。13年にWBA女子世界スーパーフライ級王者山口直子に勝利し2階級制覇に成功。15年にはWBO女子世界バンタム級王座を決定戦で奪取して3階級制覇、17年にはWBA女子世界フライ級王座を決定戦で制して4階級制覇、そして同年12月、WBO世界ライトフライ級王座を決定戦で勝ち取り、男女通じて日本初の5階級制覇を成し遂げていた。

引退会見に出席した元女子世界5階級制覇王者藤岡奈穂子(中央)。右端は所属ジム竹原慎二会長、左端は柴田貴之マネジャー

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3団体統一王者スペンスJr.とWBO王者クロフォードが4団体統一戦 7・29ラスベガス決戦

7月29日にウエルター級4団体統一戦で激突することが決まったWBAスーパー、WBC、IBF同級王者エロール・スペンスJr.(左)とWBO同級王者テレンス・クロフォード(ショータイム公式インスタグラムから)

プロボクシングの人気スター同士による4団体王座統一戦が決まった。WBAスーパー、WBC、IBF世界ウエルター級王者のエロール・スペンスJr.(33)が7月29日(日本時間30日)に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイルアリーナでWBO世界同級王者のテレンス・クロフォード(35=ともに米国)と4団体王座統一戦に臨むと25日(同26日)、発表された。

創刊100年を誇る米老舗専門誌ザ・リングによる階級を超越した最強ランキング、パウンド・フォー・パウンドで4位のスペンスJr.と、3位のクロフォードという実力派王者同士の対決となる。

数カ月にわたって両者による4団体王座統一戦交渉が続いていたが、ついに決定した形。クロフォードが自身のSNSで「待つ時間は終わった・7月29日、ラスベガス。手に入れましょう」と4本のベルト総取りに意欲をみせれば、スペンスJr.は「ついにファンが望むものを提供する。一方的に悲鳴を上げさせる可能性がある。今世紀最大の戦いの1つだ!」と同じく自身のSNSで心境をつづった。

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【ボクシング】アキレス腱断裂の矢吹正道が退院、松葉づえついて歩く 復帰までは4~5カ月

左アキレス腱(けん)断裂の手術から退院した元世界王者の矢吹(本人提供)

ボクシングの元WBC世界ライトフライ級王者矢吹正道(30=緑)が26日、断裂した左アキレス腱(けん)の手術を終えて名古屋市内の病院を退院した。

矢吹は18日に名古屋市内のジムでスパーリング中に負傷。25日に手術を行った。復帰までには4~5カ月かかる見込みという。

矢吹は1月にIBF世界ライトフライ級次期挑戦者決定戦に勝利し、同ランク2位まで上げていた。次戦は8月に世界ランカーのエステバン・ベルムデス(メキシコ)戦が決まっていたが、延期となった。

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世界2階級制覇王者中谷潤人「一番やりたいのはエストラーダ。メキシコでも行きます」統一戦希望

米国から帰国した中谷。左は弟龍人マネジャー、右は所属ジム村野健会長

プロボクシングWBO世界スーパーフライ級新王者の中谷潤人(25=M・T)が25日、帰国した。20日(日本時間21日)、米ラスベガスのMGMグランド・ガーデンアリーナで元世界王者アンドルー・モロニー(オーストラリア)との同級王座決定戦に臨み、12回KO勝ち。2回、11回とダウンを奪った後、最終12回にオーバーハンド気味の強烈な左フックでモロニーをキャンバスに沈める完勝劇で2階級制覇した中谷は「すごく大きな舞台で良い形で勝てて今はほっとしている」と笑顔を浮かべた。

所属ジムの村野健会長によると初防衛戦は秋頃を予定。指名試合も想定されるだけに対戦相手は流動的だが、強烈フィニッシュ劇を受けて米メディアでは早くも同階級最強と言われるWBC世界同級王者のフアン・フランシスコ・エストラーダ(33=メキシコ)との統一戦を期待する声が出ている。6月24日に元世界4階級制覇王者の井岡一翔(34=志成)の挑戦を受けるWBA同級王者ジョシュア・フランコ(27=米国)、IBF世界同級王者フェルナンド・マルチネス(31=アルゼンチン)らもいるが、中谷は「エストラーダ選手が一番やりたい。(敵地)メキシコでも全然、行きます」と口にした。

試合後、2日間滞在したラスベガスで観光を楽しみ、シルク・ドゥ・ソレイユの名作で水の世界を表現したミュージカル「O(オー)」を鑑賞した。また試合2日後にはモロニーともホテルで会い「良い未来を築いてください」とエールも送られたという。試合で負傷した左眉間のカットは5針ほど縫っているものの「(心身を)回復させて夏に向けて頑張れる体とメンタルをつくっていきたい。(海外で)名前を覚えてもらい、楽しみな1人と思ってもらえたのは良かった」と納得の表情。ボクシングの「聖地」で鮮やかなKO勝利で王座奪取できた収穫を口にしていた。

WBO世界スーパーフライ級王座を獲得した米国から帰国した中谷潤人
WBO世界スーパーフライ級王座ベルトを肩にかけてガッツポーズする中谷潤人

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東洋太平洋王者力石政法の世界前哨戦、相手はWBC25位ヌニョス「世界にいけるという試合を」

