4月9日のゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)対村田諒太(36=帝拳)の世界ミドル級王座統一戦に始まった世界チャンピオン同士の試合は、14日(日本時間15日)のスーパー・ウェルター級4団体王座統一戦まで6週連続で行われた。このあとも井上尚弥(29=大橋)対ノニト・ドネア(39=フィリピン/アメリカ)など次々とチャンピオン同士の好カードが予定されているが、その前に6試合を総括してみたい。
4月から5月にかけて行われた6試合は以下のとおりだ。
■4月9日@日本 WBA、IBF世界ミドル級王座統一戦
〇ゲンナディ・ゴロフキン 9回TKO ●村田諒太
※戦前のオッズは5対1でゴロフキン有利
■4月15日@アメリカ WBA、WBC、IBF世界ウェルター級王座統一戦
〇エロール・スペンス(アメリカ) 10回TKO ●ヨルデニス・ウガス(キューバ)
※戦前のオッズは6対1でスペンス有利
■4月23日@英国 WBC世界ヘビー級団体内王座統一戦
〇タイソン・フューリー(英国) 6回TKO ●ディリアン・ホワイト(ジャマイカ/英国)
※戦前のオッズは9対2でフューリー有利
■4月30日@アメリカ WBC、WBO世界スーパー・フェザー級王座統一戦
〇シャクール・スティーブンソン(アメリカ) 12回判定 ●オスカル・バルデス(メキシコ)
※戦前のオッズは5対1でスティーブンソン有利
■5月7日@アメリカ WBA世界ライト・ヘビー級タイトルマッチ
〇ドミトリー・ビボル(キルギス/ロシア) 12回判定 ●サウル・カネロ・アルバレス(メキシコ)
※戦前のオッズは4対1でアルバレス有利
■5月14日@アメリカ 世界スーパー・ウェルター級4団体王座統一戦
〇ジャーメル・チャーロ(アメリカ) 10回KO ●ブライアン・カスターニョ(アルゼンチン)
※戦前のオッズは7対4でチャーロ有利
世界チャンピオン同士の対決とあってゴロフキン対村田、スペンス対ウガス、チャーロ対カスターニョなど見応えのある試合が続いた。このなかで圧倒的な力を見せつけたのがフューリーで、暫定王者に何もさせずに一蹴した。
スティーブンソンはバルデスの強打を空転させて大差の判定勝ちを収めた。2016年リオデジャネイロ五輪銀メダリストは順調に成長しているが、物足りなさも感じさせた。今後は魅せるボクシングも求められることになりそうだ。
オッズどおりの結果が多かったが、唯一の番狂わせがビボル対アルバレスだった。世界的にみれば6試合のなかで最も注目度の高かった一戦だが、体格で勝るビボルが巧みな試合運びと手数で人気者を破るという結果に終わった。年内に再戦という計画が浮上しているだけに今後の交渉に注目が集まる。
このあとも再びチャンピオン同士の注目ファイトが続く。
★6月5日@オーストラリア 4団体統一世界ライト級タイトルマッチ
ジョージ・カンボソス(オーストラリア)対デビン・ヘイニー(アメリカ)
★6月7日@日本 WBA、IBF、WBC世界バンタム級王座統一戦
井上尚弥対ノニト・ドネア
★6月18日@アメリカ WBC、IBF、WBO世界ライト・ヘビー級王座統一戦
アルツール・ベテルビエフ(ロシア)対ジョー・スミス(アメリカ)
特に日本のファンにとっては井上対ドネアが気になるところだ。2年半前の初戦は歴史に残る激闘だったが、今回はどんな試合になるのか楽しみだ。井上が付け入るスキを与えずに完勝するのか、はたまたドネアが雪辱を果たすのか。オッズは14対3で井上有利と出ている。