6・10興行の会見に臨んだ左から力石、亀田興毅ファウンダー、政所、ミツロ

ボクシングの「3150FIGHT」を主宰する亀田興毅ファウンダー(36)が25日、東京都内で6月10日「SURVIVAL」興行(エディオンアリーナ大阪第2)の対戦カードについて会見した。

「vol.6」のメインはWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級、東洋太平洋同級王者の力石政法(28=緑)が務める。世界前哨戦とされる一戦の相手は未定だったが、WBC同級25位リカルド・ヌニョス(パナマ)との対戦が発表された。

力石は前日24日までフィリピンのセブ島でスパーリング合宿を行った。

「(相手は)強い選手。層の厚い階級で、力石なら世界にいけるという試合を見せたい」。興毅氏も「(力石が)世界をとれるかはまだ未知数。いけるという判断をこの試合でしたい」

世界挑戦に向けた一戦と完全に位置づけた。

興毅氏は今後の興行について「1カ月に1回のペースで」と明言した。「SURVIVAL」に加え、世界戦を織り込んだ本興行を行っていく。

メインは来年1月に開催予定で、そこに力石の世界戦を組み込みたい考えだ。力石は「アジアの王者は飾りでしかない。世界をとりたい。自信しかないです」。興毅氏は「楽しみです」。人生をかけた大一番になるのは間違いない。【実藤健一】

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力石政法セブ島合宿から帰国「メンタル面で成長できた」次戦は6・10に世界前哨戦

フィリピン合宿を行ったボクシング力石(右)(本人提供)

ボクシングのWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級、東洋太平洋同級王者力石政法(28=緑)が24日、スパーリング合宿を行ったフィリピン・セブ島から成田空港に帰国した。

力石の次戦は6月10日にエディオンアリーナ大阪第2競技場で行われる「3150FIGHT SURVIVAL」に組まれた。世界前哨戦となる契約134ポンド(約60・7キロ)10回戦。世界ランカーを予定するが、対戦相手は未定だ。まだ見えない相手の前に自らを磨くべく、計画したセブ島合宿だった。

約30ラウンドのスパーリングをこなしたという力石は「メンタル面で成長できました」。練習パートナーやトレーナーも付けず、単身で乗り込んだ。食事も自炊でまかない、練習だけに没頭した。

「フィリピンの選手はファイターでゴリゴリにくる。その相手に案外いけたかなと思います。ピリピリ感もなく、いい調整ができました」

兄の元WBC世界ライトフライ級王者・矢吹正道(30=緑)が、左アキレス腱(けん)断裂で8月に予定していた世界前哨戦の計画がなくなった。フィリピン滞在中に情報を得た力石は「びっくりしました」。兄の無念も背負い、兄弟世界王座奪取に向けて歩みを進める。【実藤健一】

フィリピン合宿を行ったボクシング力石(左)(本人提供)
フィリピン合宿を行ったボクシング力石(左)(本人提供)
フィリピン合宿を行ったボクシング力石(左から4人目)(本人提供)

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アマ13冠堤駿斗に元世界王者3人から激励 31日に国内最速プロ3戦目で東洋太平洋王座狙う

国内最速となるプロ3戦目での東洋太平洋王座挑戦を控え、公開練習したアマ13冠ボクサー堤駿斗

アマ13冠でプロボクシング東洋太平洋フェザー級3位の堤駿斗(23=志成)が元世界王者3人から激励された。

31日に東京・後楽園ホールで同級4位のジョー・サンティシマ(26=フィリピン)との同級王座決定戦を控え、24日に東京・目黒区の所属ジムで練習を公開。シャドーボクシング、ミット打ち、サンドバッグ打ちなどで軽快な動きをみせた。

堤がスポンサー契約を結んだABEMAのユーチューブ企画で元WBC世界スーパーフライ級王者・川島郭志氏(53)、元世界2階級制覇王者・畑山隆則氏(47)、元WBA世界ミドル級王者・竹原慎二氏(51)の見守る中での公開練習だった。元世界王者3人の熱視線に、堤は「緊張しますよね」と苦笑しながら練習メニューを消化した。

堤にとってサンティシマ戦は国内最速となるプロ3戦目での東洋太平洋王座獲得という日本記録がかかる。川島氏が「すごく動きは速いし、無駄がない。勝つだけでなく、あとは勝ち方。お客さんが納得してくれる試合をしてほしい」と言えば、畑山氏は「彼は“ネクストモンスター”の最右翼。ぜひともKOで倒してほしいし、倒し方を覚えてほしい」と期待。最後に竹原氏も「彼は完封できるボクサー。あとはファンにみせるボクサーに変わるかみたい。倒しにいくボクシングすればKOで勝てると思う」と激励した。

元世界王者3人から「みせる」「KO」のキーワードで勝利とともに試合内容にもゲキが飛んだ堤は「そこも意識して試合で乗り越えて合格点だと。倒して勝てれば100点。完封したら合格点。それを目指して1回1回大切にして勝ちたい」と気持ちを引き締めていた。

畑山隆則氏(左端)、川島郭志氏(同3番目)、竹原慎二氏(右端)の元世界王者3人から激励を受けたアマ13冠ボクサー堤駿斗
佐々木修平トレナー(右)とミット打ちに臨んだアマ13冠ボクサー堤駿斗

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元世界王者比嘉大吾、6・24世界ランカー対決 “世界前哨戦”で約2年半ぶりのKO勝ちへ気合

6・24後楽園でWBA世界スーパーフライ級3位シリチャイ・タイイイェンとのバンタム級10回戦に臨む元WBC世界フライ級王者比嘉大吾

プロボクシング元WBC世界フライ級王者で現WBA世界バンタム級12位の比嘉大吾(27=志成)が、6月24日に東京・後楽園ホールでWBA世界スーパーフライ級3位シリチャイ・タイイイェン(32=タイ)とバンタム級10回戦に臨むと23日、発表された。昨年11月、ソンセン・ポーヤム(タイ)との同級10回戦で判定勝ちして以来、約7カ月ぶりのリングで、世界ランカー対決を迎える。

同日、東京・目黒区の所属ジムで記者会見に臨んだ比嘉は「年も年なので世界を目指すにはそろそろ(世界ランカーと)やらないといけないと思っていた。組んでもらえてありがたいです」と口元を引き締めた。

シリチャイはヨドモンコン・ポー・センチップのリングネームで13年11月、当時のWBA世界フライ級暫定王者(日本未公認)だった江藤光喜に挑戦し12回TKO勝ちしている。比嘉は、同じ沖縄県出身で白井・具志堅ジム時代の先輩でもある江藤の敵討ちの意識もあり、「先輩が負けているので。そのリベンジも兼ねてKOで倒して勝ちたいです」と口調を強めた。

フライ級時代は日本記録の15連続KO勝ちを誇った比嘉だが、再起戦から2試合続けて判定決着となっている。バンタム級では20年12月のストロング小林佑樹戦以来、約2年半ぶりのKO勝利にも意欲。「見ている側からしたらKOを狙わないと楽しくないでしょうし、周りから見て『つまらない』と言われたらおしまい。倒しにいきたい」とKOへのこだわりをみせた。

15~21日まで千葉で走り込み合宿に取り組み、下半身を強化してきた。シリチャイ戦は“世界前哨戦”の意味合いもあるだけに気合十分。「いつでも世界戦ができる気持ちでやっている。良い勝ち方で次につなげられたら」と気を引き締めた。

同興行では元世界4階級制覇王者の井岡一翔(34=志成)が、WBA世界スーパーフライ級王者ジョシュア・フランコ(米国)に昨年大みそかに続く即再戦で挑戦するカードがメイン。比嘉-シリチャイ戦はセミファイナルとして組まれる。

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中谷潤人が“聖地”ラスベガスで世界2階級制覇 強烈左フックで流血戦制し、会場どよめき

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定戦12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ◇観衆1万4436人

WBO世界スーパーフライ級1位の中谷潤人(25=M・T)が、米ラスベガスで鮮烈なKO劇をみせ、世界2階級制覇に成功した。同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)との王座決定戦に臨み、12回2分42秒にKOで仕留めた。2回、11回、12回と3度ダウンを奪取し、最後は強烈な左フックで相手を失神寸前に追い込んだ。WBOフライ級王座に続く王座獲得で、日本ジム所属17人目の2階級制覇となった。日本人初となる「聖地」で世界王座を獲得し、将来的に王座統一戦を熱望した。

    ◇    ◇    ◇

「聖地」のボクシングファンに強烈なインパクトを残した。2回にアッパー連打、11回にも左ストレートでダウンを奪った中谷が最終12回、印象的なKOシーンを演出した。「ずっと練習してきたパンチでスムーズに出た」という一瞬かがみ、低い体勢からカウンター気味に出した左フックで3度目のダウンを奪取。モロニーを失神寸前でキャンバスに沈めるトドメの一撃となった。

会場の画面にフィニッシュシーンが流れる度にどよめきが起こった。2回に右まぶたなどを切ったモロニーに対し、中谷も偶然のバッティングで左みけん付近をカット。「流血戦」となったが、常に試合を掌握した。「8、9回ぐらいから相手が疲労して覇気がなかった。良い舞台で倒せたので高い点数をあげてもいいかな」と満足げだ。

ラスベガスで日本人選手が防衛した世界戦勝利はあるが、世界王座奪取は初めて。中学卒業後、単身で米修行してきた中谷にとってあこがれの舞台でもある。「良い緊張感で楽しめました。良いパンチを当てると歓声もすごくて気持ち良かった」と達成感いっぱいの表情を浮かべた。

減量苦のため、昨年11月にスーパーフライ級に転向した。WBOから当時の王者井岡一翔(志成)との対戦指令が出されたが、井岡が昨年大みそかにドロー決着となったWBA王者ジョシュア・フランコ(米国)との即再戦を優先させて王座返上。再びWBOから対戦指令を受けた元WBA王者モロニーに中谷は圧勝し、同階級への手応えをつかんだ。

米国では前4団体統一バンタム級王者井上尚弥(大橋)に続く“ネクスト・モンスター”と表現される。「統一戦をやりたい気持ちが強い。世界王者なら誰でも。また強い中谷潤人をみせていきたい」と中谷。同階級には世界的知名度のある選手が多いだけに、フライ級時代に実現できなかった王座統一の野望を掲げた。【藤中栄二】

◆日本人のラスベガス世界戦勝利 WBC世界スーパーバンタム級王者西岡利晃が11年10月、ラファエル・マルケス(メキシコ)に判定勝利したのが初めて。WBO世界バンタム級王者亀田和毅が14年7月、プンルアン・ソーシンユー(タイ)に7回KO勝ち。WBAスーパー、IBF世界同級王者井上尚弥は20年10月にジェーソン・モロニー(オーストラリア)を7回KO、21年6月にマイケル・ダスマリナス(フィリピン)を3回KO撃破し、聖地で2連勝。中谷は4人目で、世界王座獲得は初めて。

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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田中恒成が4階級制覇へTKO勝利で4団体見据える「最後に倒しきれたのはよかった」

世界前哨戦を制しトロフィーを手に笑顔の田中(右)(撮影・実藤健一)

<ボクシング:契約52・6キロ10回戦>◇21日◇名古屋市・瑞穂アリーナ

元世界3階級制覇王者の田中恒成(27=畑中)が、WBC世界スーパーフライ級13位パブロ・カリージョ(34=コロンビア)との世界前哨戦で10回2分43秒TKOで勝利した。

元WBC世界スーパーバンタム級王者の畑中清詞会長(56)が「いろいろ試しながらの10ラウンドじゃなかったんですか」と評した通り、序盤から圧倒しながら無理には突っ込まず、じっくり勝機を待った。

カリージョは顔面を血で染めながら戦意は失わず、果敢に向かってきた。その相手に田中も引き出しを全開にしながら、最終ラウンドにきっちり仕留めた。「最後に倒しきれたのはよかったと思う」と手応えを隠さなかった。

日本時間のこの日午前、米ラスベガスでWBO同級王座決定戦を中谷潤人(M・T)が制し、2階級制覇に成功した。試合の映像は見られていないが、田中は「やっぱり力あるな、と。負けてられない」と刺激を受け、対戦したい1人かの問いに「そうですね」ときっぱり言った。

田中はWBOだけでなく、世界主要4団体で試合前に4位以上の上位にランクされる。畑中会長も「チャンスがあるところで」とこだわりはなく、田中もこの日の試合を「IBF(王者フェルナンド・マルチネス=アルゼンチン)を想定していた」と明かす。

4階級制覇へ確実に歩を進めたが、今後の見通しは不透明だ。田中は「僕は毎日、強くなっている。進化している成果を証明したい。(世界戦は)今年中にできるところで、チャンスがあればやりたい」。4階級目のベルト奪取への意欲をさらに高めた。【実藤健一】

試合後、カリージョ(左)と健闘をたたえ合う田中

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ロマチェンコ「目の前で起きたことが事実。ここで言い訳しない」ウクライナにベルトを持ち帰れず

ヘイニーに判定で敗れたロマチェンコ(AP)

<プロボクシング:4団体統一ライト級タイトルマッチ12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)が約2年7カ月ぶりの王座返り咲き&4団体王座獲得に失敗した。4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(24=米国)に挑戦し、0-3(112-116、113-115×2)の判定負けを喫した。

序盤から試合ペースを握り切れず、終盤から追い上げたものの、競り勝つことはできなかった。

ロマチェンコは「私のイエス・キリストに感謝します。ありがとう。チームのみんなに感謝している。マネジャー、家族、ファンのみんな応援してくれてありがとう。(負けたかどうかは)言いたくない。目の前で起きたことが事実。まだまだボクシングができることをお見せできた。また次回、お会いしましょう。ここで言い訳したくない」と判定結果についての言及は避けた。

20年10月にテオフィモ・ロペス(米国)に敗れてベルトを失ったロマチェンコは母国がロシアの侵攻に見舞われ、自国防衛軍に入隊。昨年6月、当時の3団体統一同級王者ジョージ・カンボソス(オーストラリア)との再戦が中止となった。王座返り咲きのチャンスを1度逃し、ようやくたどり着いた王座返り咲きのチャンスだった。

ロマチェンコは「ヘイニーはあらゆる面ですごかった。彼はもっと強くなるでしょう。タフなファイターだが(階級を超越した)パウンド・フォー・パウンド1位ではない。母国に帰って自分の国を支援していきたい」と言うと、会場に大歓声が響いた。

08年北京オリンピック(五輪)フェザー級、そして12年ロンドン五輪ライト級で連続金メダルを獲得。アマ戦績396勝1敗という記録を持って13年10月にプロデビュー。WBO世界フェザー級王座、WBO世界スーパーフェザー級王座、WBA世界ライト級王座を獲得し、史上最短記録の12戦目で世界3階級制覇を達成した。

同級でWBA、WBC、WBOと3団体を統一してきた「ハイテク(高性能)」と呼ばれてきたロマチェンコだったが、4団体のベルト奪取のチャンスをつかむことができなかった。

判定でロマチェンコに勝利し7度目の防衛に成功したヘイニー(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(右)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコ(奥)と戦うヘイニー(AP)

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【ボクシング】元世界王者・畑中清詞会長のジュニア建人が14連勝で結婚明かし「強い父親に」

畑中建人(2016年12月31日撮影)

<ボクシング:契約52・0キロ8回戦>◇21日◇名古屋市・パロマ瑞穂アリーナ

元WBC世界スーパーバンタム級王者・畑中清詞(56=畑中ジム会長)の息子、建人(25)が、無傷の連勝を14に伸ばした。

WBC世界フライ級13位にランクされる建人は、タイ同級3位のチャウドン・ムアンスック(17)と対戦。3回に右フックでダウンを奪った建人は、立ち上がったところにラッシュで最後はボディーで1分24秒KO勝ちした。

「もう少し試したいことはあったが、ボディーで倒せたのはよかった」と振り返り、「もらわないボクシングができるよう頑張りたい」と目指す世界王座奪取へ課題を明確にした。

また、私生活においても「昨年、結婚をした。今年、子どもが生まれるので強い父親になれるよう頑張りたい」。支えるべき家族ができたことを公表した。

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4団体統一王者ヘイニー「私も歴史に残る。殿堂入りだ」ロマチェンコ下し世界ライト級最強証明

判定でロマチェンコに勝利し7度目の防衛に成功したヘイニー(AP)

<プロボクシング:4団体統一ライト級タイトルマッチ12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(24=米国)が、挑戦者となる元3団体統一同級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)を判定で下して王座防衛に成功した。丁寧に左ジャブを突き、右ボディーストレート、ワンツー、左右ボディーブローで攻め続けて試合ペースを譲らず、3-0(116-112、115-112×2)の判定勝ちで4本のベルトを守り切った。

19年9月にWBC世界同級暫定王座を獲得してから同級で8度目防衛にも成功したヘイニーは「ロマチェンコはいずれ殿堂入りする実力者で、強かったです。本当にタフな相手で、すごいファイター、テクニカルでした。私もこれで歴史に残るでしょう。殿堂入りでしょう」と満足顔だった。

19年にWBC世界ライト級は正王者がロマチェンコ、暫定王者がヘイニーだった。当時からヘイニーが対戦を希望していた「因縁」もあった。29連勝(15KO)無敗で、ユリキオス・ガンボア(キューバ)、ホルヘ・リナレス(帝拳)、ジョセフ・ディアスと王者経験者たちを下し、昨年6月にジョージ・カンボソス(オーストラリア)との2連戦でも連勝。4団体統一王者としてライト級で最強を証明してきた。

しかし前日計量ではナーバスになり、フェースオフ(にらみ合い)の11秒後に両手で思い切りロマチェンコを突き飛ばした。米国出身にもかかわらず、試合当時も一部ファンからブーイングを浴びるなど、ロマチェンコ応援ムードの中で競り勝った。

ライト級にはWBA世界同級正規王者として人気急上昇中のジャーポンタ・デービス(米国)がいる。対戦が決まれば大きな注目を集めることになるが、ヘイニーは「みんなとゆっくり今後のことを考えたい。長い間、この階級で頑張っているので、また今後はゆっくり考える。もちろん体重コントロールは大変ですが、8回防衛に成功したんだ」と笑顔をみせていた。

ヘイニーに判定で敗れたロマチェンコ(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(右)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)
ロマチェンコ(奥)と戦うヘイニー(AP)

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【4団体統一ライト級タイトルマッチ】ヘイニーがロマチェンコに判定勝利、7度目の防衛/詳細

<プロボクシング:4団体統一ライト級タイトルマッチ12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

4団体統一王者デビン・ヘイニー(24=米国)と挑戦者となる元3団体統一同級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)が対戦。12回を戦い3-0の判定でヘイニーが勝利を収め7度目の防衛に成功した。

4団体統一ライト級タイトルマッチ

ヘイニー判定3-0×ロマチェンコ

判定でロマチェンコに勝利し7度目の防衛に成功したヘイニー(AP)

ヘイニーに判定で敗れたロマチェンコ(AP)

◆試合経過

1ラウンド

体格で勝るヘイニーがジャブを突いてじわじわと前に出る。1分すぎにロマチェンコがワンツーが決まる。ヘイニーは左ジャブを突いて様子を見る。終盤にロマチェンコがコーナーにつめて連打も有効打はなし。

【日刊採点】10-9ヘイニー

2ラウンド

ヘイニーが左ジャブを突いてロマチェンコを追う。右ボディーブローも決まる。ロマチェンコはなかなか中に入っていけない。中盤にロマチェンコが細かい連打を繰り出すも効果は薄い。ヘイニーの右ショートパンチがやや有効か。

【日刊採点】10-9ヘイニー

ロマチェンコ(奥)と戦うヘイニー(AP)

3ラウンド

1分すぎまでともに有効打なし。中盤にロマチェンコが軽い左パンチがヒット。ロマチェンコが終始前に出る。ヘイニーは左ジャブをつき、右ボディーアッパーを決める。2分20秒すぎにお互い1発ずつ有効打を決める。お互いペースの奪い合いの微妙なラウンドが続く。

【日刊採点】10-9ヘイニー

4ラウンド

開始早々、ヘイニーのボディーブローが再三ヒット。ロマチェンコもプレッシャーをかけるが有効打には及ばない。2分すぎにヘイニーの右とロマチェンコの左が相打ちに。終盤もヘイニーのボディーブローがヒット。ロマチェンコは手数少ない。

【日刊採点】10-9ヘイニー

ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)

5ラウンド

開始からヘイニーのワンツーがヒット。右ボディーブローも再三ヒット。ロマチェンコのパンチは空を切る。1分すぎにロマチェンコの左ストレートがヒット。ヘイニーは右ボディーブローを返す。2分すぎにロマチェンコが連打。依然として互角の展開が続く。

【日刊採点】10-9ヘイニー

6ラウンド

ヘイニーがじわじわ前進してボディーにパンチをたたきつける。1分半すぎにロマチェンコの高速回転の左の連打が決まる。その後、左ストレートもヒット。2分すぎにヘイニーが右ボディーブローと左アッパーがヒット。

【日刊採点】10-9ロマチェンコ

ロマチェンコと戦うヘイニー(右)(AP)

7ラウンド

30秒すぎにロマチェコの軽い左ストレートが2発ヒット。1分半すぎにヘイニーが右ボディーブローが決める。2分すぎにロマチェンコは連打で前に出るがクリーンヒットはなし。逆にヘイニーの左フックが有効。

【日刊採点】10-9ヘイニー

8ラウンド

ロマチェンコの右ジャブから左ストレートがヒット。50秒すぎにヘイニーの右ボディーブローがクリーンヒット。ロマチェンコは前に出て距離を詰めるが、ヘイニーは左ジャブから右ボディーを決める。ロマチェコのジャブがカウンター気味にヒット、さらに左ストレートも決まる。ヘイニーが右ボディーブローを返す。会場からロマ、ロマとロマチェンココール起こる。お互いクリーンヒットなし。

【日刊採点】10-9ロマチェンコ

ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)

9ラウンド

ヘイニーの左フックがオープニングヒット。最初の1分半は両者手数が少ない。ロマチェンコが左ストレートでヘイニーをロープに追い込んで連打。2分すぎにロマチェンコの左が再びヒット。ヘイニーはやや手数が減る。

【日刊採点】10-9ロマチェンコ

10ラウンド

ヘイニーが左ジャブでプレッシャーをかける。1分すぎにロマチェンコが連打から右アッパーを決める。ヘイニーの反撃はしっかりガード。2分すぎにヘイニーの右ボディーアッパは入ると、ロマチェンコの動きが止まる。

【日刊採点】10-9ロマチェンコ

ロマチェンコと戦うヘイニー(左)(AP)

11ラウンド

開始からロマチェンコがじわじわと前に出る。ロマチェンコの左ストレートから右が決まる。1分すぎにロマチェンコの右でヘイニーのあごが上がる。ロマチェンコの右ジャブ、左ストレートがヘイニーの顔面をとらえ、ボディーブローも効果的。残り1分はロマチェンコの手数が減る。

【日刊採点】10-9ロマチェンコ

12ラウンド

ヘイニーが右ボディー、ロマチェコが左ストレートで打ち合う。1分すぎにロマチェンコが左ストレートから連打。ヘイニーも右フックを返す。中盤は打ち合いも両者ゆずらず。2分すぎにヘイニーの右ボディーブローがヒット。ロマチェンコは前に出て連打。試合終了のゴングが鳴ると両者ともガッツポーズで勝利をアピール。どちらが勝ったか分からないようなヤマ場のない採点の難しい試合になったが、116-112、115-113、115-113の3-0の判定でヘイニーが勝利を収めて、7度目の防衛に成功した。

【日刊採点】10-9ロマチェンコ

挑戦者の元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(右)とフェースオフした4団体統一同級王者デビン・ヘイニー(トップランク公式インスタグラムから)

計量後のフェースオフでワシル・ロマチェンコ(右)を両手で突き飛ばした4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(トップランク公式インスタグラムから)

■19年にWBC世界ライト級は正王者がロマチェンコ、暫定王者がヘイニーだった。当時からヘイニーが対戦を希望していた「因縁」もあった。29連勝(15KO)無敗で、ユリキオス・ガンボア(キューバ)、ホルヘ・リナレス(帝拳)、ジョセフ・ディアスと王者経験者たちを下し、昨年6月にジョージ・カンボソス(オーストラリア)との2連戦でも連勝。4団体統一王者としてライト級で最強を証明してきた自負があるのだろう。

一方のロマチェンコは母国がロシアの侵攻に見舞われ、自国防衛軍に入隊。昨年6月、当時の3団体統一同級王者カンボソスとの再戦が中止となった。王座返り咲きのチャンスを1度逃し、ようやくたどり着いた王座返り咲きのチャンスとなる。

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中谷潤人、世界に衝撃与えた「消えるパンチ」3階級、4階級制覇する力秘める/大橋秀行評論

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフライ級王座決定12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

元WBO世界フライ級王者・中谷潤人(25=M・T)が世界2階級制覇に成功した。WBO世界スーパーフライ級王座決定戦に出場し、同級1位として同級2位アンドルー・モロニー(32=オーストラリア)とベルトを懸けて争い、12回2分42秒、KO勝ちで王座獲得に成功。日本ジム所属では史上17人目の世界2階級制覇を成し遂げた。日刊スポーツ評論家の大橋ジム・大橋秀行会長(58)が圧勝劇を解説した。

    ◇   ◇   ◇

衝撃のKOシーンだった。試合終了間際の“ワンパンチKO”は世界でもめったにない。しかも、米ラスベガスでの注目の興行で全世界に配信されている。判定でも中谷の勝利だったが、結果が判定とKOでは価値がまるで違う。世界への最高のアピールになった。

中谷の最大の武器でもある長距離からの左ストレートが効果的だった。12回もこのパンチがモロニーの頭にあったのだろう。だから左ストレートと同じ打ち方で振り抜いた、最後の左ロングフックは見えていなかった。“消えるパンチ”だったから効いた。

モロニーも中谷をよく研究していた。左対策でガードを高く上げて、開始からグイグイと前に出てきた。その相手の堅いガードの合間を縫うように中谷は左右のアッパーを突き上げ、2回に先制のダウンも奪った。その対応力にも目を見張るものがある。

唯一、課題が見えたのは接近戦。フライ級では接近戦でも相手を圧倒していたが、この試合では何度かペースを奪われ、無理に打ち合って不用意にパンチを食うシーンが2、3度あった。相手がもっとパンチ力のある選手であれば、その1発が致命傷になる。そこは気を付けたい。

とはいえ中谷がこのクラスでも傑出した選手であることは疑いようもない。長身でリーチがあり、パンチも強い。12回を戦い抜くスタミナも証明した。スーパーフライ級でも彼と互角に戦える選手はいないだろう。このまま3階級、4階級を制覇する力を秘めている。(元WBC、WBA世界ミニマム級王者)

世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(左)(AP)
世界2階級制覇に成功した中谷潤人(AP)

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京口紘人が6カ月ぶり再起戦で判定勝利 亜希夫人と結婚後初リングのフライ級初戦で白星発進

復帰戦に勝利し、“あきまっくす”こと亜希夫人(右)から褒められる京口(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:DANGAN259大会>◇20日◇東京・墨田区総合体育館

前WBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人(29=ワタナベ)が再起戦を飾った。

ローランド・ジェイ・ビエンディーマ(27=フィリピン)とのフライ級10回戦に臨み、3-0(100-90×3)のフルマーク判定勝利。昨年11月、寺地拳四朗(31=BMB)とのWBAスーパー、WBC世界同級王座統一戦に敗れて以来、約6カ月ぶりの再起戦を飾った。

京口は「今日テーマにした勝つことはできたが、中盤以降、ダラダラと考えながらやってしまった。フラストレーションがたまってしまったと思う。豪快なKOを見せたかったが、拳痛めた。それは言い訳。勝っただけで課題の残る試合だった。右拳を痛めて左拳も痛めてしまった。17戦にして初めてぐらいの痛みだった。やっぱりKOしたかった」と振り返った。

今年1月に結婚した元インフルエンサー「あきまっくす」こと亜希夫人(33)特製の鶏雑炊で減量で疲れた肉体を回復。アスリートフードマイスター3級の資格を取得している同夫人の食事面のサポートを受けつつ、フライ級初戦に備えて体重面のデータを取得。ミニマム級、ライトフライ級に続く世界3階級制覇に向けた準備を進めている。結婚後初試合を白星で飾り、世界3階級制覇に向けて弾みをつけた京口は「勝ってリングに残れたのでサポートしてくれた妻には感謝したい。プロ初黒星を喫し、勝ち続けることが人生ではない。さらに立ち上がって勝てることがあると思う」と口にした。

復帰戦に勝利し、“あきまっくす”こと亜希夫人(右)から褒められる京口(撮影・狩俣裕三)
登場する京口(撮影・狩俣裕三)
9回、ジェイ(左)に強烈な右フックを食らわす京口(撮影・狩俣裕三)
10回、ジェイ(左)に強烈な左ボディーを食らわす京口(撮影・狩俣裕三)
10回、ローランド・ジェイ(左)に右フックを食らわす京口(撮影・狩俣裕三)
10回、ローランド・ジェイ(左)を攻め込む京口(撮影・狩俣裕三)
10回、ローランド・ジェイ(左)に右フックを食らわす京口(撮影・狩俣裕三)
ジェイに判定勝ちし、ラウンドガールのRIHO(左)と大泉百華(右)と記念撮影する京口(撮影・狩俣裕三)

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元世界王者尾川堅一「決まったらすぐに」元3冠王者岩田翔吉「いつでもいい」世界戦へ準備万全

すみだボクシング祭り2023のイベントに参加した元IBF世界スーパーフェザー級王者尾川堅一(左)と元ライトフライ級3冠王者岩田翔吉

プロボクシング元IBF世界スーパーフェザー級王者尾川堅一(35)、元ライトフライ級3冠王者岩田翔吉(27=ともに帝拳)が20日、東京・墨田区総合体育館で開催されたすみだボクシング祭り2023のイベントに参加した。来場したファンとのミット打ちや記念撮影会などに出席し、尾川は「最高です」とファンとの交流に笑顔。岩田も「エネルギーをもらいました」とうなずいた。

4月1日に再起戦を終えたばかりの2人は2週間前後の休養を経てジムワークを再開している。昨年6月に王座陥落して以来の世界返り咲きを狙う尾川は現在、IBFで6位、WBCで8位にランクしている。「まだ次戦について話は聞いていないが、(世界戦が)決まったらすぐにできるぐらいにしておきたい」と意欲を示した。

9月頃に次戦が予定されているという岩田は「今、めちゃめちゃ調子がいい。自分も(世界再挑戦は)いつでもいいです」と準備を整える意気込み。昨年11月、WBO世界ライトフライ級王者ジョナサン・ゴンサレス(プエルトリコ)に判定負けして以来となる世界挑戦を待ち構えていた。

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【ボクシング】4団体統一王者ヘイニーがロマチェンコを両手で突き飛ばし一触即発、因縁あり興奮

挑戦者の元3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(右)とフェースオフした4団体統一同級王者デビン・ヘイニー(トップランク公式インスタグラムから)

プロボクシング4団体統一ライト級タイトルマッチは20日(日本時間21日)、米ネバダ州ラスベガスで開催される。19日(同20日)には前日計量が同地で行われ、4団体統一王者デビン・ヘイニー(24=米国)、挑戦者となる元3団体統一同級王者ワシル・ロマチェンコ(35=ウクライナ)がそろって登場。ヘイニーは134・9ポンド(約61・18キロ)、ロマチェンコは135ポンド(約61・23キロ)でそれぞれクリアした。

フェースオフ開始から約11秒後だった。顔を近づけたヘイニーは何かを話しながら平静を失い、両手でロマチェンコを思い切り突き飛ばした。陣営ら関係者に抱きかかえられて事なきを得たロマチェンコに対し、ヘイニーは陣営らチームとともに興奮状態でステージから飛び出した。

統一王者ヘイニーは「私がどれほど簡単に彼を押し返したか分かるか? 彼は体が小さい。私は彼に私の気持ちを押しこむつもりだ」と感情をあらわにしたが、ロマチェンコは冷静そのもの。「彼は私の手中だ。彼には力がない…怖いのだろう」と興奮気味だったヘイニーを分析していた。

19年にWBC世界ライト級は正王者がロマチェンコ、暫定王者がヘイニーだった。当時からヘイニーが対戦を希望していた「因縁」もあった。29連勝(15KO)無敗で、ユリキオス・ガンボア(キューバ)、ホルヘ・リナレス(帝拳)、ジョセフ・ディアスと王者経験者たちを下し、昨年6月にジョージ・カンボソス(オーストラリア)との2連戦でも連勝。4団体統一王者としてライト級で最強を証明してきた自負があるのだろう。

一方のロマチェンコは母国がロシアの侵攻に見舞われ、自国防衛軍に入隊。昨年6月、当時の3団体統一同級王者カンボソスとの再戦が中止となった。王座返り咲きのチャンスを1度逃し、ようやくたどり着いた王座返り咲きのチャンスとなる。

計量後のフェースオフでワシル・ロマチェンコ(右)を両手で突き飛ばした4団体統一ライト級王者デビン・ヘイニー(トップランク公式インスタグラムから)

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【ボクシング】元世界王者の矢吹正道が練習中に左アキレス腱断裂 次戦の世界前哨戦は延期に

矢吹正道(2023年1月28日撮影)

ボクシングの元WBC世界ライトフライ級王者矢吹正道(30=緑)が、練習中に左アキレス腱(けん)断裂の大けがを負ったと所属ジムが19日に発表した。

矢吹は18日に名古屋市内のジムでスパーリング中に負傷。手術を要し、復帰までには4~5カ月かかる見込みという。

矢吹は1月にIBF世界ライトフライ級次期挑戦者決定戦でロナルド・チャコン(ベネズエラ)に11回TKO勝ち。次戦は8月にWBC世界ライトフライ級7位、WBA同級9位エステバン・ベルムデス(メキシコ)を相手に世界前哨戦が決まっていたが、延期となる。

再び世界王座への道が開けていた矢先。試練は乗り越えるしかない。

矢吹正道(2023年1月28日撮影)

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京口紘人が再起戦へ計量パス 亜希夫人も同行「奥さんの鶏雑炊で回復」3階級制覇へフライ級初戦

対戦相手のローランド・ジェイ・ビエンディーマ(右)と計量パスした元世界2階級制覇王者・京口紘人

プロボクシング前WBA世界ライトフライ級スーパー王者京口紘人(29=ワタナベ)が世界3階級制覇を見据え、フライ級初戦に臨む。

20日、東京・墨田区総合体育館でローランド・ジェイ(27=フィリピン)との同級10回戦を控える。19日には同会場で前日計量に臨み、100グラム少ない50・7キロでクリア。ジェイも50・5キロでパスした。

昨年11月、寺地拳四朗(31=BMB)とのWBAスーパー、WBC世界同級王座統一戦に敗れて以来、約6カ月ぶりの再起戦となる。計量クリア後には1月に結婚した元インフルエンサー「あきまっくす」こと亜希夫人(33)特製の鶏雑炊で減量で疲れた肉体を回復させた京口は「奥さんの鶏雑炊と水分でおなかいっぱいです。フライ級とはいえ、減量はきつかったですねが、万全にはできたかなと。あとはリングで動けるかだけです」と気持ちを引き締めた。

アスリートフードマイスター3級の資格を取得している同夫人の食事面のサポートを受けつつ、フライ級初戦に備えて体重面のデータを取得。ミニマム級、ライトフライ級に続く世界3階級制覇に向けた準備を進めている。京口は「ミニマム級からライトフライ級にした時、エネルギッシュな部分を感じた。今回、耐久力とかエネルギッシュなところをフライ級で感じられれば」と強調。プロ初の再起戦となるが「テーマは『勝つ』です。勝たないといけないというのは今まで以上に大きいし、負けられないです」と結婚後初試合を白星で飾る意気込みを示していた。

計量クリア後、減量の食事面をサポートしてくれた亜希夫人(右)と写真撮影に応じた元世界2階級制覇王者・京口紘人
再起戦へ計量クリアした元世界2階級制覇王者・京口紘人
計量クリア後、ローランド・ジェイ・ビエンディーマ(右)とフェースオフした元世界2階級制覇王者・京口紘人

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